超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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薪ストーブで楽しむ超簡単な燻製①「燠火による炉内料理に適した薪とは?」

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  待ちに待った週末ですね♪ 今日はとても変則的な動きをしているわたくし、会社では従前業務の環境調査業務をしながら、ブログを後回しにして早めに家に帰って、今度は薪ストーブの世話をしながら、我が家の晩ご飯を全部引き受けて、なんだかんだ作りながら、めずらしくお酒を飲んでしまって、洗いものを終えて「今日」の残り時間を見て焦っているところです(笑)

 そんな私、話し始めると色々あるのですが、我が家、今シーズンの薪として、前半はカーポートの上で天日干しにした広葉樹(雑木)で過ごし、厳冬期は製材所の端材(スギ)で過ごし、今は主にサクラで過ごしています。

 我が家の今シーズン前半の当ブログ、つまりシーズン前半の薪ストーブ調理を支えてくれた薪の実際の乾燥状況については、前回記事で触れました。

aiken-makiss.hatenablog.com

 でも、なぜ「このブログを支えることができた」のか、厳密に言いますと「広葉樹だったからこそ」なのです。薪は、実は針葉樹、特にスギなんかだったら、パーッとたちまち燃えて、燠火を含めて短時間で消えてしまうのです。だから、針葉樹ばかりを薪にしていると、燠火による炉内料理を中心とするお話は、実際問題、書けないのです。

 ちなみに針葉樹の薪ばかりを使っている時に炉内料理を試みて、それで「水分の真理」に結びついたお話はこちら(笑)

aiken-makiss.hatenablog.com

 当ブログ全体でも、前半はやたら燠火による炉内料理が出てきて、次第に天板料理ばかりになってきたのを、お気付きの方もいらっしゃると思います。それは冒頭に申し上げた、使っている薪の種類の変化が理由だったというわけです。

 では、どうして「熾火の質」(火持ちの良さ)が、木の種類によるのかと言いますと、炭火の最高級「備長炭」を考えたらわかりやすいかもしれません。「備長炭」は強力な火力が非常に長持ちするからこそ、高級なわけですが、この特徴、原木の「ウバメガシ」が非常に硬くて重い(密度のある)木であることに由来しているのですね?そして「備長炭」には、火が非常に点けづらいという特徴があります。

 「火持ちが良い」というのは、つまり、そういうことなのです。すなわち、燠火がどれだけ長時間保てるかというのは、もともと燃やす木の種類、つまり何の樹を薪にしたかによって、全然違っていて、乾燥時の木の組織の密度が高い、一般の傾向として硬くて重い木ほど、燠火が長時間持つというわけです。

 薪ストーブのある生活を送る中で、わかりやすい話をすれば、同じ「よく乾燥した薪」の中でも、より「火が点きにくい」ものが、基本的には熾火が長持ちする傾向にあります。たとえば針葉樹ではスギよりもヒノキが長持ちですし、ヒノキより広葉樹が長持ちしますし、広葉樹でも硬くて重い木がいったん熾火になりさえすれば、長持ちする良い燠火になる傾向があります。

 しかし、火が点きにくい重量級の木は、特にモキ製作所の薪ストーブでの低出力運転では、熾火になる以前に燃え残る可能性も高いです。だから、より重くて火が付きにくい方が、より燠火が長持ちする傾向があるとはいえ、「あくまでも基本的な傾向」に過ぎず、絶対的な尺度ではありませんし、総合的なハンドリングを考えた場合、燠火が欲しい場合であっても「重い木の方が優れている」とは一概に言えないのです。

 たとえば、私が薪として素晴らしいと思う木は「クロガネモチ」です。金持ちになれる縁起の良い木とされ、神社仏閣などの庭園でもメインで使われるような庭木なので、我が家でも滅多に出ませんが、薪にしても素晴らしいです。具体的には、生木から速やかによく乾いて、それほど重くなくて、火も素直に点いて、よく燃えて暖かく、燃え残りも生じにくいのに、その割には燠火はとても長持ちして使いやすいと、私などは「理想的な薪」だと感じます。

 で、やっと本題に少しづつ近づいていくのですが、サクラも、薪としては非常にバランスの良い、とても優秀な木です。個人的には、重厚なアベマキなんかよりも、ずっと使いやすくて燠火も素直で良いと思います。だから、本事業でも、サクラは別格扱い、有料販売しているのですが……

www.ai-ken.co.jp そんな贅沢な薪を何故、私が、今、使っているのかは、前にも書きましたが、割らずに地面に置いておいたら、売れ残って、1年ほどしたら、そのまま半分腐っちゃったのですね?キノコ&地衣類まみれになったといいますか……(笑)で、そんなの「売り物」にならないので、ちょうど薪を切らしてしまった我が家、これをもらい受けて来て、割って、ストーブの輻射熱で強制乾燥して使っているわけです。強制乾燥についてはこちら。

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  腐っているくらいですから、もちろん湿っているわけですが、それでも生木に比べたら、水分は全然抜けています。だから、割って、ストーブの輻射熱に数日間くらい当てておけば、薪として使えるレベルになります。

 で、我が家は、今、贅沢にもサクラ薪を中心に暮らしているわけですが……やっぱり、サクラは「別格」だと実感します。それは、燻らせちゃっても、その煙の匂いすら、甘くて素晴らしいのですね?(笑)それを目の当たりにして、これは良いな、ということで、思いつくのは、やっぱり「燻製」。

 実は、そもそも、燠火を使った炉内調理自体、木の燃える香りが移るからだと思うのですが、サクラに限らず、なんだかとっても美味しくなったりするのです。例えば、こんな、何気ない食パンとかも、とっても美味しい(笑)

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  だから、そもそも薪ストーブでの炉内料理自体が、燻製的要素を内包しているのに加えて、その「最高級の香り」たるサクラを燃やしている超リッチな生活ですから、それを活かさない手はない(笑)

 先日、ちょうど、大き過ぎるサクラ(たぶん、乾燥も不十分だったのかなぁ……なにぶん、自転車操業ですので(笑))を入れてしまって、炉内が燻り出したので……

 

「そうだ、今こそ、燻製に挑戦しよう!!」

 

 妻が色々調べてくれたのですが、燻製には雪印の「6Pチーズ」が、加熱しても溶けにくく、非常に適しているのだそうです。幸い、私の「おやつ」として、我が家には安い時を狙って大量に買い置きしてあります(笑)そこで、実際にサクラで燻る炉内に網を置いて入れてみました!!

 ……で、しばらく待ってみたら、良い感じにちょっと柔らかくなって、表面も、うっすら桜色(ピンク。サクラだから??不思議ですね~~)に色付きました。そこで、食べてみたのですが……

 

「おお、うまいねぇ……」

 

 燻製っぽい香りがしますし、食感もちょっと燻製っぽいかも。でも、これは、普通の炉内の燠火料理の範疇を超えているとは言えず、いわゆる「燻製」と言えるものではありませんでした。

 

「煙が、燻製容器の中をグルグルって回らないとダメなんだよ?薪ストーブって、煙突から抜けちゃうじゃない?」

 

 と、妻。そして要らない、汚してしまっても構わない鍋はないか?というので、要らない鍋はないけど、汚しても平気な鍋ならあるよ、と、この記事で紹介した超耐熱セラミックスの「トーセラム鍋」を妻に渡しました。

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  超耐熱セラミックスでも「トーセラム鍋」は、その特徴として、非常にタフ、焦げ付かせようが何をしようが、金タワシでガシガシ洗えばなんとかなるので、汚すような用途には非常に強いのです。

 で、その「トーセラム鍋」を使って、台所で何やらやっていた妻は、そのうちに

 

 「はい、これ、薪ストーブの上に載せてみて?火はあまり強くしないでね」

 

 と、鍋を渡してくれたので、大人しく薪ストーブの上に載せて、しばらくしたらいい匂いがしてきたので、開けてみたのが冒頭写真。

 

 「すごーい!むっちゃ美味しい!!ちゃんと燻製になってるやん!!びっくり~~~」

 

 薪ストーブ炉内料理による燻製チャレンジ、完敗です。ちなみに我が家の薪ストーブの設置施工は、某正規代理店による「トンデモ施工」。「ダンパー」(煙突入り口につける板状の装置で、煙突への空気の流れを遮って、ドラフトを弱める働きをする)がないので、煙が本体から速やかに煙突に抜けてしまいます。ダンパーがあれば、また違うのかもしれませんが……

  そこで、我が家、せっかくのサクラ薪が燃えているところではありますが、この際、炉内で燻るサクラ薪を利用した高度(?)な炉内料理ではなく、鍋を使った燻製、単なる天板料理になりますが、実際問題、超簡単で美味しいので、ご紹介しておきたいなと。

 週末の、夜のお供に、炎を眺めながら自家製燻製。まさに今夜も、楽しんでいます♪そのため更新がすっかり遅くなりまして、大変しつれいしました~~

 次回は、この燻製のやり方について、もうちょっとちゃんとご紹介します。それでは次回も乞うご期待~~