超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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住宅街での薪ストーブなんて非常識、苦情のもと!……確かに、そのとおりの現実ありますので……

Googleマップから弊社所在地航空写真キャプチャ。さっき(2022年4月24日)

 コロナ禍のなかにあっても、薪ストーブはキャンプ、サウナとブームが続いており、また新築時やリフォーム時での導入は盛んだと感じます。それに伴って薪ストーブによって煙や臭いの被害を受けている方の訴えも、以前に増して、目にすることが増えたように思います。以前というのは、このブログ記事を書いた頃です。

aiken-makiss.hatenablog.com このブログ記事で述べたことは、要は、いくらメーカーや販売店が「ウチの薪ストーブは煙が出ません」と言ったところで、結局は、使い方次第、そして使う人の人格の問題なんですよ、ということで……私、販売店の人間ですから、ポジショントーク的裏事情も含めて、赤裸々に書いて、警鐘を鳴らしたつもりだったのですが……

 実際には、被害がますます酷くなる一方ということも、なんとなく感じておりまして、その後、お声がけいただいて「マイベストプロ」という朝日新聞の媒体にコラムを掲載するようになった時も、その最初の記事は「本当に薪ストーブはエコなのか?」という問題提起だったわけですが……(今読んでも、よく書けた記事だと思いますので、よろしければご一読くださいませ)

mbp-japan.com とにかく、被害が止まらない。苦しんでいらっしゃる方の問題が具体的に解決される目途がない。最近は「アゴラ」という、老舗的な定評あるWeb上の言論プラットフォームにおいて、この薪ストーブによる煙の害について、論説が掲載されるようになりました。

agora-web.jp 実は、弊社のお客さんの主力が、西東京の方面、たとえば稲城市、八王子市、日野市、あるいは神奈川の厚木市茅ケ崎市藤沢市……といった、まさに論説においてご指摘のようなシチュエーションで薪ストーブを使われる皆さんなので、まったく他人事ではなくて……というか冒頭写真のように、私自身が、住宅地のど真ん中で薪ストーブ使って暮らしていますm(__)m

 これ、実際に被害に遭われている方からすれば、どのメーカー、販売店、誰に聞いても「いや、ウチの薪ストーブは大丈夫です、ちゃんと使えば」という判を押したような答えしか返って来ないので、そんなもの全部一緒、非常識だ、けしからん、と憤られても仕方ない、とは思うのですが、一応、言い訳しておきますと、弊社の、とりわけ住宅地での設置のストーブは全数がモキ製作所の薪ストーブです。

www.moki-ss.co.jp このメーカーWebサイトの「沿革」をご覧いただきたいのですけど

2011 薪ストーブの煙公害規制のお願い 環境省を訪問

 これはリアルにそのとおりで、私も、モキ製作所の面々が環境省の当時のどなた(課長さんでした)にお会いしたのか、確認しております。要するに、判を押したように「ウチのは大丈夫」という答えは返ってくるでしょうけど、いわゆる煙公害に関する実際の行動だとか、そういう対処状況は「どの薪ストーブのメーカーであるか?」によって、かなり異なるという現実があるということです。

 ただ仮にそうだとしても、実際に被害に遭われている方からすれば、「メーカーによる違い」「販売店による違い」なんて意味がない、とにかく規制が必要、ということになっているのは、ごく自然な話であって、私もそこは、規制しか被害救済の道はないであろうと思っております。巷の薪ストーブユーザーには、本記事でこれから述べるような話がまるで通じない方も、少なからず実際にいるということです。

 そのための有効な規制のあり方について、具体的には、私はもともとは、いわゆる公害問題の規制に関わる仕事(環境調査)のプロでありましたので、「このような規制をしていけば問題は改善される」という事例を紹介させていただいております。

mbp-japan.com 私は、大真面目に、市町村レベルの地方自治体の政治家の皆さん、汗をかいて頂いて、すでにあるだろう環境保全条例などに、この記事で紹介した「さいたま市 生活環境の保全に関する条例」のような内容で追加改正をして頂ければと考えています。

 

 そのように、メーカーによって、あるいは販売店によって、この問題に対する捉え方、実際のアクションは、相当異なるということは、できたらご理解頂きたいとは思うのですが(無理だとはわかってもおりますが……)、今回の記事は、あくまでも、実際のユーザーさん、ないし、薪ストーブを設置しようとなさっている方への呼び掛けが目的です。

 ……と申しますのも、やっぱり、イメージ先行なんですよ、薪ストーブって。私が「こりゃヤバい」と改めて危機感を覚えたのは、昨日のこのテレビ番組。

www.tv-asahi.co.jp いや、番組の内容そのものは、別にいいんですけどね、番組のラストのほうで、遠方から煙が容易に視認できる状態(このタイプ(触媒で煙を処理するタイプ)の機種の立ち上げにしては少ないし、青いから巡行運転かな?それにしては多いし……なんだろう??とは思いましたが)での煙突を大写しにしながら、煙突から立ち上る煙を「幸せのしるし」とかナレーションしてて、そりゃ、まずいでしょう?!!と。

 薪ストーブから煙が出て当然、それは良いこと(良いイメージ)、というのは、現代社会においては絶対に避けたいことです。

 煙、出ます。どんなに高性能な薪ストーブで、気を付けていても。それは非常に「罪深いこと」、具体的には自分自身の我儘で周囲の皆さんに迷惑をかけている、負担を強いている、という認識を、薪ストーブユーザーは誰しも、必ず持って頂きたいのですよ……

 いくら、社会的に受忍限度というものがあったとしても、苦情が来ても取り合わないとか、開き直るような振る舞いとかは、絶対というほど、やってはいけないことです。

 だって、私たちは誰もが社会の中でしか生きられないのですから、そこで不平等というか、一方的に恨まれるようなことをしてはいけない。この日本社会では、恨みが蓄積すれば、例えば一気に「全部排斥」なんてことになりかねないので、それはご自身が排斥されないために、生きていくために、本来必須なのです。

 この危機感に基づいて言えば、この都市部及びその周辺に人々がひしめき合いながら暮らす日本社会において、薪ストーブの使用実態における「ギャップ」は、加害者側が気が付いていないだけで、実態は相当ひどいことになっているのでは??と。

jumaki.info この実に丁寧でよく書いて頂いている記事でご指摘の通り「直接はっきり苦情を伝える」というのは、日本社会では圧倒的レアケースであって、普通は苦痛を貯め込まれてしまうわけです。

 これは「文句言われないね、良かった」では決してなく、圧倒的に逆で、「言ってはくれないもの」として自ら油断せず、気軽に言ってもらえるようコミュニケーションを良好に維持し、「リサーチ能力」として、高めておかなければならないという現実を表しているのです。ご自身のために。

 この弊社ユーザーさんである「かじっさん」が、実際どんな近所づきあいをなさっているか、通りかかったご近所さんが、ひょいっとリビングに顔をのぞかせて四方山話を持ちかけてくるのが当然、みたいな、今時めずらしい超絶ウェットな関係を築かれていることを、私も体験として存じ上げているので、そこまで関係性が出来ていれば、年中使っていても(調理にお使いです)問題ないですね、と、私も安心なのですが……

 私も含めて、よくある普通の住宅街「かじっさん」のような超絶ウェットなご近所さんとの関係を築くことは、基本的にできないわけで。もし、暮らしのために気軽に薪ストーブを「使える」ということがあるなら、それは本人的には幸せですけど、やっぱりむしろ、油断、慢心には、相当気をつけないと、言葉悪いですが「刺されますよ」ということですm(__)m

 今日は、雨の休日、「なんとなく」で気軽に薪ストーブを焚いてコーヒーを淹れました。このツィートの前後スレッドを見て頂いたら、焚き付けから最後まで、所要時間も含めて、弊社の薪ストーブでの暮らしはどんな感じか、ご覧いただけるかと思います。

 そしてご存知の通り、煙は焚き付けを中心に出ますから、コーヒーを淹れるだけのような短時間運転では、むしろ煙のリスクは高まります。今日は、自分の罪深さを改めて強く意識して、実際の煙と臭いを、途中で外に出て確認、撮影しに行った次第ですm(__)m

 

 まとめます。要するに「どうしたいか」なのですよ。私でしたら、薪ストーブに、とりわけ日本という地下資源はないけどバイオマス資源と自然環境に恵まれた国におけるエネルギー確保の手段としても非常に可能性を感じていますし、何より、薪ストーブで暮らされるユーザーさん自身が、表現不適切かもですけど「戦闘力」を高めて、社会のために力を尽くされる、より善い仕事を成して頂けることを願っています。

 そもそも薪ストーブを主暖房として暮らすのは大変です。周囲の関係にも気を遣うし、物理的に薪集め調製と乾燥保管の手間だってとんでもない。けど、それに見合う以上の価値があると考えるから、現に薪ストーブで暮らす、もしくは、薪ストーブで暮らそうかと考えるわけですが……それでもですよ??

 今、パッとツィッターで検索をかけるだけで、こういうふうな声が聞かれるわけです。「どうしたいか」という中で、とにかく人として、隣人に、こんな思いをさせるなんてことは、絶対に避けなければならないのでは??と私は思います。

 ですので、被害を受ける方が「住宅街で薪ストーブなんて、そもそも非常識」と仰るのは、そういう被害発生させまくりなユーザーが実際にいることが事実であり、受忍限度も何もあったものではないという状況に置かれれば、そりゃ、そうなりますよね……としか申し上げようがないのですが……

 私がこの記事で申し上げたいのは、薪ストーブを巡る、あまりにホンワカした幸せイメージと、あまりに厳しい現実とのギャップ、これを重々にご認識頂きたいということです。

 具体的には、実際に暮らしている人(私も含めて)は、今一度、ご自身の周辺影響はどうなのか現実を改めて検証されますよう、それから、これから導入をご検討の方、とりわけ住宅地での使用を想定されている方におかれましては、この「煙の問題」における、メーカーや販売店の違いも含めた現実を、くれぐれも慎重に、実地確認、そしてご検証なされますよう

 

 ……思うに、この問題に限りません。「生き様」なんです。人生、まったく綺麗でメデタシメデタシなんてこと「ない」と思います。私だって「偽善者」とか言われたら、きっとそうなんでしょう。けどそれでもやっぱり、自分以外の誰かの明らかで一方的な犠牲の上に、ご自身の幸せが成り立っているとするならば、そもそも「そんなものは要らない」とハッキリ行動で示せる、そういう人間でありたいと願っています。

 前回記事でも述べましたが、我々の日本社会、これから状況は厳しくなる一方だと思います。そこで、どうやって生きて行けば良いか、あくまでもその中の一環として、この薪ストーブについてもお考えいただきたく。

 行きがかり上、これまで、コロナとワクチンのことばかり、情報提供してまいりましたが、それも、もうやめにします。私には、私の本来やるべき仕事がありますので、そちらに戻ります。あなたさまさまも、ぜひ、ご自身のポジションで、しっかりお仕事なさってくださいませ!m(__)m

 それでは、また。お元気で!