超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

※各記事の画像は選択後、右クリック「画像だけを表示」でオリジナルサイズで表示できます

【主に鋼板製の速暖タイプを念頭に】薪ストーブでピザを美味しく焼くための最重要ポイント3つ!!

f:id:aiken_makiss:20211225133617j:plain

【2021年12月30日追記;本記事はモキ製作所の薪ストーブでのノウハウを中心に、他の薪ストーブでの報告をもとに作成しましたが、とりわけトラディショナルな鋳物機では状況が異なるようです。その状況を【 】にて追記します】

 寒いですね!!なんでも数年に一度?くらいの寒波だそうでして(なんか、最近、このフレーズも比較的よく聞くような気がしますが……)、クリスマスが土曜日、ここで寒くなって日曜日、となると、薪ストーブって、むっちゃ良いのですよ~~~

 膨大な記事のストックを有する当ブログですが、そこでこの季節に特に人気が出るのがローストチキンの記事だけでなく、ピザの記事です!!我が家も、ご多分にもれず、昨晩のクリスマスイブはピザ焼きました!市販ですけどね(笑)

 けど、やっぱりもう別格、サクラの薪なんかで炎を上げさせた状態で炉内焼きというか炙り焼きなんかしたら……なんというか、なんともいえない甘く、かつスパイシーな香りがほんのり乗って、もう「どこのプロ??」みたいな味わいになるのです。

aiken-makiss.hatenablog.com

チーズの燻製ってあるくらいですから、当然ですよね、サクラ。むっちゃ偉大!!

aiken-makiss.hatenablog.com でも!!ここで紹介したい「最重要ポイント」は、サクラじゃないんです。もちろんサクラあれば、これはハンドリング(火のつけやすさ、火の保ちやすさ)むちゃくちゃ良いですから(ただし、しっかり乾燥していることが大切で、サクラは、この点でも優秀。しっかり乾きやすいです)、あれば越したことないですけど……

 とにかく、サクラよりももっと重要な最重要ポイントは、もっと原理原則的な、次の3点なのです!!【ただし、薪ストーブの機種による「程度問題」としては、要調整です】

  1. ピザの底面、とりわけ底面中心の熱源(熾火にせよ、炎にせよ)は、出来るだけ少なくすること
  2. ピザを載せる「皿」は、できるだけ熱を遮断できるよう、熱伝導が悪くて、熱容量が大きい、つまり温度を上げようとしてもなかなか上げにくい材質にすること
  3. ピザを載せる「皿」は、「必ず」コールドスタート、冷え切った状態から、薪ストーブの火にかけること【この原理は特に機種依存あり。また冷えた状態の皿だとピザ生地が焦げ付き易いので、その点も考えどころ】

 2番目の「材質指定」は、これはピザストーンがわかりやすいですが、セラミック一択です。これを鉄板とかで、しかも薄い鉄板とかでやろうとすると、もう、絶対に失敗間違いなし!!という感じです【機種によっては、炉内上部のバーミキュライト(断熱材)の蓄熱及びそこからの輻射熱が強く、厚さ数ミリ程度の鉄板でも下からの熱と充分バランスが取れる場合があります】。

 なぜならば、少し考えて頂きたいのですが、ピザという食べ物の構造は、下はクリスピーでサックサク~~♪みたいなものを期待するわけじゃないですか、もともと、水分量って少ないのですよ。

 

 その最初から乾き気味な底面に対して、上部はどうです??水分、むっちゃ多くないですか??ピザという食材は、上と下ですごいアンバランス!!

 

 これが、ピザを美味しく焼くための原理の一つなのです。その焼けやすい底面に対し、熱伝導の優れた鉄板とか、あるいは銅板(そんなの、いないって)だったら、さらに過激ですが、そんなお皿で底面に熱を伝えてしまった日には……

 

 底面だけ瞬殺されて黒焦げになっておしまい

 

 この現象こそ、オーブンではなくて「薪ストーブ」でピザを焼こうという時に、本質的に生じる特徴的な現象であるわけです!!!!

 何故なら、薪ストーブの炉内というのは、根本的に「下から」熱がガンガンに、上方向にやって来るのに、炉内の上部からは、そうやって下から上がった熱で暖められた上部構造部材から、間接的にチョロッと、下方向に熱が降りてくるだけなのですから……

 こんな難しい言い回しでなくても、直感的に、普通の薪ストーブの炉内(下に熾火があって炎が上がっていたりする)で、上と下で、どっちの方が熱いでしょう??と実物を前にして聞かれて「上」って答える人はいないと思います【トラディショナルな鋳物ストーブでは「上」のほうが輻射熱が卓越することがあるそうです。たっぷりと熱を蓄えたセラミックが炉内に張り巡らされているのと、冷えやすい鉄板以外に炉内に何もないのとでは、状況がかなり異なります】。

 

 そんなふうに最初から熱量が不足気味な上部に対して【トラディショナルな鋳物ストーブではその限りではない】、下部はどうです??燠火とか熱源、むっちゃ強くないですか??薪ストーブ炉内という調理空間は、上と下ですごいアンバランス!!

 

 すなわち、本来、美味しくピザを焼くためには、まさに「天火」、食材の上に炎があってしかるべきなのに、薪ストーブはまさに真逆なんですよ……じゃあ、ピザひっくり返した状態で焼けばいいじゃん??っても、重力には勝てませんわな………

 そこでその「二重苦」「原理的に無理があることが重なっている」に対して、まさに苦肉の策を講じましょうというのが、原理1.及び3.なのですよ……

 【ここで薪ストーブの炉内で「上からの火力が弱くて、下からの火力が強い」程度については、かなり機種依存がありそうです。それに応じて、適宜、炉内上部のバーミキュライトが熱々の場合、例えば3.のコールドスタートではなく、下部プレートを温めた状態でピザを乗せて、ごく短時間だけ炉内に滞在させ焼き上げる方法が取り得ます。】

 でも、これを正確に、忠実に守っていれば、大丈夫!!とりあえず、ピザは焼けます!!!しかも、火加減(取り出す時間)さえ、間違わなければ、絶対に、普通に何かピザ焼くよりも、生の薪の炎で焼いたピザ、絶対に美味しいです!!!

 そうなると、問題は、ご家庭に、そんな冷えたピザストーンが何枚もあるとか、普通、考えられないじゃないですか、少なくとも我が家のMD70Kissは、開口が極めて狭いので、そんなところに入る耐熱皿でピザがとりあえず乗るとか、そんな都合の良いお皿は1枚しかありませんorz 続けてなんて、焼けないのです。お皿が冷えるまで待てばいいのですが熾火や丁度良い状態の炎は待ってくれないのです【温めたお皿を前提とするタイプの薪ストーブだと、お皿にアルミホイルを敷いておいてピザを乗せ、アルミホイルをハンドリングしてとっかえひっかえすれば良いので、かなりラクです】

 

 薪ストーブ調理の本質中の本質は、まさに「タイミング」

 

 そこで、同じ焼き方ができる皿がなければ、薪ストーブによっては別の焼き方、こんな技も使えます。トップがオープンの状態で燃焼できるタイプですね。

 こんな製品でございますね、尾上製作所さんのコンパクトピザオーブン。私、ホント真面目に、この製品に出会った時に、小躍りしました。MD70Kissに、これほど相性の良い製品もないって。皆さんに、必ずお買い求めになるようにお勧めしております♪(私は一銭も儲かりません(笑))

コンパクトピザオーブンshop.onoess.co.jp ……でも、火が遠いめだから、炎が強くてもいいかなーって思って焼いてたら、もう、上部はグッツグツの良い感じでしたが、下部底面は……まっくろくろすけになりましたorz はい、それは、もちろん製造責任ということで、私が頂きました。写真も撮ってません。証拠隠滅です。表面だけがカリッと焼ける原理は素晴らしいので、ある程度冷えたところでピザ片をよく揉んで、バラバラと焦げ部を底面から剥離させましてですね……ご想像にお任せします。

 やっぱり、何事も、原理原則に照らして、慎重にいくべきですね。薪ストーブでワイルドにやって良いのは、これもモキ製作所の薪ストーブに限りますが、立ち上げ動作だけです。

 一部の触媒機の薪ストーブなんかも、同じ要領でゴーゴー言わせて立ち上げるそうですね??真偽のほどはわかりませんが……そういう機種を家で使っている方から直接伺いました。

 このように、薪ストーブの機種に依存する部分はありますけど、上記1.から3.の最重要ポイントは「オーブンタイプ」というものではない、通常の薪ストーブの炉内でピザを焼こうとする場合は、共通の原理原則【ただし、程度問題で、耐熱セラミックが炉内上部に張り巡らせられて、それが炎で炙られ熱くなったあとに熾火状態からピザを焼く場合はこの限りではない】ですから、頭に叩き込んでおいてソンはないでっす!!!

 ただ、鋼板製薪ストーブや鋳物製薪ストーブで「程度の差」はあります。モキ製作所製の薪ストーブみたいな、炉内の熱のアンバランスが激しいタイプの薪ストーブだったら、炉内を諦めて、こんな焼き方の方が無難かも……これでも、ちゃんと「かなり」美味しいピザも焼けますけどね、炙り焼き要素、薪の香りが乗らないだけで!!

aiken-makiss.hatenablog.com 引き続き、薪ストーブのある暮らしをお楽しみくださいませ!!それでは、また!!!