超簡単薪ストーブ調理

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真っ当(?)で、とっても美味しい「ブリのあら煮」の作り方

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 本日は2019年7月20日。あとから読み返すと「なんか色々あって、すごく騒がしかったなぁ……というか、時代の変曲点だったのかな」などと思い出すことになるでしょう。言葉も失う京アニ事件、よしもと告発会見から、韓国とのゴタゴタ、ホルムズ海峡の緊張まで……そして参議院選最終日です。

 実に世の中も人生も色々あります。最も悲劇的だと全く理不尽に命を奪われることだってある。そんな時だからこそ、小さな小さなことでも「真っ当な」ことを積み重ねたいところです。何をもって「真っ当」というかと言いますと

 

『自分が手を施す(関わる)ことで、それまでなかった「価値」が、この世に新たに産み出されること』

 

 原材料というか、素材として存在する状態より価値が増えるのがポイントです。例えば化石燃料を地面の下から掘り出しても良いし、魚を海から取ってきてもいい。木を伐ってきてもいいし、作物を育ててもいい。個人的体験や印象や風景を絵画や音楽にしてもいい。

 その原材料(インプット)に対して付加される価値(アウトプット)が大きいほど善い仕事だし、自分の身を削って実現して誰かを幸せにするなら真っ当というものです。お金の本質は、この「真っ当さ」への報酬なり信頼です。

 だから例えばビットコインの値上がりで稼ぐとか、ちょっと前なら携帯乗り換えキャンペーンを利用してキャッシュバックを繰り返して稼ぐとか……そういうのは誰かが生み出したり負担したりしている価値を単に横取りしているだけです。何も産み出していません。

 で、本日のテーマは「ブリのあら煮」。何しろ材料は安いです。でも、真っ当に手をかければ、とっても美味しいご馳走になります。

 ……と申しますか、この記事書こうと思った経緯って、そんな偉そうなものではなくて(笑)弊社のメインバンク、といってもお金貸してもらえるわけでもなく、単に法人口座を設けさせてくれただけなんですが、実際には「それだけ」でも結構大変でして、地方銀行である十六銀行美濃加茂支店の法人営業さんに理解ある方がいて、こんな海のものとも山のものともわからない弊社に口座を開設させてくれたのですが……

 古風なのか十六銀行、ネット取引にするには月々1800円くらい「固定費」が発生します。弊社、とにかく固定費を最小限にすることで価格を下げて最大限の価値を生み出そうとしていますから、まとめて銀行に出向いて入出金処理をしているのですね?

 私、毎日、必死に仕事してますので、そんな買い物なんて滅多に出られないのですが、銀行のわきに魚が新鮮な「ライフ」というスーパーがありまして、帰り際に覗いたら、なんと、とても立派で新鮮な「天然ブリあら」が195円だったという……それだけなんです(笑)

 忙しいですよ?そんなののんびり料理なんかしてられない。でも、真っ当に手をかければ元値195円で最上のご馳走になるのをわかっていて、これを見過ごすことは、私にはできなかったのであります。

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 ブリのあらって、まとめてブリ大根とかにしても勿論良いのですが、上質なブリのあらであれば、身は身、骨は骨で食べると、それぞれが単品で、とっても美味しいご馳走なのです。で、血やらウロコやらを手早く水洗いして、まずは骨方面と、身方面にざっくり分けます。

 骨方面は、圧力鍋でしっかり加熱して、骨そのものを食べるのですが、骨の周りの身はその場合スッカスカで価値が死んでしまいます。それに血糊とかちゃんと取っておかないと臭みも出ます。下ごしらえ大事です。

 具体的には、ここからすでに熱容量の大きい(一回加熱したら、たっぷりと熱を蓄える)銅鍋が登場しているのですが、お湯を多めに沸かして、要は高温、短時間でさっと骨を潜らせます。で、血糊やら食べられない部分を水で洗い流しながら除去して……

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 骨の周りの美味しそうな身は、この、半生のような段階で、骨から外して身方面の方に回してしまいます。だいたい骨だけになった部分は圧力鍋に入れていきます。

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 骨と身を取り分けたところ。圧力鍋で煮て美味しそうな骨がない部分は、普通、血糊とかもない「身の端切れ」でもあるので、そのままでも大丈夫です。

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 端折りますが(笑)骨を食べるために圧力鍋で煮たところ。我が家の鍋は、高いですけど高性能と評判の高いアサヒ軽金属製の「活力なべ」、高圧で、説明書では25分加熱ですが、たぶんこれは苦情対策で15分加熱の方が素材の味が生きていて美味しいです。

www.asahikei.co.jp 高かったですが、確実にもう10年以上使っているので、あとやたら耐久性高いので(保守部品は一度更新してますが)、まあ元は取っているんじゃないかと思います。

 ちなみに味付けは「みりん:醤油=2:1」だけで砂糖は使いません。料理研究家の故丸元淑生さんをルーツとする我が家、そのあたりは結構こだわっています。ちなみに「砂糖不使用」とかいうと、最近話題の「イーストフード、乳化剤不使用」と同じような問題にぶち当たるのですが……

www.news-postseven.com もうね、こういう問題語らせたら、それこそブログ何回分書けるかしら?くらい、化学物質&毒性学もかじっている私、書きたいことがいっぱい出てきてソワソワするのですが、ただでさえ長くなるので、あえてスルーです。

 戻します。砂糖不使用なので、すごくスッキリした味になるのですが、シソとか少し入れるとなお美味しく仕上がります。サバ缶の中骨とか、サケ缶の中骨とか、美味しいですけど、手作りのブリ骨は本当にぜいたくです。お試しあれ。

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 骨は、しっかり加熱しないと美味しくないですが、それに対して身は、本当は刺身で食べたいくらいですので、できるだけ加熱を最小限にすることが大切です。

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 身は、当ブログお得意の銅鍋登場です。下茹でして骨と分離したものと、下茹での必要ない部分を合わせまして……

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 「みりん:醤油=2:1」の割合で合わせます。だいたい200対100くらいだったかなぁ?ひたひたに届かないくらいでも良いかなと。ちなみに我が家の「みりん」って、こんなのです。もうずーっっと、これです。美味しいです。

www.ajinoichi.co.jp で、あとは火にかけるだけです。厚手(1.6ミリ厚)の銅鍋が、ここで一つの能力を発揮します。熱を伝えることにとても優れる銅は、側面からも包み込むように加熱するので、煮汁が少ない状態でも、全体がふんわりとやわらかく仕上がるのですね?加熱は最小限に留めたいところです。

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 でも、おでんと同じく、煮魚なので、味は沁みていてほしいわけじゃないですか。そのためにおでんと全く同じ原理を利用します。味が沁みていくのは、グツグツ沸騰じゃなくて、90℃から70℃の温度帯で、冷めていくプロセスを極力長く取ることです。

 ここで、銅鍋のもう一つの長所、前述の「熱容量の高さ」、つまり冷めにくいという特性が活きます。それに飽き足らずに、発泡スチロールの箱に入れて保温してしまえ、というのが我が家です(笑)やわらかいままで味を染みさせる。

f:id:aiken_makiss:20190720205724j:plain じゃーん♪と。40分くらいでしょうか保温して、身としては出来上がりです。あとは「ブリのあら煮」らしい贅沢感を出すために、煮詰めた煮汁をドロッと絡めたいのですが、身の加熱はもうこれで充分なので……

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 いっかい、身を分離してから

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 汁だけを煮詰めていきます。ジャムと同じですね(笑)ここでも熱伝導が良くて面全体に均一に伝わるために「焦げにくい」という銅鍋の特性が活かされています。

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 このくらいドロッとなってくれば良いでしょう。煮詰まった汁を移しておいた身に回しかけて、合わせて出来上がりです。

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 なお銅鍋の唯一の弱点は「料理が保存できない事」。そこは、この「超耐熱セラミック」の鍋が役に立ちます。薪ストーブの季節では、こんなふうに活躍しますが……

aiken-makiss.hatenablog.com  耐熱のもととなる半端ない耐久性は、酸やアルカリを使う料理や、今回のように料理を保存する場合にも役立ちます。

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 以上、長くなりましたが「ブリあら煮」を作る話でした。下ごしらえに手数は多少かけてますが、原材料費195円との比較とすれば、手間なく、簡単に出来上がる「ご馳走」は、家族が喜んでくれるという点では、仕事と同じように真っ当なアウトプットではないかと……仕事を放って料理に注力した言い訳(笑)

 ただ、こういう「真っ当な」アウトプットが可能になったのも「料理の味は調理器具次第」、銅鍋なりの道具があってこそ。しかも、今回の鍋は薪ストーブの季節用のものがオールシーズン的に活躍しています。

 つまり「初期投資」あってこその話で、投資した結果が、いかに有効に成果につながってくるかが問題です。なお銅鍋って、初期投資として今は本当にお得ですが、IHで同じ性能を出そうとすれば「ステンレス多層クラッド鍋」がお勧めです。

 

『自分が手を施す(関わる)ことで、それまでなかった「価値」が、この世に新たに産み出されること』

 

 一生の時間は短いですが、こういう「真っ当さ」が多ければ多いほど、人生は有意義といえるかもしれません。ただ簡単ではなく、時に思い切った初期投資だとか判断も、知恵もノウハウも必要になります。

 ひとつひとつの問題は複雑で、選択肢も多くて情報も過多な中なので、判断や知恵やノウハウを有効に行使するためには、自分だけの能力では限界があって(直接判断できる範囲に限りがある)、他人に頼る必要がどうしても出てくると思います。

 ネットで調べる有効性……ブログや口コミサイトの隆盛は、そもそもそういうことではないかと思います。

 他人に頼る以上、人を疑う知恵も、信じる勇気も必要になります。つまり「人を見極めること」が何よりも大切なのかもしれません。京アニ事件のように、それすらも、どうしようもないこともありますが……けど、多くの場合、運命を決めるのは人と人の巡り合わせ、つながり。「誰に」や「誰と」に帰着します。

 ここで紹介した「ブリのあら煮」が、本当の本当に最善かはわかりません。誰でも同じやり方をとる、ありふれた料理かもしれませんしね(笑)けど、美味しいと思いますよ?我ながら(笑)。よろしければお試しあれ。

 それでは、こんな混沌とした時代だからこそ、ぜひ、善いご縁に恵まれますように。それでは、また。