超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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「家にいろ」という社会的要請の今だからこそ徹底できる超美味しい煮物を作るためのポイント※実は雑感(笑)

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【4月28日追記;本記事は「全国一律」みたいな対策を嘆きつつ、それを受け入れざるを得ないだろうという論理で構成しておりますが、私たち国民が選んだ政府に、もしも、ピンポイント狙った合理的対策を迅速に打ち出せるほどの能力があれば、今からでも、こうするべきであった対策を、永江一石さんが見事にまとめられております。私自身は風俗とパチンコ屋さんは同列ではないし、「8割おじさん」によって立案された対策が、実際のところ極めて現実的であると認めざるを得ないだろうという立場から、永江さんの主張とも今は距離を置いていますが、本来はこうだなぁ……ということで、ご紹介まで。よろしければご一読を。】

www.landerblue.co.jp

 ご機嫌いかがお過ごしでしょうか?私は、NHKラジオニュースばっかり聴いております。なんだかんだで、今の日本では一番公平中立というか、役に立つ情報を放送してくれているように思いますので。このWebサイトは本当に便利。ご存じなければ是非。

www.nhk.or.jp まあ、ここ数日、「東京都など7都道府県に緊急事態宣言が出されて…」とか、最初の出だしの発音が「と」とか、ちょっとバリエーションが出てきましたが、ここのところ、ずーーーっと、ラジオニュースの冒頭、出だしの発音は「新型コロナウィルス……」の「し」の音から始まっておりました。

 今日もニュースでは安倍総理以下政府が全国的に求める徹底的な外出自粛が語られておりまして、実際に家にいらっしゃることも多いかと思いますが、私は個人的には「皆で全国一律に家でいなさい」というこのたびの自粛要請は下策でなかろうかとは思っております。ご存知とは思いますが、東京都の区別の人口あたり患者数のデータ。

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 出典はこちらのWebサイト。4月15日のデータで更新とおっしゃるグラフをお借りしてきました。

note.com すでに多くの方が指摘されているように、患者数の多い港区、新宿区、渋谷区、中央区は、その要因としてそれぞれ六本木、歌舞伎町、道玄坂、銀座といった、同席接待を伴う夜の繁華街の存在が対応しています。家から出るなと封じ込めるなら「高リスク」の地域を重点的に封じ込める方が合理的です。

 さらに世代ごとでも感染の拡大のさせ方が異なっているので、求められる対応も世代ごとに異なってくるのが合理的であろうと思います。若年層は家を出ても良いけどライブやコンパなど激しく盛り上がる活動だけは自粛、中高年は濃厚接待は自粛して出張時には必ずマスク着用、高齢者だけは身体能力を鍛錬するような地域活動を厳しく自粛等々……

 そんなふうに、世代ごとに差をつけることが合理的という根拠について、クラスター対策班の押谷先生による図です。

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 4月18日に日本感染症学会によって開催された「COVID-19シンポジウム」と題する特別シンポジウムの内容をまとめて頂いたこちらのサイトよりお借りしました。「敵」のこともかなりわかってきた感があります。「COVID-19シンポジウム」の内容をご覧になっていないかたは、時間もあるこの機会に是非

 ともかく、このウィルスの特徴は、感染リスクも、症状も、何もかもが平均的でなく、「極端」で「局所的」であることだと感じています。感染が拡まる様子も局所で爆発的スピードで患者が増加し、症状進行も急すぎます。準備のないところに不意打ちを食らうようなもので対応が追い付くはずもなく、感染拡大の抑制は絶対必要であるのは間違いないないのですが……

 けれども、そのために全国一律で「家にいろ」は、どうなんだろう??と、経済活動や社会活動を制約する自粛要請や、とりわけ休業要請などについては、一律ではなく、極端かつ局所的で、場面場面で発揮する影響が大きく異なる性質を持つウィルス相手に相応しくそれぞれの集団や地域ごとの特性に強く依存する感染拡大リスクに応じて徹底的にポイントを押さえた対策を行うべきでなかろうか?と私などは疑問に思うのです。

 でも、そのように全国一律で「家にいろ」と政府から要請されている以上、仕方ありません。そういう「自分ではどうしようもない環境の変化」にも上手に対応できることこそが「強い生き物」の条件です………でも、実際には「たまたま運が良かっただけ」なんですけどね~~~ホント、こちらの方がおっしゃるとおり。

sugars.hatenadiary.org たまたま「薪ストーブ」なんて幸運を手にしていた私は、この状況を最大に生かすべく……お聴きになっていらっしゃるかもしれませんが、コロナの影響で、美味しいブリがこれまでになく安いです。たとえば『「ぜひ地元のブリを」 定置網でブリ豊漁 コロナの影響で半値以下 静岡・伊東市』というニュース。

今年は新型コロナの影響で消費が減っていることから、魚の値は例年に比べ半分以下ということです。

県定置漁業協会は「脂の乗りも良く、価格も安いので、この機会にぜひ地元のブリを味わってほしい」と話している。

www.sut-tv.com 静岡に限らず、養殖ブリのメッカ、三重でも。

「今年のブリは脂が乗っておいしいが、高値で購入してくれる旅館や料亭が休業しているため、出荷量が落ち込んでいる」と話した。

www.isenp.co.jp 本当に、見たことのないくらいに美味しそうなブリが、信じられない値段で普通に売ってます(そろそろ終わりでしょうか?)。ブリは色んなことができますが、時間があるならコトコト煮物……とくれば、ブリ大根!!

 今回、料理のブログのくせに、作り方を端折りますが、こういう「味しみしみ」系の料理って、超美味しく作るためのポイントはただ一つ

 

 食べられるまで火を通したあとは、沸騰させない程度の保温状態をひたすら保つ

 

 巷でいうところの「保温調理」というやつですが、薪ストーブさえあって、さらに今みたいに強制的に「家にいろ」じゃないですが時間があって、薪ストーブのそばでボーっとしていることができるなら、この「味しみしみ」系って、そんな巷の「保温調理」の域を超えて、ひたすら、徹底的にできるのです!!

100℃→80℃くらいまで温度が下がる際に食材は軟らかくなり、味も比較的速く染み込んでいきます。

その後80℃以下に冷めてくると、硬さはほとんど変わりませんが、味の染み込みは継続します。60~70℃くらいをキープできれば、味の染み込みは冷蔵庫の温度の何倍も速いはずです。

hironosaori.com ここでいう温度帯を、強制的に維持するわけです。薪ストーブがあれば、とても簡単です。まず100℃~80℃くらいの温度帯、どうやって作り出すかというと……

 では、どうするか?はい、ちゃんと手があります。ごく簡単な手が。私のユーザーさんには、全員にお伝えしているはずなので「今さら」の情景かと思うのですが……

youtu.be 網一枚、鍋の下に敷くだけで、火力はぐっと調整できます。薄いものでもすごく効果が大きいですが、網を敷いてもまだ火力が強いようなら、厚めの網に替えたり、網を2枚重ねにしたり……どうにでも調整できます。ちなみに、動画で用いられている網は、それなりに厚い網で、こういう用途で重宝します。

aiken-makiss.hatenablog.com こうやって時々様子を見て、薪ストーブの火力の変化に応じて網を入れたり抜いたりするだけで、薪ストーブで暖を取っているあいだじゅう、沸騰させない温度帯を長時間でも強制かつ徹底的に保ち続けることができます。

 しかも、その時に、鍋に「熱容量」の大きな銅鍋を使えば、さらに完璧です(長時間なので熱伝導率のハンディは関係なくなるので、土鍋とかでも良いですが)。

aiken-makiss.hatenablog.com この銅鍋って、おでんとか「味しみしみ」系だと必ずというほどプロが使っている道具ですが、その保温効果って、やっぱりすごくって。薪ストーブ自体は完全に炎が消えてから1時間以上経っている21時45分くらいの状態。ネコがすっかり気持ちよさそうになっている、いつもの風景。

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 この時、薪ストーブの天板温度は60℃くらいまで冷めていましたが……

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 ブリ大根を作っている銅鍋の中は、まだまだ味が染みていく74℃!

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 ここからさらに時間が経って、22時30分。薪ストーブの天板の温度は50℃を切ってましたが、鍋の中の温度は、やはり味が染みていく60℃以上をキープ!!

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 銅鍋は、中に食べ物入れっぱなしだと、どうしても鍋自体が(正確には内側の錫コーティングが)傷みやすいので、60℃を切った段階で、琺瑯容器に移し替えましたが……

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 ポイントを重点的に攻める、それだけで、ブリも素晴らしく滋味深いし、大根も「味しみしみ」で、作った本人が超ビックリするくらいの「かつてない美味しさ」でしたよ?!本当に!!ビバ自粛!!ありがとう、日本政府!!!

 ……というのは冗談です。で、実は、以上が「前置き」で、これからが本題です(笑)ここから先は、愛研大屋の長文に耐性のある方だけ、お付き合いくださいませ!!

 

 さて私は、こんなに美味しいブリがこんなに安く頂けるのは、本当にありがたく、でも、すごく申し訳なく、複雑な思いで頂きました。本来はもっと高価で、現場の方々の懐を暖めるはずだった。本当の本当に、こんなどこもかしこも外出自粛って、あるいは人が訪れないようにする休業要請って、必要だったのかしら?と。

 とりわけ休業要請に関して、私は、個人的には、たとえばこちらの堀江氏の意見に賛成です。さすが堀江さんだと私は思いました。

www.nikkansports.com 私自身もパチンコ全く行かないし、パチンコ店を擁護する立場でもありませんが、本コロナ対策において「フェアー」という観点から見た場合、何も感染者クラスターを出していないパチンコ店と、実際に高リスクでクラスター事例も多数出しているキャバクラなどとを、あたかも同列の事業かのように扱うのは違うと思います。

【4月24日追記;百年コンサルティング代表の鈴木貴博さんも、パチンコ店はコロナ対策において実効性は乏しく、スケープゴートにされたという見解を示していますね……接触感染は同席接待のような場面でもなければ生じにくいと私は考えていますが、あとは同意です。】

diamond.jp

 少なくともキャバクラ店は、当ブログのような傍流の記事においても一月半前の時点で感染リスクとして言及されるくらい、高リスクであることが明らかでした。この3月5日の記事の最後のほう。

aiken-makiss.hatenablog.com でも現在、キャバクラ店とパチンコ店への自粛圧力は、特に違いがあるとは思えません(むしろパチンコ店への圧力の方が強い)。イメージではなく実際に濃厚接触を発生させる事業に対してこそ重点的にポイントを置いて対処するのが合理的、本来の社会的施策として筋であろうと思います。

 すなわち「人が集まって目立ちやすいから」という理由だけで、事実上は感染リスクも低く関連例も報告されていないパチンコ店が営業しているのを、大臣や知事など権力者の立場から目の敵にしている発言が、NHKラジオニュースなどで積極的に流される状況は、「それは違うのでは?」と感じますし……

 満員電車も、屋外公園の混雑も、そこでクラスターが発生したなんて事例はありません。そりゃ、パチンコ店で知り合いが出会って「ちょっとお茶でも…」と密閉空間に行ってしまうリスクとか、呼び込んでしまうかもしれません。屋外で三密でないはずの花見も、その論で強制的な自粛となりました。

 でも、うがった見方をすれば、社会的施策を講じる側としては、高い意識を持った国民相手だと、施策に工夫は少なくていいし責任も取らなくて済むので「ラク」です。そこで権力側は得てして意識啓発に努めることにもなるわけですが、「意識の問題」を合理的なエビデンスから離れた状態で社会的に強制しあう状況を国民自らが作り出すと、それは極端までに暴走する可能性があると私は危惧します。

 とりわけ75年前、多くの若者が「自発的行動」として「組織的な作戦として遂行された」特攻で散らざるを得なかった日本社会は、開戦を決定し特攻の下策にまで至ったという、本来なら大本営という中枢にいた人々が負うべきだった責任を、国民皆で負う羽目に陥った事態を歴史として抱えています。だから「意識の問題」の強要は、よほど注意しなければならないのではないかと、「意識」を煽りがちな私自身も、自省するところではあります。

 ともかく、このような「うがったものの見方」は脇に置いておいたとしても、結果的に、このコロナ対策による「巻き添え」的な事業活動の犠牲は、相当甚大なもので、この社会的な騒動が終わった「アフターコロナ」は、「今までとは全く違った世界」になっていることだけは間違いありません

diamond.jp 今起こっている変化として、時代の流れの中で存在意義を失いつつあったものが、コロナをきっかけに、一気に淘汰の波にさらされるのは、それはそれで気の毒だけど仕方ないということで良いのですが……

www.fnn.jp

togetter.com

 本来なら「なくなるべきではない」、それまで地域、地域で細やかでも人々に感動を与えて、美しく輝き続けてきたような存在も、多くが、巻き添え食って失われていく事態になっています。それは、もうどうしようもありません。なにしろ「美しい」というものは、基本的に「ギリギリ」ですから…………

 私自身、事業を手掛ける立場ですが、たぶんですが「アフターコロナ」でも生き残れると思います。それは自分が強い存在だからでも、何か「なくなるべきではない」存在とかそういうものでもなく

 

 単に、たまたま(けど、ものすごく)運が良かっただけ

 

 どうしてそう言えるのか、説明すればキリがないくらい、運だけに恵まれた状況に私はありますが、この社会情勢下において、こんな冗長で「美しくない」ブログをご覧になることができる「運のいいご同輩」(お許しくださいね?)である、あなたさまに、一つだけ。

 

 これから何があろうとも、美しく散ってなどいけません。幸運に感謝して、プライドは捨てて、みっともなかろうと、すがれるものがあれば、それにすがって生き延びましょう。あなたには生きているだけで、ちゃんと、存在意義があります。

 

 これまでどんな存在であったにせよ、少なくとも今は、華々しく成果を上げるとか、そういう状況にないと思います。それは逆に言えば「目の前の成果」を上げるよう追われる状況には「幸い」ないので、生き残った側の責任として、今こそ、成果につながるには時間がかかって普段は取り組むのは難しいけど、自分がこれから世の中に届けようとしている本質的な価値――あえて例えれば「感動」のようなもの――を下支えするようなバックヤード的な部分を、ポイントを意識しながら磨きましょう。

 残念ながら、世の中は昔も今も多数決で、合理的でないことの方が多いし、いくら何を言ったところで自分自身の置かれた環境としての世の中は変えられません。今の世の中に生きて、時代に合わせた「本質的な価値」を、自らとしてどう生み出し(あるいは何に求め)、世の中にどう届けていくかに注力できればなと、思っております。

 いずれにせよ、そのための資本は身体です。幸運に感謝して、しっかり食べて、よく眠って、コロナに限らず健康を保ちましょう。それでは、また。お元気で。