冒頭写真、3月26日にツィッターでシェアされていた、アメリカの医師の方の述懐です。こちらのツィート。
FBでシェアされた米国の医師の方の述懐。ぜひ読んでほしい。
— Kenji Shiraishi (@Knjshiraishi) 2020年3月26日
「救急室で重篤な肺炎患者が次々と運ばれては人工呼吸器につながれていく光景を目の当たりにし、私も私の同僚もかつてない恐怖を感じた。
まるで津波だ。僕らは無抵抗で流されている。」
「この危機はすぐさま日本にたどり着くだろう。」 pic.twitter.com/d8hdGm3mEK
昨夜、志村けんさんも亡くなりました。それを聴いて急に本気で不要不急の外出を控えようと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、この感染症の特殊性は、閉鎖空間で空気が入れ替えられずに止まっている場合、事実上の空気感染を起こすことにあります。有料記事ですが、無料で見られる43秒の動画を見て頂くだけでも結構です。
www.asahi.com この「マイクロ飛沫」は、咳などだけでなく、ただの荒い息や、盛んな会話などでも発生し、漂うわけですが、その状況を映像で可視化したのがNHKスペシャル「“パンデミック”との闘い~感染拡大は封じ込められるか~」番組でしたが、今はNHK+による再配信も終了し、視聴は困難になっております。この状況で「公益」ってのものをどう考えているんだ??NHK!って感じですが……
【公開当日追記;公開されたブログ読んだ妻が一生懸命探してくれました。仕組みがよくわからないのですが「民放テレビ公式ポータル」にて4月3日(金)17時まで、以下のサイトでNHKスペシャル「“パンデミック”との闘い~感染拡大は封じ込められるか~」の視聴が可能です。私の知る限り、見た誰もが「認識が変わった」と唸ります。まだご覧になっていない方、お見逃しなく!!】
tver.jp 結論を言えば、感染者が身近にいれば、その人は咳とかクシャミとか何もなくても、普通に会話しているだけで感染します。ですので症状のあるなしに関わらず「全員が」「自分以外の誰かに(罹っているかもしれない)ウィルスをうつさないようにするために」マスクをつけなければならないのですが……あいにく、マスクは間に合っていません。最も必要だろう医療現場や、介護福祉の現場ですら足りていない。
そういうことで、感染してしまったらどういうことが起こるか?というと
この病気の怖さというのは、ホントに8割の人はホントに軽いんです。歩けて、動けて、仕事にも行けてしまうし、軽いんです。ただ、残りの2割の方は確実に入院が必要で、全体の5%の方は集中治療室に入らないと助けられない。現場で患者さんを診ているとよくわかるが、悪くなる時のスピードが物凄く早い。ホントに一日以内で、数時間で、それまで話せていたのに、どんどん酸素が足りなくなって、酸素を上げてもダメになって、で人工呼吸器にもうつけないとこれは助けられないという状況に、数時間でなる。それでも間に合わなくて、人工心肺もつけないともう間に合わない……ということが目の前で一気に起こるわけです。
義務だと思って知事の記者会見ノーカットで全部見たけど、大曲先生のこの話がどのテレビでやってるニュースでも聞いたことなくて驚いた。本当に最前線で戦ってる人なんだなぁ。週末の予定全部自粛します。 pic.twitter.com/McRHQVCa6n
— まいさん (@mmm88snsn) 2020年3月25日
要するに、私たちの社会は、とてつもないウィルス相手に戦っているわけで、首都圏を中心とする、この週末での外出自粛が、感染拡大のスピードを低下させる効果を上げることを願うばかりですし、すでに、飲食店、理髪業、美容サロンなどのサービス業も含めて閉鎖、サークル活動はおろか私的なパーティも全て罰則、取り締まり対象とするロックダウン(都市封鎖)を行っているドイツと比べれば、現時点では「まだ」東京の感染者密度は低いもの(10分の1程度)と推定されます。
東京のコロナの状況、死者数で言っても7人、人口100万人あたりで0.5人は、こちらの井上さんが教えて下さった https://t.co/ihVdqIyh5Z ドイツの主要州の数値と比べても、まだ断然少ないのですね……なんか、数字で見直すと、希望が持てる気がしてきました。 https://t.co/ZsJlpQh2Qc
— 楡科榎 (@wohya) 2020年3月29日
とはいえ、相手は増殖力、感染力ともに、条件が整いさえすれば「爆発的」なものを持つウィルスです。何よりも「実際の現場の危機意識」が共有されていないのが最大の問題です。本当に、どうか相手を甘く見ることなく、徹底した行動変容、防御を図りたいわけですが、その理由は、「誰もが重体になり得る」可能性があることもさることながら……
米国CDCが発表したデータ(2/12-3/16)から45歳未満のみ抜粋。<入院>20~44歳20%, 19歳以下1%、<ICU> 20~44歳12%, 19歳以下0% ・・・高齢者が問題となりがちですが、20~44歳でも入院の20%、集中治療の12%を占めています。元データはこちら(英文PDF)→ https://t.co/8d8RfnZkDu
— 今村顕史 (@imamura_kansen) 2020年3月28日
ど素人の危機感が無さ過ぎてお医者さんの胃がマッハらしいというツイを見た。軽症の時点で2段階くらいズレてた。すまねえお医者さん。メディアはまず意識の擦り合わせから頼む pic.twitter.com/raZyyVIigH
— 月斎 (@gessai) 2020年3月28日
まさかの可能性に気づいたんですが、「コロナ感染者に人工呼吸器」の話題で人工呼吸器と酸素マスクを混同してる人が一定数いるのでは…?
— すきえんてぃあ@執筆再開しろ俺 (@cicada3301_kig) 2020年3月30日
人工呼吸器は喉を弓なりに逸らして太い管を気管に深くぴったり差し込んで、意思と関係なく外から無理やり圧力で肺を膨らませるやつゾ
もっと深刻な問題は、経済です。今回の外出自粛も、ひとえに「そこ」が目的です。
経済的なダメージを最小限に保つために、まずは多くの人が活動レベルを落とし、新型コロナの感染拡大を止めなくてはならないということを、理解してほしい。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2020年3月26日
NYのように「飲食店や薬局以外すべて閉鎖」になったら、経済的なダメージは計り知れない。
収束までこぎ着ければ、反動で需要は伸びるかもしれません。それまで自粛として、なんとか耐え忍ぶことが必要ですが……
飲食店、ほんとかわいそう。だけど仕方ないよね、今は。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2020年3月27日
前も書いたけど、あたしは「コロナ後」の消費は心配してない。我慢させられた分、多くの人が外食や旅行、買い物に殺到する。
必要なのは、その時まで店が残れるよう、
かつ、家と命を失う人がでないようにすることhttps://t.co/TEnCtbad18
問題は「その後」だと思います。影響は、時間を追って表に出てきて、お店がつぶれて
地方のイオンモールでいえば、残れるのはスーパーマーケットとテイクアウトできるフードコートの店だけで、それ以外の店は全部潰れる、くらいのダメージになりかねない。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2020年3月26日
ほんと、みんな、この段階で踏みとどまれるよう、危ない行動を自粛しましょう。 https://t.co/06ZxxNmRLx
事業がつぶれて
地方選出議員の多い自民党は、お肉券だの魚介券だの言ってるけど、リーマンショックのときと同様、いちばん目立つのは職を失った非正規雇用の人の生活苦。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2020年3月26日
あと、零細小売業、中小企業の倒産で、それらに務める会社員で過大な住宅ローン組んでる人も大変。
そこで働いていた人は、生活保護、など、セーフティーネットも、あるにはありますし、事態が事態なので、当面は、なんとか救われることもあるかとは思います。
家賃滞納時に絶対に諦めて住居喪失しないでください。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) 2020年3月28日
家賃滞納や債務が起こって当然の現状です。督促があっても事情を話して待ってもらって。
コロナ騒動が落ち着いたら、家賃について貸主と話し合えばいいだけです。
まずは手持ち現金を残して、生活費に充ててください。弁護士らがサポートします。
ただこれ、私自身、まったく他人事ではないのですが、自分自身で事業をやっていた方は、「事態が事態」という理解が時間とともに薄れていくのと裏腹に、資金繰り、経済面でじわじわと追い詰められて……
多分、バブル崩壊後の自殺者の多くは経営者なんだよ。自己破産がこんなに増えた。直後ではなくて数年前耐えるんだけどどうしても回らなくなって、、 https://t.co/8muaGI3NDs pic.twitter.com/WLR5wVkZBk
— Isseki Nagae/永江一石@「虎の穴」 (@Isseki3) 2020年3月29日
今、私たちが面しているのは、これまでに全く経験のない、とてつもない国難です。おそらく戦後最大といって間違いないのではないでしょうか?世界全体が痛めつけられていて「お金がない」という状態を、どこも助けてはくれない状況になると思われます。
バブル崩壊は日本の失われた10年だけで済んだ。
— Hiroyuki HONDA@がんサバイバー (@cshhonda) 2020年3月29日
リーマンショックは中国の景気刺激策で世界が奈落に落ちずに済んだ。
新型コロナは世界規模だから救世主がいない未曾有の危機。
「興行や飲食、観光業は大変だよねぇ」と思ってる方、
コロナが落ち着いた後の世界がどうなるか?想像力働かせて❗ https://t.co/Fhm733q51F
そこで我が国の政治に対し、何か期待しようにも、これは、なかなか難しいと思っております。永江さんが吐き捨てるようにつぶやいたことに、私も同意せざるを得ません。
ほんと、与党も野党も何もしてない。地獄へと落ちるのにポカンとしてるだけ。 https://t.co/vhXRUJAzh7
— Isseki Nagae/永江一石@「虎の穴」 (@Isseki3) 2020年3月29日
それは知ってますよ。友人に官僚もいる。しかし決めるのは政治家で、いまやってるのはスピードも遅くて何してんのかレベル!全くわかってないと思いますな https://t.co/xYYKrFvDFy
— Isseki Nagae/永江一石@「虎の穴」 (@Isseki3) 2020年3月29日
ただ、自粛に伴う損失の直接補償など、思い切った手をタイムリーに何も打てない政治はともかく、行政の現場は、コロナ対応の最前線でもそうですが、この状況下で、できることをやろうとしています。
新型コロナウィルスで影響を受けた事業者に対する支援制度の一覧。
— 藤井 太洋, Taiyo Fujii (@t_trace) 2020年3月28日
直接補償こそないものの、これは手厚い。ざっくり言うと売り上げが落ちてれば極めて低利の融資を受けられる。
フリーランスなどの下請けに対する配慮(発注の継続を要請するなど)も欠いていない。https://t.co/Zqosoi2ktZ
家賃払えない人など支援「住居確保給付金」活用を呼びかけ #nhk_news https://t.co/5Rwl4lGrt8
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年3月30日
よって、今ひとつ言えることは、たとえば、こちらの方がおっしゃるように
オレは「金がなくなる」ことの最大の問題は「金がないという不安によって知性がありえないほど低下する」ことだと(実体験から)思っていて、マジで「役所に相談する」ことも思いつけなくなる人は多いと思うんだよな。
— MAEJIMA Satoshi (@MAEZIMAS) 2020年3月29日
他方で、街やネットには、いとも簡単に金を貸してくれる(しかし一度借りたら最後な)手段が手ぐすね引いて待っているわけで、「探せば救済手段はある」でなくて、「無理矢理押しかけて救済する」レベルじゃないと本当はイカンのだと思う。
— MAEJIMA Satoshi (@MAEZIMAS) 2020年3月29日
この状況下で、あるいはこれから生じるもっと深刻な状況下において、信頼に値する人からの発信、情報であることを見極め、真っ当な支援策をちゃんと頼りにすること。助けを求めて、視野狭窄に陥らないこと。
拡散力ないからとフォロワーだけでも聞いてほしいんだけど、給料の一部を買い取ってもらい即日で現金を得るという『給料ファクタリング』や『給料前借サービス』というのが流行ってるけど、金利は闇金以上だし、払えないと職場や家に行くって脅迫されるからコロナで給料足りない人も絶対利用しないでね
— 亜光 (@SakanaAkou) 2020年3月28日
このたびのコロナ禍で見えてきたものは、結局は「人間の質」のようなもの。この状況に乗じて、他人を陥れてでもお金を巻き上げてやろうとか、他人も不幸の道連れにしてやろうとする気の毒な人間(なにかしら、そうなった理由があるのでしょうから)もいるし……
良心からなんだけど(だから余計にたちが悪い)「新型コロナウイルスは26~27℃のお湯が効く」というデマが出回ったことも記憶に新しいはずです。その一方で
そもそもSARS-CoV-2の伝播モードも不明のとき、ウィルス学者が「コロナウィルスは温度が上がれば消える」と言ったり、中国から「高温多湿環境下では伝播しにくい」という情報〔論文プレプリント〕が出てきたりするなか、独自調査で「より強いリスク」を同定し「3密」という収まりの良いキーワードに→
— 萩野 昇 (@Noboru_Hagino) 2020年3月29日
→ まとめたのはどのチームの業績だと思ってるんだ(笑)
— 萩野 昇 (@Noboru_Hagino) 2020年3月29日
そんなのテキトーな当て推量でわかるわけないじゃないか。
〔温度・湿度と伝播の論文は幾つか出たけど、個人的には胡散臭く思ったのでほぼ言及しなかった〕
早い段階から、現場で起こっていることをよく見つめて、公益のためになる情報(とりわけ一次情報や、専門バックグラウンドから検証済みの情報)を発信していらっしゃる方も、普通にいらっしゃるわけです。
基本的に両側性肺炎+正常白血球+リンパ球減少+正常プロカルシトニン+CRP、Ferritin高値ならCOVID-19だ。PCRは要らない
— 宮原篤 / 書籍「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」@9月21日発売 (@atsushimiyahara) 2020年3月29日
数百例を経験した救急医のTip 診療中の先生がた、ご覧下さい! https://t.co/CYgaYZyCRD
青いパッケージの個包装綿売ってるけどエタノール(アルコール)じゃないし細菌には効果あるけどウィルスには効果無いから買うな🙅
— (((((((た・ω・か)➰⚽ (@qo_oplllllqo_op) 2020年3月26日
在宅医療でカテーテルの消毒やインスリンの自己注射でアルコール綿がダメなアルコール過敏症の方が消毒に使うものだから。
👇ヘキシジンの効果https://t.co/SqBv2mJvpR pic.twitter.com/8OZfLLHVJR
いろんなレベルで、本当のことを含んだ情報が、必要な人にちゃんと届けば、意外となんとかなると思いますし、そもそも適切な情報が必要な人に届いたときに、生じる効果というのは、劣勢をひっくり返す、これまで無理だと諦めていた事態を「勝ち戦」まで大逆転でもっていくことだって現に出来ると思っています。
そして、適切な情報で結びついた人と人は、そのつながり(ご縁)から助け合うこともできるはずです。
支援ありがとうございます。突貫工事で制作してます
— Isseki Nagae/永江一石@「虎の穴」 (@Isseki3) 2020年3月29日
コロナに負けない!コロナで死にそうな事業者を応援するポータルサイトの作成と運営 - クラウドファンディングCAMPFIRE https://t.co/QMt6DGhjlh #夢見る人をはじめる人に @moteo_menより
そういうわけで、実は結局は「人間というものに対する見極め」が、何よりも重要という話になってしまって、それは私が思うには、知性、見識、そして何よりも人格という一般論に戻ってはしまうのですが……ちなみに「人格」について、具体的にどういうものを指すのかといえば、こちらの本なんかが良いです。この本に照らすと、私なんて「まだまだ」、「さっぱり」です(笑)
type.jp もし、自粛で時間が出来てしまったけど……とおっしゃるなら、この原著を読まれてみることをお勧めいたします。
以上「緊急提言」と言いながら、実は、だいたい有名どころ、定評のある情報を引っ張ってきて、あらためて紹介してみただけで、そう大した内容ではありませんでしたが、最後に2点。
私たちは、結局は、私たち自身の社会のあり方について、問われているわけです。このたびのコロナ禍は、多くの人にとっては、たとえば「人格」の不足であるとか、そういう「私たちの社会」がもともと抱えていた問題を浮き彫りにしたに過ぎません。
「結局のところ感染症が問うのは、医学や薬学のレベルではなく、人間社会のレベル」
— tkk (@mimihana_) 2020年3月29日
10年前の投稿だけど、本当に今問われている気がする。
感染症が問う社会のレベル - Chikirinの日記 https://t.co/dRtWBR7p8l
私も産まれる前ですが、二度の大戦、高度経済成長、バブル崩壊、震災などを経て、私たちの社会が、どう変わって来たのか、あるいは変わって来なかったのか、あらためて考えて、ご自身の立ち位置、今後の人生の方向性を定めなおすきっかけにつながれば良いのかなと思います。
相変わらず長くなりましたが、いずれにしても、この目前に迫った都市封鎖、ロックダウンによる社会の致命傷をなんとか回避しつつ、ご自身も、大切な人も守り抜いてこその「これから」です。この先生の言っていることも「本物」です。ご存じの方のほうが多いかとは思いますが、改めて。
snjpn.net これから生じる未曽有の危機自体は、もうどうしようもありません。ただ、危機の深刻度を浅くしたり、より善い人生を目指しながら生き延びることはできます。不安から視野狭窄に陥いるのが一番いけません。覚悟を決めて、よく食べて、よく眠って、今まで以上に誠実な、善いお仕事をしましょう。
それでは、また。お元気で。