超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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心落ち着かせてくれる薪ストーブ

 「薪ストーブで暮らしている」というのは、私の場合、日々の暖房やお料理のための熱源のみならず、お仕事にしているし、薪ストーブを中心に庭の樹を管理したり、こうしてWebに発信して世の中の皆さんと関わりを持たせて頂いたり……ヘタしたら人生そのものという勢いですが……

 ふと、疑問に思ったのです。特にお仕事をしている立場から。皆さん、薪ストーブに何を期待なさっているんだろう??って。

 この命題はもちろん薪ストーブ導入における一丁目一番地のお話なので、個別には必ず「そこ」を具体的かつ包括的に(皆さま、本当に、いろいろイメージなり期待なり持っていただいております、ありがたいことです)お聞きするのですが……

 ここで、私の至らなさと申しますか、自分以外の人と話している時、ついつい、相手も自分と同じような考えのベースがあるとか思ってしまうものでして、私にとっての「薪ストーブ」とは??の問いへの最初の大前提の答え

 

薪ストーブ=超便利で優秀な万能実用熱源

 

これがあまりに当然なので無意識のうちに出てきてしまって、ここからどうも、世間の皆さんとズレると申しますか、なにしろ「薪ストーブ=不便を楽しむ贅沢品」という認識が一般ですから……

 で、その人間あるあるの欠点に加えて、私の場合は、人生超欲張り、人生の時間が限られている中で、あれもやりたい、これもやりたい、という思いが強く、何でもギューギューにスケジュールというか、やることをその日その日の時間の中に詰め込んでしまうものですから……

念願の会いたかった人に昨日会えた。やっぱり直に会うのはいいね。どんな人か分かってたから、初めて会った気がしなかったけど

印象は、頭のいい人って思ってたけど、少しあわてんぼうさんなのかな

後悔は一緒に写真を撮るのを忘れたこと。また会えるといいな

 お仕事に出た先の地域に住んでいらっしゃるネット繋がりの友人が、実際に会ってくれた際の私について、私は、ふと気が付きました。

 

おお……!!たしかに、私はあわてんぼうだ!!!

 

 おっちょこちょいでもあるのですが、本質的にあわてんぼうなんだろうと思います。なにしろ限られた時間の中にやりたいことを詰め込み過ぎて、よく、それが実際のキャパシティーを上回ってしまっているものですから、つい、ものすごくバタバタになってしまいます。それは、肝心の「薪ストーブのある暮らし」でも遺憾なく発揮されてしまいます。

 特に今の時期みたいに、とても暖かい日もあって、薪も勿体ないからと薪ストーブをつける機会が減ってくると「薪ストーブの炎があるうちに!」って感じで、それこそ限られた時間の中であれもこれもと、薪ストーブ君にこなして欲しいミッションを詰めすぎまして、本当にバタバタになります。

 「マーケティング」のセオリーでは、薪ストーブの夢を売らなければならないはずの人間が、こんなバタバタしていては、そりゃ売れるものも売れないと申しますか、薪ストーブに普通の方が抱く期待というものから、全く外れているのかもしれない……と大いに反省したところですm(__)m

 

 でも、そういう人間だからこそ、強調したいことがあるんです。

 

薪ストーブがあると、心落ち着きます。

 

 どういうことか?と言いますと……おっちょこちょいであわてんぼうで、最近は物忘れというか短時間の一時記憶の保持が本当に覚束なくなってきました。まだ54歳なんですけどね……少し?長くなりますが、こんな失敗が実際に在りました。

 フライパンに油を入れてガスコンロにかけて卵を冷蔵庫から出してきて……というタイミングで同居人から話しかけれれて、話しかけられた内容にコツンと心が引っ掛かって頭の中をちょっと深めに考えを巡らせながら、短時間の会話をしたら、あろうことか目玉焼きを焼こうとしていたこと自体を忘れてしまいまして。

 高温自動消火機能付きなら良かったのですが、そうでなかったので、そのまんま長時間火をつけっぱなしにして、なんか部屋の中が煙たいな……薪ストーブでそんな失敗したかな?とかボケーっと考えてて台所行ったら、記憶が全部甦って自分が何をやらかしたか一瞬で理解して、もう真っ青みたいな。

 油が少量だったので火はつかなかったですが、フライパンの中は炭化し、フライパンのフタはまるで長年使った換気扇みたいに茶色に酸化した粘性油がこびり付いた状態になってしまって!!……まあ、惨めな話ですorz

 そんなときも、薪ストーブは換気扇のベトベトすらキレイに出来てしまう能力があるので、このフライパンのフタも同様に、気化した末にこびりついてしまった油を落とすことが出来たり、直接役に立ってもくれましたが……

aiken-makiss.hatenablog.com なによりも大事なのは、私にとっては「薪ストーブさんよろしくね」って天板の上に預けておくだけで出来上がる食べ物の、とびっきり美味しいことです。

 三重県産の天然ブリの卵を薪ストーブでコトコト煮たものです。私にとって大好きなご馳走の一つです。これがフライパンの失敗と同じ時に、薪ストーブくんが私にもたらしてくれた成果です。他にも、色々やってくれましたが、これが一番美味しかったので。

 私にとって、いちばん嬉しいのは「きれいな結末」。物事には全て終わりがありますが、このブリさんも人間に捕まって切り身にされて売られてしまい、仔もパックに。ブリにとっては気の毒で残念ですが、決して無駄になんかならない、私、大喜びで頂いて幸せになります。俯瞰すれば、そう悪くない「きれいな結末」じゃないかと思います。

 

あ、私も大丈夫。まあまあ、やるじゃん♪

 

 「善い道具」というのは、そんなふうに、人間を助けてくれるものだと思います。その結果として、心が落ち着くと申しますか……あわてんぼうな人間であればあるほど「ああ、大丈夫だ、私」って思えることは、大事なことじゃないかと思います。

 ……うん、まあ、なんか違うかもしれません。生の揺らめく炎があって、ホッとする暖かさと、美味しいお茶を沸かして頂くことができれば、それだけで充分、心は落ち着くものだと思うし、そういう暮らしが出来るのが大人というべきでしょう。

 でも実際は、失敗のリスクと背中合わせに、あれもやって!これもやって!!……といろんなことを必死で回して回して、向こう傷もいっぱい受けながら、なんとか頑張っているという現実だってあると思います。その時に期待通りに、あるいは思いのほか、素敵なものが出来上がっていたら……

 

心の中で、ささかやな祝杯を。

 

 そういうことを、可能にしてくれる道具ですね、薪ストーブ。

 ちょうど、この週明け2日目から新年度に切り替わりです。「終わりなき戦い」かもしれませんが、それも残念ながらいつか終わります。最後のみならずそこに至るまでも、ホッとする、心落ち着かせることができる時間が、できるだけ多く持てますように、ご同輩。

 それでは、また。お元気で。