超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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日本本来のスッキリとした美しさに浸ろうよ

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 冒頭写真、これは杉材による小道具です。薪ストーブによる森林資源の利用に関して弊社と協働しております桑原木材工業による製品です。食卓を飾るためのプレートと、割り箸で、材質は杉です。

 桑原木材工業さんは、当ブログではこちらの記事でご紹介しました。

aiken-makiss.hatenablog.com

 林業から製材から建築まで一貫して手掛けていらっしゃるので、どんな木の、どの部分をどう使えば良いものができるか、木を知り尽くしていらっしゃるので、冒頭写真の小物でも、選択、乾燥、加工、仕上げ……とてもいい仕事になっているのが、手に取ればすぐにわかります。写真でも木目の美しさとか、伝われば良いのですが……

 そして、この小物の素材である杉、スギについては、日本における林業、森林と人との付き合いの中で、絶対に切っては切れない木です。別の言い方をすれば、私たちの身の回りにいかにもありふれた木なんですが……

 スギの学名はCryptomeria japonica、japonica」つまり「日本の」が付いているように日本の固有種で一属一種、世界には類を見ない「隠された日本の財産」(学名の日本語訳)だって、ご存知でしたか?

 

杉(スギ)~日本一の木

 

 私、工学部化学科出身のくせに、一応ですが「森林インストラクター」という資格を持っておりまして、森歩きの案内などをさせて頂くこともあるのですが……そういう人間から見ても、スギは本当に素直な、スクスクとした「いい子」でして、肥沃で湿り気のある土壌では根も真っすぐ深く伸ばして、銀色にも見える新芽などは、なかなか美しいのですよ?画素数低い写真で恐縮ですが、こんなの。

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 ちなみに、まあ、人間の植え方が悪いというか、人間の木材生産の都合ために、下枝ができるだけ出てこないように、わざと密植して上の方だけに枝葉を茂らせるようにするわけですが、単独で植えると、こんなにも美しい樹形にもなります。

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 日本人は、ヒノキ信仰ともいえるヒノキ偏重傾向があるのですが、実際には乾いた薄いめの比較的貧しい土壌に生えるヒノキには(だから成長が遅く、耐久性の高い材になるわけですが)スギのような「素直さ」はなく、家を建てるにしたって、もし総ヒノキの材に囲まれて暮らそうものなら……もう、揮発成分とか強烈すぎて、無理です。とても心穏やかになんて暮らせません。

……あ、いけません。ここは、薪ストーブのブログでしたね(笑)えっと、話を戻しますね?

 もちろん、桑原木材工業さん、森林施業、林家としてもプロ中のプロですから、そのようなスギに対しては、並々ならぬ思い入れをもっているわけです。だから、その特性を最大限に生かして、冒頭写真のような、素直で、非常にスッキリとした製品に仕上げられるわけです。

 はっきり言って、美しいです。ああ、これが、日本の本来の美しさなんだなって、思います。何気ない木なんですよ?スギ、本当に。でも、このスッキリとしながら、なおかつ柔らさときたら……

 この割り箸を実際に手に持ってみたらわかります。手触りも柔らかさも、本当に素敵です。一回で使い捨てにするのが勿体ないって、きっと感じます。実際、洗って何度も使えるそうです(笑)

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 ちなみに「割り箸は間伐材の有効活用」だなんて、ウソだそうです。ちゃんとした割り箸は、それこそ80年とか、大切にちゃんと育ててきた木を余すことなく有効に活用する中で、ちゃんとした人が「この部分」ということで選んで作る必要があるんですって。

 そう、これ、ただの割り箸にみえて、違うんですよ。まさ目部を正面に加工してある「杉柾天削箸(すぎまさてんそげばし)」、長さは正式の割り箸として一番長くて菜箸にも使える九寸(24センチ)。スギに対する思いと、使ってもらう人への思いの両方が込められた割り箸。

 こんな割り箸だからこそ、持てば、何も言われなくてもちゃんと幸せを感じさせるのです。そんな「木材なら何でも」「どうせ捨てるものを有効活用」では、こんなふうに、人を幸せにする良いものなんて絶対にできない。何も言われなくても、ちゃんと人を幸せにさせる仕事こそ、まさに「プロの仕事」ですよね~~?

 ……で、桑原木材工業さんから、薪ストーブの薪として本事業に供給されるのは、本当に、そういう「人を幸せにする役割」として、人を暖めるのが一番、という材だけ。その徹底したコンセプトが、これまた、私は美しいと感じ、実際に家でも気持ち良く燃やしているわけです。

 さて、私は、そんな薪ストーブ事業をやらせて頂いておりますが、今のところ、モキ製作所という国産メーカーの製品だけを扱っています。他に良いものがあれば扱います、と、公言しておりますので、どこの国の製品でも構わないのですが、今のところ、この実用性能を超えるストーブは存在しません。

 ですので、薪ストーブ屋としては「たまたま」「結果的に」国産を扱っているわけですが……やっぱり、美しいと思うのです。モキ製作所の薪ストーブ。いかにも国産らしく、シンプルで。本当に無駄がない。ばい煙基準をクリアーするような世界の薪ストーブの中では、間違いなく世界で一番スッキリとした、シンプルな薪ストーブです。

www.ai-ken.co.jp

 そもそも、なんと言っても、この薪ストーブの発明者は「鍛冶屋の四代目」ですから……生粋の日本製にもほどがあります(笑)

 そこに、実用性能をさらに高めるために、オリジナルパーツの「iGブースター」というのを搭載するのが、弊社、株式会社愛研としてのお勧めなのですが、この記事で触れたように、この「iGブースター」自体も、実にシンプルで美しい製品です。

aiken-makiss.hatenablog.com

  開発者は、入母屋造(いりもやつくり)の日本家屋に暮らす、HN「いで爺」さん、この方も典型的な日本の「ものづくり」を何よりも大切にされる方です(詳しくは こちら)。

 そしてこれを、弊社のご縁で名古屋の、とても腕の良い、いかにも日本らしい精密で丁寧な造作を得意とする鉄工所さんで製品として制作頂いています。だから、弊社で扱う薪ストーブは、もう、生粋の「Made in Japan」なのです。

 このように、私……狙ったわけでもなんでもないのですが……結果的に、スッキリと美しいものばかり扱うことができて、本当に幸せを感じているわけです。なんで幸せだと思えるのかなぁ?……という「答え」が、桑原木材工業さんで、冒頭写真の製品を手にしたときに、わかったのですね?

 「気持ちいい」んですよ。いや、本当に。こういうスッキリとした美しさって。実際に触れるほど。

 ……「気持ちいい」の他に、説明しようがないんですが……あえていえば、宮崎駿の名作「カリオストロの城」で、最後に庭番のおじいさんが言うじゃないですか。

 「なんて気持ちのいい連中だろう」

 ……あれですよ、あれ!!そこで語られる「気持ち良さ」と、たぶん、通じるものがあると思うのです、本当に!!!(笑)それは、たぶん、仕事をしている人間の「心」の在り方に行き着くのではないかと思うのですが………

 そんなわけで、調理のブログのはずなのに、またまた脱線。しっかし、最後に、本当に驚くべきことを。

 ご紹介した、桑原木材工業さんによる割り箸「杉ちゃん」ですが、価格は「相談に応ず」ということで固定的な定価というのは「ない」らしいのですが……冒頭写真の10本入りを、200円もしないで提供しているそうです。プレートの値段は、まだこれから考える、とのことでした。絶対に、儲かりません。そんなお値段では。

 そういうわけで、ご希望の方は、桑原木材工業さんに直接問い合わせされてもいいですし、桑原木材工業さんの顧客対応機能は今のところそれほど強いわけでもありませんから、私に声をかけて頂いてもけっこうです。もちろん、この美しい心を、弊社としてマージン取って邪魔するつもりなどサラサラありませんので(笑)

 それでは、次回こそ、調理の話に戻りましょう♪……たぶん(笑)

 超簡単を謳いつつ「情感」を何よりも大切にする当ブログ、どうなりますことやら(笑)明日も乞うご期待~~!!