えー……当ブログ、調理のブログのはずですが、冒頭写真、少なくとも調理の写真ではありません。何の写真かわかりますか??人生でも初めてだったかも。ホントのホントにリフト一番乗りで、まだ誰も滑っていない雪面を上へ上へと登っていく影を撮影したものです。今回は、これにちなんだお話を。
いや、言い訳しますと、毎日毎日、薪ストーブ(&銅なべ)で、ご飯作って、ああ、死ぬほど簡単なのに、ホント美味いなって、感動しているのですよ??たとえば本日の晩ごはん。
これは、前日のタラ鍋の残り汁を沸かして、沸騰したところに大根菜を洗って細かく切ったのを投入して、塩とみりんで味を整えて、ご飯入れて沸騰したところに、水菜を食べやすい長さに切ったのを入れて、再沸騰しかけたところに溶き卵を加えて、ちょっと置いたら出来上がり。
こんな、無茶苦茶簡単なのに……薪ストーブ&銅鍋の組み合わせで調理するだけで、魔法のごとく美味しい!!……って、当ブログの読者さんでしたら、もう耳にタコというか「はいはい、またですか」の世界ですよね……感動はしてるけど文章にするのはツライかなと。
なので、心動かされたことしか書かない当ブログですが、記録的な暖冬の今シーズンは、少なかった雪もみるみる溶けて、もうダメだなと思っていたところに来た猛烈な寒波、こんなこと↓を聴いてしまっては!!……ということで、時間も体力もないのに、とっさの判断で、無理矢理スキーに行ってきました。
www.facebook.com 人間、一番ラクなのは「何もやらないこと」「動かないこと」です。ましてや時間がない中でスキー行くなんて、無茶苦茶早起きして、一番乗りして、さっさと帰ってくる、というパターンになります。寒いーー眠いーーむっちゃ辛いです。暖かいお布団恋しい~~~
雪景色なう! pic.twitter.com/OK1VK4Cp0l
— 大屋@薪ストーブ事業 (@aiken_makiss) 2020年2月18日
行かない合理的理由を並べ立てるのは、かなり簡単です。でも、やっぱり、そこを「いや!やっぱり、これはチャンスなんだから!!……」と無理矢理行った甲斐アリ、なんですよ!!
ゲレンデは最高のコンディションで、柔らかいのにスピード出る出る、こんなに滑れるゲレンデもないわ、という感じだったし
ひとたびバックカントリーに入れば、誰も足を踏み入れていない、フワッフワの新雪!!
リフトから、自分だけのシュプールを撮ってみました。踵がフリーになって歩けるスキーの一種ですが「テレマークスキー」というものを使っているので、こういう森の中も行けなくもないのです(自分の腕前と相談(笑))!
こんな感じで、お昼には帰ったので短かったけども、すごく充実した、かなり幸せな時間を過ごすことができたわけですが……人生も、長ければ良いということも確かにあるけど、この日のスキーと同じだと思うのです。
これまでの人生を振り返って、一度、考えてみてほしいのですが、後悔する事って「やっぱり、あの時、やっておけば(行っておけば)良かった」って、だいたいそういう類のものではないですか??行動を起こさなかった、挑戦しなかった、みたいな。
逆に、実際に行動を起こして、挑戦して、そりゃ上手くいくばかりでもありません。痛い目にあったりもしますが、それは意外と後悔していないんじゃないでしょうか??
それは、私が思うには、実際にやってみて上手くいくか、いかないか、なんて、自分の実力そのものと関係あるようで、実は、関係ないのですよ……どういうことかと言えば、状況次第では、上手くいったはずなんです。
つまり、状況が最善最上でも上手くいかないってわかっていることって、そんなの最初から、やろうなんて思わないじゃないですか。だから、実際にやるかやらないかを決めるには、状況についての「読み」が決め手になっているはずなんです。
失敗は、だから、本質的には「状況の読み違え」なのです。そして実際に失敗することで初めて「状況を読む力」というのが身に付いていきます。同時に、自分自身の実力も客観的に見えてきます。前は出来たけど、今は出来ない……そうか!状況が前と変わったところに、自分の実力が追い付いていなかったんだと。
こういう「学び」って、ものすごく大きくて。この日のスキーひとつとっても、朝いちばんと、お昼近くって、気温が違いますから、雪の滑り方も全然変わってくるわけです。そうすれば、出来なかったことが出来たり、出来たことが出来なくなったり……やっぱり「なるほど」です。
充実した人生というのは、やっぱり「素敵な時間」「素敵な体験」が多いことじゃないかと思うのです。そのためには、結局は「実際に行動してみる」「実際に挑戦してみる」しか、その失敗から学ぶことしか、上手くいくための実力も、状況を読む力も、手に入らないものだと思います。
「状況」には自然環境のようなものもあれば、人間的な要素もあって、より難しいのは人間的な要素だと思います。この人を信じて良いのかしら?この人を頼りにして良いのかしら?……もちろん、ちゃんと疑わないとダメです。でも、自分の読みとして、この人信じられる、頼りにできると思えば、賭けてみて良いと思うのです。
「このチャンスに……」なんて、よく安売りの売り場でアナウンスで流れていますが、本当のチャンスは、誰かから勧められて……というものでもないと思います。
自分で状況を眺めていて「これは……もしかしたら、今なら行けるんじゃないか?」とか「欲しかったものが、今なら手が届くんじゃないか?」って、ふと気が付いたときに「よし……これも機会だから、やってみよう!」と、自分で決めて手に入れるものです。
あえて自慢しますが、私も、もともと薪ストーブは憧れながら「無理だよね」と全く諦めていたものを、まとまったお金が手に入ったときに茂木社長が何年か前にラジオで喋っていた嘘みたいな都合のいい薪ストーブの話を覚えていて、それを信じて賭けてみようと「モギプレート」というメモ書きだけを頼りに探し出したのが始まりですし……
その後、自分自身が別業種の社内で薪ストーブの事業化を手掛けたのも、結局、薪ストーブで独立したのも、別に「そのように行動する必要」って、傍から見てれば何もなかったのです。自分から、状況を読んで、そのように挑戦してみた、その結果、やらなかったよりは、絶対に充実した人生を歩めています。
私には「やらなかった後悔」が人生の前半に山ほどあるので、「最善の人生」かどうかはわかりませんが、後半になってからでも「やらないよりは、やる」ことを選んだおかげで、とても充実した人生を手に入れることが出来ています。これは自信あります。
だから、失敗したときに、大切な人を守れなくなるとか、大切なものを失うとか、そういうリスクが基本的に「ない」、言い換えれば「痛い思いはするかもしれないけど、安全に失敗できる」限り、やらないよりは、絶対にやってみた方が人生楽しいです!充実します!!
……というかそんなの言い尽くされた「人生の自明の真理」で、今さら私などが言うまでもないのですが!!(笑)
とはいえ、挑戦すれば何でもいいというわけでもなくて、例えばスキー一つとっても、ジャンプ遊びも大好きな私ですが(まったく出来もしないのに(笑))、このジャンプ台の後段は挑戦しないことに決めております。
なにせ、以前に、ジャンプに挑戦した結果として、こんなことがあったので……この記事↓の、最後の方を参照ください。なにしろ会社員時代のように、ケガしても有給もらって寝ていられるというわけでは、ありませんので……
すなわち、独立して自分で会社を作ると決めた去年のシーズンからは、このジャンプ遊びついては、スピードも乗って体勢を整えることも難しい「二段目」は、私の実力では挑戦すると大切なものを失いかねないので禁止しております。
充実した人生を手に入れるためには、そんな感じの「安全上の」判断根拠は必要ですが、とりわけ人間のご縁が絡む機会については、「この機会に挑戦(行動)するかどうか?」できるだけ前向きにご判断頂ければと思うのです。実際にやってみた経験が多いほど、状況判断の精度も上がっていきますので……
そのようなわけで、「超簡単薪ストーブ調理」なんてブログタイトルはこの際もう変更して、「超お節介薪ストーブ説教」なんて、誰も読まないだろうけど、より実態に即したものに改めた方が良いんじゃないかという気もしなくもないのですが……
今回、この記事を書いたのは、理由があります。磯部健司さん、「友人」というには私からは不義理ばっかりで、でも勝手に「ライバル認定」して毎日の目標にしていた方が、先日亡くなりました。享年49歳でした。大学も同じクラス、同じオーケストラ、同じ楽器パート、卒業後も同じ楽器でそれぞれ音楽活動を続けてきたという間柄でした。
ここに書いたように磯部(ずっと、こう呼んでいたのでお許しを)を「ライバル認定」して毎日練習に励んでいたのですが、それは私自身も、薪ストーブ以外では、スキーよりも、音楽活動をかなり熱心にやっているからでして……たとえば、こんな具合。
このクッソ長い文章の書き手は、ご賢察のとおり、私です。同じトロンボーンという楽器の名手だった磯部は、本当の本当に、私の目標でした。毎日毎日、彼なら、このくらいできてたんだから、自分だって、やればできるはず……みたいな。
ただ、実際には「ライバル認定」なんておこがましい、大学当時から私を当然のごとく上回っていた彼との差は、卒業後さらに開く一方で、格が違うというか、彼の名前(プラス「トロンボーン」を検索語句に入れないと、別の人が出ますね)で検索して頂くと、オケ作ったり、アンサンブルであちこちで演奏してた活躍ぶりを、今でも見ることができます。
彼の人生は、あまりにも短かったかもしれないけど、様々な機会を生かして、音楽をいろんな人のもとに届けるという活動をゼロから実現させてきた磯部は、たくさんの人に楽しみや活躍の機会を与えてきましたから、天国にも、きっと行けたことでしょう。
人一倍傷つきやすい繊細なところもあったのに(音楽家ですから……やさしい音してましたよ?音量ばかり大きいだけの私とは違って……)、挑戦に次ぐ挑戦、彼の人生は、すごく充実していたように思います。
限られた人生、「もっと、こうすればよかった」とか、できるだけ悔いの残らないようにすることが大切です。そういうわけで、このブログは、彼に会いに行くために、私も天国に行けるように頑張るぞ、という決意報告でした。それでは、また。お元気で。