超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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【実録】薪ストーブ(モキ製作所MD80Ⅱ)の天板で、ご飯を炊く!超美味しい!!……けど(笑)

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 えー、一気に春めいてきましたが、お元気でしょうか?

 私は、しょんぼりしております。前回記事で、こちらのブログを運営なさっている、人呼んで(私だけか?)「総括の魔術師」ガヤさんがコメントで看過されましたように

大屋さんにしては文量少な目ですけど、不思議といつもと違った説得力があるというか…。

 そうなんです、私は、もう必死だったのです。ブログなんて(ごめんなさい)書いている場合じゃない、でも、どうしても伝えたい、そんな切羽詰まった思いで必死に書いたので、その必死さが説得力に出たのだと思うのですが……

 これからお読みいただく記事は「いつものように」長いです。というか「いつもよりも」長いです。どうしてそうなったのかは、この長い長い本文のあと、追記として、長々と語りますので、心優しい方だけお読みいただけますように。

 一言で言えば「スキーでのケガは怖い」です。さらにプラスアルファ、このブログの書き手の正体について。なんでそんなに切羽詰まった思いだったのかを率直に。

 

 さて、今回のお題は「ご飯」です。ひと月前の記事になりますが、パエリアの話がありました。

aiken-makiss.hatenablog.com このとき、私はご飯を炊くようにパエリアについて書きましたが「物言い」を頂戴しましたので、まず訂正情報として出します。私のユーザーさん、とても鋭いというか、物事の本質についてよくご存じの方ばかりなので、ホント、いい加減なことは書けませんね(笑)

mi-journey.jp 「パエリアパン」(パエリア鍋)という、専用の調理器具が、そもそも蓋ができるようになっていない、ということから、私の記事について違和感を持って、調べた結果を教えて頂いたのですが……

  • パエリアのご飯は、洗わない、炒めない
  • パエリアは「炊く」といっても蓋はしない

 本物の「パエリア」は、そういうものである、ということで、訂正しておきます。一応ではありますが(笑)正統派調理ブログですから。「真実」にこそ、もっとも忠実でなければなりません。

 では、書き手の私が「パエリア」記事で、何をやりたかったのか、何に驚愕したのか?それは……

 

 薪ストーブの天板でご飯炊くと、実は、美味いんじゃないか??

 

 という新たな真実。偶然的にそうなった理由は、いくつかあって。こと、ご飯に関しては 、私が推奨する銅鍋も、重力鋳造によるアルミの厚手鍋も「違う」と思うのです。これから述べていきますが

 

 対流

 

 そして

 

 遠赤外線

 

 これが、美味しいご飯の本質ではないか?という結論にたどり着いております。今回の実録記事は、それを薪ストーブ天板という、二次元的には理想的な均一さを誇る熱源を用いて検証しようとしたものです。

 ではさっそく……ちなみに前置きだけで、すでに1100字オーバー。これぞ当ブログ(笑)ごめんなさい、どうか本編最後までお付き合いください。それなりの(?)価値ありますから!!

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  あらかじめ米を砥いで、しばらく置いておくのは常道のとおりです。某レストランで働いていた頃は、この濁りも完全に取れるまで砥ぎましたが、その都度、玄米から精米してもってくる我が家、あまり気にしません。

 用いる調理器具は、土鍋の一種ですが、セラミック系鍋おそらく最強の遠赤外線効果を誇る東彼セラミックス製「トーセラム」、ただし廃版旧モデルです。私は、デザインも使い勝手も含めて、旧モデルの方が好きなのですが、そこはそれ、調理効果は現行版でも変わらないかなと。

 これを火にかける、というか、薪ストーブの天板に置くわけですが……お米を炊くのによく言われる鉄則は、このように要素分解します。ガスコンロ炊きでもアウトドアでも、我が家では共通です。

  • 「はじめチョロチョロ」;セラミックの熱伝導率は著しく低いために、いくら急速に加熱しようとしても、なかなか熱が伝わらないので、土鍋をはじめセラミック系鍋を使うなら最初からガンガン強火が簡単でちょうどいい。アルミ系鍋ならダイレクトなので、可能な限りそのように操作(でも実際は「なんとなく」、テキトー(笑))。
  • 「中パッパ」;ガンガン強火にかけて、沸騰する頃には鍋全体がアチチになっているので、容赦なく噴き出る蒸気を確認しておしまい。
  • 「赤子泣いてもフタ取るな」;セラミック系鍋なら蒸気が噴き出た瞬間から直ちに最弱火に移行する。火から降ろせ、という指示もあるくらい。「熱容量」というのですが、セラミック系素材による重量当たりの余熱効果は抜群なので、これまた簡単。焦げる匂いがわずかに香るまで放置で良い。5合を土鍋で炊く我が家ではこの工程は11分が標準。アルミ系鍋なら吹きこぼれや蒸気の様子を見ながらもう少し慎重に火力を維持。

  私は、ご飯を炊くなら、熱伝導率に優れ、包熱効果に優れたアルミなどの鍋よりも、対極的に熱伝導率の良くない土鍋ないし、鉄鍋のほうが良いんじゃないかと、少し思うところがありまして。

 なぜなら、ご飯って、そもそも不均一なものでないかと。一粒一粒の表面と、内部の違い、みたいな。おかゆなら均一ですが。均一性ではかなり効果が高い「アルミ系熱伝導率+圧力鍋」で炊いたご飯と、土鍋で炊いたご飯は、美味しさの方向性が違うように思います。

 すなわち、勝手に想像した仮説に過ぎませんが、土鍋で炊くご飯の美味しさは、熱伝導率の悪い鍋の内部ならではの不均一な熱分布(火が当たる底ばかり熱い)に対して、特に初期に発生する強力な「対流」や、「中パッパ」時に底面から発生する水蒸気の泡が、お米の一粒一粒を躍らせながら(米粒を立たせる)、表面を糊化させ、水分が飛んだあとは遠赤外線が作用して「焼き上げる」(ただ、米粒の集団のごく表層だけのはずなんですよね「光」が直接届くのは)……

 「パエリア」で感心したのは、最後の底面の焦げの均一さ。これは薪ストーブの天板ならではの平面的な、つまり水平方向の熱の均一性によるものだと思うのですが、一方で垂直方向は不均一なままの方が美味しいのではないかと。

 だから、薪ストーブの天板は、究極の美味しさが出せるのではないかな~?と。土鍋の一種であるとともに、遠赤外線で定評の「トーセラム」だし。

 しかし、実際にやってみた様子は、実に……こう、なんというか………(笑)まあ、視て下さい。それぞれ、画像なり動画の保存時刻を示しますね?

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 ご飯を炊く前の写真。部屋も一応暖め終わって、我が家らしい小出力運転に移行しているところですが、これが17時58分。これを「ご飯運用」にするために出力を上げます。

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 これが18時00分。出力は短時間、だいたい10分も上げれば良いかと思っていたので、火持ちは最悪、でも瞬間火力は最大の「パレット端材」です。炎が盛大に上がり始めたところに……

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 この、鍋を置いたところの写真の時刻が18時02分。18時00分ならわかりやすかったのですけどね(笑)何しろ実録なので。その時の炎の様子を捉えた動画がこちら。

youtu.be この動画の保存時刻が18時04分。狙い通り、激しい炎を上げて、どんどん温度が上がっていっています。銅鍋なんか使っていたら、即座に反応して、グラグラお湯が沸きそうですが……

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 ……この炎にして、蓋が、これっぽっちも暖かくなりもしない、さすがの土鍋(セラミック系「トーセラム」)。保存時刻は18時05分で、まだ気が早すぎるのですが、薪ケチケチ炎運転&銅鍋の早い反応に慣れ切った私の中では、早くも後悔の念が……(笑)

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 18時08分、ここで「息切れ」する端材薪。さすが、ペラペラと申しますか、最強の瞬間火力(笑)予定通り10分弱というか6分しか持ちませんでしたが、激しい炎にも負けず、鍋の蓋は、まだまだ暖まる様子を見せません。

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  そこで、もう少し端材を追加して、蒸気が噴き出すまで頑張ってもらうことに。この写真の18時14分。ガスコンロなら、その状態はすでに達成していると思いますが、薪ストーブは暖かいのが本来の役割です。おかげで部屋はもう充分暖かくて、すでにネコが、いつもよりも距離を取っていますが……「トーセラム」の蓋は、まだまだ、手で触れます。

youtu.be この動画の撮影時刻が18時21分。19分経って、ようやく、蒸気穴から勢いよく蒸気が吹き上がりました。この火力にして……「ようやくか」といった感じでした。部屋は、かなり暖まっていて、ネコが離れた位置ですっかりリラックスです。

 ネコは暖かさを愉しんでいればいいけど、ご飯炊くのに全てを懸けている私はそうはいきません。あっという間に燃え尽きる薪を選択しているとはいえ、薪ストーブの炎を急に収めるわけにもいきません。こういう時は……

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 直ちにできる火力調節として、網で、天板から鍋底を浮かせるに限ります。熱の伝わり方が、接触伝熱から、遠赤外線&空気伝熱に変わるので、火力調節としてはかなり有効です。この技を覚えておくのは天板での調理では必須だと思います。18時22分の写真です。

youtu.be 薪ストーブ本体の温度は急速に下がっていっていて、カン……カン……という収縮音がかなり聴こえます。ブツブツ、というか「ボッ、ボッ」と言っていた蒸気穴からの吹き出しも収まって、一応、目的は達成されつつあります。目的とは無関係のネコは、いつもと違う過剰な暖かさに呆れつつあります(笑)動画の記録時刻は18時24分。

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 薪ストーブMD80Ⅱの天板で鎮座する「トーセラム」、それはそれで、なかなか絵にはなりますが……時刻は18時26分、動画撮影直後の写真ですね、ともかく「暑い」(笑)

youtu.be もちろん、新たな薪の補充とかはなく、我が家によくある、普段の低出力運転の状態に戻っています。普段と違うのはネコの位置だけ(笑)蒸気は穏やかに出続けています。この動画の記録時刻は18時29分。そして……

youtu.be ……もはや「神技」のような「ピアニシモ」、小出力運転。これで失敗して焦がしたとか言ったら嘘でしょう。もう二度と出来ないような気がします。こんなきれいなピアニシモの炎の運転。動画の記録時刻は18時34分。この直後に、鍋を薪ストーブから降ろしました。だいたい炊けた匂いもしたので……五感だけを頼りにしていましたが、沸騰して13分後だったのですね、だいたい「予定通り」。ちなみに4合を炊きました。

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  ガスコンロだと、火から降ろして蒸らしに移行する直前に、12秒のガスコンロ最大火力加熱で強い蒸気を発生させ、フワッとさせるのですが、薪ストーブではそれはできないので、ただ蒸らしまして……ジャーン♪炊けました~~撮影時刻は18時58分、そして冒頭の写真です。なお、蒸らし時間はこんなにも要りません。やたら長いのはわけがありまして……

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 再び、速やかに火力を上げて、餃子を焼いていたのです。撮影時刻は18時48分。はっきりいって、鬼のように暑いです。ネコが、いつもならあり得ないくらい離れて陣取っています(笑)

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 鍋の性能によるとはいえ、餃子もまたテクニック。「薪ストーブマスター」の名に懸けて(ちょっとウソ)、火力を操り、調理器具も選び抜いて、ガスコンロよりも美味しい各種料理を提供するのです(笑)これが最も早く焼けた18時53分の写真で、全部の餃子を焼き終わってからしか、ご飯の蓋を開けることができなかったのです。

 ……で、餃子は、ガスコンロで焼くよりも、圧倒的に美味しかったですが、ご飯は、と言いますと……

 

 ガスコンロで炊くより美味いかどうか、よくわからない

 

 間違いなく、超美味しいのですよ??世間基準では。たぶん。けど「我が家としての」比較ということで言えば、調理器具を研究し尽くしている(?)我が家、セラミック系の鍋は薪ストーブ炉内以外では、調整しやすく大火力が出せるガスコンロで用いるのが良いと喝破し、ご飯は、そっちで研究しつくされた(?)代表格です。

 薪ストーブ炊きと、ガスコンロ炊き、二つ、せーの、で、食べ比べたらわかるかもしれませんが、この試みでは、家族の誰一人として、普段のガスコンロ+土鍋で炊いたご飯とどっちが美味しいか、違いがわかる、という人はいませんでした。

 ちなみに「おこげ」はガスコンロと同じように、ごくわずかしかなかったです。匂い判断も相当慎重にしたので、焦がす炊き上がりだと、また比較結果は違ったかなとも思いますが。

 よって、我が家の結論としては

 

 美味しいには間違いなく美味しいけど、火力調節が面倒というか、部屋が無用に暑すぎて薪が勿体ないので、たぶん、もう二度とやらない。ご飯はガスコンロで炊いた方がいい。

 

 ……というわけで、誰も真似をしようなどと思わないとは思いますが(笑)ご参考までに。以上で実証試験レポートは終わりです。それでは、また。

  

 ……で、「本編」はおしまいで、ここから先が、単なる愚痴です。よほどコアな読者さんを自認して頂いていらっしゃるなら、どうぞ(笑)

  えー、今、火曜日の夜ですが、今日も日中電話はジャンジャンかかってきて、実態としては少しも休まりませんでしたが(笑)仕事そのものはお休みを頂いております。自宅療養中。

 週末に、雪の多かった今シーズン、せめて1回だけでも……ということで、スキーに行って参りまして。 

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  表面は半分凍ったようなザラメ感のある雪ですが、そのぶん、スピードは乗ります。私、以前の、ちょうど「パエリア記事」で報告しましたように、腕前もないくせに、踵が自由になるスキーで滑るのが好きでして……

 自由が、好きなんですね、たぶん。テレマークって言うんですが、ジャンプ競技でも採用される「ヒールフリー」の靴の固定方式でして、私自身は別に何も跳べなんかしないですが、ジャンプ台があれば挑みたくなってしまうのです。空に浮く感覚も好きなので。たぶん根っからの自由好きなんでしょう(笑)

 やっと来れたスキー場だし、今年の大雪で、すごいたくさんジャンプ台が設けられてあったので、面白がって、挑んでは着地ですっ転びながら、勇猛果敢に次々とチャレンジしていたのですが……

 いかんせん、自分の歳も忘れて、調子に乗り過ぎました。昨シーズン来の、ちゃんと着地する感覚を思い出す前に、滑り始めて何本もしないうちに、すごい助走スピードで、すごい急な角度のジャンプ台に侵入してしまったのです。

 かなり仰向けの状態で空に放り出された時に「しまった!」と思いましたが、もうすでに遅し。えらい長く感じた滞空時間の末に、腰からズダン!!と落ちた雪面は、半分アイスバーンです。

 落ちた直後は、呼吸すらできなかったですね、でも二次事故を防がなきゃいけなかったから、必死で、コースからは這って脇に外れて、しばらくその場で悶えていました。

 自分への過信って怖いことで、呼吸が戻って起き上がったら、痛いのはいつもの一時的なこと、と考えて、また何本も普通に滑ったり、今度はさすがに慎重に、着地を成功させることを重点に「ゆっくり」からやり直したりして、おかげで感覚は思い出しましたが……

 お昼ご飯の頃には、引かない痛みもあって疲労困憊。いつもなら必ずリフト終了時刻まで滑る私、お昼で帰るなんて選択肢、まず、ないのですが、ここで天祐。

 朝の快晴はどこへやら、少し吹雪いてきたのです。そして同行していたのが、私にちっとも似ないで、そういう状況にとても弱い末っ子。吹き付ける雪を必要以上に気にする末っ子を見かねて「どうする?もう、帰るか?」と水を向けて、昼過ぎには帰ることに。

 今思えば、帰ってなければ、なお酷いことに……ケガの直後って怖いです。ショックで、かなり動けてしまう。

 帰ることにした、その先からが問題でした。まず、車の運転が「痛い」。身体に横Gがかかるだけで、いちいち「イタタタ……」筋肉痛の酷い状態で、末っ子が「父さんが痛がるなんて、初めてみる。よっぽど痛いんやな」と呆れていました。

 スキーの後から痛いのは、筋肉痛ではよくあること。筋肉痛もありましたが、それにしても「早すぎる」。今度は吐き気や寒気もしてくるありさま。というか、そもそも息をするのが「痛い」。そのあたりから「??」と思い始めます。

 打ちつけたのは、あくまでも腰です。直後に痛さと衝撃で呼吸ができなかったのはわかるけど、腰は比較的、尻もちをついた程度に普通に痛いのに、なんで息をするのが痛いのか??

 休日なので病院がやっていないこともありましたが、寝てれば直るでしょう、とばかりに、意識的に普段よりも横になって休むようにもしていましたが……

 ブログを書いて休日の夜を締めて、月曜日は朝から、普通に会社に行きました。何しろやることはいっぱいあったので。私、環境調査、と言いますが、もっと具体的に言えば「土壌汚染調査」のプロということで、お声がけを頂きます。

「土壌汚染調査」には国家資格もありまして、合格率10%とか、その第一回国家試験合格者、勉強も何もなしにフラリと臨んでの合格は単なるラッキーでしたが(2回目以降なら絶対無理だと思います(笑))、「愛研 大屋」というのは、名古屋地区に限っては、土壌汚染の関係者の間では少しだけ、名の通った人間だったりします。

 折しも、ここのところ、某大手企業さんの重要案件を担当してまして、そちらもようやく一通りの公表までこぎつけられて落ち着いて

名古屋市:平成30年3月分(報道発表資料)(市政情報)

 同時に手掛けていた別の大きな企業さんの社長直轄案件も、ようやく目途が見えてきたところで……そう、不思議に思われてる方もいらっしゃるかと思いますが、余分な人間を雇っておく余裕などない中小企業で、組織運営の主流からも外れて、事業採算も合わない「薪ストーブ事業」をやっている私が、どうして会社に居られるかというと……

 環境調査の分野で、そういう土壌汚染関係の大きな案件を、きっちりと手掛けることができる人間は、意外と少ないからなんです。そういう大きな案件は、たった一つだけでも、薪ストーブ事業1年分とかの金額になったりしますから。

 でも、たぶんご想像のとおり、私自身は、薪ストーブに限らずこの分野でも、人の顔が直接良く見える小さな案件の方が性に合っていまして、でも金額も金額だし、顧客としての重要度もとても高いですから、大手さんの案件をなんとかするためにずっと待って頂いて、かなり長らく後回しにしてきたのを、ようやく「手を付けますね」とお客さんに約束していたのが、この週明けでした。

 しかし、そのための作業を開始した月曜日のお昼には、事態はますます悪化して「こりゃ、ヤバいんじゃないか?」状態。「経験のない痛み」には、私も白旗を上げるしかなく、もはや、おじいさんのような足取りで、駅近くの病院へ。

  待合室で待つこと1時間以上、でも、名医と言われる先生の診断は的確でした。脊椎の圧迫骨折。早い話が、背骨、脊椎の骨はカーブして繋がっていますが、そのカーブの向きが変わるところって衝撃に弱いらしく、そこあたりで一つ一つの骨が、たぶん三つばかり、衝撃で少し潰れて変形していると。

 聴けば、なるほど納得です。打ったのは腰だけど、衝撃は脊椎の列の「弱いところ」を破壊する。そこに胸があるので、呼吸をすれば痛いし、そもそもあまりの痛みは吐き気を催す。

 普通は、平気な顔していられる痛みではないそうです。けど、痛み止めなんか飲んだら、私のことだから、身体を動かしてしまう。だから「これから、さらに痛くなって、耐えられなくなるかもしれない」と言われましたが「痛み止めなし」でお願いして……

 そう、治すには、とにかく安静、しか、ないそうです。前かがみはNG。できるだけ、横になっているか、ソファーでふんぞり返っているか。いつものように重いリュックを背負って歩くのが、そりゃつらいはずというか、えらいことしてたなと(笑)

 笑っていはいますが、しょんぼりです。診断を聴いてもなお最初は「いや、仕事を休むわけにはいかないのです。デスクワークならできるでしょう?仕事します」と強がって言っていましたが、先生はそれを否定もせずに「でも無理をしたら、脊椎が変形したまま固定化されることもあるんですよ?」と淡々と事実を述べます。さすがに将来を考えざるを得ません。悩みましたが、ここはいったん、お仕事を放棄です。

 まさか、こんなことになろうとは……大怪我は、本当に「大したことない」ことから生じるのだと。自分の甘さを思い知りました。

 でも、こうして、今日から仕事も放棄して、自宅で休んでいると、それでもかかってくる懸案事項やトラブルの電話は別として、自分は恵まれているな、と思います。普通は、こんなお仕事放棄したら生き死にの問題です。でも、有給休暇というか代休で「休める」し、個別に連絡を取って謝ったお客さんも皆さん「お大事に」などと言って了承してくれます。それも組織の勤め人としてやってこさせてもらったからこそ。

 自由ばかり、こよなく愛して、強がっているばかりの人間ですが、実際には不自由に、大いに守られてもいるわけです。

 薪ストーブ事業でも、ホント、お待たせしてばかりですみません。実際のところは、ご理解に助けられ、いろんなことを教えられ、それでかろうじて成立しているわけでして、お待たせするなんて、本来「あり得ない」ことなんですが……

 

 人間、自分一人の力で、生きることができているわけではない

 

 いつも生意気で偉そうな自分自身に、せめて、それを言い聞かせるべく、できるだけ、しょんぼりと、大人しくしていようと思っています。

 そういうわけで、自宅療養を決めた今日は、「いつもの長文」が必要(?)な実録系テーマに取り組んでみました。なお、お休みとは言いながら、前かがみにならなければ良いので、薪ストーブご見学対応と、工事監督対応は続けさせていただきますのでご心配なく。自宅療養期間は特注コルセットという名のギプスが出来上がりましたら終了となりますので、かかってくる電話も含めて、どこまで時間が取れるかわかりませんが、時間が取れそうなら、書きたかったもう一つの長文にも取り組みたいと思っています。

 こんな長い長い話にお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。こうして頑張れるのも、こうやってお読みいただいているお蔭さまです。感謝しております。

 どうぞ私を少しでも反面教師に、くれぐれもお怪我などされませんよう、お元気で。それでは、また。