超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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わかりやすく贅沢なメニューを薪ストーブでワクワク感満載にしようよ②

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 連休前になりますが、お正月というハレの日にちなんで、薪ストーブが発揮する「本来のメリット」についてご紹介しました。

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  今回は、その続きとして、さらにゴージャスに!!冒頭写真、「じゃーん♪」という感じですが、はい、牛肩ロース、4センチもの厚さのステーキ肉です。正価1600円也。我が家の「お約束」でして、もちろん、半額以下になっている時の購入ですが(笑)とにかく、倹約生活を第一とする我が家にとっては、滅多にない「ハレの日のご馳走」です!

 ……でも、まあ、これ、我が家だけの問題かもしれませんが、当然、そんな都合よく「食べたい日の前日に半額になっている」なんてことはなく「半額の時に買っておいて、とっておきの時に出す」食材なので、保存を試みていたわけです。三菱電機製の冷蔵庫なので「切れちゃう冷凍」に入れてあったのですが……

 ちょっと(?)長期間だったので、ぶっちゃけ、それなりに凍ってました。このまま室温に戻しても、凍る際の水の体積膨張によって細胞が破壊されているので、せっかくの旨味がドリップとして失われてしまうのは必定です。

 ……さあ!!こんな難しいケース、皆さんなら、どうされますか?「倹約ったって、そもそも、そんな馬鹿なことしないわ(笑)」という、ごもっともな話はともかく、ケーススタディーとして。

 【追記】そういえば、前にもありましたね……この種の「とっておき」に、薪ストーブの特性を駆使して対処する話(笑)お魚バージョンです。

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 贅沢なご馳走は最高の状態で食べたい。牛肩ロースの厚切り赤身肉なら、もちろんレアとして。そこは、調理は基本こそが命と信じ、薪ストーブを利用した遠赤外線の力に絶大な信頼を寄せながら、かつ「料理の味は調理器具次第」を信条にしているわたくしです。そのわたくしが、この困難な状況を前に、考えた末に出した結論。

 「室温に戻す際に旨味がドリップで失われることを避けるため、解凍せずに、薪ストーブの持つ力を最大限に生かして、そのままレアステーキまでもっていこう」

 そこで、やってみた実際の工夫と、その結果を、余すことなくご紹介します。では、レポート開始!!

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 まずは、ともかく、基本どおり、最初に表面をしっかり焼きつけて、肉汁を閉じ込めることです。肉などの焼き物料理における、この「基本中の基本」については、こちらの記事でご紹介しました。

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 今回のケースでは、強力な燠火を準備して、まずは、網の上に載せて、エイッと直接焼きます。この、表面を焼きつけているところが冒頭写真ですね。燠火が最高に強力なので、凍っていようが、たちまち焦げ目ができるまで加熱されます。

 しかし、薪ストーブの強い燠火のままで、そのまま焼き続けていては、いくら遠赤外線といっても無理があります。中まで火が通る頃には、表面は真っ黒焦げになってしまいます。そこで……

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 耐熱セラミック鍋、要は土鍋の登場です。熱伝導率がやたら低い土鍋は、ストーブの炉内全体の強力な熱を、非常にマイルドな熱に変えてくれるはずです。通常のフライパンによる調理の基本でも、表面だけ高温で焼き付けたら、いったんフライパンをしっかり冷やして、あとはじっくり低温で焼き上げます。その基本を薪ストーブで再現するのです。表面を焼き付けたステーキ肉を、余熱なしのセラミック鍋に入れて……

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 得意の炉内料理です。炉内は全体が熱くなっているので、熱伝導率が金属よりも低いことにより火当たりが不均一になるという、セラミックの欠点が打ち消されます。

 もちろん鉄製の鍋を使ってもいいのですが、私は、同じ熱源でも、耐熱セラミックによって変換された遠赤外線による加熱が、いちばん内部まで、じっくり美味しく焼けると考えています。そのあたりについては、こちらの記事の後半で、耐熱セラミックにおける遠赤外線波長特性に言及したメーカーサイトを紹介しましたのでご参考に。

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 ……で、そのまま4分ほど、加熱してみたのがこちら。肉汁の流出は最小限で、わずかに流出した汁が、鍋の表面で半分焦げながら沸騰し、ものすごくいい音といい匂いをさせています♪

 参考のために申し上げれば、後日、お正月休みには帰って来れなかった長女(もう成人してます)が帰って来た際に、うまい具合にちょうど手に入った冷蔵ステーキ肉を、凍らせるとかせずに、ここまで述べた手順で焼き上げたところ、もう、最高の状態で焼き上がりました。あっという間に食べられてしまったので、具体的にどこまでレアだったのかはわからないのですが……長女がいたく感激して、わたくしの株が若干ですが上昇したのは言うまでもありません(笑)

 ……しかし、やっぱり、全体が半分凍っている厚さ4センチの厚切り肉は、そうは問屋が卸してくれませんでした。ナイフで切れ目を入れて中身を確認すると、中味はまだ火が通っていません。明らかに冷たいです。この時点で「大きな厚切り肉の内部に、肉汁を完全に閉じ込めたまま焼き上げる」という、わたくしの当初の野望は潰えることにことになりました(笑)

 けれども、妻や子供の希望は、焼いた際に出る肉汁も、なにやら色々活用したいらしかったので、それはそれ、ということで、肉汁を許容しながら焼く作戦に変更しました。ちょっと、弱くなってきた燠火で、再度、今度は10分加熱してみました。

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 ちゃんと、レアに焼き上がりました。血の滴るように、ではありませんが、中心部も人肌程度には加熱されています。で、これなら食べられるということになって、ある程度食べやすい大きさに切り分けて食べ始めてみたのですが……

 内部に一部、ヒヤッとするところがある(温度が微妙に不均一)、ということと、あと子どもたちの意見として、レアじゃない方が好き、という話が出て、再度変更。この際、ミディアムレアくらいを目指すことになりました。

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 さらに弱くなった燠火で、さらにもう10分。切り分けたことで肉汁が出ていたので、それをブロッコリーに吸わせながら添え物にするという小技も加えて、最終的に焼き上がったのが、この形♪

 妻や子供たちいわく「ちょうどいい温かさだよ、美味しい、美味しい~~!!」……ということで、小さな一切れだけを残して、味付けは塩だけでたちまち完食。「何グラムあったの??」「えっと……739グラムだよ?」「ステーキ屋さんだと大きな肉でも200グラムとかじゃなかった?」「ええ~~?!」……我が家では滅多にない大贅沢に、食卓がとっても盛り上がったのは言うまでもありません。

 ちなみに私自身は牛肉と豚肉は食べられないので(料理の基本を勉強した二十歳過ぎくらいまではすごく食べてた)、本当のところはわからないのですが、皆の様子から、すごく美味しかったことは間違いないようです。普段、偉そうにばかりしている父親としての面目も、無事保たれました(笑)

 さて、こんな厚切り肉を、半分凍ったままで、手探り&感覚だけで焼き上げるなんて、全く経験なかったのですが、それでも、自信はあったのです。

「薪ストーブ熾火&耐熱セラミック鍋の炉内調理なら、どう転んでも、絶対に美味しい形に焼き上がる」

 正確には、外は寒風の夜、燃え盛る炎を上げていた熱々の薪ストーブを前にして、あからさまに贅沢な食材が「じゃーん♪」と登場して、さあ!これから、焼くよ~~??というころから始まるわけですから、もう、ライブ感、ワクワク感満載なわけですね?あとは料理の基本さえ間違わなければ……美味しくないわけがないのです!!(笑)

 リアルにかなりの倹約を旨として、普段は、その倹約生活の最高に強い味方として、薪ストーブをフル活用している我が家ですが(笑)やっぱり、こういう「贅沢」って、それを最高のものとして演出できる薪ストーブがある暮らしって、本当に幸せだなって思います。

 そういうわけで、いかがでしたでしょうか?失敗も含めて正直に、真実だけをお伝えする当ブログ(笑)お楽しみいただけましたでしょうか?

 ようやく、例年通りといいますか、本格的な寒さが到来してきました。薪ストーブはこれからいよいよ大活躍です。暖房のために火力を上げれば、それだけ調理の機会も、調理の幅も広がります。寒さが楽しみになるという、薪ストーブ生活の本領発揮です♪

 「よくもまあ、毎日、あれだけ書けるものですね??」とお褒め(?)の言葉を頂く当ブログ、大丈夫です。まだまだ、書けます。薪ストーブのある暮らしって、それだけ「素敵」がいっぱいなんですから♪

 次回も乞うご期待。寒いですから、特にお身体についてはくれぐれもご自愛下さいね~~!