超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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台風、地震……いろんな自然災害が起きる中で、モキの薪ストーブのユーザーさんならではの「できること」

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 えー……ご無沙汰しております。もともとブログ休載期間ではありますが、Web本体も、Facebookページ「専攻課程」も全部放置、この人、今、生きているのかしら?仕事してるのかしら?とご心配されるかもしれませんが、何をしているかといいますと、やたら、忙しくしております。

 本当にありがたいと申しますか、なんと申しますか、具体的なお問い合わせ、相談を、相次いで寄せていただいておりまして、最終的にご依頼頂くかどうかわからないものも含めますと、先週数えましたら、合計17件が走っておりました。これは「今は手を付けない」ことがわかっているものを除いた数で、何かしら、現在対応中、検討のお手伝いをさせて頂いている薪ストーブ案件の数です。

 これだけならまだしも、某重工さん絡みの工場を立て直すとかそういう話のお手伝いやら、個人の事業者さんからのほとんど人生相談レベルになる土壌汚染対策案件まで、私を指名で頼りにして頂くのはありがたいのですが、いち担当者として、ほとんど死にそうな状況下で仕事をしております。

 でも……そんなふうに私が「死にそう」と言っているのと、レベルが違う事態に追い込まれる方が、日本のあちこちでいらっしゃる事態となりました。記録的な西日本豪雨や猛暑のあとの、また豪雨や台風のあとに、とどめのような台風21号による未曽有の破壊、そして北海道胆振東部地震……

 それぞれ、亡くなられた方、ケガをされた方、停電などインフラの影響を受けた方……それこそ命に関わる危機に直面された方が、本当にたくさんいらっしゃって、ただただ、お見舞いと、一日も早く日常生活を取り戻しになられますよう、お祈り申し上げるしかありません。

 そのような中、ブログを書くには理由がありまして、大したことはなかったとはいえ、我が家も台風21号の影響で、一晩以上の停電、そして風による被害に見舞われまして……正確には、我が家、ではなくて、自治会レベルですが……

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  公園の木が、倒れてしまったのです。大きなコナラの木ですが、株立ちの根元から裂けてしまって。で、このような状況の常で、素直に地面に倒れるまではいかずに

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……伐採の世界では「かかり木」というのですが、そういう状態。これ、木を倒すときはとにかく避けたい事態でして、これを除去するのは、技術も手間も相当要することになるのです。そうでなくても、大規模停電に見舞われた当地犬山、そうでなくても、ただでさえ低調な(ごめんなさい、お金、ないですものね)行政サービス……

 私、このクソ忙しいのに(ごめんなさい)、自治会のオフィシャルな組織「環境部会」のリーダーとして、10年以上仕事をしてきた行きがかり上、公園樹や、街路樹について、ある程度、自分たち自身の手で処理できる「既得権益」を持っています。実質的な権限があって、道具が一応あって、技術も一応あるというか作業者本人の危険以外にはリスクは実質ない「ラッキーな」状態でしたので、付近の住民の皆さんにことわりのあいさつをして、私が自分で処理しちゃうことにしました。

 ……というか、もう、おわかりと思いますが、これを単に処分すればゴミとして焼却炉行きですが、私が処理すれば、薪として有効活用もできますし。

 で、手を付けます。一応なりとも、これが難しく、危険を伴う作業であることは知っています。そのあたり、何かの参考になればとも思い、ちょっと実例レポートとして報告しようというのが、本記事のとりあえずの趣旨です。では「かかり木」の処理、具体的に何が難しいかといいますと……

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 ……充分わかってて、ものすごく注意してやっていたのですが、やっぱり、やらかしました。チェンソーのガイドバーが、木が切られたことで「落ちてくる重さ」に挟まれるという事態。木は恐ろしく重いので、その重さにひとたびチェンソーのチェーンが挟まれたら、もう、絶対に、抜けません。

 これ、どれほど抜けないものか、実際に経験してみないとわからないし、経験してみたらすぐにわかるのですが、「かかり木」の処理って、本当に難しくって、私も森で倒木を処理するのに(これももちろん地域の役員さんにことわって「やってくれるなら大歓迎」と言われています)、すでに何度も失敗を経験していましたので、すっかり失敗慣れしてまして、この時も、すぐにチェンソー本体とチェーンを分離しまして……

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  こんな時のために買っておいた、クサビ登場。非常に鋭利で、わずかな隙間に、苦も無く打ち込んでいくことができます。隙間が開けば

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  「ズドン!!」という、ものすごい衝撃とともに、はい、一丁上がり。もし落ちたところに足とかあったら、間違いなく骨は粉々になります。木の重さって、本当に、実際に体験してみないとわからないし、体験してみたら、どれほど重いか、思い知ります。冗談ではなく。

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 ……やれやれ、と思いながら、チェンソーのチェーンをもう一度セットしなおして……

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 2カット目は、上手くいきました。ちゃんと「ツル」を残したまま、地面に「ズガン」。この、だるま落とし的に短くしていくやり方って、日本の林業指導では「禁じ手」だそうでして、なぜなら、切るごとに「かかり木」本体の角度が急になっていくのですね、作業者側に倒れてくる危険性が出てくる。そこで……

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 一度、角度を寝かすべく、「かかり木」本体を引き倒す方向に引っ張ります。もちろん、人が直接動かそうにも、まるで動かせるレベルではないので、ラチェットを利用して、ジワジワと。これくらい角度がつけば、まあ、いいでしょう。

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 3カット目。反対側から撮影してみました。これです、「かかり木」の難しさ。こんなにツルを細く追い詰めても、まだ折れてくれない。1カット目では、これを追い詰めているところで逃げ損なってチェンソーを挟まれました。木の本体の角度が足りないのかとは思いますが、そのあたり、やっぱり私は所詮は「素人」だなと思います。知っている人からは笑われるか、叱られると思います。

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 上から、体重をかけると、ようやく折れてくれました。本当に「やれやれ」です。倒れてくれていない木の「玉切り」は……なんというか、命がいくつあっても足りない感じがします。私みたいな経験の少ない人間には。

f:id:aiken_makiss:20180909175928j:plain まあ、いずれにせよ、作業が進むにつれて、ラクにはなっていきます。ただ、それでも「かかり木」の処理って本当に難しくて、例えば写真いちばん手前の枝、太さ5センチにも満たないですが、ハスク353という、50ccプロ用ハイパワーのチェンソーのガイドバーを持っていかれるには、この太さでも十分すぎるのです。ですので、枝を外すにしても、一本一本、どうしても慎重にやらざるを得ません。

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 考え考え、一本一本の枝を外して「かかり木」を軽くしていって、本体を引き倒しながら、さらに切っていって……ようやく、危険性がない状態まで持っていくことができました。作業開始から、ここまでですでに1時間以上。でも、大変なのは、ここからなのです。公園の場合。

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 公園の場合、この、薪にならない、割ろうにも割れないし、3年ほど放置しておくとかもできない、枝葉まで、全部片づけないといけない。森なら、ふつう、残置させればいいだけの話なのですが、公園なら「今」決着をつけなければなりません。そこで……

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 我が自治体の場合、木の枝をゴミに出す条件は「50センチ以内の長さにカット」です。ですので、膨大な量の枝葉を、最初は、ナタを振り回して、バッサバッサ切っていったのですが……途中で力尽きて、50㏄のハイパワーなんて、いかにも「大げさ」ですがチェンソーの出番と相成りました。手で折れない太さまでをチェンソーで切っていって、そこから先は手で折るという方式で……

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  ……やっと、本当に、やっと、ごみ回収に出せる状態までもっていきました。玉切りとかよりも、こっちのほうが、ずーっと、しんどかったです。

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 逆に玉切りなんて、ハスク353チェンソーなら、あっという間。ホント造作ないことです。運ぶのは大変でしたが……

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 太いのから、細いのまで、全部合わせたら0.2立米くらいかなぁ……まあ、はっきり言って「薪集め」が理由なら、絶対に「お断り」です。作業の手間に比べて、割が合わなさすぎる(笑)ただ、これで、公園がストレスなく利用できるようになる。犬山市の財政とか心配せずに(笑)一応「ボランティア」ですので。

 ……すでに3400字以上、長い長いレポートですが、得意のごとく、以上が「前置き」です。で、ここからが本題です、当ブログ(笑)

snjpn.net

 異常気象に、地震、そんな災害が本当に珍しくなくなりました。つい先日の台風21号の「その後」だって、もうニュースにも取り上げられない。まだまだ停電の中で大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃるはずなのに……

 それどころか、言葉を伝える「本職」は、最新の大災害に飛んで行って、このありさま。この社会における「言葉の軽さ」「言葉の限界」というのを、つくづく考えざるを得ないわけです。

 すなわち、私も本記事の比較的冒頭の方で「お見舞い」の言葉を書いてありますが、あれって、単なる「自己弁護」にしか過ぎないんじゃないか、つまり「気にしてますよ」というポーズで、自らを繕う、そのために言葉が使われているんじゃないかって、思わなくもない。

 同じ調子で言葉を重ねたら、行き着くところが件の「報ステ」じゃなかろうかと。本人は、マスコミという立場で「仕事してます」ということを繕ったんだろうと思います。

 私も繕ったかどうかは別としても、少なくとも、冒頭の私の言葉、響くものは「何も」なかったと思うのですよ。実際に読んでいただいていて、どうでしたか?何か、意味はありましたか??もしかしたら、被災された方々にとっては、黙っていられるよりはマシかもしれませんが……

 でも、そうやって言葉だけで繕われて、それでオッケー、と、安心されてしまうなら、私が被災者の側なら、そんな空虚な言葉なんて要らない、って思ってしまいます。私が天邪鬼だからかもしれませんが。言葉だけではなく「実際に、何か、被災者が助かること」だけが、真理というか、真心ではないかと。

 それが実際に何かできるまでは、とりわけ言葉を操ったり、何か表現をしている人間なら、実際に被災された方々が生活を立て直すに至るまでは、安心なんかしてはいけない、表現が悪いかもしれませんが「自らを許してはいけない」のではないかと、私などは「はしくれ」として思うのです。

www.asahi.com 言葉なんかよりも、行動が大事、といえば、記憶に新しい「尾畠(おばた)春夫」さん。誰もが、こんなことができるわけではありません。けど、被災された方々に「心を寄せる」と言うなら、ここまでやってこそ、だろうと。少なくとも、今は考えるだけにしても、例えば定年して、実際にできるようになったときに、やるのかどうか。

 私は、そこで、モキの薪ストーブのユーザーさんには、実は、すごい可能性があるんじゃないかと、思っています。なぜなら

 

 モキの薪ストーブのユーザーさんは、週末だけとか、贅沢なシチュエーションだけの「なんちゃって薪ストーブ」ではなく、日々の生活の必需品として、本気で薪ストーブを使おうとされている方ばかり

 

ですから。少なくとも、私のお客さまは、そういう方がほとんどです。もっと言えば薪ストーブが主暖房で、他の暖房を基本的に使いたくない、という人。逆に言えば「それが、現実的に可能そうだから」という理由で、私にお声がけ頂く場合が多いようです。

 ありがたいことだな、と、思います。私も、本気の人間ですから。時間もない、お金もない、でも薪ストーブを主暖房として、冬の毎日を素敵な記憶で彩りたい……私が、上記のようにボランティアで「かかり木」を処理するまでの技術を、一応なりとも身に付けるに至ったのは、別にボランティアをやろうとしたわけなんかでなく、「薪ストーブのある暮らし」を本気でやってみようとしたら、こうなった、ただそれだけの理由なのです。

 ですので、私もチェンソーはプロ用、常識では「薪ストーブ程度なら不要」とされるハスク353、そして私のユーザーさんにも、ハスク353ユーザーがたくさんいらっしゃるのは、決して偶然ではありません。

お客さんの仕事が少ない量だとオーバースペックな機械になるかもしれません。
しかし、目立て等メンテナンスがいい状態ならば、仕事時間の短縮にはなります。
時間短縮になれば肉体的精神的な疲労も軽減されるのではないかと考えております。

  こちらの記事で引用した、チェンソーを売る人としてはプロ中のプロ、大町さんによる、薪ストーブユーザーがプロ用チェンソーを使う意味についての説明です。

aiken-makiss.hatenablog.com 私のユーザーさんは、それぞれにものすごく忙しい、例えば時間のない中で、薪ストーブのある暮らしを本気で成立させるために、ハスク353チェンソーとか、もともとは絶対に縁のなかった「木を扱う本式の技術」に挑戦し、会得していっています。私は、最初、ほんの少し手ほどきはしますが、あとは、ビックリするくらい、皆さん逞しくなっていかれます。

 いろんな自然災害が起きる中で、これって、なかなか、すごいことだと思うのです。ごく普通のみなさんが、木を扱う上で、ハスク353チェンソーのようなプロ用の高性能の道具を手にして、それを有効に扱う技術を身に付けて行く。ひとたび「コト」が起これば、自分自身や、ご家族を守れるだけではなく……

 

 日本の自然災害現場、どこに行っても、 この「木を有効活用するための本式の技術」は、ものすごく役に立つはず

 

 薪ストーブは、本質的に、自然環境を人間にとって良好に保つことと親和性の高いものです。森に手を入れれば、森林土壌も豊かになって、雨水浸透性、すなわち洪水ピーク緩和機能を高めるし、そもそも異常気象の根本原因であろう地球温暖化につながる化石燃料の消費を減らせる。それだけでも価値があるというのに

 

 薪ストーブを日常の必需品として本気で使うために身に付けて行く技術体系は、コトが起こった時に、自分だけでなく、多くの人を救えるかもしれない

 

 チェンソーは、ガソリンないと、どうにもなりませんし、技術だって、普段から絶え間なく研鑽しておかないと、どうにもなりませんけどね(笑)

www.ringyou.or.jp 私も全くの素人でしたが、この本だけをしっかり読めば(チェンソーの目立てについては、本にはありませんので、こちらの記事中のリンクが良いと思います)

www.facebook.com

本に書いてある知識もとに恐る恐る実践してみるだけで、そこそこ、なんとか、いろんなことができるようになったので、お勧めです♪

 

 そういうわけで、何やら長くなったし、説教じみているようで、私自身はイヤなのですが、大切なことじゃないかと、思ったので……

 今は非力だったり未熟だったり何も出来なくとも、捲土重来、「その時」に備えて、せっせと経験を積み、日々、技術を磨きましょうぞ!!

 

 穏やかな暮らしのあるうちに。その大切さを、愛おしみながら。

 

 それでは、また。お元気で。