超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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薪ストーブのある暮らしは、無理なく楽しく続けられるのがだいじ

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 いよいよ日射しサンサンと暑くなって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか?

 薪ストーブユーザーとしては、ちっとも「真面目」ではない私、前に煙突掃除したのは2018年のこと、仕事では「年1回掃除してください」とお願いしている手前、さすがに掃除しないとな~~……と思いつつ、過ぎるのは時間ばかり。

 とにかくモチベーションが少しも上がらなくて。何故かというと「実際ヤバいかどうか」よく見えるから。

 冒頭写真は、ヘタな、というか煙道火災のリスクが高くなる「危険な」燃やし方をしたら、その影響が真っ先に現れる煙突トップの外側スリットの、我が家における本日の状況ですが、「まだいけるな」という感じで……

 解説しますとヘタな燃やし方をすると、まず、この煙突トップの外側スリットから詰まって(閉塞して)しまうのですよね……理論&経験上。内径150ミリもあれば、トップそのもの(管の内側)よりも外側スリットなのです。そして、日々の暮らしへの影響も大きく、煙道火災への最短距離でもあります。

aiken-makiss.hatenablog.com

 我が家がユーザーとして薪ストーブを導入した時の薪ストーブ屋さんって、今思っても最悪に近くて(当時、そんなんで商売になるの??という驚きから、思わず薪ストーブ業界に異業種から新規参入をしたわけですが)、ただし我が家の設置で唯一「素晴らしい」と思うのは、ベランダからいつでも触れるところに煙突トップがあることなのです。

 煙突トップというのは、外側スリットを目視確認するのに双眼鏡が必要とか、触ろうとすると屋根の上に登らなきゃいけないとか、ウィークポイントなのに確認もメンテナンスも難しいのが通例で、それをよくよく理解した管理運用が必要なのですが……

 

 煙突トップへのアプローチが簡単だと、普段の暮らしは本当に気楽

 

 このように書くと、とても良いことのように見えるのですが、いや、確かに良いことなのですが、私のような不真面目な人間が、そのメリットを得てしまうと、ついつい横着になってしまって……煙の問題とか、燃やすものとか、頓着しなくなってしまうのですよね………

 告白も何も、すでに公言しておりますが、私は、近隣さんから苦情が来ないかビクビクしてますが、実際は人間関係に依存したご機嫌伺い(お届け物を持って顔色を伺う)に頼って、煙に対して、それほどシビアに暮らしておりません。

aiken-makiss.hatenablog.com ですので、煙突トップへのアプローチが良いというのも、使う人の性格が私のように横着だったりすると、世の中のためを思えば考えもの、良し悪しだなと思うのですが………

 

 自分の「悪行」が客観的に明らかになり、現実を突き付けられるのが煙突掃除

 

 まあ、普段、勉強というか人生舐めてる学生が、学力テストで現実突き付けられるようなものです。だから、なんというか、やらなくてもまだ大丈夫そうだし……とかよく見えると、なおさらやりたくなくなるんですよね~~~~

 しかし、私はこれでも薪ストーブのプロということで、社会的にご飯を食べさせて頂いております。

事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯危惧と、刻苦をう怠惰とが己のてだったのだ。

www.aozora.gr.jp

 ……とか何とか言ってても仕方ありませんので、重い腰を上げまして!!

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 「薪ストーブのある暮らし」というのは、本当に一言で言って、この「煙と煤がどうしても出てしまう、各所に貯まってしまうこと」に尽きるのです。これに具体的にどう対処するか??ということに「全て」が集約されます。言い換えると

 

 煙や煤に具体的に対処できないことには、薪ストーブのある暮らしは続けられない。

 

 そのための薪ストーブ本体の選択でもあるし、煙突の仕様(断熱性、煙突ライン、掃除のしやすさ)でもあるし、薪の準備(木の種類、割り方、乾燥させ方、保管状況)でもあるし、日々の燃やし方(焚き付けの方法、定常運転の方法)でもあるわけです。

 これを説得力を持って申し上げるべく、今回は、ひときわ丁寧に掃除して、煤の量を測ってみました。

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 一番(ドラフトに引かれて煙突内部に吸い上げられるも、重力に引かれて煙突下部に落ちてしまう、灰のような粗大なダスト分を除く)煤が付着する煙突トップで65グラムが貯まっていました

 そして、トップに接続される「最終管」は、煙突内部としては、最も煤が厚く堆積すると考えられるわけですが………

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 ……なんだか、別に放っておいても、そのうち勝手に下に落ちるんじゃないの??みたいな感じで、煙突掃除、ますますやる気なくなってきましたが、ブラシを入れまして

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 重さを測ってみますと、最終管だけで34グラムありました。二つ合わせて99グラム

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 実際のところは、巻き上げられた粗大なダスト(気化した煙というより灰)と一緒に煙突下部に貯まっている堆積物を測ると、何かしら総量として出るのだろうと思いますが、経験上、断熱二重煙突の場合、煤の付着の大部分が煙突トップと最終管に集中するので、写真に写った最終管の付着物の4倍量が本来は存在したと目視から推定すると

 

34×4+65=201グラム

 

 これが2シーズン分で、1シーズンあたりにすると100グラム。そしてこの2シーズンで、ざっくり5立米に満たないくらい燃やしたと思うんですよね?ですから1立米あたりにすると40グラム。これが多いか?少ないか?と言いますと……

弊店での煤の目標値は1㎥の薪に対して煤は20gに設定しています。2019年2月現在では、20g以下のユーザーは全体の68%です。また、30g以下のユーザーは77%です。

1シーズンで出る煤の平均は71g。100g以下の方は83%です。

  出典;AMA工房 青木幸次:煤は1リューベ20gを目標に,薪ストーブライフ,13(1)※通称35号,44-45(2019)※太字は引用者による

www.mokuzitusya.jp

 

 はい、我が家、成績下位20%以下確定!!(笑)

 

 ……って、実際にデータを取ってみようとするとわかりますが、正確には「測定条件」を揃えないと、なんとも言えないので(特に煙突下部堆積物の扱い)、本当にこのAMA工房さんの基準で測ったときにどうなのか(もっと酷い成績になるのか)わからないのですが……

 私自身の経験として東京のユーザーさん(要するに、煙を気にする環境で暮らしていらっしゃる方)の煙突掃除に立ち合ったとき(後述しますが、弊社は、必ずユーザーさんがご自身で煙突掃除が出来るように設置することが前提ですので、業務として煙突掃除は全く行っていないのです)、その煤の量の少なさに驚愕したので、モキ製作所の薪ストーブは、その気になれば、もっと煤を少なくできるだろうことは確かです。

 ただ、これ、煤に関して薪ストーブのプロとして「数字」を持っておいた方が良いな、と思ったので、今回考察を試みただけでして、実際のところは

 

 楽しく、安心して暮らし続けることができるなら、それ以上の関心は特にない

 

 というのが、私であり、おそらく普通のユーザーさんではないかと思うのです。だから、これ、相手(個々のユーザーさんの知性、お人柄)によっては、あんまり言ってはいけないことではあるのですが

 

 煙道火災を起こさず、近隣の迷惑になっていないように、実際に暮らすことができているならば、管理(ゴール)としてはそれで良い

 

 と、私は思うのです。ある種の「開き直り」では、あるのですけどねぇ……モキ製作所の薪ストーブを扱っている限り、ポテンシャルがとても高いので、それにおんぶにだっこというのが正直なところです。

 もちろんAMA工房さんの努力は、同じ業者として素直に尊敬、多とするものではありますが……実際には、1立米、1シーズンあたりの煤の量は、あくまでも「一つの目安」に過ぎないと申しますか、多い少ないに、それほど囚われる必要はなかろうと。

 ですので、実際の煤の量がどのくらいか?ということ「なんか」よりも、実際に大事なのは、繰り返しになりますが

 

 煙や煤に具体的に対処できないことには、薪ストーブのある暮らしは続けられない、という本質、ポイントに尽きます。

 

 「具体的に対処」というその内容、「達成すべきレベル」は、個々に置かれた状況によりますが、とにかく、この真理を、とにかく念頭に置くべきなのです。特に、薪ストーブで実際に暮らした経験がなくて、導入をこれからお考えになっているなら

 「そんなの当然でしょ?」と仰るかもしれない。けど、私が色んな「薪ストーブの導入を検討されている方」にお会いして、痛感するのは「薪をどうするか?」は、結構、皆さん意識が高いというか、考えていらっしゃるのですが、煙はまだしも、各所に実際に煤が貯まるという事実、その対処までいくと、認識がすごく甘いと申しますか……

 弊社、モキ製作所のユーザーさんには無縁の話ですが、普通は、煙の通り道というのは煤が貯まってこんな感じになります。ご本人は「炭」と仰ってますが。

youtu.be

 煙の通り道なんて、実際、そんなもんです。このことを含めて、普段から対処して、暮らしていくということを、あらかじめ考えておかなければなりません。本当は。

 そもそも、どうして、こんな記事を書こうと思ったか?と申しますと、実は煙突掃除そのものではないのです。最近、とても多いのが

 

「クッキングストーブ(オーブン機能付きの薪ストーブ)を設置したいのだけど……」

 

 と仰る方(私の経験では例外なく、薪ストーブの実際の経験はない方)でして……でも実際には

 

 熱の移動(有効利用)には、ほとんどの機種において、煤の堆積を伴うと知るべし

 

 というお話でして、実際の管理のことを思えば、オーブン機能付きの薪ストーブは、かなり、上級向けと申しますか、逆に言えば、煙の処理の問題や、この煤の堆積のことさえ考えなければ、オーブン機能付きの薪ストーブだって簡単に作れるし、売れます。

 でも、実際に暮らし続けようとすると、オーブン機能付きの薪ストーブの内情は、結構大変なんじゃないか?と思います。導入時に本体が高価なだけでなく、メンテナンスが大変だったり、性能維持に交換部品が必要だったり、あるいは薪を非常に選んだり……

 私としては、薪ストーブのある暮らしは、とにかく無理なく楽しく続けられるのがだいじだと思っていまして、実際に暮らし始めてからの維持管理にお金がかからないことは、象徴的に大切ですから、絶対に必要な煙突掃除は、業者にお金出して依頼しなくても必ずご自身でも可能なように設置時に計画しますし……

 とりわけ、煙突トップの問題を含む、煙道火災防止に向けた維持管理をどうするか??どのくらい気楽に暮らせるのか、我が家のようにお気楽な燃やし方でいいのか、あるいは、ある程度気を使って薪を準備し、燃やさなければならないのか?は、決定的に重要なので、周辺環境、薪の入手状況など総合的に判断して、薪ストーブをご提供しているというところです。

 その時に、つまり煙と煤への対処において、やっぱり圧倒的なアドバンテージを持っているのが「モキ製作所の薪ストーブ」でして、この一番大事な部分って見えにくいし、乗り換えの多い自動車などと違って比較も困難なので、モキ製作所の薪ストーブの評判、評価として、Web情報に上がってくることがないのが本当に残念ですが……

 「どうしても」クッキングストーブを使いたいと仰るなら、やっぱり、モキ製作所のこちらの薪ストーブが、超お勧めです!!

youtu.be

 薪ストーブをオーブンとして機能させようとした場合、MC95のこの方式は手間だし、原始的に見えますが、実は、これほど合理的で、持続可能性に満ちた「薪ストーブを利用したオーブン」は、他にはありません。

 詳しくは、こちらの「専攻課程」の記事に書きました。もしよろしければ。

www.facebook.com

 普段の暮らしで炎の眺めを楽しむ、あるいは低出力から高出力まで、安定的でラクな炎のハンドリングで暮らされたいなら、弊社オリジナル改良版が、やっぱりお勧めですが……

youtu.be オーブン料理を中心とする、クッキングに命をかけたいなら、モキ製作所のクッキングストーブMC95ほど、メーカーとして制作に手間がかかっている割に良心的な価格で提供されている、善いストーブは他にありません(というか、MD70K自体も、あり得ないくらいに良心価格なんですけどね……モキ製作所さん)。

 そういうわけで、やっぱり物事の本質、ポイントをしっかり押さえて、いいコンセプト(設計思想)で作られた、いい製品を選択されると、なんというか、良し悪しではありますが(私のように不真面目でも暮らせちゃいますので)、やっぱり無理なく、楽しく暮らし続けることができて良いですよ、ということで……

 暑いですから、どうか、ある程度は気楽に、怠けるも良しと申しますか、ご無理だけはありませんように。暮らし続ける、ということ自体が、人間、何よりも大切です

 それでは、また。お元気で!