超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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薪ストーブに適した調理器具としての鍋ランキング!!①

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 「超簡単」を謳いながら、その実は、とっても正当に「調理のなぜ?」を解説してしまっている当ブログですが……その悪ノリ(?)も最後……ということで、巷の薪ストーブの「イメージ」にとらわれることなく、実際に日々使用してみた経験と、合理的かつ科学的な考察に基づいて、薪ストーブ調理に適した鍋をランキングで示してみようと思うのです。

 ちなみに、その「合理的かつ科学的な考察」の根拠になっている二つの大切なこととして、一つめ、熱の伝わりやすさ、すなわち「熱伝導率」については、こちらの記事を

aiken-makiss.hatenablog.com

  二つめ、材質として、どれだけ熱を貯め込んでおけるか、すなわち「熱容量」については、こちらの前回記事をご参照ください。

aiken-makiss.hatenablog.com

 それでは、発表いたしましょう!!それぞれ選定理由(ストロングポイント)と、あと、弱点についてもちゃんと解説します。

 

第1位;銅製の鍋

 ……すみません、当ブログの読者さんでしたら、予想通りで(笑)……でもこれは、やはりそう言わざるを得ないのです。薪ストーブそのものが、火当たりが極めて均一な熱源なので、別にガスコンロで圧倒的に有利な性能を誇る銅の鍋までは要らないじゃん?……と言われそうですが、やっぱり、その高い熱伝導率によって、まず、加熱のスピードが違います。お湯を沸かすのも「とにかく早い」です。朝ご飯ニーズに応えることを想定すると、これは特に重要。

 そして、高い熱容量を併せ持っているため、結果的に、鍋の側面でも熱が奪われて温度が下がることもないため中身への加熱が「全体から」効くのです。蓋も銅製であればなおさらです。何かを加熱するのに、ふつうは「全体が均一な温度」になっているほうが、確実に美味しいです。まろやかな味が、スピーディに仕上がります。

 鍋の材質としての厚さ(板厚)は、厚手の方が理屈としては優れているのですが、そこは、薪ストーブの天板は、火当たりが均一な熱源なので、薄くても全然大丈夫です。冒頭写真は我が家で大活躍している銅の鍋ですが、板厚はペラペラです。それがまた軽くて使いやすいです。

 弱点としては、焦がし要素、焼き物要素のある調理はダメです。鍋そのものがややデリケートなのと(少なくとも鉄のような丈夫さはない)、これは熱伝導率が高いことが裏目に出るのですが、加熱された鍋底に肉とか冷たい食材を接触させた場合、その部分の鍋の表面温度が下がってしまうために、食材が鍋底にこびりついてしまいます。したがって、すき焼きは銅製の鍋では、よほどの厚手でない限り、やめた方がいいです(一方、しゃぶしゃぶはバッチリです♪)。

 あと、薪ストーブで使う場合ならではの実際の注意点は、取っ手の造り。下の写真だと、左側のような取っ手の造りの方がいいです。ガスコンロなら右側のような取っ手の造りでも問題ないのですが、薪ストーブ天板に置いたときには、天板からの輻射熱のために取っ手全体の温度もけっこう高温になります。右側のような取っ手だと、うっかり素手で金属部に触れやすく、金属部は火傷の危険性が高いです。ミトンなどを使えば問題ないのですが……

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 今、銅製の鍋はオークションなどで送料込みでも2000円程度で手に入れることができますが、出品されている銅製の鍋の多くが、右側のような取っ手の造りなので、購入時には、このことも考えておいて下さい。

 

第2位;アルミ製の厚手鍋

 アルミ製の厚手鍋は、銅製の鍋と同じ利点、つまり高い熱伝導率を持っています。鍋の板厚を厚くすることで、熱回りを銅に近づけると共に熱容量が小さいという弱点をカバーすることができるため、高級料理店などを除けば、業務用の鍋として、たいていはアルミ製の厚手鍋が採用されています。理にかなった選択です。お値段のことを考えるとこれが現実的です。

 アルミ製で板厚の薄い鍋は、お湯を沸かすには便利で、我が家でも野菜を湯がいたり、パスタを茹でたり、とにかくお湯が欲しい場合は普通に使いますが(ただし、同じ量のお湯を沸かすスピードは銅製の鍋には負けます)、板厚が薄いと側面の熱を保つことができないので、美味しい煮込み料理にはなりません。

 本来、アルミは焦げ付きやすい材質なので、焦がし要素、焼き物要素のある調理は苦手なはずですが、そこは、昨今のコーティング技術により、様々な製品が出ておりますので、焼き物も可能になっております。デイリーユーズとしては「万能選手」として最も活躍できるのではないでしょうか。我が家でも焼き物・炒め物・簡単鍋料理など、大活躍です。

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 そして、最初に紹介したこちらの記事を飾ったこの写真

 

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 このトロトロッと美味しそうなシチューを作るのに使われている鍋も、「重力鋳造」という製造法による厚手のアルミ本体にフッ素樹脂コーティングを施したものです(アサヒ軽金属の「ワイドオーブン」という製品です)。煮込み料理では銅と並ぶ美味しさです。

 弱点としては、デリケートということでしょう。コーティングなしでは焦げ付きやすく、コーティングありは、シリコン製のフライ返しが必要とか、気を遣います。寿命も銅製や鉄製のものとは違い、よほど大切に使わない限り「一生もの」とはいかない場合が多いのではないでしょうか。

 

【追記】この記事を書いてから、一晩、あらためて考えたのですが……銅とアルミ(厚手)を比べると、銅が勝っているのは「お湯を早く沸かせる」ことだけで、焼き物要素とか実用性を総合的に考えるとコーティングされたアルミの方が勝っているのですね?それでも、銅を第1位と記載するのには全く迷いがなかったのですよ……なんでかな?…と思ったのですが、銅のほうがアルミに比べて「美味しそう」なのですね??そのような観点を中心にすれば、ランキング全体が、かなり違ってくるかもしれません。

 

  ……気が付けば、むちゃくちゃ長くなりました。すみません、私、調理器具が大好きというか、「料理の味は調理器具次第」と信じてやまない人なので、ついつい……もう、制止されなければ、延々と書き続けてしまえます(笑)

 本日は、いったんこれまでとして、このランキングの続きは、また明日。

 ……よくある、ストウブ鍋とか、ダッチオーブンとか出てこなかったでしょう??これ、実際に、薪ストーブのある暮らしをなさって、毎日料理に活用されているような方なら、きっと同意していただけると思うのですが……デイリーユーズとしては「使いにくい」のです……重い鋳鉄系の鍋って。

 ガスコンロやIHではいざ知らず、薪ストーブでは、重い鋳鉄系の鍋は「普段使いに適しているとまでは言えない」と思います。気合入れて何か作る時には良いし、とっても似合う、絵になるんですけどねぇ~~~……当ブログでも、だから、たぶん、基本的に登場しないと思います。だって「超簡単」という切り口では、銅製の鍋や、アルミ系の万能鍋に到底勝てないんだもの。

 そのあたりも含めて、次回。よろしければ反論も、ぜひお待ちしております!!乞うご期待♪

 

【追記2019年10月3日;この記事が検索第一位になっておりますが「続き」である②がパッと飛べない状態になっているのでm(__)m便宜のためにリンク貼っておきます。】

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