超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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薪ストーブの価値とは

 本日、日本列島は寒波真っ只中って感じでした。沖縄が最高気温10℃切るとか、日本海側では1日のあいだに積雪が1mを超えるとか……お住いのところは如何でしたか?青空の覗いた当地、愛知犬山でも冷たい北風が一日中吹いておりました。

 近年、ぶっちゃけ薪ストーブ業界は大苦戦、やっぱり暖冬だとか、真夏の猛暑ばかり印象的な年月が続くと、薪ストーブ買おうなんて、人間思わなくなるのが「普通」なんですね、その中でも、私も話は頂くのですが、随分「競合負け」をしてきました。値段ではなくて、薪ストーブの価値として。

mbp-japan.com 迷われているお客さまに、必ずというほど提示してきた記事です。即ち、私がご提供する薪ストーブは「冷蔵庫、洗濯機、薪ストーブ」というくらいに、暮らしのために必須な道具で、圧倒的な使い易さに加え、絶対というほど壊れない信頼性、長期耐久性、交換部品も何も要らない低コスト維持性能を誇るものですが、そもそも「薪ストーブ」の価値として何を求めるか?お考えに適していなければなりませんから、よくお考えになって下さいと。

 ここ数年は「贅沢には贅沢の価値がある」という薪ストーブに随分と競合負けしてきました。仕方ないと思います。私に可能な限りの説明は尽くしました。あとはご判断ですので。

 けど……私は、たぶん叱られます。この仕事を始めて以来、ずーーっと、叱られ続けてきました。実務の第一線は退いていらっしゃいますが、今も、この状況を話せば叱られると思います。誰に??このひと、偉大な「モギプレート」の発明者にしてモキ製作所の薪ストーブ事業の創始者、茂木国豊さん(現モキ製作所会長)に、です。

youtu.be ずっと言われ続けたのは「あんたは説明が長すぎる。もっと端的に、ハッキリと!」……いや、確かにそうなんですが、そんなに単純では……とモゴモゴ言い続けた私に対して、茂木会長が一貫して言い続けた薪ストーブの価値とは

 

薪ストーブは、とにかく強力に、人を、家を、暖めることが出来てこそ!

 

 久しぶりにこの話をしますが、私がどうしてモキ製作所の薪ストーブを売ろうと思ったのか、そのユーザーとしての原体験は、モキ製作所の薪ストーブ以前は、寒波が本当に嫌いでした。平成17年築なのに建売が災いして断熱等級2程度しかない寒い家の我が家、寒波が来れば平気でトンデモない室温になります。それを暮らせるまで暖かくするエネルギーのコストを思うと……そんなコスト、本質的には何も生まないじゃないですか。

 昨日は外に出て仕事してて疲れたので朝はゆっくり布団の中で過ごしました。8時に入室した際の、我が家のリビングの室温はお約束の冷蔵庫状態です(笑)ちなみに本日の気温ですが、「この冬一番の寒波」らしくこんな感じ。

 さてと……と、薄着のままで薪ストーブに火を付けます。久しぶりに時計を写しながらやろうとしたのですが、あ、エビデンス、つまり、薪ストーブの炉内には薪を組むとか何の準備もありません、という状態で薪ストーブの前にいきなり座ってスタートです、ということを動画に撮るのを忘れてて写真だけ撮りました。

 偉大なるモギプレートの奥で上がっている火種は「煙の出ない薪ストーブ界最速」で立ち上がるMD70Kissならではのワザ、ドラフト補助の火種です。迷う間もなくあっという間に炎を引いてくれますので。

 ユーザーさんなら、皆さんご存知と思いますが(実際にやるには腕前というか「準備」要りますよ?焚き付けの、ですね。頑張ってくださいね♪)薪ストーブの前に座って5分もすれば、炎ボーボーに持っていけます。寒波なので、とてもよく乾燥したナラの細割を使いました。贅沢に行きます。スギの細割作っても良いのですが面倒で(笑)

 もう「本燃焼」に移行しているのです。これが、普通のよくある「煙の出ない薪ストーブ」では、たぶん信じられないと思います。一本だけ、アカマツの太めの薪を入れましたが……基本的に本日、数センチ角の太さの薪で運用しました。よく乾いてカロリーの高いナラ薪です。この「炎にとってラクな状態」を活かして、煙突に捨てる熱エネルギーを最小にして室内に熱を取り出す運用とします。

 室内に充分暖かさを取り出せるようになるまで、薪ストーブの前に座ってから30分ほど。暖かさを取り出せるということは、もちろん、ご飯も作れたりします。パンなんか、あっという間に、本当に美味しく焼けます♪

 で、薪ストーブに火をつけて30分ほど経って、肝心の?リビングの室温はどうか。閉め切ってはいますが、すっごい寒い、断熱性能スッカスカの22畳のLDK空間(ペアガラスとシングルガラス混在)、室温はどうなったかというと……

 まあまあまあまあ……こんなもんっすよ。これですね、体感としては実は相当暖かいのですが、数字は全然大したことないんです。5℃切りの状態からは進歩ですけどね。私が今朝、全然失望しないのは、むかーし、すっごい失望したんですよ(笑)いや、この当時、私は茂木国豊会長に負けないくらい、すっごい気合入ってましたね~~~

aiken-makiss.hatenablog.com 失望も含めた当時の薪ストーブへの情熱が思い切り詰まった記事、よろしければ、是非、ご一読下さいませ!!自分で言うのもなんですが、古い記事には、本当に名作が多いのですよ?(笑)

 うーん……今は、なんか「わかる人にはわかるし、わからん人にはわからない」ということになってしまっていて、「なんとしてでも証明して見せる!!」みたいな、そういう暑苦しさを失ってしまって、一方、文章が長~~いのは、昔に増してパワーアップしてますから……お伝えできる話の深さには、自信あるんですけどねぇ……(笑)

 ねぇ?「大した事ないじゃん」と思われるでしょう?薪ストーブの前に着座して1時間後にリビングの室温が10℃上がりましたって……うーん、まあねぇ、ここが、私の限界ですね。薪ストーブを主暖房として暮らそうとなさって、しかも、断熱性能として特に優れた家の躯体ではない場合に、熱風を直接吹き付けるエアコンでなく「輻射熱型」で、これがどれほど難しいかは……実際に、薪ストーブで暮らしてみて初めてわかるのかもですね。

 つまりですね、サラッと書いていますから意味がわからないと思うんですけど、煙の出ないタイプの、大都市近郊の住宅街で現に暮らしの主暖房として10年以上使っていて特にクレームも何ももらっていない薪ストーブで、これって実は、ものすごいことなんですよ。私のユーザーさんも、本体入れ替えの方以外は、誰もわからないかと思いますが!!(笑)

 しかもですね……そう、冷え切った状態の薪ストーブの前に座って、1時間経って、身体はすっかり暖まって、ご飯も食べ終わって、ここで、薪をどれだけ使ったか?焚き付け材も含めてですよ??これが10キロ切っているんですよ。「薪10キロを使った1時間以内の成果」としては……他の機種の薪ストーブで、もちろん、家の躯体性能そのものとか、夜の薪ストーブの運転状況によって数字はどうにでもなりますから、これ以上の成果を出せるように見える薪ストーブもあるでしょうけどね、まあ、このあたりです、私の「伝える力」の限界。

 だから、今ならよくわかるんです。茂木国豊会長が「最高出力」に拘った理由。けども、やっぱり、難しくても伝えていくしかない。最高出力の絶対値そのものは、定常運転状態から薪をバカ食いさせれば、どんな薪ストーブでも出せます。本体の耐久性が本質問題ではありますが。けど、やっぱり、実際の価値は

 

薪ストーブは、とにかく強力に、人を、家を、暖めることが出来てこそ!

 

に加えて(ここが大事。強力に暖めることが出来ない薪ストーブも実際にはいかに多いか

 

普段の暮らしの中の道具として、どれほど使う人にやさしく、使い易いか??

 

 ここが本質問題だと私は考えています。最高出力では表せない価値。代表的なところは「薪の消費量」です。この日、前夜に17キロの薪を持ち込んでいました。それを10キロも1時間ほどの間に使ってしまった。そんなに頻繁に薪運びなんてしたくないですから、あとはゆっくり燃やします。室温も、特に厚着でも薄着でもない普通の格好で寒くなければオッケーです。我が家のリビングでの基準はネコですね(笑)

 薪ストーブに火をつけて2時間ほど経った室温、こんなものです。もちろん、その気になれば、もっともっと室温上げること出来ますが、やりません。だって、薪もったいないもん。

 今日、この日は、寒波が居座っていましたから、薪ストーブも、基本的に焚き続けていました。けども、時々、炎も完全に収まって、弱い熾火になっているだけのタイミングもありました。また扉全開→ダンパー全開から炎を上げさせ直してダンパー絞るという操作も、数回あったかなと思います。そんな断続運転で午後の室温こんな感じでした。

 まあ、私的には充分というか丁度いいです。主目的は達成されております(笑)

 主目的さえ達成されていれば、そんなに薪ストーブに貼り付いているわけにもいかないし、時々面倒見て、さらに放置する時間が長くなって炎が収まってたら炎を立て直して……

 夕方の動画ですね。記事としてはここまでにします。冷え切った朝の立ち上げを含めて17キロの薪を使って、室温はだいたい20℃をキープし続けました。これがMD70Kissの普通の性能です(ただし、薪はよく乾いたナラです)。

aiken-makiss.hatenablog.com まあ、今日は、寒かったですね(笑)さて、ここでお知らせです。モキ製作所、主力マシンをモデルチェンジしました。

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www.moki-ss.co.jp メーカーに対して何かとワーワーと喧しい販売代理店である弊社も、開発途中のMD80Ⅳの実機(試作機)を見せて頂き、意見を求められました。私は「賭けだと思いますが……いいんじゃないでしょうか?」とお答えしました。

 細かいところは色々あります。具体的に、例えば……従来型のモキ製作所のモデル(ⅡやⅢなど、Ⅳ以前のモデル)を使われていた方が、いきなりこの新型を使うと、ちょっと着火で面食らうと思います。けど「最初から」このモデルを使われるなら、とても火のつけやすい薪ストーブとして評価されると思います。モキ製作所の薪ストーブは、基本スペックが本当に非常識、トンデモないのです。そこを「若干」普通の薪ストーブに寄せたと私は理解しています。

 

 けど、大事なことは、お値段を下げながら、本質価値を守った。「薪ストーブは暖まってこそナンボ」という基本、そして立ち上がりが早く、煙が充分少なく、耐久性が抜群で維持管理にお金もかからないという、茂木国豊さんから脈々と受け継がれた本質価値。

 

 あとは、世間の皆さんが、これを、どう評価するか……!!私も代理店としてのポジショントーク以上に、今回のモキ製作所の英断を応援いたします。

 弊社のイチオシは?と問われたら、やっぱりMD70Kissですがーー何が違うのか?と言われたら、代表的なところとしては、低出力安定性と炎の燃え方ですがーー

 MD70Kissの本質は「総合的な使い易さ」です。

www.aikenmakiss.com たがしかし、なんとかトータル価格を抑えるべく相当な無理をしてますが、それでもお高いですからね……MD70Kissは税込み定価本体だけでも437800円もして、諸費用込みだと本体だけでも48~50万円くらいはしますからね……まあね、高いっすよorz

 けど、それだけの価値はあるというご評価も実際に頂いておりますm(__)m この方は、ご自身がある意味実験的な空間を試しつつ暮らしながら、家の設計提案をお仕事になさっている専門家さんです(ご興味あればご紹介もいたします)。

 何事も、伝えるのが難しいのが「価値」です。特に売る方は、なんと申しますか、自分に都合の良いことしか言わないのが普通になっちゃいましたから、買う側が賢くならないと「辿り着けない」ことが、何事においても増えました。

 けど、どんなふうに、何を伝えようとするか??その方法論(流儀や作法)、そして伝えている内容を見れば、彼の言っていることが、どれほど本質的なのか?一定見分けることも可能だと思います。

 今日は寒波でしたが、寒波に限ることなく、是非、信頼できる専門家を見つけ、その発信も参考にしながら、この現世という荒波を乗り切ってくださいませ!!

 それでは、また。お元気で!!

 

【追記;公開翌日】

 この記事では「暖房能力」ということに話を絞りましたが、薪ストーブの価値としては、私にとっては、ごめんなさい「暖房能力」が寒波が来ようが何があろうが自在なのは前提過ぎて、もっぱら「お料理」になってます。

 わたしがこのブログ等で書くこと、ホントかな??って思われる(とりあえず疑う)のが普通というか、この時代、本当に大切なことだと思います。でも、私が申し上げたいのは「文章の裏にある人間を読んで下さい」です。ちょうど、当記事でLINEメッセージをご紹介した、家の設計提案のお仕事をなさっている専門家さんから、追伸で次のようなお言葉を頂きましたm(__)m

そもそも私が大屋さんにご連絡するに至った経緯としても
ホームページやブログを拝見して熱量を受け取ってがきっかけでした。

お会いする前にホームページやブログの内容や
実際に電話で話したりお会いして設置・実演してもらって得た諸々の情報は
実際にこれまで使ってみて、その通りだったなと思います。

その情報が自分の選択基準でもあったことから
(薪ストーブ自体の使い方もそうですが、自分の時間の使い方や主に薪集めから発する他者との関係性など)
現在良い使い方ができていると感謝しています。

 ……ありがたくて泣けてくるお話ですが、申し上げたいのは「淡々としている」のですよ。パッとしないと言っても良いかも、「本物」というものは。実際に採用した(接してみた)としても

  1. ホントかな(まずは検証から)
  2. うん、まあ、そうかもね(いきなり「ホントだった!!」とはならない)
  3. ああ……これは確かかも……!(深いめの理解)
  4. うん、間違ってなかったな、良かった♪(どちらかというと「しみじみ」)

このような流れを辿るものではないかと私は思います。いってみれば肌感覚の世界なんですよ。偽物は「逆」ですね、パッと華々しく、大袈裟とも言えますし、そうでないと売れないですからね。

 華々しさにワクワクするのも人生の一コマですが、出来れば、充実した確かな人生を過ごして頂きたいと願っておりますm(__)m