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【番外編】会社設立して自分で法人税の確定申告、決算書を二週間で作る羽目になった未経験者(全くの経理の素人)のためのTips

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 会社を設立するに限りませんが、サラリーマン生活から独立して自分で個人事業とか始めようとしたら、1年くらいで立ちはばかるのが税務申告の壁です。それまで、そんなもの会社の経理にお任せ、給与明細とか見ても全然わからんし、叱られながら年末調整を何とか会社に出していたという体たらくのわたくし……

 このたび不徳の致すところで、経理の知識ほぼゼロの状態から、急遽、半月程度の期間内に自力で法人税申告書提出、納税までやり切らなければならない事態に追い込まれました。外部のサービスを頼る手もあったのですが、やっぱりお金が結構かかりそうで、つらいです。

 そこで毎日、朝起きてから夜遅くまで、知識習得から始まって、最後の書類作成、納税受理まで、やり切ってしまいました。冒頭に見苦しい写真は実際の一コマ。ネコに邪魔されているところ(笑)

 人生、どんなことでも、やっぱり実際にやってみると、色々学ぶことが多いです。そこで当ブログのレギュラー読者さんからすれば、ほとんどどうでも良い内容になるかとは思うのですが、誰かの役に立つかもしれないということで、Tipsとしてまとめておきます。

 やろうにも、そもそも何を参考にして学べばいいのか、全くわからないという方を想定して、後出しジャンケン的に結論から、参考となる情報とともにご紹介します。経理なにそれ美味しいの??という、かつての私のような方にもモノの話としてはご参考になるかも(笑)

1.そもそも経理って何のため?一つ目のゴール

 何ごとも、作業の前にゴールがわかっていると効果的です。私の理解した限り、経理そのものは個人事業を実際に成立させる上では、特段必要ありません。儲かっているのか、つまり必要経費のほうが収入よりも上回っているのか、感覚的にでもわかっていれば、事業としては成立できます(経理を外部サービスに出せる理由でもあります)。

 では経理はそもそも何のため?というと二つの理由があります。その一つ目の理由を理解するのに有効なのはこちらのWebサイト。

www.biznavi.jp 本質的に、経理の仕事は、儲かっているのか、投資(必要経費)に対して事業が有効に展開されているかということとは無関係です(だから、投資に対するリターンばかりを第一にする私は、経理出身の人とはトコトン馬が合いませんでした。不徳の致すところm(__)m)。経理の仕事の本質的な目的はただ一つ。

 

 行方不明のお金をなくすこと

 

 複雑で、様々な形を取るお金のやり取りの中で、行方不明のお金がなければ、そのお金が有効だったかどうか?なんてことは、本質的に「どうでもいい」のです。結果的に、お金がどこに行ったかを辿れば、もちろん、有効だったかどうかも追おうと思えば追えますが。

 ですので、とりわけ多くの人間が関わる会社の経理とかは、とにかく、お金が行方不明にならないよう「全ての動き」が把握できることが重要で、それを日々、毎月、半月、といったところで「勘定が合っているか」を確認します。性悪説に備えている、と言った方がいいかもしれません。

 行方不明のお金を出さないための、極めて基本的で有効なツールが「複式簿記です。このツールの凄いところは、何が起こっても、お金の流れが記載できてしまうということです。覚える基本は、私の理解した限りでは(所詮は素人の言うことですから、実際に作業されるなら検証してくださいね(笑))

  • 左側には「お金の使いみち」や「お金が何に形を変えたか」や「お金の具体的な存在形態」を記載する
  • 右側には、左側の裏付けとして「お金が手元に来た理由(存在形態の根拠)」や「具体的に、どんな存在形態のお金が出ていったか」を記載する
  • 右側と左側が、合計として必ず一致するように記載する(超重要)

 例えば、間違っているかもしれませんが(簿記3級すら受かる自信ありませぬ(笑))、家計からのお小遣い2000円程度なら自由に使っても文句言われない人が、現金で思わぬ臨時収入が10000円あって、それをこっそり使った残りを、しれっと家計(銀行口座)に入れて、文句を言われない2000円内になるよう辻褄を合わせながら好きなグッズを購入した場合は、「真実」は、こんな感じに記載されます。

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 実際の複式簿記のちゃんとした説明は、こちらの記事なんかが参考になりました。

biz.moneyforward.com

okanehouritu.com 基本的には、右側と左側は、それぞれの合計が一致しているということが「正しく、もれなく記載されている」(お金が行方不明になっていない)という観点から重要であって、それぞれの合計そのものには特に意味はないです(イベントを事細かく記載すればするほど増える)。

 そのように、とにかく「行方不明のお金を出さない」、そのために記録することと、タイミングごとにチェックすることが、まず経理の目的の第一ということです。

2.具体的にどのくらい儲かっているかは、どうやって正確に把握するの?

 普段の経理には、お金が行方不明にならないこと、という以上の意味はないのですが、実際にそれだけだと、事業として成立しているのかどうか??はさっぱりわかりません。そこで、せっかく集計しているのであれば、合計としての意味がある「差引」も知りたいものです。

 その差引を行うのが決算で、一定の期間を設定して、その期間内に左側に記載された「お金の使いみち」(支出)の総合計と、右側の「裏付け」(新たな収入)の総合計を比較して、右側が上回ったのか(黒字)、左側が上回ったのか(赤字)を確認します。その「ある一定の時間」の取りまとめが「損益計算書という書類です。

 その差引結果を、「決算を取りまとめた瞬間、その時点」の財政(財産と借金)にも反映させて、果たして、その時点において金持ちなのか貧乏なのかをまとめたのが「貸借対照表」(バランスシート)という書類です。

 そのような「損益計算書」と「貸借対照表」の関係を、決定的に図示されていたのが、こちら。

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https://dyzo.consulting/5555/ より

dyzo.consulting それこそ「右も左もわからない」私、「なんで?」が、ゴールがわからないと、時間もない中で、何をすれば良いのかを考えるために、すごく助かりました。

 そして、実際に損益計算書さえ作ってしまえれば、その決算時点での手持ち資産(現金、預貯金、不動産その他何かしら売ったとすればお金になるもの)のほか、売上は請求しているけどまだ回収できていないお金(あるいは他人に貸してあるお金)とか、借金や払うべきなんだけどまだ払っていないお金(その時点での未払金や、いわゆる買掛金など)を整理してしまえば、貸借対照表(バランスシート)として、とりまとめ作成可能になります。

 ちなみに私が、損益計算書を実際に作るのに「もとファイル」として使用したのはこちら。私にとっては「仕掛品」や「在庫」(支出としては実際には発生しているものの、その期間内での売上に反映されていないので、その期間での損益計算からは除外されなければならない)が重要だったので、このシートをもとに、仕分けしながら作業を進めました。

templates.office.com

3.経理のもう一つのゴール、税金を取り立てる側の都合

 儲かっているのか、赤字なのか、感覚でもちゃんと掴んでいれば、多少お金が行方不明になろうとも、事業としては問題なく成立します。特に厳密に記録とかやってなくても、家計が普通に成立し得るように。悪いことする人もいない家業とか、自分だけの個人事業ならなおさらです。

 でも税金は「儲け」に対して課税されることになっているので、その事業がどのくらい儲かっているのかが一円単位で厳密にわからないと困ります。意図的に脱税されるのはなお困ります。そのために、税金は事業者に対して基本的に複式簿記による「行方不明になるお金」がない状態でのエビデンスを求めます

 

 税金を取り立てる側から、チェックしやすく、どこまでも追及可能であること

 

 これが、経理のもう一つの目的です。

 そころが実際には、厳密な複式簿記をしようと思うと、それこそ普段からシステマチックに勤しんでいなければ無理です。私も会社設立後、自分なりにはそれなりに正確に把握していたけど(事業継続の可否を把握するために必要だったので)、経理の素人には厳密な経理記録など絶望的ともいえる状況でした。

 ところが税務申告で必要になる情報は「税金を取り立てる」というゴールから考えれば、どこまで厳密な経理記録が求められるかは、あくまでも税金を取り立てる側の都合によって決まるわけで、実際には申告する内容も「申告内容に怪しいところがないかどうか?」を判断するのに役に立つものに集約されています

 つまり、テストで100点満点取らなくても、ポイントさえ押さえて60点取れば合格は可能になるのと同じことで、完ぺきな経理というのは、チェックする側の建前上としてもちろん要求されるけれど、実際には、ちゃんと合法的に「儲け」を漏れなく計算して税金を納めてます、ということをちゃんと示せればいい(たぶん)

帳簿は間違えてもいい!?税務調査で誤りすべてが修正されるわけではない

 そもそも「税務申告を決算直前で請け負います」という商売も、そのあたりの勘所(ポイント)を押さえているからこそ成立し得るわけで、そのポイントに沿って、必要な書類を作ってしまえば、とりあえずでも何とかなるようです。

法人税の確定申告がどうしても間に合わないときに読む記事

 よって、このあたりで腹を括りながら、税金を取り立てる側の都合を想像して、許してもらえる(税金を取り立てる側におもねった)程度に書類を作成するわけです。でも、許してもらえる書類って具体的にどんなの?勘所がわからない以上、ここはお金を払っても良いと思うし、実際、素直に払った方が良いと思います

自分でできる!法人税申告書作成ソフト「全力法人税」

 私は、実際には、この「全力法人税」というソフトの存在を自力で検索とかで見つけたとかいうわけではなく、たまたま教えてもらっていて、だから、今回のプロジェクトが可能になったようなものでした(私は、本当に運だけで生きてます(笑))。

 あと、このソフトはポイントはちゃんと押さえてくれていましたが、解説とかは「あるんだかないんだか」という、こなれた人ならではの不親切な部分があるので、教科書としてはこちらが役に立ちました。今もそうですが、普通の通販サイトでは軒並み「在庫切れ」の人気本です。

www.skattsei.co.jp 以上が、法人税申告関係で、決定的に重要だったことですが、法人として事業を行う目的の一つは、人件費、つまり自分自身への給料を損金扱いする(税金の対象となる「儲け」から除外する)ことにあります。そのための大切な考え方、手続きがこちら。決算の次の年度のために、賞与を出すのなら、税務申告と同時に忘れずに届出しておく必要があります(ソフトにお金を払っても、この記事の存在は案内されませんorz)。

0からわかる事前確定届出給与のすべて|記載例・議事録・無料作成ツール有

4.人件費関係は、単純な個人事業を法人化したくらいなら、実は難しくない

 損益計算書を作るにあたって、会社が人件費をどのくらい、具体的にどうやって支出しているのか?を知ることは、全くの経理の素人からすれば、なかなか(というか、かなり)ハードルの高いことでした。これは、良いまとめ(解説)サイトもなかったので、簡単ですが、ここでまとめます。ポイントは以下です。

  • 会社は、給与支給額に応じた健康保険料と年金保険料(および介護保険料)を、本人への給料から差っ引くとともに、その同額を法定福利費として負担して日本年金機構に支払っている。
  • 会社は、給与支給額に応じた子ども・子育て拠出金を、法定福利費として日本年金機構に支払っているが、本人への給料からの負担はない
  • 会社は、給与支給額に応じた「予測される所得税」を、本人への給料から差っ引いて、本人に代わって税務署に定期的に納めている(納めるまでは「預り金」として扱われる)。

 あと、従業員を雇っていれば、労災保険雇用保険が生じますが、私は誰も雇っていないのでわかりません。必要があればご自身で調べてください。ごめんなさいm(__)m

www.somu-lier.jp 良いまとめサイトがなかったのは、何故だかわかりませんが、実務的には、給与から所定額を差っ引いて(源泉徴収)、給料として本人(自分自身)に支給するとともに、日本年金機構か税務署に払えば良いだけの話なので、所定額の根拠を例示しておきます。都度更新すれば良いかと思います。

 年金保険料と健康保険料(および介護保険料)、そして子ども・子育て拠出金についてはこちら。日本年金機構

www.nenkin.go.jp

 源泉徴収しておいて、定期的に納めるべき金額はこちら。国税庁

www.nta.go.jp 関連する具体的な支払方法などは、わかりにくいけども、それぞれのサイトに説明がありますので(スムーズに支払って欲しいので、基本的に丁寧に説明するスタンスとなっています)、それを見て頂いたほうが結局は話が早いかと。

 私も、全くの経理の素人でしたが、これらの表を丹念にみてさえいけば、給与からいくら徴収し、また給料支払いとは別に会社が法定福利費としていくら支出しているのか、特段難しくなく、正確に計算することができました

 ちなみに年末調整時に所得税がかかる対象となる「そもそもの金額」(ここからさらに保険料とかを差っ引いていく)を、年間を通した金額として確定させるために必要となる「給与所得控除後の給与等の金額」(年額)はこちら。PDFファイルで年ごとに公表されます。令和元年版はこんなの。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2019/pdf/84-92.pdf

 この「84-92」というのは「年末調整のしかた」という、国税庁から出されている各年度の手引きでのページ数を指しています。最新版はこちらから拾えます。

www.nta.go.jp

5.感想その他

 いかにも当ブログらしく長文になってしまいましたが、最後に、実際にやってみた感想を。細かいことかもしれませんが……

  • 例えば色々引かれる前の給料が月額269,900円と、月額270,000円では、社会保険料として差し引かれるのが月あたり2637円違うとか(つまり手取りは269900円の人の方が明らかに多くなる)
  • 3月30日退職と、3月31日退職では、納付実績継続のための社会保険料が場合によっては何万円単位で違ってくるとか(3月31日退職の方が多くなり、これが普通の運用)

 一事が万事というか、こういうことが随所にあって。多少なりとも詳しいことを知っているか、知っていないか(意識して設定をするかどうか)で、実際に納める税金やら社会保険料の支払額は、ずいぶん変わってきてしまうのです。

 そもそも、私だって独立起業にあたって、お客さまからの信用、安心だけを思って「何も考えずに」株式会社としたのですが……

finance-shikin.com たまたま、この記事を目にして、結果的に本当に救われました。もし知らなかったら「えらいこと」になったと思います。この記事を書かれた深井良祐さん、コンサルを依頼するとかは弊社の財政上できませんでしたが、感謝の気持ちでご著作を買わせていただきました。

 ともかく「知っているか、知っていないか」、それだけで納める税金やら保険料やらが随分変わってくる、実際に費やしている努力の量とかは、ほとんど変わらないのに。要はちょっとした知恵次第で、ある意味、すごく差が開いてしまうのだろうな、というのが、実際にやってみた感想です。

 ありていに言えば「富める者はますます富む」という状態で、こんなことだったら、消費税のほうが、結果的にはよっぽど万人にとって平等だという気がしなくもありません(お金持ちは、基本的には、ただ貯金しておくだけどかなくて、なんだかんだと、お金を使う量が結局は多いので)。

 なお、そもそもどうして「こんな事態」に追い込まれたのかというと、一緒に会社を立ち上げた長女に経理をお願いしていたのですが、結局は会社から去られてしまいました。これも「実際のところ」をわかっていなかったからだなと、自らの不徳と至らなさを恥じるばかりです。

 まとめますと、どんなことでも「ゴール」と申しますか、何が本質なのかを見抜くことが大切で、そのためには「こと細かなこと」に実際に触れてみないことにはわかりません。逆に言えば、現場で実際に起こっている「こと細かなこと」が、なんでそうなっているのかさえわかれば、結構、なんとかなるものだなと。

 以上「体験談」としての番外編でした。もし、何かお役に立てるか、何か参考になることがあれば幸いです。それでは、また。お元気で。