超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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趣味は人生において大切!!「趣味の薪ストーブ」も道具次第

 冒頭写真、私の、とあるユーザーさん(つまりMD70Kissユーザーさん)から頂いたLINEメッセージです。画像でなくテキストに起こしますとこんなことを仰っていました。

薪ストーブ/暖炉の一連の作業や周辺の備品って趣味の世界だな〜って思います。

40年前に亡くなった叔父が、藤田田さん(日本マクドナルドの創業者でソフトバンク孫正義さんの師匠)と懇意で、当方子供の頃良く藤田田さんの書いた本を貰いました。

その中に、趣味分野での息の長いビジネスに必須な要素として、①少し特別感(少し周りと違う、上流階級からの浸透だとなお良い)がある事、②道具が必要で、ある程度道具に左右される事。例えば、スキー、ゴルフが該当する、と良く書いてありました。で、藤田さんはスキーやゴルフの輸入販売用にリーベンマン•ウェルシェリーの日本法人をはじめたそうです。ジョギングは、もし道具がコラボできたら成長する、ともありました。当時、一度爆発的に流行って廃れてしまい、息の長いブームになりませんでしたが、現在はシューズやアップルウォッチが出てきたりして予想通りですね。

薪ストーブ/暖炉も①②に該当するので、大屋さん、良いビジネスだと思います。\(//∇//)\。

 私は、ユーザーさんには、ものすごく恵まれておりまして、この仕事を通してでないと仲良くさせていただくご縁は頂けなかったなと思うユーザーさんがいっぱい、と申しますか、皆さん「タダモノではない」方ばかりです。たとえばこんな方。

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 私のユーザーさんは、それぞれが、暮らしに、仕事に何かしら人並外れて真剣に向き合っていらっしゃる稀有な方ばかりなので(そもそもこんな長文を読める方って、今の世の中、少ないです)、その稀有な皆さまから学び、気付きを得ることって、ホントいっぱいあります。

 そういうわけで、どこのどなたかはご意向により伏せますが、冒頭のLINEメッセージを頂いた方も、その世界では非常に有名な方で、私はその方からも色々学ばせて頂いているのですが、このコメントは、特に、考え込んでしまったのです。

 何故なら私は、薪ストーブ屋でありますが、普通の薪ストーブ屋さんと違って、というか真逆くらいじゃないかと思うのですが「趣味の薪ストーブ」ではなく「暮らしのための薪ストーブ」を提供するという趣旨で事業を展開しております。

 最近は、この先行き不透明なご時世のもと、もはや暮らしどころか『生き残るための薪ストーブ』という触れ込みで、事業を展開しております。

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 そんな、私の訴えが影響しているのか??わかりませんが、モキ製作所の薪ストーブでMD70K、登場後何年も経っているモデルですが、今シーズンは売れに売れて、昨シーズンあたりからの傾向に基づき生産台数を増やしてしていたにも関わらず、現在、大規模な在庫切れを起こしています。

 そんな状況ですので「ああ、薪ストーブに関する私の主張というのは、世の中でも一定の層が共有頂いているのかな」と思うのですが、その一方で、薪を供給されているお友達、こちらの方にお聴きすると、薪のニーズの大勢は「趣味の薪ストーブ」が、まだまだ圧倒しているそうです。

www.wanomori.net 具体的には、薪に対するニーズは、「太く!もっと太く!!」だそうなんです。理屈上確実に言えるのは、そんな太い薪を使うには、本体が冷えたゼロからのスタートなら、1回焚くのに20kgくらいは使うし、部屋でなく本体が暖まるにも1時間以上かかるような重量級タイプの薪ストーブが必要です。

 私はそんな薪ストーブを自分が扱う薪ストーブとは対極にある「趣味の薪ストーブ」と位置付けてきました。なぜなら、そのようなタイプの薪ストーブは、端的には週末だけ、ないし平日の夜だけの運用が精一杯で、こんな忙しい朝の主暖房としても使うとかいうのは、まず無理というのが実際だからです(年間12立米以上とか、我が家の6倍以上の量の薪を使って、24時間焚きっぱなしにする分には使えますが)。

aiken-makiss.hatenablog.com ……いや~~今思えば、↑この頃は「趣味の薪ストーブではなく、日々の暮らしに実際に使える薪ストーブが、世の中には実際にあるんです!!信じてくださーい!!!」ということをわかってもらいたくて、本当に必死でした。自分的には、隔世の感があります(笑)

 なにしろ、今や、私にお声掛け頂く皆さん、誰もが「薪ストーブで暮らしたい」という方ばかりですから(一貫して、そういう事業を継続していますから、当然と言えば当然なんですけど)。

 けど、冒頭のLINEメッセージの方もですが、暮らしの主暖房として使いたいと仰りながら、私のユーザーさんが、導入のご相談時に、まず口をそろえて仰るのが

 

「やっぱり、炎も見たい」/「炎が見られないと、寂しい」

 

冒頭LINEメッセージを頂いて、私は、この「趣味」というものの人生における位置づけについて、今さらですが、改めて考え込んだのです。

 この方も、とても豊かな趣味人です。何しろ「薪ストーブ」ではなく、本物の「暖炉」を別宅にはお持ちなのです、そう、家の壁の中に生の焚き火をするスペースが埋め込まれているものです。趣味としての炎を楽しむ、そのことを誰よりもご存知です。

 私も、炎の暮らしを始めてもう何年かな?……今や、炎を整えていくのは、心を整えていくことと等しく、また炎を静かに見つめるのは、その薪のもとである木という生命に思いを馳せたり、炎を命に見立てたり、あるいは同じく限りある生命である自己との対話そのもの……これは、今さら言うまでもない「当然」のことになっています。

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 すなわち、これは私にとっては、暮らしの中の「当然」の一部であって、これが「趣味」だなんて、思いもしませんでしたが、よく考えてみたら、これは「趣味」です、確かに。だって純然たる実用だけなら、そんなの全く必要ないですから。

 そもそも、趣味って、どういう意味があるの??と問われて、とりわけ上流階級的な回答をするならば、おそらく、そこに何かしらの対話があり、発見があり、結果的に自分自身を高めてくれる、大袈裟でしょうけど「魂」レベルで高めてくれる、そういうものです。

 具体例を挙げれば、私も趣味にしておりますが楽器演奏にもそういう意味が間違いなくあります。自分自身の精神、肉体との対話、何世紀も時を越えて受け継がれてきた、この世界における普遍的真理との真剣勝負の対話です。

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 私も、冒頭のLINEメッセージで、一番引っ掛かったのは「上流階級」、私自身は、そんな上流階級の人間ではなく、父親が高卒で一部上場企業に入ってすごく頑張ってくれた恩恵をすごく受けただけの庶民階級の人間ですが、確かに、生きていくだけで精一杯だと、そんなの「対話なんか、やってられるかー!!」の世界になってしまいます。

 仕事その他以外に、ストレス解消や、いわゆる癒しのための時間というのは大事です。貧富を問わず誰にとっても。趣味はそのための時間の使い方としても使われます。逆に、そんな中で自己との対話レベルなどの趣味が成立するには、確かに上流階級的な要素が必要にはなるなと。

 ですので、私自身は、実は、全くというほど自覚していなかったですが、薪ストーブは、本質的に確かに「趣味」なのです。だってエアコンやガスコンロやIHヒーターで「スイッチオン」でやれることを、わざわざ手間と時間かけて超アナログな方法でやるんだもの。

 で、対話のような趣味的な豊かさを保ちながら、それが普段の暮らしにも使えますよ、というのは、確かに道具に依存する部分が大きいです。ちょっと意地悪な言い方をすれば、純然たる趣味として趣味が成立し得るほどには、心や暮らしに余裕があるわけではない、ということです。おそらく、誰にとっても。

 走ることがより快適になるようサポートしてくれる優れたシューズや、健康管理という実利のためのデータとして積極活用できるアップルウォッチが、ジョギングの趣味としての息の長い定着を助けた、というのは、言われてみれば、まさに、その通りなのです。そして優れた道具次第という部分で、結果的に、上流階級の趣味になっていると言っていいでしょう。

 やっぱり私は、そうなってくると、自分が独立してまで事業を営むに至り、様々な得難いご縁をもたらしてくれている薪ストーブについて、やっぱり、趣味、しかも、上流階級から流れてきたと言えるものであることを、これはキッチリ認識するべきだなと、思ったわけです。

 

 なりたい自分になるために、道具の助けを借りて、その憧れを辿って行ったのだなと

 

 今の現実はどうあれ、人間は、イメージの生き物です。イメージをしっかり思い描いて、諦めずにひたむきな努力を続ければ、そこに確実に近づいていくことができます。

 毎日の時間を自然に抱かれるように過ごしながら、素敵な風景と、そこで暮らす素敵な人々に逢いに行くために、全国を旅して暮らすーー映像作家さんご夫妻の、そのコンセプト自体が、もはや趣味以外の何物でもないところからスタートしているような世界ですが(内装の細部のこだわり、ホント、凄まじかったです!!)、その暮らしにどうしても欠かせないと位置付けられていたのが薪ストーブです。

 この素敵な空間にお納めさせて頂いたのが、ご存知「サラマンダーストーブ」。唯一無二の選択でした。どのような薪ストーブなのかは、こちらの記事で詳しく解説しております。

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 この映像作家さんご夫妻の暮らしは、生活空間そのものであるキャンピングカーの内装(全てDIYです、薪ストーブ設置も含めて)などから伺い知れるように、趣味全開でありますが、しかし、生きるか死ぬかの真剣勝負そのものでもあります。そこで用いられる道具には、趣味とはいえ、実用性ないし現実との調和が、非常に高いレベルで求められます。

 海外の経験もあるご主人が探して探して「これだ!」と選ばれたサラマンダーストーブは、ちなみに、暖房対象となる空間の大きさ、それから制約条件(本件の場合も、そもそも、体積の大きな薪を保管できません)によっては、純粋に実用面から辿っても最適解になります。

 やっぱり、冒頭LINEメッセージでユーザーさんが仰られたことは、すごく正しくて、趣味、しかも上流階級の流れを汲む「対話」的な要素を多分に含む趣味は、人生においてものすごく大切で、それが実際に魂を高めてくれるか、現実の日々の暮らしと両立し得るかどうかは、まさに「優れた道具次第」なのです。

 

 そういうわけで、普段散々申し上げていますが「ちゃんと生き残る」ことは、一度きりの人生という舞台を全うする上で何よりも大切で、残念ながら今の時代はそれが困難になりつつありますが、それでも同じ人生を送るなら、ご自身の趣味も大切にして、人生をより充実したものにして頂きたく。

 なお、映像作家さんご夫妻、今のところWeb上では「沈黙」なさっています。本業たる撮影道具へのこだわりなんて、私も銀塩カメラの時代に6×7判が欲しい!と本気で思っていたくらいなので、少しだけ心得もないわけではないのですが、拝見したらホント凄まじかったです。すでにこのキャンピングカーでの旅も始めていて、公開したら世間が飛びつくような映像素材なんて、山のようにあるように私などは思うのですが……まだ、蓄積をするための期間のようです。ご夫妻が映像を公開始めましたら、当ブログでもご案内しますのでお楽しみに♪

 ともかく暑かったり大雨だったり、その他、色々ありますが、どうぞ、あなたさまにおかれましても、与えられた一度きりのチャンスを生かし、なりたいものに近づけていって頂けますように……それでは、また!お元気で。