桜の満開の便りが北国からも聴かれるようになる頃、薪ストーブのシーズンは、一般的には終わりますが、実際には防災時がそうであるように、人が暮らしていくには何かしら熱源が必要で、そういう「暮らしのための薪ストーブ」はまだ続きます。弊社のユーザーさんの中には、いわゆる夏になっても果敢に(笑)続けられる方も実際にいらっしゃいます!!
ご飯を炊いて、焼売蒸して。便利やなー薪ストーブ。
— かじっ (@smart5qp) 2020年6月28日
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薪ストーブの炎がある、そのことならではの「贅沢感」を暮らしの中に取り入れるのは、もちろん素敵ですし、それは「薪次第」でいくらでも可能なんですが……ちなみに「薪次第」について解説すると次のような感じ。本題ではないのでサラッと。
- 薪ストーブ本体(炉内)を、やたらめったら蓄熱させることができるくらいの多量(例えば20キロぐらい?)の薪を、集中的に燃やして発生させた熱量で愉しむ「じっくりオーロラ燃焼」「長時間ゆったり炎」など
- 単独でもじっくり燃えてくれるような高密度高熱量(要するにズッシリと詰まっているのにすごく乾いている上質の薪)を用いた「じっくりオーロラ燃焼」「長時間ゆったり炎」など
しかし、そういう贅沢は、暮らしの中ではお客さん(例えば気の置けない関係とまではいえない)が来て、おもてなしをするとか、何かしらパーティをするとか、そんな「ちょっと気取ってみたいとき」だけで充分で、普段はそれこそ安価な薪を少量だけ使って、薪ストーブにはあまり手間をかけないようにしながら「生活を回す」わけです。
youtu.be 極端な話ですが、私自身は、冷蔵庫、洗濯機、薪ストーブ……くらいに思っていまして、実際問題、冬場のエアコンと電子レンジを完璧に代替してくれる活躍を見せてくれます。そんな「頼りになる存在」。
つまり、私にとって薪ストーブは「ちょっと気取ってみたいとき」や「独り炎を眺めてボーっとしたい時」の、かけがえのない道具である以上に、忙しい普段の暮らしにおいても安心して背中を任すことができる「切れ味鋭い実用品」であるわけです。
そんな薪ストーブから繰り出されるのは、いかに手数少なく、短時間で作成と片付けが可能で、けど栄養のバランスも取れていて、美味しくて、満足度も高い食事。今回は、そんな超手抜き超簡単だけど定番として暮らしが回せるメニューのご紹介です!
1.β-カロテンは油で吸収が良くなる
ここで、いきなりハードル上げますが、薪ストーブの天板の最大の利点は均一な熱回りで、野菜が甘く、柔らかく加熱できること。要するに圧倒的に焦げにくいままで調理ができるのですね??その利点をさらに増強するのには「包熱効果」のある調理器具がむちゃくちゃおススメです!!
aiken-makiss.hatenablog.com そして、包熱効果のある調理器具を使うことで、味が最も変わる食べ物こそ、β-カロテンを含む食品の代名詞「ニンジン」!!
よくあるステーキの付け合わせで出てくるグラッセは、グニャグニャでバターと砂糖みたいな感じで美味しいとは思えないのですけど、包熱効果の強い調理器具を使って油と加熱したニンジンは、せり科本来の鮮烈さと甘みが同時に発揮されて美味しいのです!!
で、手抜き簡単料理の場合、短時間で出来上がって欲しいので、火の通りやすいように薄切りにします。また皮は剥かずにそのままです。β-カロテンは皮の下に一番多く含まれるし、皮を剥かないのは時短だし、薄切りにすれば食感も全然気にならないので合理的です。
油を入れた鍋に投入して、蓋(オーブンタイプなら薪ストーブの広い天板で余熱しておくと尚良い)をして包熱効果のもとで油を馴染ませつつ、全体を柔らかくします。
2.食物繊維と旨味はキノコにお願い!
ニンジンを加熱している間に、キノコを素早く用意します。種類は気分とお好みで。キノコも油と相性良いと思いますし、加熱し過ぎとかに神経質になることもないと思います。
食物繊維は海藻でも良いのですが、私には難度が高い気がして……キノコなら風味も味も複雑さが増すし、食材のバリエーションも多いし、ともかく気を遣わなくて調理できるので簡単便利(笑)
えいっ!!ドサドサとキノコを加えて、一緒に油と炒め合わせてしまいます。ニンジンの色素でほんのりオレンジになった油がキノコに吸われて「栄養回収率」的にも安心です!(笑)この段階の終わり頃は、次の青菜のために鍋の温度も最高潮状態にしておきます。
記事は、基本的には「栄養バランスにも優れた美味しい野菜料理」なのですが、青菜を投入する直前の状態の動画です。けっこうな炎で、ニンジンからの水蒸気だけでも、無水鍋が激しく鳴ってます。 pic.twitter.com/TRniza7Zyp
— 大屋@薪ストーブ事業 (@aiken_makiss) 2021年3月31日
3.鍋が充分熱くなったところに旬の新鮮青菜を豪快に
ご近所さんから頂きました。春でしたらアブラナ科の青菜が美味しいです♪♪青菜は火を通し過ぎるとビタミンCが破壊されてしまうために、あと何よりも折角の「ちょうどいい」、緑色が一番濃くなるタイミングで加熱をやめたいので、最後にします。
青菜は何でも良いと思います。あと夏でしたら、青菜の直前にピーマンを入れても栄養も強化されて良いかもです。
……テンコ盛りで若干非常識な感じもしますけど(笑)実際には水分が出てきて相当「シュン」と縮みますので、その水分で蒸されて無水調理が可能になりますので大丈夫です!ポイントはできるだけ新鮮な、瑞々しい青菜を使うことです。
あとは青菜調理の基本中の基本ですが、強加熱状態からスタートさせるということです。できるだけ短時間で、一気に必要な加熱を終了させます。これによって分解されやすい葉緑素&ビタミンCが保全され、色合いと風味も増します。とても加熱技術を要する段階です。
美味しそうな色艶になったら出来上がりです♪♪余熱は野菜の大きさ(一片ごとの分厚さ、火の通り難さ)によって何分か置きますが、この例の程度では「余熱ナシ」でも大丈夫です!加熱し過ぎにならないうちにお皿に移します。
記事ではお料理が出来上がった頃の、実際の動画となります。なにしろ安価なすぐ燃え尽きる薪で暮らしてますので、炎はそれなりに収まりつつあって、青菜が美味しそうに火が通っています。 pic.twitter.com/Z5IMBIiN1A
— 大屋@薪ストーブ事業 (@aiken_makiss) 2021年3月31日
4.適切なタイミングでタンパク質の食材も加えておきましょう
薪ストーブの天板+包熱効果の高い鍋の組み合わせは、本来の甘さを引き出しつつ栄養の損失を最小限にした野菜をたくさん食べましょうということが、健康と満足を高めるためのポイントですが、やはりタンパク質も大事です。
これもお好みで、肉でも魚でも豆腐でも良いのですが、火の通し方のベストは、それぞれの食材の種類、食材の状態によって異なるので、ここは都度考えなければならない部分です。
例えば豚肉の薄切りならニンジンと同時とかで全然いけるでしょうし、白身の魚なら青菜が「シュン」となってからくらいの方が柔らかさや風味も残って良いでしょう。お豆腐も最後の方がいいですね。納豆も意外といけます(笑)
写真は白身魚のタラですが、実はこれカッチンコッチンに凍っているものなのです。ですので青菜の直前に入れましたが、結果を言えば、最後にこれだけちょっと残して加熱を追加しなければならなかったので、キノコのタイミングが良かったかな~~
このタンパク質の選択と調理は、その時に手に入る食材で良いと思いますが、難しい部分ではあるので、たとえば溶き卵&オイスターソースみたいな組み合わせだと最後の最後にちょっと足すだけなのでラクです。
5.完成です♪♪おいしくいただきましょう!!
……性格が出てますね、「エイヤー!」過ぎ(笑)アブラナ科の青菜とタラだとマヨネーズが相性抜群なので、そのようにしましたが、これは必殺「めんつゆ」とかでも便利でしょうし、オイスターソースとお酢と醤油みたいな組み合わせも地味に旨いです。
この料理(?)の特徴は、薪ストーブの本領発揮の部分があるのですけど、とにかく素材の味を最大限に引き出していっているところにあります。野菜嫌いの我が家の息子も食べます(野菜が堅くて噛むの大変!とか文句は出ますが)。よって調味料はお好みのもので適当でいけます。お好み焼きソースとかも野菜嫌いの人も食べやすいかも。
今の世の中、ポン酢とかもそうですけど、色々「つけるもの」って提案あるじゃないですか。当地名古屋だとこれも有名。
macaro-ni.jp 素材の栄養、風味、味が守られているなら、その組み合わせと、ご自身の感性お好みで自由にやってみる、あるものを使う、ということで良いと思うのですね?とにかく簡単で、飽きも来ないというか、バリエーションは可能です!!(笑)私は味付けの部分をインスタントラーメンで遊んでました。こちらの最後。
aiken-makiss.hatenablog.com 薪ストーブって、ホントに、暖房が~、炎が~……っていうこと以外にも、すごい可能性というか「使える」のですよ、それこそ、冒頭のかじっさんなんかも、かなり「道具命」の方ですが(これは良いかもと思った道具に果敢にチャレンジする感じ)、本当に使い倒して頂いています。
少なくとも知って頂きたいのは「困った時」にも……いや「困った時」こそ、それを帳消しにして余りあるくらいの真価を発揮するということです。知恵とノウハウさえあれば。
ですので、私は凡人ですし、薪集めのパワーも乏しいので、せいぜい「兼ねる」、つまり部屋を暖める「ついで」に調理も美味しくしたり、あるいはネコが幸せそうにしているのをみて和んだり……という程度ですが、激しい調理(?)のあとの炎で、穏やかな気持ちで、さらにお茶を沸かしちゃったり、暮らしを楽しんでます(笑)
今日もいい天気ですね!記事、書きました!!そして「これ」(動画)が、料理完成したあとのリアルな状況で、私としての「薪ストーブの最大の価値」です!→超多忙で手間や労力をかけられない時にも健康と満足を確実にする超簡単定番メニューの作り方 - 超簡単薪ストーブ調理 https://t.co/xxmIHcEBFi pic.twitter.com/wYrQ18E0M6
— 大屋@薪ストーブ事業 (@aiken_makiss) 2021年3月31日
ぜひ、こんな具合に話を聴いて頂いたりしたのを参考に、ご自身なりに、いろいろ遊んで、楽しんで頂きたいのですね??基本となる「炎の技術」(もっと正確には薪の扱いですが)さえあれば、ホント相当なことができますから!!
私も今シーズンの薪ストーブはだいたい終わりですが(とはいえ気が向いたらチョコチョコなんかやってますが)、やっぱり薪ストーブには相当救われた感じがしております。なにしろ身から出た錆でプライベート色々厳しくって(笑)そういうピンチであっても。
今って、ホント大変ですから、願わくば、たとえそんな中であっても、暮らしに「楽しい」があふれ、気分が前向きになりますように。
それでは、また!来シーズンも元気でお会いしましょう!!……と言いつつ「事務連絡」やら「各種報告」っぽいのは続きますが(笑)