超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

※各記事の画像は選択後、右クリック「画像だけを表示」でオリジナルサイズで表示できます

秋だ!サンマだ!薪ストーブで美味しく頂こう!!ついでに……【その2】「命との対話、キマれば超楽しい!」

 

f:id:aiken_makiss:20170926111043j:plain

 薪ストーブのオフシーズンですが、怒涛の平日毎日更新。なにしろサンマです。昨日も仕事帰りに駅前のスーパーに寄ったら

「競合店に対抗 北海道産生サンマ 一匹99円」

 やってましたね~~!!……不漁なら、お値段上げておいた方が良いんじゃないかと思うんですが……漁業の現場、安売りしてしまうと、量が出荷できなければ、燃料費も人件費も出ないのではないかと、「持続性」について心配になります。

 私たちは、環境の中で生きています。宗教的な言い方をすれば「生かされている」といった方がいいのですが、自然科学的にもそれが正解。

 生態系サービスというのですが、太陽エネルギー、そして水や空気、土壌といった物理的な場をベースに、生き物が精緻で絶妙なバランスで織りなした「成果」、それが環境なのですが(例えば酸素なんかそうですよね?)、それを享受することで反映しているにすぎません。

 人間の知恵というのは、生態系システムに見られる精緻な知恵に比べれば……と、安売りサンマを眺めて考えなくもないのですが、そのお値段で売っている以上、心を込めて「最大限」美味しくいただくというのが「今、できること」かなと思うのです。

 で、そこで登場、薪ストーブ。昨日は、サンマを見かけて思いついてから、それを「ぶっつけ本番」動画で紹介しようとして、「1.5キロのアカマツ」にこだわって、焚き付けに四苦八苦しているみっともない様子をご紹介しました(笑)

aiken-makiss.hatenablog.com

 とりあえず、火は起きたけど、これではまだまだサンマは焼けません。サンマを最大限美味しくいただくには「炭火」。すなわち、薪ストーブの価値として一番大切な「遠赤外線」です。これを実現しなければなりません。当ブログ、ひたすらそのことを言い続けてきました。たとえばこんな記事。

aiken-makiss.hatenablog.com

  要するに、燠火を作らなければならないのですが、逆算すると、とにかく、「ボーボーに炎を上げて燃える」という状態を実現しなければなりません。しかも、別に暖房も要らない、「それだけ」のために薪ストーブに火を入れたので、立ち上がってきたら、できる限り速やかに。

 で、実際の操作は、こんな感じです。本日の動画!!


秋だ!サンマだ!薪ストーブで美味しく頂こう!!ついでに……【その2】「命との対話、キマれば超楽しい!」

 ……いかがでしたでしょうか?(笑)薪ストーブの立ち上げ段階としては、いわゆる「本燃焼」「巡行運転」への移行段階、ということになるわけですが、動画で言ったように、操作としてのコツは

 「空気がよく通るように並べてください」。以上。

 で終わるわけですが……ここからが、今日の本題です。ホント長いですよね~~(笑)動画では表せなかった、「最も大切なこと」を、ここで解説します。一言で言うと

 

『どんな本燃焼にしたいか?によって、薪の木の種類も、薪の太さも変わってくる』

 

 この「思いつき動画」ですが、動画ではお見せできなかった、この部分には、細心の注意とノウハウが注ぎ込まれているのです。具体的には、今回目指した本燃焼は、こういうことなんです。

  1. 今日は暖房要らない(暑い)・燠火だけが欲しい
  2. できるだけ短時間で燠火になって欲しい
  3. しかも燠火の量(面積)は確保したい、サンマは長いので

 さらに、これを、私は、「できる限り少ない手数で」実現しようとしました。「思い付き」と言いながら、私は薪ストーブのプロです(笑)そこは、目的に対して最も合理的になるように考え尽くされています。

 この目的に対しする本燃焼として、最も合理的な答えは

 

『できる限り燃えやすい木を、燠火の面積に対して必要最低量となるよう準備して、一気に燃やし切る』

 

 つまり、実は、勝負は始まる前に既についていまして、繰り返しになりますが

 

『本燃焼で薪となる木の種類と量、そして、薪としての太さ』

 

 ここが、プロとしてのノウハウの塊です(笑)動画では、そこを見せていないので、本燃焼への移行は非常に簡単にやっているように見えるはずです。

 そのあたり、具体的には、こんな感じでした。当日、薪ストーブを焚く前の我が家の会話。

 

「今日、薪ストーブを焚いてサンマ焼くからね~」

 

「ふーん……あれ?それ、燃やしちゃうの??」

 

「そうだよ。よく燃えるもの。」

 

 私が今回の薪として最初に準備したのは、しばらく前に、ちょうど通りかかった建築現場で頂いてきた一抱えの端材。いわゆるSPF材といわれるもので「ワンバイフォー」の切れ端でした。

 ご存じかもしれませんが、SPF材って割りばしみたいなもんで、焚き付けにするにも完璧。この一部を細かく割って焚き付けを作って、残りは半分くらいに割って、思い付きのくせに、いかにもスマート&スムーズに「命を有効活用して美味しいサンマ」動画を撮影しようと(笑)

allabout.co.jp 

「……それ、ほら、あそこの(廊下を指しながら)本棚の板(自作で組んだもの)が、たわんでいるいるでしょう?そこの支えに入れたいんだけど……いいのがないかなって思ってたの」

 

「ああ!そうなの??そりゃ、使って、使って??じゃ、これ、燃やさずに全部置いとくね?」

 

 燃やそうとして建築現場からもらってきてあった一抱えのSPF材、全部、妻にあげまることになりました。燃やすよりは、そりゃ、使った方がいいですもの(笑)

 ……でも、さて、困ったなと。ほかに、一気に燃えてくれそうなもの……ヒノキはあるけど、今一つ能がない。ヒノキって最近は薪として売ってるから。木材生産現場から入手するにしてもお金か手間がかかっている。私が、この仕事を通して訴えたいのは「簡単&合理的」。何か、そんな、一般には捨てられるようなもので、よく燃えるもの、ないかな……

 そこで、薪置場をゴソゴソやって、見つけたのが、どっかの工場かそんな敷地だと思うのですが、剪定(というか伐採)で出てきたアカマツを、大割にして放置してあったもの。大割だし、乾燥に若干の不安はあったけど、木口にヒビ入っているし、いけるかなと。

 アカマツの大割を手にして、じっと、対話したわけです(笑)アカマツは油脂が多くて高温になるのは知識として知ってます。多少乾きが甘くても、「あなた」なら、ちょっと細めに割ってあげたら、たちまち火が全体に回って、速やかに燃え尽きてくれるだろう、と。

 さてこのブログ、実は調理のブログなんですが(笑)、薪ストーブの炎を操るのも、調理も、本当に「同じ」だと思うのですね?素材を手にして、「あなた」はどうすれば、いちばん美味しく食べられるかしら??って、じっと対話して、「こうしよう!」と決めるあたり。

 今回、一番欲しい炎にするために、「どの子」を使えばいいか。アカマツは、本当は極寒とかで、部屋を一刻も早く暖かくしたいときに「ロケットブースター」的に使える貴重な木ですが、今回は「本燃焼」そのもので使えるなって。

 しかも、できるだけ短時間で、手数を少なく。「1.5キロ」は偶然ではなく、目的達成のための必要最低量だと、これも経験です。イメージして設定して狙いました。一気に放り込んでしまえれば、手数も非常に少なくて済みます。暖房が要らないので、この1回の投入だけで「すべて」を賄う……

 実際の「薪ストーブのある暮らし」では、別に、「1.5キロ」って、重さを覚えておく必要はありません。むしろ大切なのは手に持った感覚です。このくらいの炎が欲しいからとイメージして、「こんなもの」。

 薪ストーブって、調理と本当に仲が良いと言いますか……一発で決めたい薪の投入量で、一番、感覚が合うのは、調理の鍋やフライパンに、塩や醤油を入れる感覚。あんなの、いちいち測らない方多いと思います。「こんなもの」。

 本燃焼への移行も、別に、手数を踏んでもいいのです。ストーブの前に座って、丁寧に丁寧に、段階的に炎を育てていってもいいです。鍋やフライパンに、塩や醤油を少しづつ注ぎながら、慎重に味を見るように。

 けど、私などは、性格なんでしょう、「このあたり」と狙ったら、一発でキメたいと思ってしまうのです。手数はできるだけ少ない方が、合理的で、美しい。

 この動画で「空気の通り道」以外は、無造作に放り込んだ「アカマツ1.5キロ」。私の頭の中では、その後の「展開」は、この時点で全てイメージされていました。大げさでしょうけど(笑)

 ベースになるのは「命との対話」。これ、我が家の薪置場にありましたが、ケヤキ系とかクリとか論外、比較的燃えやすいとはいえ、サクラでもダメ、クスノキでもダメ。やっぱり針葉樹、スギでも良かったのですが、ちょっと燠火が短すぎて不安かな(笑)……などなど。

 実際の結果はどうだったのか??炎は足りない(追加投入を要する)ことはなかったのか??あるいは無駄に燃えていることはなかったのか??それは、また、続きの動画をご覧いただくとして……本日の結論。

 

『薪ストーブって、ホントに楽しいです。炎を操るのが、見事にキマれば。命と対話して、美味しい料理ができたの時と、同じくらいに。』

 

 そういうわけで、これが言いたくて、長々と書いてしまいました。なにしろ、当ブログというか、当事業のテーマそのものが「命を活かす」。できるだけ合理的に、美しく。「たかが薪ストーブ」に、非常に理屈が多いですが、それだけのテーマだと思うんですよね、やっぱり(笑)

 ……と、単に長文を正当化(笑)文章の安売りはしませんが、お読み頂いてこそ、当ブログの「持続性」。どうぞ見捨てないで、明日も引き続きお読みいただけますと、とてもありがたく存じます!!

 それでは、明日はこの続き。ボーボーに燃え盛る薪ストーブを前に、緊迫するあまり「あり得ないミス」をやらかす私。数々恥ずかしい一連の動画中で最も恥ずかしい、超恥ずかしい動画です(笑)どうぞ(?)お楽しみに!