なかなか平和なお料理のブログに戻れなくて困っておりますが、緊急のお知らせということで。
昨今の社会情勢から既定路線ではありましたが、ここにきて、モキ製作所製の薪ストーブが大幅値上げとなります。本年11月1日以降注文分ですが、弊社オリジナル改造版MD70KissのベースモデルであるMD70Kは値上げ幅も大きく（税別約5万円）、値上げ率としては最大（3割）となります。
これに伴い、同日以降のご注文については弊社オリジナル改造版MD70Kissも現在の税別35万円から税別39万8千円（税込み43万7千8百円）に値上げとなりますm(__)m さらに大変申し訳ありませんが、これは11月1日以降当面の価格であり、弊社手配の鉄工所の都合で今後値上げをせざるを得ない状況も想定され、その場合はまたご案内いたします。
これは自分でこんなこと言うのもなんですが、仕方ないです。なにしろ単なる鉄板という原材料の値上がりというよりは、人が直接手をかける「手間の塊」みたいな製品がMD70Kであり、ましてやその改造版MD70Kissは、もっと凄まじく手がかかってます。ここは部品さえ量産すれば何とかなる鋳物など組み立て式薪ストーブと根本的に異なる事情です（だからこその維持管理コスト不要＆長寿命となります）。
今や食料品はじめ、電気代ガス代燃料代交通費……ありとあらゆるものが値上がりしています。人の手をかけて作るもの、作らざるを得ないものというのは、そういう材料費以外の「間接費」とも言える値上がり分を製品価格に転嫁できないことには、継続的に提供することが出来ません。
MD70Kは、これまで「破格」ともいえるお値段設定でした。むちゃくちゃ手間がかかってて、上位機種であるMD80Ⅲと同等か、それ以上の「人の手」が生産のためにかかっていたと私としては認識しています。
でもずっと「サービス価格」的な位置づけでした。それはモキ製作所の薪ストーブの本質的なメリットを体現する機種であり、一見「なんでこんなに高いんだ？」を言われかねないような素人目には「いかにも簡単に作れそうな」（実際に作ろうと思えば、そこらそんじょの鉄工所では絶対に無理くらいに難しいんですよ？）シンプル必要最小限な削ぎ落しモデルだったので、とにかく使ってみて欲しいという、リリース当時社長、現会長の願いが込められた、これまでのお値段でした。
それがこの度の値上げによって、ようやく「普通の、手間相応のお値段」になったということです。そのことは、実は、現在の世相に関して、とても重要なことを示唆しています。
万人に優しかった余裕ある時代はもうおしまい、これからは「見る目」がある人にだけ
社会的には、私も「中間層」「中流」に位置する人間の一人ですが、「一億総中流」などと言われた豊かだった本邦は、もはや見る影もなく落ちぶれ、中間層なんて、今や絶滅危惧種になりつつあります。なんとかして上流層に行くか、下流層の暮らしに適応していくか、この選択を迫られつつあります。私だけでなく、いわば誰もが。
私はつくづく思うのですが、ここで大切なのは「投資」、これしかありません。二極化の分かれ目がまさに「投資」です。それは私などが今さら言うまでもないですが、私も実は社会的には「上流」に位置する家の流れを汲んでいるので、いわゆる「投資」が、貧富を規定する要素としていかに決定的であるかをリアルに体験して知っています。実際に手に汗して働くだけでは決して届かない不公平な世界です。
しかし私自身は、資本金として他人に投資して、その他人に一生懸命働かせたその利回りで自分はいわば働かずして豊かに暮らそうという、要するに金貸しと同じなんですが、そういう生き方にあまり魅力を感じません。自分の手を動かす「仕事」を具体的に行うことで、この社会に自分ならではの新たな価値を創出して（社会にもたらして）人生ナンボだと思っております。
農業とか、わかりやすいと思います。狩猟をしたり、地下資源を掘るのもイメージとしてはわかりやすいかもしれません。ともかく自分の働きによって具体的に何か価値があるものを新たに産み出し、それを相手に提供して、相手からの感謝をお金の形で受け取ることで、生きていきたいと願っております。
今の時代が難しいのは、誰かに雇われて、言われるままに真面目に働いて、給与という形でお金を受け取るだけでは、その給与の支給者（経営者）自体が、まず投資家に対してかなりのお金を差し出さなければならない立場にあるがために、実際に働いて産み出した価値のかなりの部分は投資家に先に持っていかれてしまっていて、その残りしかもらえないという構造が無遠慮に牙をむいているということにあります。
私はそれをもって「この構造がけしからん」とか言うつもりはありません。それは私の仕事ではないし、そもそも構造の善悪は本質的に程度問題であって、いわゆる「配当をいくらにするか」は、ずーっと自由であったのが、私たちの生きている社会だと理解しているためです。
しかし、ともかくそんな厳しい世の中を生きていなかければならない、という時に、大切なことが「投資は、自分の生活のありとあらゆる部分に関わる概念だ」という考え方であり、例えば、モノひとつ買うにせよ、それが実際どれだけ働いてくれるか？長い間戦力になってくれるか？という判断、「見る目」が大事ということです。
私が思うには、他人にお金を貸して利回り回収するにしても、そもそもそれができるくらいの余裕があるかどうかという問題もありますが、ともかくどうにも不確実です。だったら、確実なところで「投資効果」を最大にするしかないでしょう、と。
私は、今の自分の仕事『モキ製作所の代理店として薪ストーブを設置する仕事』を大変気に入っています。何故なら
モキ製作所の薪ストーブは維持管理のための費用がかからず長寿命で投資効果は抜群
薪ストーブという、冬季の暖房及び調理も「これ一台」で担える家財道具が、初期費用として投じたお金に見合う以上の価値を「それ以上お金を何もかけることなく生み出し続けてくれる」なら、それが、どれほどユーザーさんの戦闘力を上げるかわからないということを、身をもって知っているから。
このビジネスの基本的文脈は、圧倒的に正しいのです。ただ、もちろんモキ製作所の薪ストーブがあれば万々歳か？というと、残念ながら超アナログな道具でもあることから決してそんなわけではなく、煙突も含めたシステム全体としての構築と実際の使い方次第という部分は残ってきます。そこに、モキ製作所というメーカーに加えて、私というコンサルタントの存在価値が出てきます。
普通の人に馴染みない薪ストーブという専門的な投資テーマに関して、投資効果を確実にするためのアドバイザーみたいなものです、私は。そして自らの存在意義を問う仕事は、単なるアドバイスにとどまらず、結果的にはノーマルのMD70KやMD80Ⅲでは難しい部分（焚火の腕前が相当ある人ならクリアーできなくもないとは思います）を万人向けに解決したMD70Kissというオリジナル改造版を製品として具現化という領域まで至っています。
このとてつもなく高額なMD70Kissは、もちろん、それ以上の価値があるので私はイチオシにしておりますが（商売的にはモキ製作所製のノーマルの薪ストーブを売る方がずっと儲かります＆実際にノーマルの方が総合的に見て合理的なケースもありまので、ぜひご相談下さい（笑））、それを長々と説明するのは当記事の趣旨でなく……
まあ……あえて一つだけ言えば、炎の状態がしっかり見える「窓ガラス」って曇りにくいことも、曇りのない状態を手間なく維持し続けることも、実際に薪ストーブで暮らす（炎と上手にラクに付き合い続ける）うえでは、非常に重要なのですが……
曇りにくい＆曇りのない状態の維持が超簡単で維持管理コストがゼロはMD70Kissだけ
ここだけは、一つの象徴として宣伝させて下さい（笑）どんな薪ストーブでも窓ガラス周りのガスケットの交換くらいは維持管理費用として要するものですが、MD70Kissはガスケット交換すら不要です！！
そのようなわけで、確実に「これがいい」と言える投資対象を他に知らなかったので……というか、知ってたらガンガン投資してますし、消費する領域での「投資」でしたら紹介もしておりますので
あくまでも「考え方」として、他人に働かせようとするよりも、自分の戦闘力を最大限上げてくれるモノ、ないしコトにしっかりと投資しては如何でしょうか？と、そういう趣旨でございます、当記事m(__)m
くれぐれも申し上げておきますが、投資の際には、投資する価値があるのかどうか「見る目」が根本的に大事です。上記カフェラーナさん記事には、その「見るべき部分」についてもしっかり考察してありますので（中段の薪ストーブの話はお読みになる際には全カットで良いです）、よろしければお読みになってくださいませ。
繰り返しになりますが、万人に優しい時代は終わりです。「見る目」がある人だけに。
残酷な時代ですが、仕方ありません。お互いに覚悟を決めて、幸いにして生き延びることができたら、またその先に、優しい時代を作りましょう。
以上、値上げのお知らせでございました。ご理解のほど、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
