超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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【動画で綴る炎のブログ(笑)】実録!薪ストーブde超美味しいお鍋

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 環境調査会社の調査員を本職として、一般的にこの国の理系としては一流に属する専門教育を受けてきた人間が、薪ストーブのある暮らしの真実をひたすら追い求める当ブログですが(笑)、今は商売人兼ブロガー(楽しく読んでもらうための物書き)でもありますので、本当のことを「全部」書いているとは限らない、ということは、これまでも申し上げてきました。

 誤解して頂きたくないのは、質問されれば誠に正直に答えますし、質問されなくても個別のユーザーさん対応の中で「この人にとって大切な内容」だと判断すれば、商売上不利になることでも、必ず正直にお伝えしておりますので、そこはご安心頂きたいのですがブログはブログです。万人に公開するので、あえて言っていないこともあります。

 そこで、今だからこそ明かせる、昨シーズンの当ブログの真実があります。

 何かといいますと、昨シーズンまで、薪ストーブの炎の写真を撮るのって、本当に、大変だったのですよ……

 昨シーズンまで、我が家はモキ製作所のMD80Ⅱは同じですが、最初期型のノーマルモデルでした。ノーマルモデルは、我が家のような薪ケチケチの低出力運転を基調とすると、窓ガラスは「あっという間に」曇ってしまいますので、美しい炎の写真一枚撮るのも相当大変で、炎の美しさをテーマにする記事では「iGブースターモデル」による写真を当時から使っていました。

 ちなみに、このこと自体は昨シーズンのブログの中でも正直に告白しております。本当のことを言えていないって、私にはすごいストレスなのです。

aiken-makiss.hatenablog.com

  しかし!!前回記事でも書きましたが、今シーズンから、我が家「iGブースターモデル」です!!これによる変化って、ブログを書く上でも、ものすごく大きなものでした。

 すなわち、炎の写真どころか、料理と一緒に「いつでも」美しい炎を見ていると、ついつい、動画を撮りたくなって、撮ってしまうのです。そのアップなんて、多忙の中で全然追い付かずに、実はパソコンの中が未公開動画の山になっております(笑)

 これはこれで、ものすごいストレスでして(笑)、今回は、それを一気に(?)解消するべく「炎のブログ」ということで、動画をいっぱいにしてお伝えします。テーマは「超美味しいお鍋」!!

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 そもそもの「犯人」はこいつですよ、こいつ。一昨日12月11日、私は週末の代休を頂いて、東京から戻ってきた妻を出迎えたり、その前日から帰省してきた長女をもてなすべく朝市に買い物に出たのですが、そこで見かけたのが、この「北海道産生タラ」。1切れあたり200円強という、我が家としては破格の贅沢でしたが、こんな良いタラはめったに手に入らないので、タラ鍋にしようと思い立ちました。

 ちなみに我が家を良く知る方なら「あれ?末っ子がいるのでは?だったら4切れ必要では?」と気が付くかもしれませんが鋭いです(笑)私は要りません。「こいつはムチャクチャ美味い」って、すでに知っていますから。私は豆腐が好きなのでそれで充分。ちょっと良い豆腐を買いました半額ですけど(笑)

 「最高の食材+薪ストーブ」は、今や、私が家族にしてやれる最大のプレゼントです。この日もまあまあ寒かったので、全員居ることだし、16時過ぎから薪ストーブの立ち上げを始めました。料理が目的ですから、私はうるさいです。そして段取り悪くてバタバタします(ねえ?先日実際につぶさにご覧になりましたよね、K様(笑))。その合間に炎に見とれて動画を撮りました。まずはこちらから。

youtu.be 撮影時刻は16時43分。薪ストーブが無事に立ち上がって、我が家のネコも暖かさを充分享受するようになったところです。部屋は夕方早いめから暖かくしたかったけど、鍋はすぐにできてしまいますので、食事の時間を考えると、まだ鍋を仕掛けるには早いなと。しかし、この炎は有効活用したい……ということで、やはり朝市で安かったから買ってきた里芋(親芋)で、シンプルな煮物を作ることを思いつきました。

 なんでも、出たとこ勝負の思い付きです。私。薪ストーブも、人生も(笑)

 ジャーポットも空だったので、鍋一杯のお湯を沸かしながら、煮物の出汁を取っています。いわゆる通常の「巡行運転」の炎です。撮影時刻は17時09分。このあたりからして、炎が美しくて、私は悶えています(笑)ホント変な趣味ですが、今回は「炎のブログ」ということでお許しください。

youtu.be ここから先は、調理にも必死になっていって、動画はかなり、切れ切れです(笑)タラ鍋は、本来、新鮮なやつを頭も内臓も全部使って、タラだけで味を出すものなのですが、そんな贅沢はできませんので、あらかじめ鍋用に出汁を取って(煮物用と同じ混合出汁ですが、濃さは半分程度かな)、沸騰したところに白菜の根っこ近くから放り込んで、煮始めます。

youtu.be 撮影時刻は18時22分。薪ストーブを点けてから2時間以上、断熱性能等級「2」の我が家ですが「たった」21畳のLDKだけが暖房範囲です。もう、部屋は充分過ぎるほど暖かくなっていて、鍋の沸騰さえ維持してくれれば何の問題もありません。穏やかな炎をできるだけ長時間維持してほしいので、太薪を入れて空気を絞っていきます。

 里芋の煮物にとっては、すでに火力は充分過ぎて、吹きこぼれを防ぐために、弱火にする代わりに網を2枚重ねて一番手前に置いています。末っ子がご機嫌に口笛吹ながら降りてきて、そっちに気を取られて、せっかくの美しい炎なのに、最後はピントも全部崩壊しましたごめんなさい(笑)

youtu.be その5分後、撮影時刻は18時27分。熾火だけで鍋が沸騰してしまうので、やさしい味に仕上げたい私としては、空気を絞りに絞って、極力低出力を維持しようとしています。熾火を基調とする極低出力運転、それなのに全くというほど曇らないガラス、「iGブースター」にしかできない芸当です。

 ここから先は、白菜の葉っぱのほうを投入し、エノキを投入し、豆腐を投入し……このとおり、軟弱野菜だけで構成しています。タラ鍋って、本来、すごく繊細な鍋ですから。具材にふさわしく、あくまでもやさしく煮ながら、タイミングを計っていきます。

 「超美味しいお鍋」というに相応しく、タラ鍋は滋味の深い出汁も含めて最高レベルの味ですが、アンコウ鍋とかと違って、タラそのものが火が通りすぎてしまったら台無しです。豆腐もそう。白菜も葉っぱのところはクタクタよりも丁度いい火の通り具合があります。水分も白菜から出てくるのを見込んで最小限に仕上げます。それぞれの具材の火の通り加減を最適にした「一発勝負」の仕上がりです。

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 ……できました!!撮影時刻は18時56分。食材をいろいろ入れていく段階になったら、私はもう動画どころではないし、そもそもグラグラ沸騰なんてノーサンキューなので、熾火を基調にした極小火力のまま、炎もほんの少ししか上がっていない状態なので(上のタラの投入時の写真、撮影時刻は18時48分です)、炎の美しさ云々という萌えはありませんし動画もありません(笑)

 あと、すでに写真でおわかりのように、これらの鍋は、全て銅鍋が使われています。銅鍋は「熱伝導率」が最も高いので、熱源としての薪ストーブの天板の均一さに加えて、さらに熱を鍋全体に柔らかく拡散させながら、やさしく具材に熱を伝えて……

aiken-makiss.hatenablog.com なおかつ、熱を貯め込んでおく「熱容量」が大きいために、弱火の熱でも側面からも確実に熱が伝わり続ける「包熱効果」が期待できるだけでなく、そもそも冷めにくい利点があるので、グラグラ沸騰させなくても、混ぜなくても、全体をフワッと良い感じに仕上げることができます。

aiken-makiss.hatenablog.com よって、私はガスコンロにおいてだけでなく、薪ストーブにおいても、銅鍋を一番の調理器具として認定しておりますが……

aiken-makiss.hatenablog.com そのあたりは、もし興味があれば、またお読みください。理系らしく「解説が長い」ですから(笑)それはともかく「超美味しいお鍋」というのは、具材に加えて、調理器具とノウハウがあってのことです♪

 この超美味しいお鍋が、「え~?タラ??ボク要らない」とか食べる前に言ってた末っ子も含めて、「美味しいね、美味しいね」と、目を丸くする驚愕と共に皆の胃袋にあっという間に収まっていったのは、言うまでもありません。

 ……で、さらに調理器具に関して興味なければ、次の動画まで読み飛ばして頂きたいのですが、ちょうど薪ストーブと調理器具の関係について、私にとっては目からウロコの記事が、昨日、お馴染みガヤさんからリリースされておりまして、私は深く深く、考え込んでしまったのです。

www.makifuyu.com これ、重厚な鋳物ストーブの天板で、これまた重厚な鋳鉄ダッチオーブン系の鍋を使って煮込んでいるのですが、実はものすごく「理に叶った」調理法じゃないかと。なにしろ

うちのドブレ640は温まるのが遅い鋳鉄190キロの超重量級ですが、一旦温まればそこから放たれる輻射熱は凄いです。

それを利点として活かしきっていますから。

 今回の私の記事のような運用ならなおさらですが、本体が鋼板70キロのモキMD80Ⅱでは、重厚な鋳鉄ダッチオーブン系の鍋で煮込むって、どうにもバランスが悪いように思うのです。理系的感覚でいえば「分母」(熱源)が小さく鋭すぎる割に「分子」(加熱対象物)が大きすぎるというか……(なんのこっちゃ?な表現かもしれませんが(笑))

 その点、ガヤさんの記事のように「分母」が充分(面積的にも熱量的にも)大きければ、熱伝導率の良くない分厚くて重厚な鋳鉄ダッチオーブンの鍋だって「分子」として非常に好適、豊富な輻射熱によって全体から加熱という完全な包熱効果に加えて、ガヤさんおっしゃるように圧力鍋効果まで期待できます。

 ともかくこの「鋳物ストーブ+鋳鉄ダッチオーブン系の鍋」は、非常にバランスが良いというか、私からしたら目からウロコで、逆に言えば、ガヤさんの記事のような鋳物ストーブの強出力運転で、もしも今回の記事ような銅鍋を使ったら、もう、あっという間にグラグラぐつぐつの過酷状態になります。当然、鋳物ストーブなら、それほど出力を強くしなければいいだけの話ですが。

 逆の立場で、もちろん、薪ストーブとしては最軽量ともいえるモキMD80Ⅱのような天板で、ガヤさんのように圧力鍋効果も期待して鋳鉄ダッチオーブン系の重厚な鍋を「使うことは」できます。けど、充分かつマイルドな輻射熱による包熱効果までを見越しながらの長時間の煮込みは、たぶん難しいんじゃないかと思います。

 なぜなら、たぶん暑くなりすぎるか、200℃超程度のちょうどいい出力の安定した維持が難しすぎる。モキ(特にノーマル)では。今回の実録においても……

youtu.be 撮影時刻は19時41分。あったか~い鍋を食べたこともありますが、こんな火力でも3時間半以上も焚き続けていたので、部屋は、もう暑くてたまらなくなりました。

 でも里芋は翌日以降のために煮込んでおきたい。それは熾火でも充分足りるし(さすがに火力調節用の網は外してあります)、図らずもガラスに映り込んだ撮影者(私)のあられもない姿でわかるように、人間は下着一枚になっていて、さすがのネコも暖かさについては「もういいや」という感じです(笑)

 ですので、偉そうに調理器具ランキングとか言ったって、結局は、薪ストーブ本体の選択と、準備できる薪の量だけに依存する問題かもしれません。これらには、さらに家の躯体の断熱性能も関わってきますが。

 すなわち断熱性能の低い家に住み、およそ準備というものが苦手な私は、薪の準備も最小限にしたいのでモキMD80Ⅱ、そして最高の熱伝導率を誇る銅鍋が「答え」です。しかし薪の準備がしっかりできるなら「答え」は別のものになるのかな、と。

 いずれにせよ、美しい炎の眺めを楽しみながら超美味しいお鍋、これは太古の昔から冬の暮らしにおける「人類の夢」ですし、それを叶えようとした時に、基本的には、やっぱり薪ストーブというのは最高・最強の仕掛けだなと思うのです。

 そういうわけで、今回も超長文、そして本当のことで言わなかったことはなく、むしろ薪ストーブでの鍋料理について、言いたいことは全部言い尽くしてしまいました(笑)

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 タラ鍋の時間調整、「ついで」に作った里芋(親芋)の煮物も、煮崩れることもなく芯まで柔らかく、美味しく仕上がりました。撮影時刻は20時07分。ちなみにここで「そろそろ寒くなってきたね」と妻が言ったので、薪ストーブ再始動しましたが、もう疲れたので動画も写真も撮影しておりません。洗い物も任せてしまいました(笑)

 今回の「趣味の実録」ですが、皆さんも、きっと文章を読むだけ、動画を見るだけで疲れたことでしょう。最後までお付き合い下さいまして、本当ににありがとうございました。

 そしてホント、1月とかの真冬なみに寒いですので、鍋などお料理も工夫して、どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。それでは、また。