超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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【どうでもいいことですが結構重要かも】令和2年度の薪の需給見通しについて(最終ーその1)

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 なんかお役所の発表みたいな題ですが、ちょっとそんなノリで。内容はふざけているようで、結構まじめというか、参考になるかもしれません。

 今シーズン、よく考えたら「年度表記」って便利ですね、今月をもって概ね終了する薪ストーブシーズンの薪の消費量ですが、これまで2回の中間報告を出してきました。

aiken-makiss.hatenablog.com

aiken-makiss.hatenablog.com  今回は、理由はこれから述べますが「最終報告」ということで、本日令和3年3月10日朝までの運用結果を報告します。

 今シーズン10月から本日まで、持ち込んだ薪は、薪はもちろん、焚き付けから、枝葉も落ち葉も、バイオフレアも、全部重量を正確に測定記録してきました。その結果、全部合わせると……

 

805.3kg!!

見掛け比重0.5としても、ざっと1.6立米!!

 ……すっくな!!!ホンマに主暖房として暮らしているのかしら??(笑)

 

 でも、感覚あってます。だって冒頭写真は、本来なら今シーズンで使い切る予定だった1.3立米の、本日現在で「手付かず」の蓄積なんですから……

 この見掛け比重による体積1.6立米というのは、これから増える分を見越しても我が家として「過去最低」、どうして、こんな運用が可能だったかというと、まず、次のような要因が重なったためと考えられます。

  • 新型薪ストーブMD70Kissの省燃費効果
  • 冬季出張が多く、その間基本的に焚かなかったこと
  • ライフスタイルの変化(様々な事情により限りなく一人暮らしっぽくなった)

 そして、最後の要因、本日のテーマですが

  • 2月に入ってから、かなり意図的に、薪の消費量を減らそうと我慢した

 せっかく薪ストーブも、燃やせる薪もあるのに、どうしてそんなことをしようとしたかと言いますと

 この話に出ている薪が、冒頭写真の薪なのですが、これらは10月2日から、最終は12月1日にかけて乾燥のためにカーポートの上に運び上げられて、翌年1月21日にはカーポートから降ろされて、積載保管状態に移行した通称「3ヶ月乾燥薪」なのです!!

  天候に比較的恵まれたため、別にこれでも充分使えるのですけど……こちらの当ブログでアクセス数安定トップの記事のとおり

aiken-makiss.hatenablog.com

 ……でも、何でも知れば知るほど「モノの価値」「もったいない」と思ってしまうワタクシ、先ほどのつぶやき、これが全てです。

ちょっとシューっと泡を吹きながらでも熱量は充分なのでよく燃えてくれるのだが……もったいない!!これ来シーズンまで待てば、それこそ無茶苦茶良い薪になるのに、ここで使ってしまうのはどうかと悩む。

 まさに、悩みに悩んだ結果、できるだけこの「3ヶ月乾燥薪」を使わずに済む手段はないか?と、これまで薪ストーブ生活長いですから、その中で、薪棚以外の倉庫の中とか、作業用棚とか、何かの理由で「取り置きしてあった」各種の長期乾燥薪を色々探し出してきて、それは「もったいない」とはもう言わず、積極的に使うようにしてきたのです。

 言ってみれば「タンス預金」のようなものですね……あちこちからかき集めてきた「虎の子」でした。後述する「5年乾燥薪」による炎です。

  こういう美しい炎は、長期乾燥薪の賜物。とりわけナラ・カシは顕著です。時間を置いておけば、それだけで、空気を絞りに絞っても、美しい炎を保ってくれるし、そもそも暖かさが違います。やっぱり贅沢なものです。

 そのナラ・カシが、このたびの「3ヶ月乾燥薪」にかなりの割合で混ざっていたので、この際、今シーズンは使わずに来シーズンのために全部取り置こうという判断をしたのでした。

 ここまでの話なら「よくある話」かもしれませんが(ないか?(笑))、ここからが少し当ブログらしい「問題提起」です。薪ストーブの複数年度のご経験者さまへ。

 

 ナラ・カシって、かなり長期間乾かしても「シューッ」って泡吹くことないですか?

 

 これに対して「ない」と断言される方は、薪置き場の条件が乾燥について相当恵まれているか、あるいはナラ・カシであっても何故か密度感の乏しい熱量の乏しい個体にしか当たったことない方のいずれかだと思います。

 一つ、我が家での「証拠」を示します。このブログのために我が家のナラ・カシ薪を、本日、改めて割って、直ちに、割った面の含水率を測定してみたのですが……

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 検体は3種類。まず写真向かって右側、この中では最も太そうな薪ですが、薪として割った状態で我が家に来てから5年以上は経ってます。なにしろこちらのブログの「非常用乾燥手段」の薪ラックとして、このブログ記事を書いた当時で、もう何シーズンも使われていたものですから。でも仮に「5年乾燥薪」と呼びます。

aiken-makiss.hatenablog.com 「5年乾燥薪」は、薪ラックとして使用&保管している間は、もっと太かったです。1.5リットルないし2リットルペットボトルくらいの太さでしたが、薪にされる運命に決まったこの2月に、我が家としての太さに割りました。次の写真では、一番手前側にきているやつです。

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 それを本日、さらに真ん中から割って……

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 新鮮な断面における含水率を「正確に」測ってみました。

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 「13%」という表示を見れば「乾いている」と思われるかもしれませんが「甘い」です。私の基準でしたら「11%」が充分乾いているという目安です。この含水率計はホンマ製作所扱いのものですが、私は「ホンマ製作所含水率計基準で11%」と説明しています。測定器のこの種の誤差って結構あるのですが、本当の含水率はわかりません。
 今回、示したかったのは残りの2本(断面写真の真ん中と左側、横向き写真の真ん中と奥側)との比較です。これら2本は、正真正銘、このたびの「3ヶ月乾燥薪」として、この細さでカーポートの上で乾燥させられていたもので、燃やすと「シューッ」って軽くですけど泡を吹きます。

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 同じように割って(キメが細かいですね)……

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 含水率を測定してみると、やはり「13%」。正確には12%寄りの13%で、先ほどの5年以上薪は14%寄りの13%です。数値としては、こちらの細い「3ヶ月乾燥薪」の方が「5年以上乾燥薪」よりもむしろ良く乾いていて……試しにもう一本の「3ヶ月乾燥薪」も割って測ると

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 13%寄りの「12%」。「寄り」というのは、測定プローブを深く刺した瞬間の数字やら、何か所か刺した際に変動する方向です。このように測定数字上は「5年乾燥薪」よりも「3ヶ月乾燥薪」の方が、よく乾いていることになるのですが……

 これは、燃やした時の感覚ともよく一致します。「5年乾燥薪」も「3ヶ月乾燥薪」も両方とも、やはりナラ・カシらしく熱量豊富で、最初「シューッ」って少し泡を吹こうが、美しい炎を見せてくれます。「3ヶ月乾燥薪」の炎。

 それで経験上、ナラ・カシは上述するような難しさがあるって知っていたので、今回も「おやおや」「やっぱり」と思ったのですが「5年乾燥薪」の方が、より「シューッ」と言って泡を吹くさまが「盛大」だったのですね……まあ、でも「通常」としては乾燥不充分というわけではない。誰も言わないだけと思ってます。

 あくまでも私の経験ですが、ここに示したような「青い炎」を上げて燃えるのは、ナラ・カシでも密度が高いものに概ね限られます。脂(ツヤ)が抜けていない、と申しますか……密度が低いというか「ナラ・カシにしては、さほど重さを感じない」ものは、何故だか脂(ツヤ)も抜けちゃっているようで、燃やしてもオレンジ色の炎です。

 それらの違いがどこから来るのか?木の年齢なのかな??とか、ボンヤリ考えたりもするのですが、このたびの「3ヶ月乾燥薪」は「青い炎」を上げて燃える、重ーいタイプでしたので「これは勿体ない」と思ったのです。

 でも「5年乾燥薪」も、結局はシューシュー言うなら同じじゃない?と思われるかもしれませんが、そこは勝算が多少あるわけです。なぜなら上述した「薪置き場の条件が乾燥について相当恵まれている」というのは、具体的には次のような場所ということがわかっているからです。

  • 夏は日照りのようにカンカンに太陽が照り付け、サンシェードなしには到底過ごすことはできない
  • 冬は乾燥した風が吹き抜け、基本的に砂埃が舞う感じ

 もっと端的に言えば

  • ここに木が置いてあっても、キノコはおろか、カビとかも無理、絶対生えられないよね~

というような場所で、そのような場所で、なおかつ「基本的に雨には濡れない程度にしっかりとした屋根があり、地面からも高さ的に離れている」というのが条件です。

 このような場所なら、密度が高いナラ・カシであっても、置いて数年もすれば、シューシューも何も言わない、割っても基本的にサラサラの粉しか出ない、そういう理想的な薪が出来上がることも経験上わかっています。

 

 要するに、ナラ・カシの薪としての仕上がりは、原木の品質と、実質的な「長期保管場所」の環境に依存する

 

というのが、私が辿り着いている結論です。

 今回、薪にしてしまった元薪乾燥ラック、「5年乾燥薪」は、薪にするつもりは全くなかったので、実際には家の北側の日が当たらない場所で、雨もかからず、地面にも接していませんでしたが、湿っぽくて風の通りにくい状態で「道具の一つとして」保管してありました。ずっと使われずに仕舞われていたのでカビも一部生えていました。

 やっぱりそんな状態では、何年置いたって、ある意味「無駄」なんですよね……カーポートの上で細くして3ヶ月置いただけの薪にも、乾燥具合で負けてしまう。日本は湿気の多い国です。木を置いておくとシロアリやらゴキブリが普通に生息します。

 脂の抜けていないナラ・カシであっても「シューッ」と言わない良質な薪を作りたいなら、通常よくあるカビやらシロアリやらゴキブリやらに出くわしそうな環境をいかにして避けながら長期保管場所として良好な環境を確保するか?ということに尽きます。

 冒頭写真、ギッシリ積んだ我が家の薪棚の場所ですが、まあ、かろうじて、カビやらシロアリやらゴキブリは出にくいかな??という環境です。よって、ここなら、もうひと夏、雨に濡らすことなく「長期保管」で越させれば、元の品質はとても良い重い、密度の高い、カビも何も来ていない木なので、良い薪に化けてくれるかな~~と。

 記事、けっこう長くなりました。なにしろこんなに気を遣うのは、やっぱりナラ・カシ「だけ」、特別な注意を要します。一方サクラとかクロガネモチも私はとてもお気に入りですが、けっこうあっさり乾いてくれる感じです。ほかの雑木もサクラよりも乾燥早い印象ですね~~

 なおこのたびの「3ヶ月乾燥薪」には、もちろん新鮮なナラ・カシ以外の木も随分混ざっていました。それらはカーポートから降ろしたばかりでも「シューッ」とも言わず、良好に燃えてくれることを実際に確認しています。

 それでも何故「3ヶ月薪」全体を手付かずで残そうとしたのか?その努力の実際の様子はどのようなものだったのか??そして今、どうしてこんなにも早々に「最終」として薪の需給見通しについて総括しようとしているのか……?

 なにしろ、今、22時を回りましたが、明日からまた出張なのですよ~~ちゃんと準備して早く寝なくっちゃ!!続きは出張から戻ってから、また来週も出張ですので、この週末にちゃんと決着をつけたいと思っております(ちなみにブログ本来の料理ネタも、仕掛りのまんま……orz)!!!

 それでは、また!お元気で!!