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【世界の片隅で提言】5月7日以降の休業要請継続に従わない営業再開に理解を

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政府の専門家会議が会見(2020年5月4日) https://youtu.be/5ASBthOcKhY @YouTubeさんから

 

【5月9日追記;本記事は、このたびの緊急事態宣言の延長の妥当性に疑義を表明するものですが……賢い方ほど、延長以前に、↓このように廃業を決めていらっしゃるのかもしれませんね……アフターコロナ、ウィズコロナ、言い方は色々ありますが、私たちが「いいな」と求めていた世界には、もう、戻れることはないと思うべきかもしれません。出直す方に対しても、残って頑張られる方に対しても、せめて精一杯応援するばかりです。】

note.com

 本日期限とされていた緊急事態宣言が、対象を全国としたまま、5月31日まで延長されることになりました。このコロナ感染拡大が収まれば、ずっと、行けずに我慢していたあそこに行こう、ここに行こうと思っている方も多いと思いますが……

www.hokkaido-np.co.jphttps://nikkan-spa.jp/1659913/2

nikkan-spa.jp その行きたかったところがお店や旅館だったら、外出自粛要請が解除された段階で廃業せずに営業を再開できているかどうかわかりません。当ブログをご覧の方なら「常識」かもしれませんが、お店が潰れるのは「赤字」が原因ではありません。

赤字の月があったり仮にその状態が数ヶ月続いたとしても、家賃や仕入れ業者などへの支払いさえ滞っていなければ倒産も閉店もしませんよね?

逆に言うと支払いができなくなった時=運転資金が尽きることが閉店に繋がるのです。

insyokukaigyo.com 普通の人の暮らしで考えても、もし働かなく収入がゼロても、食費も水道光熱費も家賃も、お金はずっと出ていきます。お店も同じで、休業要請前がどれほど繁盛していても、休業中はただ出費だけが続き、休業要請によって営業できずに売り上げが入らなければ蓄えが底を尽いた時点で終わりです。

  しかも、普通に店を閉めることが出来れば、まだ良いのですが……という状況で、「これから」いよいよ倒産が増え(バブル崩壊の時は株価がいったん底を打った1993年の4年後の1997年に倒産急増)、そういった経済活動の縮小で失業者が増加し、自殺者も「これから」(バブル崩壊の時の自殺者の急増は1998年)大きく増えていくことがすでに予想されています。

www.nikkansports.com よって「これから」の自殺者を一人でも減らすためには、一刻も早く、経済活動を再開しなければならないのですが、さりとて、まだオーバーシュートを何とか免れただろうに過ぎない現段階においては、引き続き、一番大切なことは医療を崩壊させないこと、医療現場にこれ以上の負荷がかかるのを避けることにあります。

 院内感染等が相次ぐこの状況において、一人でも市中感染者が増えることを避けなければならない、絶対に、自分がウィルスに罹ることも、他人にうつしてしまうことも避けなければならない。これが、継続することになった緊急事態宣言、外出自粛&休業要請の最大の理由とされております。これまでの努力を水泡に帰すわけにはならないと。

 その状況下で、これからどう考えて、何をすべきか――本記事では当ブログをお読みのあなたに、一つの問題提起というか視点提供と申しますか、私が通った疑問の道を、ちょっと共有していただきたく。もとは令和2年5月1日開催、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(第12回)の資料(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/senmonka_sidai_r020501.pdf)にある図1です。日ごとの発症者数(検査で発見公表された日から遡った日付)を表すグラフです。

 

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 これを見て「あれ??」と思ったのですが、4月1日頃にピークがありそうな感染者数増大は、単に3月18日頃にピークがありそうな帰国者によるウィルスの持込みが、当時はまだ対策が甘かった夜間に営業中のバーやナイトクラブなどの三密環境で感染者クラスターが生じたことで感染拡大したということ「だけ」で説明できるんじゃないかと。

 3月18日から4月1日までのタイムラグは「ちょうど2週間」。「2週間」といえば、私はその知らせを聞いたとき空を仰いだのでよく覚えているのですが、封鎖前の武漢から1万8千人が来日してウロウロしたのが春節の1月24日から30日までを中心とする1月末までのこと、そして海外に行ったわけでも帰国者と接触していたわけでもないのに国内で感染したという最初の報告がなされたのが2月13日でした。

 

 すなわち帰国者によるウィルス持込の2週間後に発生した感染者数ピークは、3月20日からの三連休で気が緩んだ結果、観光地などでの市中感染が増大したというよりは、あくまでも帰国者を含んだ三密環境下での「宴」(帰国者歓迎会やカラオケ等も含む各種パーティー)開催という局所的な感染者クラスター発生による感染者急増を反映しているに過ぎない、という仮説です。

 ちなみに、この感染者急増傾向を受けた小池百合子都知事による週末と夜間の外出自粛要請の呼び掛けは3月25日でした(当時の東京の1日あたりに判明した感染者数は16人、17人、41人というような増加傾向を見せ始めたところ)。

www.metro.tokyo.lg.jp そして3月25日から後も感染拡大が続いたために(感染者がPCR検査で確認されるのは発症からタイムラグがあるため、確認数のピークは4月11日の700名弱)、東京都などにおける緊急事態宣言が4月7日に出され、その後4月16日に全国に拡大されます。ここから本格的な外出自粛・休業要請の徹底が始まります。わかりやすくするために、グラフに書き込んでみます。

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 大切なことは、経済活動を強く縮小させた外出自粛・休業要請が開始される前に、感染者数はすでに減少に転じていたということです。

 つまり、後出しジャンケンの議論ですが、それまでに「三密を避ける」ということだけで、三密が生じやすいナイトクラブ等の接待を伴う飲食業以外では感染者が抑え込まれていたのが、帰国者によるウィルス持込によって一時的かつ一気に急増したものの、外出自粛・休業要請に至らない従来の「三密を避ける」という徹底だけで、市中感染は有意に(そういうきらびやかな世界とは知人も含めて縁の遠い人は感染しない程度に)回避されていたという説明も成り立つのではないかと。

 現に、感染者一人あたり、何人の人を感染させるかという「実効再生産数」(グラフ右軸、青実線)は、小池都知事の呼び掛けのあった3月25日をピークとして下がり始め、4月1日には「1.0」(青点線)を切っています感染から発症するまでの時間を考えたら、呼び掛けの効果と解するには明らかに早すぎます。

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 要するに、外出自粛・休業要請は、別になくても感染拡大は収束に向かっていたのではないかと。

 考えてもみて頂きたいのですが、駅の改札口を通過する人が減ることと、新たな感染者数が減ることには「直接の」相関関係はありません。屋外の公園を利用する人が増えることと新たな感染者数が増えることにも、実際の事例も「直接の」相関関係もありません。あくまでも「間接的」ないし「可能性がある」ということだけで。

 そのあたりについて新型コロナウイルス感染症対策専門家会議としては、外出自粛で人との接触8割減を目標とし、実際に8割減達成されたかを測定し、得られた接触減と感染者数の減少には相関関係があるという見解を出しています。平たく紹介すると、人との接触を8割減らすには至っておらず、そのために感染者数の減少のスピードは期待したほどではないけど、減っていることには間違いない、ということでしたが……

 

 実際の結果を見ると外出自粛で8割減の取り組みを本格的に始める前から、すでに感染者数は減少に転じており、従来からの「三密を避ける」(クラスターを生じさせない対策)だけでも、実は感染拡大抑制効果としては感染拡大を収束させるまで充分有効であったと考えられ、追加された外出自粛・休業要請(キャバクラ等接待を伴う飲食業に対するものを除く)は、特段、必要なかったのではないか??

 

 という疑いを、私としては持たざるを得ず、少なくとも明日以降、「休業要請」に対して、生き残るために「従わない」という判断で、三密を避けることを条件に営業再開する店舗や事業者が出てきたとしても、それを責めるだけの論理的合理性はないのではないかと(ただし、キャバクラ等接待を伴う飲食業は除く)考えるわけです。

 そもそも「人との接触を8割減らす」は、三密を避けるということだけではダメだ、という北大の西浦教授の理論疫学の専門家としての強い危機感と責任感から提案されたものでした。4月10日時点のインタビュー(太字強調は当ブログ筆者による)。

あの頃(ブログ著者註;3月19日)は焼夷弾のように海外からの輸入感染者たちが日本に帰国していることはわかっていたので、それを念頭に流行予測をすると、今のまま輸入感染者を丸腰で受けていたら大変なことになってしまうのは明らかでした。

みんなに真剣に行動を考えてほしかったんです。

まだ明確に死亡者数がこれぐらいという予測は示せていません。科学的には推定している数字があるので、厚労省クラスター班としてできなければ、北大の西浦としてやらないといけない。

これぐらい死亡リスクがあるということをみなさんに伝えて、どう向き合うかつきつけることを早急にやらなければ。

今のみなさんの意識のままでは8割減には、とうてい届かなそうだなというのが率直な実感です。

自分がどうしたいというレベルをはるかに超えている状態です。これまでの3密という考え方で、日本人に対する信頼を寄せ自発的に行動を変えてもらうということでは防げない

「このままでは8割減できない」「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由(4月10日時点の西浦教授インタビュー)より

 

 私は、研究者としてというより(研究内容なんてわからないので)、一人のプロフェッショナルとして、この西浦さんを非常に尊敬もしていたし、当時、必死になって情報発信もされていて、親しみも持っています。

【5月10日追記;その後、西浦氏には失望しています。政府は彼が強硬に言い出した「8割減」に沿って今なお動き、社会の経済困窮を無用に増大させています。少なくとも緊急事態宣言延長時の段階では、3月下旬に感染危機を増大させる原因だった帰国者による大規模なウィルスの持込という要因はもはやなく、夜の街クラスターも今程度まで抑えられていれば市中感染リスクも事実上ないことは一番わかっているはずです(わかってなければ超無能)。自分で始めたことは自分で終わらせる努力をすべき。なのに、ここに来て専門家の世界(接触の理論化・評価法の科学的問題)に逃げ込むばかり…………】

 【追記終わり↑】

 

 西浦さんが8割減が必要と主張した理由も、当時とすれば「そうだよな」と思ったものです。

 あまり(たぶん全然)正確ではないのですが、8割減が必要な理由を私なりにイメージとして理解した「超ざっくり図解」が以下。

 三密を避ける取り組みによって、キャバクラ等のベタベタ夜の接待以外は、市中感染としては増えない程度に制御されていたとして……(でも社会全体では、感染者の増加傾向を認める状態)

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 ハイリスク風俗に介入できない(自粛要請に応じないので、感染者発生がそのまま温存される)として、社会全体の平均を「1.0」を切るまで下げようとすれば

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 そういう現実的な考えに基づき、人との接触8割減を目標に、三密であろうとなかろうと、徹底的に外出自粛・休業要請が行われたわけです。「自粛警察」まで出てきました。もちろん、西浦さん自身がそんなことを望んだわけでもなかったのですが、実際の展開は潮干狩りやサーフィンの規制等、国を挙げての「市中感染の徹底的な防止」という対策が行われました。

難しいのは、危なそうだけどグレーゾーンのところがいっぱいあることです。

今日も、美容院から感染者が地方から出たと報じられました。接触が起こりやすいのは確かですが、特定の業種のリストの選び方はファクトに基づくのか、予防原則のように広めにとるかは、最後は政治判断になります。

外出を控える代わりに、お友達と会って家飲み会が始まったり、家族の夕食会があったりしたら元も子もないわけです。

自粛というのは、接触を削減してもらうことだというのが、正確に伝わらないといけません。

それに加えて、屋外のオープンエアのところを歩くのはいいのですよとか、友達同士でジョギングするのはいいけれども、帰りに一緒にビールを飲みにいってはいけませんよとか、そういう細かい部分を1個1個、知事には話しました。

「このままでは8割減できない」「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由(4月10日時点の西浦教授インタビュー)より

 

  ところが、実際には、感染者数として図1のグラフに示された赤い部分の「孤発例」にしても、おそらく大部分が本当の意味での市中感染ではなく、単に「夜の街クラスター」であったと当時から考えられていたわけです(太字強調は当ブログ筆者による)。

もしも一般市民で流行拡大をしていると、そこから派生した中高年か高齢者の感染者のうち比較的重症になる方が出るはずですから、その方が診断されて報告されると思います。こういう方が孤発例から出ないかどうかを毎日注視しまくっています。孤発例の属性を相当詳しく分析しています。

そうやって見つかったのが「夜の街クラスター」です。1日180人を超えるような感染が起こっていても、孤発例のうちの相当の割合が夜の街で、一般での拡大を強く示唆するもの、として、そこからオフィス感染がぽつぽつという程度で済んでいます

「このままでは8割減できない」「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由4月10日時点の西浦教授インタビュー)より

 

 すなわち、赤色の孤発例の中には、内訳として次の二種類が存在するということで

  1. 本当に、本人もまるで心当たりのない、どこから感染したかわからない、真の意味での市中感染
  2. 本当は、本人には心当たりアリアリで、正直に言ってもらえればクラスターとして充分に感染経路が追跡可能なのだけど、「夜の街」絡みで言えなくて、結果的に孤発例として分類されたもの(積極的疫学調査拒否)

 この1.の割合が高ければ、もちろん「人との接触8割減」は相当に有効なのですが、実際には、西浦さんのインタビューのあった感染急拡大時点(4月10日なので、3月末の発症を見ている)でも、夜の街クラスター由来という、市中感染というよりは、むしろ一般人とは縁遠い局所的な感染拡大の方が主体で、真実、実際の割合がどうか??という政策判断において重要な課題については、5月4日の新型コロナウィルス感染症対策専門家会議会見の質疑で、西浦さんご本人がこのように答えています。動画ファイル1時間22分10秒くらいから、文字起こし。

【質問者】積極的疫学調査で協力してくれない方も結構いると以前説明されていましたが、割合として協力がない方々はどのくらい存在するか、また年代や属性などの特徴はあるのか?自己申告の接触者調査や疫学調査はどこまで有効か?
(質問後略)

【西浦教授】具体的に、積極的疫学調査に応じて頂けない方の割合というのは把握されていません。
 今現在では、そういう調査に応じて下さった方の情報が上がっていくのみというのが、今の状況です。(回答後略)

youtu.be

 よって経済上のリスクを踏まえると、有効な対策として考え得る第一のオプションは、あくまでも夜の街での濃厚接触感染を徹底的に抑制することであって、それ以外の一般の勤務や生活での人との接触を8割減したら社会全体平均として感染拡大が防止できるというのは「理論上」正しい手法ではあったかもしれないけど、社会に実装するには有効とは言えないと、後出しジャンケン的には考えざるを得ないのです。

 ちなみに「人との接触8割減」として、特に実際に徹底された「外出自粛」が、理屈上は「外に出ない限り接触は生じない」ということで一番確実な方法ではあったにせよ、結果的には有効でなかった(8割減でなくても良かった)理由として、考えられるのは3つほどあって

  1. 接触減の定量化として測定評価可能であり目標となった項目は「人が集まる状態」の削減であったが、実際には「人が集まる」そのものでなく、局所空間での三密回避やマスクの着用などが接触を有効に規定する支配的要因になっていて(例えば上のざっくり図では、もともとハイリスク風俗以外は「1.0」よりもずっと下だった)、そもそも接触実態の定量化のために「人が集まる状態」を削減目標や評価対象とすることに限界があった新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(第12回)の資料にも、測定に基づく接触定量化における限界に関して言及がある)。
  2. 「介入できない」とされたハイリスク風俗も、世の中全体の外出自粛ムードに引き摺られる形で相当減少し、夜の街クラスターによる感染者増が有効に抑制された
  3. 欧米(対策しなかった場合の再生産数(2.5)を根拠として、8割減という数値を算出したが、そのおおもとになったのはドイツのデータ)に比べて、日本では感染拡大はもともと起こりにくかった(対策をしなかった場合の基本再生産数が小さい)

 この3.については、永江一石さんが、HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)の型を理由とする仮説を展開されています。

www.landerblue.co.jp

 以上のことから、私としては、医療供給体制の逼迫を一日も早く解消させるために一人でも感染者を増やすわけにはいかないことには同意し、三密の回避等はこれまで以上に徹底するにしても、社会的に、キャバクラやナイトクラブ等の夜の接待を伴う飲食業等すでにクラスター発生の実績を相当有する業種以外の休業要請、仕事や暮らしでの外出自粛を5月7日以降も継続するのは、とりわけ確実性の高い経済上のリスクと天秤にかけた場合、不利益の方が相当大きいのではないかと考えます。

 ここは経済を出来るだけ回しつつ医療崩壊を防止するために、社会的にはキャバクラ、ナイトクラブ等、すでにクラスター発生の実績を有する業種の休業をこれまで以上に徹底し、5月4日の新型コロナウィルス感染症対策専門家会議会見でも説明がありましたが、個人としては市中感染を決して生じさせないよう三密の回避の基本として人と人の距離を極力取る、手洗いをしっかりすることに加えて、「外出時は全員がマスク着用義務付け」を社会的に直ちに実現させることを主張します。

aiken-makiss.hatenablog.com 最後に、本記事は、結果的には西浦さん提唱の「人との接触8割減」に異を唱える内容となっておりますが、西浦さんが悪いとかそういう問題では決してなく、そもそもは、本記事でなされたような考察は政治判断の検討のために行われるべきものであり、専門的な内容にどこまで踏み込めるか以前の社会運営の原則論として「バランス」が重視されるべきというのは政治責任の肝であるべきものです。

 「外出をしない」というのは、感染拡大防止という観点から、医療上は最も確実な予防手段です。でも、医療上の安全確実を重視した結果、人間として、もっと大切なものが失われるということは、ないでしょうか

高齢者医療の現場である病院・施設は「ゼロリスク神話」による管理・支配によって高齢者の収容所になりつつある。

誰しも高齢になれば自然に足腰も衰える、転倒を予防したければ「歩くな」が一番の予防策だ。今高齢者が入院する病院では、ベッドに柵が張られていることが多い。トイレに行きたいときは看護師を呼んで車椅子移動。行動を制限された高齢者の筋力・体力は急速に落ちていく、そして寝たきりになり、排泄はおむつになる。

また、誰しも高齢になれば飲み込みが悪くなる。食べては誤嚥し、肺炎を発症する。誤嚥性肺炎を予防したければ「食べるな」が一番の予防策だ。今高齢者が入院する病院・施設は、鼻から胃袋まで管を入れられる、もしくはおなかに直接穴を開けられて胃に栄養を送る経管栄養の高齢者で大賑わいだ。

こうして高齢者は入院・入所した途端に行動を制限され寝たきりになっていく。

多くの高齢者の願いは、「自宅で好きなものを食べて、自分らしく生活をしたい」という至極単純なものだ。それなのに、世間や医療のゼロリスク神話はいともたやすく高齢者の生活を奪ってしまう。リスクを恐れるあまり、多くの高齢者は今「かごの鳥」になっているのだ。

www.mnhrl.com このあたりのバランス問題について責任と主体性を持って判断するのが政治という行為の本質であって、もっと言えばそういう「仕組み」を整えることこそが、政府のやるべき仕事です。

 いみじくも、5月4日の新型コロナウィルス感染症対策専門家会議会見において、説明の最後の方、31分50秒頃から尾身さん自ら、このことを政府に要求していると、一生懸命に説明しております。その場面が本記事の冒頭写真です。ある意味、本会見でのハイライトだと思います。動画も実際にご覧になってみて下さいませ。

youtu.be 以上、長い長い記事を、まとめますと今回の緊急事態宣言を5月31日まで延長するという政府決定は、このような「本質的に不完全な状態」の中で行われた、論理的にも疑問の余地があるものであり、それに基づいたこのたびの外出自粛・休業要請に対しては従わない、三密の回避などを徹底のうえで営業再開するという各店舗の主体的判断は責められるべきではないと考えます。

 以上、この長い長い、読みにくい文章にお付き合いくださいました、あなたさまにおかれましても、ご自身の頭でよく考えられて、もし、できましたら、休業要請の中でも営業再開される店舗等の判断に対して、単に「多くの人が集まるからけしからん」ではなく、個別の三密の回避程度、感染リスクに基づいた評価、そしてそのような判断に至る事情へのご理解を

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

【以下、公開後当日追記】

 お読みくださった方からご質問がありましたので、世俗で本音ベースである(失うものは何もない(笑))当ブログ、この際、ぶっちゃけ本音で「夜の街クラスター」について解説します。実は、純然たる、いわゆる性風俗においては、感染リスクはさほど大きくないのでは?という印象を持っております。

女性器(膣や子宮頸部)から組織の一部をとって調べてみたところ、全員がPCR検査で陰性だったのです。

おそらく女性器の中には感染に必要な『ACE2受容体』がないため、ウイルスが増殖していない。セックスで感染する証拠は見つからなかったと結論付けているのです

www.dailyshincho.jp よって、感染に十分気を付けてさえいれば、本質的にはクラスターを発生させることなく営業は可能であろうと。換気やマスクなどの防護策を有効に機能させることができます。

コロナウィルスは唾液の中に多く含まれているため、キスのサービスはコロナが収束するまでしばらく休止することを強く推奨します。

swashweb.net では、極めて感染力の高いと推定される夜の街クラスターの「正体」は何か?と言いますと

 

 従来から言われている密閉空間での近距離での会話による飛沫感染に加えて、密着して隣り合って座って喋りながら飲食することによる接触感染が、複合的に合わさって、効率的に感染を生じた結果

 

 すなわち、密閉空間でしゃべる食べるために、マスクも難しいことに加えて

 

おしゃべりする→唾が飛ぶ→グラスや食べ物に付着する→隣の人の手が飛沫に接触する→手洗いなどないままごく短時間内で自分の口などを触る

 

 これが、どこよりも一番自然に行われる状態ですので、そのままでは感染しない方が不思議と言った方が良いのではないかと思います。現に、銀座近辺で働くお医者さんの証言を紹介する記事

 夜の街での “感染経路” にも、特徴があるという。

「お客さんと会話をするホステスも、横に座って接客するタイプのほうが感染しやすい傾向を感じます。

smart-flash.jp あるいは取り締まる側の保健所の方からの意見

接客の場で作る、水割りなどの飲み物が気になっています。何度もお酒をつぎ足すグラス、手、マドラー、氷のトング、グラスを介して、ウイルスが手についたり、口についたりして起こる感染もあるのではないかとも思っています。 

 出典:新型コロナ対策の隠れた最前線 保健所の悲鳴を聞いて

 

といった現場に接していらっしゃる方の意見を踏まえて合理的に考えれば「接待を伴う飲食業」が、無対策においてはハイリスクであろうこと、一方で、一律の規制強化も緊急時としてはやむを得ないですが……

 

 本来であれば、業種業態ごと、あるいは営業実態ごとに、飛沫感染接触感染それぞれのリスクを細かく洗い出し、感染防止対策をちゃんと講じれば、本来、感染拡大を何も生じさせずに営業することは充分可能。

 

 このように考えます。本来、誰もが、それぞれの立場で、その時、その時の人生を一生懸命に生きているわけで、それを全うされるのが最善であり、コロナウィルスに負けないということであろうと。

 以上、ご質問を受けての長めの追記となります。これに合わせて本文の単語なども一部修正しております。乱文にて失礼いたしましたm(__)m