超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

※各記事の画像は選択後、右クリック「画像だけを表示」でオリジナルサイズで表示できます

薪ストーブは幸せな時間を演出するための魔法の道具

f:id:aiken_makiss:20171119115940j:plain

 昨日の雨が去ってからは、また一段と寒く、晴れ空もすっかり冬の様相ですが、暖かくしてお過ごしになられていますか?

 そういう寒さに備えるのが、薪ストーブに期待される第一の任務かもしれませんが……暖房の「質」、快適さや心地良さ、あるいは炎という付加価値として薪ストーブがいくら優れているとしても、私なら、それで薪ストーブを導入しようとか、そういう話にはならないと思うのですよ。

 だって、高いもん。自分で設置販売を商売にしていて、言うのもなんですけど。

 単に、暖房や、炎の雰囲気のためなら、私も、お金を使う優先順位として、もっと別のところに使った方が良いって、アドバイスします。

 今度、専攻課程ブログ(Facebookページ)の方で書こうと思うのですけど(追記:書きました)、「売っている側」の私には、同じような内容で相談を受けたとしても、この人たちには何とかぜひ薪ストーブを導入してほしい、と思う場合と、これはやめられた方がいい、と思う場合があって、実は、お客さんによって、けっこう態度を変えています。そのこと自体が誠実なのか不誠実なのか、自分ではよくわかりませんが。

 でも、自分が態度を変える理由、これ、意識的にやっているわけでもなんでもないのですが、それが何であるかは、商売を続けているうちに、わかってくるようになりました。

 「時間の使い方」なんですよ。人生の時間は限られていて、その限られた時間に、そのお客さんは、どんなふうに「価値」を見出そうとされているのか、そこを私は、じっと見させていただいております。

 

 ……私には、もうすぐ大学を卒業する長女がいます。福井で一人暮らしをしておりまして、我が家で一番しっかりしていて自立的な性格ですし、とても忙しくしていて滅多に帰って来ません。私も妻も、自分達にしてはこの子は上出来だと誇りに思っているところではあります。

 ところが長女、妙なところで甘えん坊なところがありまして、車のメンテナンスは父親任せにして、自分では決してやろうと(お店に依頼しようと)しないのですね?季節ごとに履き替えるタイヤも、向こうの下宿にタイヤが置いておける物置があるのに、何故か、愛知犬山の実家に置いてあります。

 もうすぐ冬というか、この寒波で、福井は間違いなく雪になると思った私、

 「父さん、今週末なら、いるから、あなた、スタッドレスタイヤに換えないといけないから、帰って来れるなら帰ってきたら?その次の週末とかはいないよ」

 と、金曜日だったかな、滅多に飛ばさないLINEで連絡とったら、即答で、じゃ、明日帰ると。土曜日の3時ごろ帰ってきて、日曜日には福井にとんぼ返り、ということになりました。

 金曜日もヘロヘロで仕事して、土曜日。「可愛い長女」が帰ってきます。寒いし、せっかく薪ストーブがあるわけだし、まずは帰ってくる時間に焚いて、もてなしてやって……とは思いましたが、それ以外には何の準備もしてありません。私も妻も土曜日もなんだかんやで大忙しです(単に要領が悪いだけ(笑))。

 でも、私にも妻にも「勝算」がありました。それは、今年は、今なら「薪がある」。それだけ。薪ストーブが使えれば、なんとでもなることを、体験的に良く知っているのです。

 「どうする?何かある?」

 「んーー……餃子を作ろうと思うのよね、ちょうど材料あるから」

 「了解。あとは適当ね……ああ、そうだ、裏庭に椎茸の原木あるでしょ?ちょうど大きな椎茸が生えてたから、あれを、あの子に焼いてやろう」

 帰ってくるタイミングで、薪ストーブで部屋を暖めてあげて、長時間巡航運転がやりやすい薪を選んで安定した火床だけ作って、お湯が沸かせるのでコーヒーを淹れてやれば……

 「やっぱり、ウチのコーヒー美味しいね、あと味とか、全然違う」

 これで、父親は、もう「用なし」です(笑)あとは、妻と長女と、なんだかんだ仲良くおしゃべりしながら、餃子のタネを作り、仕込んだりしているので、私は本来任務のタイヤ交換。空気入れが予想外に壊れていたりして、あっという間に外も真っ暗、何も見えなくなるギリギリで作業終了です。

 「あー、寒かった(笑)はーい、焼くね~~、鳥皮から?あ、つくね、もう焼いてるんだ」(我が家、私が牛肉、豚肉苦手なので、必ず鶏肉のメニューを作ってくれるのですゴメンナサイ)

 薪ストーブの火力調整ならお手のもの。プロになる以前から得意なので。大量に作った餃子やらをどんどん焼いていきます。焼きたてアツアツを皆でワイワイと。即席パーティーの始まりです。

f:id:aiken_makiss:20171119124103j:plain

  「とっておき」の椎茸は、天板であらかた焼いておいてから、熾火のタイミングも作って、最後の仕上げに炉内に少しの時間だけ入れて(五徳が見えますか?)、香ばしさも付加させます。

f:id:aiken_makiss:20171119124254j:plain

 「すっごい、美味し~~い!!」

 「全部食べたらいいよ、向こうだったらこんなの食べられないでしょう(笑)」

 「いいの~~?うれしい、ありがとう~~~」

 それでも一切れだけ母親に残して、長女は大事そうに、幸せそうに、とってもジューシーな椎茸(天板の上でジュージューいってました。天板の掃除が思わぬ大変なことになりましたが(笑))を味わっていました。

 餃子とかも、みんな本職顔負け、この上なく美味しく仕上がったのは、言うまでもありません(調理器具も、大事です!!(笑))。

f:id:aiken_makiss:20171119124805j:plain

 美味しい料理があれば、当然のごとく、お酒も進んで……これは、ほとんど終わりかけに「あ、写真撮ってないや」と間に合わせに撮ったもの(笑)即席パーティーは大好評、大成功でした。

f:id:aiken_makiss:20171119125113j:plain

 我が家、私なんか家では、必要な「打ち合わせ」以外は、ほとんどしゃべりません。私だけでなく基本的に会話は少ない家なのです。けど、美味しい食べ物が並ぶというのは、本当にそれだけで、それ自体を話題に、場が華やかに盛り上がります。長女が腕を振るってくれたサラダや、つくねの付けダレも美味しかったこと……!!(本人は「ネットにあったとおりのレシピで、適当に(笑)」とのこと)

 

 大切な家族で共有する、幸せな時間

 

 私、思うのです。薪ストーブがなければ、どうなっただろうなって。なにしろ仕事とか「ネタ」がなければ、本当に口下手なので、 どうやって「幸せな時間」を演出できただろうかって。お金をかけて美味しいところに外食にでも行けば良いのかもしれませんが、それは、ある意味「誰でも」「どんな集まりでも」できること。

 

 「思い」が形にできる、伝わるって、本当に、ありがたいなって

 

 モキ製作所の薪ストーブは、見てのとおり、天板がパーティーメニュー作成にフル活用できます。けど、それは、断熱性能等級「2」、スッカスカの我が家の事情、断熱性能が良いなら薪にする原木の種類を熟考して、熾火でメニューを組み立てたら良いのです。

aiken-makiss.hatenablog.com

  そうして作られる「パーティーメニュー」には、ご馳走をしてやろう、歓迎したいという、作り手ならではの「思い」が、具体的なスキルとして、成果品の味として、ちゃんと、たぶんずっと「容易に」形になる。

 

 だってその人の「思い」は、本来、「その人」にしか出せないものだから……

 

 薪ストーブは、「思いを形にする」うえでは、本当に、優れた道具です。単に「暖める」だけでも、料理を供するにしても。「魔法の道具」は、決して大げさなんかじゃない。知恵と工夫次第で、すごいアウトプット、価値を生み出します。

 この日、暖房を長時間維持するために、我が家にしては、ずいぶん「贅沢な種類」の薪を使いました。ムクノキ(ケヤキの仲間で、薪としては最重量級、最高の火持ちです)、ツバキ(滑らかで緻密な材と油のしなやかさ)など、また動画でアップしますが、炎も美しく、幸せな時間の演出に一役買ってくれました。

f:id:aiken_makiss:20171119131349j:plain

 当然、いつもの燃えやすいペラペラの針葉樹(とても使いやすいです♪)と違って、燠火もすごく長持ちなので、これを利用しない手はありません。「コーヒーよりも……」と長女からリクエストされた、ゆったりと日本茶を皆で愉しみながら、のんびりと焼き芋を焼き上げます。

f:id:aiken_makiss:20171119132003j:plain

  「宴」のあとの、心落ち着く「デザート」。これも、長女は「美味しいね……」と、幸せそうに食べておりました。そんな長女に、私は声をかけました。

 「……明日、もう、帰るのか。忙しいことだな」

 「だって、急だったから(笑)バイト休めないんだ、人が足りないから。頼まれて」

 「そうか……身体には気を付けて、無理はするなよ、バイトでそこまで責任負う必要はないんだから。そりゃ、実際に困っている相手の顔が見えるわけだから、断りづらいだろうけど……そんなの借金の保証人と一緒で、頼まれて保証人になって身を滅ぼした人は山のように居ても、保証人を断って身を滅ぼした人は一人もいないんだから……厳しいけど、本来は「そちら側」で、解決すべき問題なんだ」

 「わかってるよ(笑)そのあたりは大丈夫。父さんの娘だしね」

 言葉少なだけど(たぶん、聞いてる方からすれば、ややくどいです(笑))、大切なことを色々確認する、静かな時間。本当に限られた機会、限られた時間だから……薪ストーブは、やはり、私にとって「魔法の道具」なのです。

 

 最初の話に、戻します。「提供する側」の私がじっと見ているのは、たぶん、お客さんの「時間の使い方」。限られた人生の時間に、ご家族との時間に、そのお客さんは、どんなふうに「価値」を見出そうとされているのか。

 薪ストーブによる暖房の質も、炎の眺めによる癒しも、それ自体は「お金」で代替するものを手に入れることもできます。あるいは、そのためのお金を別のことに使うために我慢しても、人生全体において、特段の影響はないと思います。

 けれども「幸せな時間」だけは、「お金」には替えられません。今という時間、ある人と共に過ごせるというのは、限られた人生の中でも、もっともっと、限られた時間なのです。その時間を「より幸せにする」ためになら、たとえ高くても、お金を出す価値は充分あると、私は思います。

 そういう理由から、幸せな時間を演出したいなら、薪ストーブ、お勧めですよ♪……というか、私はプロとして、お客さまを見させて頂いて「このご家族は、薪ストーブがあれば、絶対に幸せになれる」と思った時には、猛烈にお勧めしている次第です(笑)

 そういうわけで、ブログとしてはよくわかりませんでしたかもしれませんが(ヘンな日本語(笑))結論としましては、寒さには気を付けて、どうぞお元気で、ご機嫌にお過ごしください♪

 私もこれから読み返す間もなく出かけますし、5日ぶりくらいに会社に出社する(メール頂いているかたもあるかと存じます。大変申し訳ありませんでした)週明けから超バタバタで、更新も何もできないと思いますが、元気にやっておりますのでご安心ください。

 乱文失礼。それでは、また!