超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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炎の美しさを楽しむ目的の薪ストーブの選択、モキとドブレ、どちらがお勧めか?

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 調理をテーマに「超簡単」を謳いつつ、ひたすら真実を追い求める当ブログですが、どこかで書きましたが、ウソは言いませんが、本当のことを全部言っているわけでもありません。

 冒頭写真、なんだこりゃ?と思われたことと思います。あるいは、犬山のMD80Ⅱ実機をご覧になった方なら「ああ」と思うかも。そうです、キッチンのシンクの前から見た我が家の薪ストーブMD80Ⅱです。

 もう相当な数の記事を誇る当ブログ、これまで、一度も言わなかった真実があります。それが、この写真と関係があります。

 

 薪ストーブがあることで、どんなに調理が「超簡単」になっても、洗いものは、超簡単にはならない(笑)

 

 そういうことをつくづくと実感したのが、今晩でした。私は普段は洗いものなんか少しもやりません。では、どうして今晩は、私が洗い物をやっているかと言いますと、妻が、イベントに参加するために泊りがけで東京に行っているのです。

 我が家、我ながら強烈な個性を持つ旦那で、庭を森にしたと思ったら突然薪ストーブを入れてみたり、ある日突然犬が来たりと、ついてくる妻は本当に大変です。秋には大量の落ち葉掃除を毎年毎日やる羽目になったり、薪を運ばされたり、割らされたり。犬の鳴き声が近所迷惑でないかヒヤヒヤして、しまいには車検なんかも妻は単身で検査場に乗り込んで検査ラインを通す羽目なんかにもなっています(いわゆるユーザー車検というやつです)。

 それで旦那がお金持ちだったら、まだ救いがありますが、そこはしがない中小企業の残業も出ない管理職が旦那です。忙しさは、なかなかどこにも負けませんが、給与は平気で負けます(笑)日本の平均以下。私はいろんな意味で妻には本当に申し訳なくて

 

 あなたの好きなことは、どうかいつでも好きなように、遠慮せずにやってほしい

 

 それだけは、妻に実際に言い続け、私として信条にしています。なかなか格好いい旦那です。いい旦那でしょう、と、言っている私、本人は気分が良いかもしれません。

 でも、もし、言って気分の良いだけなら、それは「ウソ」「偽り」なのです。格好いいことを言うだけなら誰にでも言えます。実際には、それを言うことによって「辛い」ことを具体的に引き受けることがなければ「本物」ではありません。

 現在会社では、部下なしの私ですが(かつては最大主力部署を率いていたことはあります)、管理職としても、そこは同じだと確信しています。たとえば管理職は、よく、チャレンジングな任務、難しい任務を部下に与えます。

 

 「これは、会社のためだけでなく、あなたにとって、自分自身が成長するためにも重要な任務なんだよ。忙しいところ大変だろうけど、頑張ってやって欲しい。」

 

……そんなことを言いながら。たいてい、手持ち業務でいっぱいいっぱいの「やってくれそうな奴」に対して「成長」を錦の御旗に、面倒な仕事を押し付けます。だって、ヒマな奴って、そんな難しい任務なんて、絶対にできないもの(笑)

 この時、本当の管理職なら、部下に仕事を投げたことによって、仕事を投げられた部下よりも、本人が具体的に苦しむことがなければ、その管理職は「ただの丸投げ役立たずバカ」です。私に言わせれば。

 本当に「部下の成長」のために難しい任務を与えるなら、仕事を投げた管理職は、本人が成長できるようにちゃんと環境を整えなければなりません。部下の手持ち業務を把握し、整理し、自分の権限で振り分け、あるいは支援に入ってもらえるよう、時に他部署の目下の人間に対して頭だって下げなければなりません。社内調整も感情の処理も。

 カッコいいことだけ口にして、自分が具体的に苦しいことや辛いことを何もやらない旦那や、管理職は「本物」ではありません。口だけの役立たず、自らの任務に真摯ではなく、信用に値しない、人の上に立つべきではないと私はみなします。

 ……そんなことを言っているから、私は会社でも孤立するのだと思いますが(笑)……

 さて、このように前置きがやたら長いのが当ブログの特徴ですが、今回はたぶん最長かも。ともあれ、なぜそんなことをいうかと言いますと、私にとって、洗いものは実際に、とっても辛いのです(笑)でも、カッコいいことを言った手前、着実に遂行しなくてはなりません。

 で、冒頭写真ですが、手を付ける暇が全然なくて丸っと溜まった洗いものを時間をかけてずっとやっているあいだじゅう、私の視界には、美しく穏やかに揺らめく炎が、ずっと目に入るのです。

 

 「……この炎って……ホント、いいなあ………」

 

 今さら何を、と言うかもしれませんが、我が家、モキ製作所MD80Ⅱユーザーですが、最初期型で、空気導入口の形状が現行(およびその前)のタイプと異なるので、弊社オリジナル二次燃焼促進装置「iGブースター」がずっと使えず、今シーズンからようやく本体入れ替えを行って、「iGブースター」が使えるようになったのです。

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 この「iGブースター」の特徴の一つが、ガラスが曇らないこと。でも、私、これまでモキの正当なユーザーであり販売店として、ガラスが曇って炎が見えにくくなることとか、美しい眺めにならないことって、あまり問題にしてきませんでした。

 薪ストーブは、あくまでも暖房と調理の実用品であり、炎を鑑賞するためのステイタス的な道具ではない、という立場です。当ブログもタイトルからして実用品扱いです。

 しかし、ガラスが曇らずに炎が美しい「iGブースターモデル」と暮らし始めて、私は、早くも、それが実際には自分をいかに偽っていた「強がり」であったかを、思い知るようになりました。

 

 炎が美しくてこそ、薪ストーブ

 

 私は、全然、これっぽっちも、そんなことを期待して薪ストーブを導入したわけではなかったのに、知ってしまうと、もうダメです。いくら実用が優れていようとも、炎が美しくない薪ストーブには「戻れません」。逆に炎が美しい薪ストーブが視界に常に入るなら、辛いはずの洗いものも、驚くほど辛くありません。

 この「美しい炎へのこだわり」は、お客さんを通して知ることの方が、早かったです。たとえば、

 

 

 こちらの美しい間取りのお家にお住いのE様も、炎の美しさにはとてもこだわり、モキにしようか、ドブレにしようか、ヒタ(インスパイア)にしようか……と、散々迷われましたが、結局は私を信じてモキにされました。

 今日、ご見学にみえたK様もそうでした(いろんなK様がみえますが、初登場のK様です)。はじめはIILAにご関心で、でも、私が実用面も楽しいですよ、と強く勧めてMD80Ⅱをご覧になりに来訪されました。

 洗いものの手を動かしながら、自然と目に入る薪ストーブの美しい炎を見ながら、私は、ぼーっと考えました。

 

「私は、K様に、本当のことを、ちゃんと、お伝え出来たのだろうか……」

 

 新築で薪ストーブの導入を検討されているK様には、優れた建築士がついているようで、建築士が強く勧めているのは、ドブレでした。

 よりによって、ドブレ。私にとってベンチマーク想定であり、ドブレとの競合に勝つことを、いつも意識しています。

 実用性もさることながら、鋳物ストーブならではの炎の美しさを誇るドブレです。純粋に炎の鑑賞装置としてなら、炎の鑑賞が主目的であれば、やはり、断熱材を貼り巡らせた空間の中に炎を閉じ込めておく鋳物ストーブの「炎の安定性&それによる美しさ」には、すごいアドバンテージがあります。

 私は、これまで、炎の鑑賞装置としての薪ストーブを、どちらかと言えば否定してきました。それは、自らが「環境屋」であることにもよりますが……洗いものをしながら、炎の美しさに見とれ続ける自分自身を客観的に振り返って思うに……

 

 「炎の美しさ」という価値に、これまで、あえて目を向けないようにしていただけ

 

 率直に、認めます。この「炎の美しさ」の価値を実際に知ってしまったら、もちろん人によりますが、実用性よりも、環境との親和よりも、私は「こちら」を取ります。人間として正直に。

 

 だから………もっとはっきり言えば、モキがいくら実用性と環境性能に優れようと、私なら、今、「偽りなく選べ」と言われたら、ドブレを選ぶでしょう。自分でも本当に意外ですが、実用性というか、具体的には「倍の燃費の良さ」よりも、炎の美しさを取ります。燃費に何よりも信条を置くべき環境屋としては……失格ですね(笑)

 ただし、それは、もし「iGブースター」がなければ、の話です。

 開発者である「いで爺さん」自らがこだわるように、炎の美しさをいかに高級機のようにするか、いかにガラスを曇らせないようにするか。「炎の美しさ」という価値にあえて目を向けて来なかった私は、この期に及んで、改めて「いで爺さん」のそれらの問題意識、つまり「開発コンセプトの正当性」に舌を巻かざるを得ません。「後からわかる」のは、毎度のことですが(笑)

 「iGブースター」があることにより、ドブレなどの鋳物ストーブと比べても全くというほど遜色ない炎の美しさを、モキMD80Ⅱで楽しむことができます。モキならではの利点は「ほとんどそのまま」残したままで!!

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  洗いものをしている間、仕掛けて置いたジャーポットを満杯にするだけのお湯は、穏やかな炎であるのに、グラグラと沸いて、焼き芋がじっくりと美味しそうに焼けています。

f:id:aiken_makiss:20171209214310j:plain K様にも、お土産で持って行ってもらいましたが……やっぱり、もっと時間をかけて穏やかにじっくり焼いた方が、美味しかったかな?と思います。ごめんなさい。そして……

youtu.be 何よりも、薪ストーブの恩恵に浴している、我が家のネコです(笑)

 

 ……私は、ドブレを、実際に非常に高く評価しています。そして、商売上は「特色」を出すために、モキの「実用性」と「料理」を前面に打ち出していますが……

 

 今日のK様のように「炎の美しさ」を第一の価値に置く方に、「本当のおすすめ」は、モキか、ドブレか。私は、いつもの定番通り「炎の鑑賞装置としては、ドブレのほうが優れています」と、説明しました。

 なぜなら、私は、「何もかもが、自分の取扱商品が一番」という態度は、商売人として決して誠実ではない、自らの信頼性を毀損すると思っていて、だから今日も「ドブレの方が良いところがあります」と説明するのが誠実だと思ったのですが……

 

 違う

 

 信頼性を毀損するので、言いたくないですが、モキの方がお勧めです。「iGブースター機」に限り。炎の美しさを楽しむにしても。

 

 なにしろ、穏やか、ですもの。モキの炎は。台所のシンクの前から眺めていて、つくづく思いましたが。同じ暖かさを得るのに、圧倒的に炎がやさしく、穏やかなのです。

 

 鋳物ストーブは、どうしても本体が重く(ドブレ640は出力9500キロカロリーで重さ190キロ、モキMD80は出力19000キロカロリーで重さ70キロ)、一定の暖かさを得るのにまず重い本体を暖めるために炎には勢いがいるし、その後も断熱材越しの熱の取り出しなので、やはり炎には勢いが要ります。

 モキMD80Ⅱ+iGブースターのような、穏やかな炎を、暖まりながら楽しむのは、難しいだろうと。高出力時のオーロラの美しさは格別かなとは思いますが……本当の意味での穏やかさ、つまり小出力の優しい炎の美しさが好きなら、ドブレよりも、モキ(ただしiGブースターの使えるMD80Ⅱだけ)が、お勧めです。

 これ、伝わるのか、あるいは信頼性を何よりも重んじたい商売人として伝えるべきことなのか、私にもわかりませんが……「言いたくないこと」ですが、でもK様の立場になって好みも類推しながら、辛い思いを抱きながら言っているので、格好いいだけの自己満足ではないと思います。

 そういうわけで、本日も時間となりました。23時23分、明日は早朝から軽井沢あたりを目指して走ります。薪ストーブの設置、お呼びをいただきまして打ち合わせです。もう寝なければなりません。

 読み返し、またもありません。乱文ごめんなさい。本当に寒くなってきましたから、お身体には気を付けて。それでは、また。