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超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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煮込み料理をこの上なく美味しく作ろうよ②

鍋料理 使い勝手&魅力 調理器具

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  寒い!!ですね、いよいよ。寒いときはやっぱり、グツグツ熱々にせよ、コトコトじっくりにせよ、鍋料理最高です!!鍋料理が、この上なく美味しければ……この上なく幸せになって、冬の寒さが幸せの記憶に変わります

 ……で、昨日は、煮込み料理を、この上なく美味しく作るためには、「やわらかい火当たりが必要」、すなわち熱をやわらかく、均一なものとして、食材に伝えなければならない、という話をしました。 それを具現化する人類の長年の知恵として、鍋としては「アカナベ」、銅の鍋が最高であるとされてきたことをご紹介しました。

 

aiken-makiss.hatenablog.com

  昨日も理論、今日も理論ですが(笑)、理由がわかっていると、煮込み料理がこの上なく美味しく作れるだけでなく、すごく応用が効きますので、もうちょっとだけお付き合い下さい♪

 さて、銅の鍋は、炎という「鋭い熱」を、マイルドで均一な熱に変えるために、非常に都合が良い道具なのですが……もし、熱源そのものが「鋭い熱」でなければ、それで解決すると思いませんか??

 繰り返しになりますが、煮込み料理を美味しくするには、鍋の中が100℃を保てる程度の熱を、安定して加えることができれば、それで良いのですから……

 ここで、重要な意味を持つのが、薪ストーブの天板を作っている「鉄」という素材の性質なのです。

  昨日の「熱伝導率」の話、覚えていますか?「熱の伝わりやすさ」を示す数字。銅の「390」に対して、アルミは「240」、鉄は「80」と、鉄は「いいところなし」のように見えました。ちなみに土鍋の熱伝導率はモノによって違いますが、もっと低い「1」くらいです。

 しかし、熱伝導率が低いというのは、裏を返せば、一度貯め込んだ熱をゆっくりと、穏やかに放出するという利点になります。土鍋は冷めにくい、というのも、まさにこのことが理由です。

 しかし、貯め込んだ熱を安定して放出するためには、熱をたくさん貯め込んでおく必要があります。ここで、新たな「熱容量」という概念がでてきます。材質の体積当たりで熱を貯め込んでおける量を表しています。

 具体的な数字として紹介しますと(温度によって異なるのですが、だいたい室温条件として)、銅は優秀で「3.5」(だから、銅の鍋は「熱しやすく冷めにくい理想の鍋」などと評されます)、鉄は銅と同じ「3.5」、「冷めやすい」と言われるアルミは「2.5」。逆に熱伝導率の悪いステンレスですが保温性は高いと言われるだけあって「3.7」とかの数字です。

 土鍋も材質の体積あたり熱容量はアルミと同じく例えば「2.5」とか「冷めやすい」数字ですが、土鍋は金属の鍋と比較にならないほど分厚いし、同じ重量なら銅や鉄の倍くらい熱を蓄えます。だから実際の土鍋が蓄えている熱は、ものすごく「たっぷり」なのです(金属鍋の、ざっくり10倍くらい?)。それでいて、熱伝導率がすごく低いわけですから、実生活では最も「冷めにくい」鍋になります。

 ……ちょっと疲れましたね?(笑)要は、薪ストーブの天板の材質である鉄は、たっぷりと貯め込んだ熱を、ゆっくり穏やかに放出する、ということです。しかも、熱の伝わりやすさは銅やアルミには負けるとはいえ、金属ですから、徐々にではありますが、当然、炎からの熱は鉄の板の中を伝わって天板全体にも拡がっています

 結果的に炎からの「鋭い熱(焦げ付きやすい)」は、煮込み料理をするためには理想的な、均一で穏やかで安定した熱に変化して鍋に供給される、つまり焦げ付きにくい熱に変換されることになります。

 具体的な話では、写真の薪ストーブの天板は厚さ6ミリもあります。薪から立ち上った炎からの600℃からの「鋭い熱」は、いったん天板に蓄えられてから、おでんの煮える鍋に、穏やかな熱として、ゆっくり放出されてます。

 やわらかくて、本当に、美味しい味です。全体が均一に加熱されることで、対流が穏やかに生じているので、どの具材にも味がやさしく染み込んでいます。

 何気ない煮込み料理が最上のご馳走に変わる。薪ストーブの大きな価値です。

 ちなみに……「薪ストーブを科学する」の蛇足、天板の熱伝導率が低い、冷めにくいというのは、モノを置いても、天板自体の温度はあまり影響されないということです。

 つまり、写真でも鍋の横でシイタケを焼いていますが、もしも熱伝導率が高すぎたら「お隣さん」に影響されて、煮物の横では焼き物はできないとか……「寂しい話」になってしまいますので(笑)やっぱり天板は厚い鋼板製が良いです。ちなみに分厚い鋳物製だと温度が高くなるのに時間(と薪代)がかかり過ぎるかなと。

  そういうわけで、「薪ストーブ調理の科学」シリーズ第2弾、いかがでしたでしょうか?「超簡単」はどこいった??という感じですね(笑)……でも、真面目な話、このシリーズで解説している概念は、超簡単に美味しい料理を作るための知識として、周到に集められ、検証されたものなんです。当ブログらしからぬ時間と労力かかってます。お付き合い頂く価値はあると思いますよ♪

 次回は、この際なので、この続き。「料理の味は料理人の腕次第」ならぬ「料理の味は調理器具次第」と信じてやまない人間が何を言い出すか、こうご期待♪