超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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何気ないことが宝物、共に過ごした時間の愛しさ

 

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 昨日の記事で、我が家の飼いネコ、しまねこを題材に「情景」について書きました。絵になる情景は、私にとっては「宝物」だと。

 

aiken-makiss.hatenablog.com

 

 それで「脱線」は終わり、次は料理に戻ります、と書いて、冒頭写真は、プリブリ赤魚を焼いているところをあげたのですが……言わずもがななんだけど、「情景」よりも、ずっとずっと大切なことを、私、書き忘れておりまして(笑)すみません、もう一回、料理の話から脱線させてください。

 ちょうど、前回の脱線記事を書いたその晩のことでした。冒頭写真。燠火で冷凍庫から出して来た赤魚の開きを焼いていまして、それが実家から送ってもらった「浜田の干物」だったので、前に、浜田の干物をネタに真に美味い干物について論じてしまったし(笑)また何か書こうかな……とか思っていたのですが……

 

aiken-makiss.hatenablog.com

  ……しまねこが、もう、焼いているそばから、毛づくろいしているのですよ。

 これ、待っているのですね?魚が焼けるのを。そして、焼けたら、自分も食べるものだと、もう決めているのです。

 私も、干物の世話をしながら、じーっと待っていますが、しまねこも、どこにも行かずにじーっと待っています。薪ストーブとしては、もう、そんなに暖かくもないのですよ??静かな燠火。まあ、でも、私も、しまねこのことなんてわかっています。こんなとき、追い払おうたって、死んでも言うことなんか聞きません(笑)

 写真は上手には撮れませんでしたが、燠火でこんがりと焼けてきました。美味しい干物に相応しい、美味しい焼け方です。ひっくり返すときに、真ん中から千切れてしまいましたが!

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 ……で、焼けてきたので薪ストーブから出してみたのですが……最初に「検分」しやがるのですよ。しまねこ。ネコのくせに。炉内から取り出してきたそばから、フンフンって。「ふむふむ、上手に焼けたかな?」みたいに、超えらそう(笑)

 食卓の椅子には、私よりも先に飛び乗って真ん中に鎮座しました。しまねこ。干物を一生懸命上手に焼いて、甲斐甲斐しく運んできた私には、満足に座る場所すらありません。しかたなく、椅子の隅っこのほうにチョンと腰かけます。

 しまねこは、机の上に置かれた赤魚の開きを、首を伸ばしてやっぱりフンフンと嗅ぎました。私は、自分が一口食べるよりも先に、塩分のあまりついていないだろう、つまり、この超高級魚の、プリプリの身の一番美味しい部分を、箸でちょっと取り分けて、いつものように、しまねこさまの鎮座している足元に置きました。

 「はい、どうぞ!!」……やけくそです。半分(笑)

 ……ところが、しまねこは、そのひとかけを、食べないのです。なぜか。検分しているときに、ちょっと冷凍焼けの臭いでもしたのでしょうか??理由はわかりませんが、まるで食べようともせずにしばらく座っていたしまねこは、私が食べ始めたら、おもむろにピョンと椅子から飛び降りて、どこかへ行ってしまいました。

 ……なんだ??せっかく、あげたのに……欲しかったんじゃないの??あーあ、もったいない、この超贅沢な赤魚の一切れ……ムク(飼い犬)にあげるか……なんかネコのおさがりって、申し訳ないけど……

 ……などと(笑)我が家では、よくある「それだけの話」なんですが……

 ふと、思ったのですよ。よく考えたら、「絵になる情景」よりも、「こっち」じゃないかって。「宝物」。実際に「クロスした記憶」。その積み重ね。

 こういうとき、あいつはいつもそうだったよな、そういえば、あいつがいればこうだったよな……

 必ず、死に別れなければならない愛しい存在のことで、最後の最後まで残り続けるのは、きっと、絵になる情景よりも、こういう記憶だけにある「宝物」。共に過ごしているうちは、当たり前すぎて、その大切さに気が付くことなんて、なかなかありませんが……

 そうやって考えた時、薪ストーブって、すごく、いい「装置」だと思うのですよ。薪ストーブ一つあるだけで、そういう具体的に「クロスした記憶」って、格段に増えますから。改めて考えると、薪ストーブが来てから、ものすごく増えています。例えば、しまねことクロスした記憶って。

 薪ストーブと、自動車には、似ている価値があるって、前に書きました。

aiken-makiss.hatenablog.com

 本質的には、やっぱり「時間の価値」なのでしょうね。素晴らしかったり、美しかったり、そんなことが何もなくても、気が付けば、どんどん増えて「宝物」になっていく。記憶の宝物。この「宝物」を気付かないうちに、家に居ながらにして、本当に自然と増やしてくれる装置が、薪ストーブ。

 ものすごい価値だと思います。なかなかないと思います。こんな素敵な装置。

 ところが、この価値が、もう、ぜんぜん自然すぎて、認識できないのですよ~~前回記事のような「価値」にフォーカスしたことを書きながら、私だって、それがわからなかったわけですから(笑)

 本当に大切なものほど、あたりまえすぎて、その価値が見えないものかもしれませんね……なにごとでも。

 ……とかなんとか、もっともらしいことを言って、脱線おしまいです♪ 次回は、ちゃんと料理の話に……戻れるのか??本当に。いっそ、このブログ、改名した方がいいかしら。「薪ストーブがくれる時間の価値」とか。誰も読まないって(笑)

 次回も乞うご期待~♪