書きたいことばかりいっぱいあるけど、この週末も前回の薪の話の続きを書きたくて、でも案の定バタバタになって夜もバタンキューで明日も西東京方面出張ということだから「ブログの続きは、こりゃしばらく後だね~~」という感じだったのですが……
昨日、久しぶりにとある方から連絡がありまして。
以前にこちらのブログで書かせて頂きました「こみちのパン屋さん かて」さんの女性オーナーシェフMさん。
aiken-makiss.hatenablog.com お客さまなのに恐縮ですが、すっかりお友達のようになっておりまして、とはいえ、Mさんも私も、お互いにとても忙しくしているので、たまーに連絡を取り合うものの、最近ずっとご無沙汰だったのが、切羽詰まったようなご連絡を頂いたのです。
この冬から再開した🍎りんごのデニッシュを入れています。
(略)昔、街でパン屋さんをやってた頃のデニッシュなのですが、なかなか手間がかかり娘が産まれてからはやる勇気がずっとでずに拒んでいた商品です。
去年の秋、ようやく覚悟を決めて焼きはじめたので大屋さんに食べてほしいなと思っていました。
りんごの季節はもう終わりなので今日で一旦おしまいで、こんなにギリギリになって…(略)
そんな趣旨説明で、本日届きましたのがこちら。りんごのデニッシュは、他のパンと違って、ビニール袋ではなく紙袋に包まれていまして……
「たぶん、これだな」と中を覗いてみますと
おおお……!!いますよ、いますよ!!
いわゆる「開封の儀」ってやつですね(笑)高級感あります!!
いや、これがですね……薪ストーブで温めて食べると美味しいですよ、という説明も頂いていたのですが、開封しただけで、あまりに美味しそうだったので(写真で伝わりますかね??)ストーブ焚くまで我慢できずに「パクッ」!!!
なにこれ異次元
いや……驚きました。こういうデニッシュ系というのは、なんというか、パンの中では、もともと罪深いと申しますか贅沢な味わいがするのが、ごく普通なわけですが
- 一流パティシエの作る芸術的ケーキのような、いわゆる高級スィーツとも充分渡り合える贅沢な味わいなのに、「手の込んだ工芸(芸術的)作品ですよ」みたいな「作為的な感じ」がまるでしない
- 「素材を生かした」とか「素朴」とかそういうジャンルではないのに、きっちり「命」を頂いているような程よい重さ、滋味が、深い満足感をもたらす
別に盛った話ではなく、こんなデニッシュ、これまで生きてきて食べたことない!!
反省して(笑)慌ててストーブちゃんと焚いて焼きました。
ちょっと焦げるくらいに温めて……
いや、この、内部のジューシーさ!!……もはや私では解説しかねますが、アップルパイのそれとはまるで違うのですね?あえて言えば卑俗に過ぎますが、よくある「マーガリンロールパン」を上手に焼いた時と同じ系統のジューシーさ。つまり、あくまでもパンのそれなのです、もちろん味はよくある「マーガリンロールパン」とはまるで違いますが。
このジューシーさは定番メニューの「スカルペッタ」のジューシーさと同じ、鍛え上げられたすごい技術ですが、そういう練りに練られたノウハウを惜しみなく投入しつつ、さらに文字通り練りに練って重ねて作られたデニッシュ生地の薄さ、パリッパリ!感ときたら……もう、それだけで充分
なにこれ異次元
その生地も含めて、各要素技術のみならず「総合力」として、こんなデニッシュ、真似できる人っているのかしら??という感じで……
私には、今、ホント反抗期真っ盛りというか親の私の言うことなど何も聴きやしない高校生の息子がいるんだかいないんだか、たまたま居合わせていたので、彼にも食べさせてみたら言葉少ないですが
すごい、長い時間をかけて作られたものだ、ということはわかる。
発酵のこととか、そもそも知らないと思うのですが、そんなことをボソッと宣う。そこで生地について私が話を振ったら
生地だけでなくリンゴが凄いと思う。これは高級なリンゴを調達してきて作りました、とかそんな単純なものじゃない。何か特別な手が加えられているというか、リンゴとしての味がすごく深い。
……えっらそうに!!(笑)でも、確かにそのとおり。リンゴが生地に負けないというか主役としての仕事をちゃんとしている。だからこそ「トータルとしての満足度」が、ここまで高くなるのだな……と、ちょっと息子にも感心、めずらしく!!!
もともとMさんが凄いってのは知ってましたが、改めて凄いなと思うのは、この「底力」。よく言われる「こだわり」とかそんなレベルじゃない。知識・経験・ノウハウ、それからたぶん「勘」のような第六感的なもの……そういうものを全て惜しみなく、商品に全力で練り込んでくるような「気迫」。
私も、薪ストーブの製品にも、一件一件の設置にも、これまでの自身の全てを練り込んで臨んでいますが、こんなMさんのような余人には代え難い仕事を提供したいなと、改めて。
Mさんも『なかなか手間がかかり娘が産まれてからはやる勇気がずっとでずに拒んでいた』と仰ってましたが、そんな「しんどいこと」にあえて取り組む動機って、なんだろうな?って、最近、時々考えるのですが「生きることに真っ当であること」としか言いようがないのです。
相手が喜んでくれたら、笑顔が見られたら、うれしい、「やった」と思う、それは動機として確かにあるのですが、別に「評価」が欲しくてやっているわけじゃないのですね?現にMさんだって、このブログ記事読んで仰け反っていると思うんです。記事に書いて欲しくて送って来たとか、あり得ない。
誰かに「喜んで欲しいな」と思わないと、本当の仕事なんて、そんなシンドイこと出来たもんじゃないけど、実際に喜んでくれるかどうかなんて「その人の都合」、本質的に「こちら」にはどうにも出来ないことです。出来ることは、ただ「自分ならでは」として今、持てる全てを仕事に練り込んだら、あとはせいぜい祈ること、それだけ。
もし「何のために生きるのか?」と聞かれたら、そうとしか答えようがないのです。「自分が自分としてこの世に存在すること」は、そのプロセスにしか託せないので。だから「生きることに真っ当であること」なんです。だって結果なんて、実際のところ、ホントけっこう運だし(笑)
だから結果見てても、ある意味仕方ないです。真っ当であれば、結果が得られる確率(可能性)は上がるとは思いますが。結果出ても出なくても「答え」は自分の中にあります。「自分として悔いが残るかどうか?」それだけ。
……ホント、相変わらず、真っ当に生きてらっしゃるなぁ……とMさんに呆れたというか、私は、これは是非、皆さんにリコメンドしておきたい仕事だなと思ったので、緊急投稿しました。
でも!!とっても残念なことに!!!
*週替わりのパン
3月11日(木)、12日(金)、13日(土)
・明太子バター 93円
・シナモン 158円
・イングリッシュマフィン 250円
・りんごのデニッシュ 388円
(りんごのデニッシュはこの週で終わりです)
http://panyasankate.asablo.jp/blog/より
「りんごのデニッシュ」は、この公式アナウンスのとおり、Mさんが私に昨日連絡とって発送してくれたぶんが、今シーズンの最終生産ロットで、出てくるとすれば、また来シーズンのようです……だから、切羽詰まったように、突然連絡くれたんだなと改めて納得!!Mさんらしいなぁ(笑)というか私も人のこと全く言えませぬ!!
いやしかしまあ、とにかく超多忙な人である一方(娘さんのこととなるとホントこれまたこの上なく真っ当な母親さんです)、この「りんごのデニッシュ」もそうですが、各種パンは送料かけて「お取り寄せ」しても全然価値がありますので、来シーズンの入手に向けて、時間の余裕のあるうちに、あらかじめ相談されてみてはいかがでしょう??(……って、Mさん勝手にすみませんm(__)m)
Mさんの「りんごのデニッシュ」たぶん「知る人ぞ知る」大評判だったんじゃないかと思うんですよね??弊社の薪ストーブMD70Kissは「知る人ぞ知る」までにも至っていませんが(今なお「iGブースター」の方がよく知られています)、いずれ「りんごのデニッシュ」のように大評判になれるように、明日もまた、頑張ろうっと!!
薪のブログの続きも、ちゃんと書きますね?そのうち(笑)それでは、また!お元気で!!