超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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薪ストーブ本体の選択において求められる「一番重要な性能」って何かご存知ですか?

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 昨日「情緒」の話をしました。「超簡単」を謳い、実用性まっしぐらのように見せかけて、実は「情緒」を何よりも大切にしている当ブログですが……

aiken-makiss.hatenablog.com

 しかし、薪ストーブ本体の選択といった「実際の局面」で、考えるべきことは、絶対に「情緒」ではないのです。イメージや、デザインに騙されて、それを第一にして選択してしまうと「こんなはずではなかった」という、後悔満載の「薪ストーブのあるくらし」ならぬ「薪ストーブあるあるばなし」が待っています。困ったことに、これが現実です。

 薪ストーブの本体を選択する場面においては、ひたすら考えるべきは「実用性能」なのです。

 「高い実用性能」があってこそ、はじめて、料理も、情緒も、存分に楽しむことができるのです。極めて当たり前のことなのですが、あまり誰も言いませんし、たぶん、「実用性能」と言われても、よくわからないと思うのですよ。薪ストーブの場合は特に。

 「実用性能」に対して、わかりやすいのは「スペック性能」です。しかし、これ、よくよく考えて頂いたらわかると思うのですが、普段の生活で自然に使うもの、思いのほか長く使い続けているモノって、どんなモノですか??スペックが、何か際立っているモノですか?

 買うときはスペック性能だったかもしれない。けど、実際に使う中で、自然に手が伸びるモノ、長く使い続けるモノって、スペックじゃないはずなんですよ。「なんか、使いやすい」「ストレスなく使える」。その理由すら「なんか」としか言いようがなかったり。

 この「なんか」こそ、「実用性能」の正体で、限りなくプロの領域なのです。わかりやすい「スペック性能」なんて、ある意味すぐに叩き出せる。けど、「実用性能」となると……とても難しく、説明すら難しい、要は見えにくいものなのです。

 それを、よくわからない薪ストーブで見分けろ、と無茶なことをいう当ブログ。もちろん、具体的な部分を提案します。薪ストーブ本体の選択で一番重要なのは「実用性能」。じゃあ、その「実用性能の正体」とは……

 

 「きれいに燃える」守備範囲が広いこと。

 

 以上。

 

 なんだそりゃ、と思うかもしれませんので説明します。「きれいに燃える」というのは、燻ったり、ボーボーに燃えすぎたりすることなく、薪がちょうど良い、気持ちの良い炎の感じで燃えていってくれること。では「守備範囲」ってなんのこと?って言われると……逆を説明しますね?

 

 どんな薪ストーブでも、限られた条件下では、必ず「きれいに燃やすこと」ができる。

 

 つまり、その薪ストーブに合った、薪の種類、薪の量、空気の導入具合、その他パラメータ(触媒装置や二次燃焼装置の状態)を整えてやれば、必ず、きれいに燃えるのです。

 具体的には、薪ストーブ本体の選択の局面で一番のポイントは「サイズ」「大きさ」「能力」であるという事実が、このことを如実に物語っています。特に鋳物製ストーブの世界において、良心的な専門家は、必ず、このサイズについて、大切なことと言及します。検索していただけば、すぐにわかります。

 普通の鋳物製の薪ストーブで「サイズ」「大きさ」「能力」を間違えれば、間違いなく後悔満載になります。すなわち、不足すると、ボーボーに燃やしても暖かくないし、ガンガン燃やすので本体がすぐに傷む。大きすぎると、いい具合の炎では暑くなりすぎて、薪がもったいない。かといって炎を絞ろうとすると燻り焚きになってしまって、炉内がススだらけになったり煙突から酷い煙が出たり……

 「きれいに燃える」が達成されないと、すごいストレスフルな暮らしになってしまうって、わかりますか?

 つまり、人間が薪ストーブの「ちょうどいい」に合わせて、薪ストーブを選択し、適した種類の薪を準備し、少し寒い時も、かなり寒い時も、薪ストーブ様のご都合に合わせて「きれいに燃える」ように運転する……

 薪ストーブは、実用器具としては、実は、相当「使いにくい」ものだって、おわかりいただけますでしょうか??だって、実際の暮らしでは、冬でも暑かったり寒かったりするわけだし、薪だって、いつも良いものが手に入るとは限らない。

 車のエンジン一つ考えたって、そうですよね?実用性能の高いエンジンとは、ハイオクに限定して、オイルも厳選して管理して、ある回転数範囲で「ものすごい出力」を発揮するようなエンジンではダメですよね??低速から広い範囲でトルクが効いて、ガソリンはレギュラー、オイルも普通に安いものが使えないと、到底「実用性能が高い」とは言えない。

 当ブログは、薪ストーブを普及させて森林保全を活性化させて、もって環境保全に寄与しようという事業の一環として、薪ストーブを販売する事業を担当しているプロが書いているのですが、当事業では、モキ製作所の薪ストーブ「しか」扱っておりません。

 その理由が、モキ製作所の薪ストーブの「実用性能」の、「他の追随を許さない」とまで言える、極端なまでの高さにあるのです。薪の種類を選ばない、空気の導入具合も選ばない、他に気にしなきゃならない触媒装置だとか、二次燃焼装置とか、「何も」ないのですから……薪ストーブを使ったことのない普通の人には、その価値は、なかなか見えないと思いますが。

 要するに、「きれいに燃える」守備範囲が、やたらめったら広いのです。それでいて、ランニングコストは薪ストーブの中では間違いなく「一番少ない」(詳しい方なら、超高級な触媒系の薪ストーブの守備範囲の広さと、そのとんでもないランニングコストをご存じのはず)。

 そんな高い実用性能を誇る薪ストーブ「だからこそ」、情緒も、料理も、心おきなく楽しめるわけです。冬の暮らしが、一気に幸せなものになる。そうでなければ、私は到底オススメできません。

 だから当事業では、モキ製作所の薪ストーブ「しか」扱いませんし、逆に言えば、モキ製作所の薪ストーブと同等以上の実用性能とランニングコストを出せるそれほど高価ではない量産型薪ストーブがあれば、当事業でも喜んで扱います。求む立候補(笑)

 ところが、そうやって、ご慧眼の方が、モキ製作所の薪ストーブの実用性能の高さに目をつけられて、購入されても、後悔されることが、実はあるのです。

 「薪の量」に対する守備範囲。つまり、適正な出力に関する問題です。

 本質的には、守備範囲自体は相当広く、薪の消費量を相当絞ったいわゆるチョロチョロ焚きでも、暖かさを求めるガンガン焚きでも、どちらでもイケるのですが……チョロチョロ焚きでは、どうしても燻りとの戦いになります。ガラスは一発で煤だらけになり、美しい炎とか、情緒などは、なかなか楽しめる状況ではなくなります。

 モキ製作所の薪ストーブは、基本的には、ガンガン焚く方が、ガラスも曇りにくく、灰も少なくて具合が良いのですが、そもそも昨今の高性能住宅では「暑すぎ」になります。薪もムダです。暑すぎる話については、こちらの詳細な記事の中段くらいに論述してあります。

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 そこで、冒頭写真ですが、非常に美しい炎の写真、これがいわゆるチョロチョロ焚きの状態なのが、おわかりいただけますでしょうか?当ブログのイチオシ「MD80Ⅱ」ですが、ノーマルでは、絶対に、実現不可能な写真なのです。撮れたとしても「その瞬間」だけ。あっという間にガラスが煤けて真っ黒になります。これでは悲しいです。後悔するのもわかります。

 ところが、実際には、この写真は「いつでも」撮れます。こんなチョロチョロ焚きでも燻らないのです。もちろん限界がありますが、「薪の量」に対する守備範囲がすごく拡がっています。それが、普段使いの薪ストーブとして、どれほど使いやすい、気持ち良く使えるか。

 詳しい原理などは省略しますが、取り外し自在な、この魔法のような装置「iGブースター」一つで、モキ製作所の薪ストーブ「MD80Ⅱ」は、守備範囲を低出力側のみならず、高出力側での使い勝手も向上させ、とにかく「より、きれいに燃える」ようになります。

 本体は、薪ストーブ本体と同じように鉄板、ロストルに相当する棒は耐熱ステンレス製です。全ての構成部材の総重量は7.3キロ。肝心の売価は税抜5万円です。なんとか売価を下げようと、必死の努力を重ねたのですが……非常に腕が良くて、良心的な鉄工所に作ってもらっているのですが、これが限界でした。

 販売条件としては、改造になりますし、いくつかの注意点やノウハウも必要になりますので、弊社、株式会社愛研のユーザーさんに限るように、モキ製作所から言われております。正真正銘の「オリジナルパーツ」です。なお「MD80Ⅱ」でも、マイナーチェンジ前の「前期型」には装着することができません。そして、我が家の「MD80Ⅱ」は「前期型」です……(泣)

 ですので、昨日の記事で白状しましたように、当ブログで、炎の美しさを扱う場合は、ケチケチ運転の我が家のノーマルモデルだと立ち上げ後しばらくか、撮影の際にガラスを拭き直した状態で、本当のガチに炎の美しさを扱う記事を飾っている写真は、ユーザーさん宅のMD80Ⅱ「iGブースター」装着モデルのものです。ご承知おき下さい。

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 ……あー、胸のつっかえが、取れました。ごめんなさい(笑)これまで、炎の美しさを強調するにしても、「ノーマルでは、難しいですよ」という「本当のこと」を言えずにいたのですが、実用性能を大前提とする当事業において、そこは、具体的にオプション税別5万円で対応しております、と、ようやく「嘘ではない」ではなく「本当のこと」がちゃんと言えました。

 正直に、真実しか扱わない当ブログ、番外編でしたが、いかがでしたでしょうか? これから薪ストーブを導入しようと思われている方は、ぜひ、参考になさって下さい。ちなみに、鋳物製の薪ストーブなら、私がイチオシする本体は「ドブレ」の製品です。扱いませんし、回し者でもなんでもありませんが、間違いなく。

www.facebook.com それでは、次回からは、調理の話に戻ります。たぶん(笑)乞うご期待!!