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感染被害拡大を食い止めようと接種をお考えのあなたに翻意をお願いしたい理由(主に免疫のお話)

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「細胞の分子生物学」第3版 1994年発行の原著&薪ストーブの上のネコ

 真面目で心優しい人ほど率先して接種するのですよ、私の知る限り。副作用も怖いしそもそも出来れば打ちたくない、けど自分の信頼してきた人々も世の中のためだからと、モデルナで良いか、ファイザーの方がマシか?また実際の副作用の話も、冗談交じりに笑顔で交わしながら……

 私の大切な友人も「何かあるなら、みんなと一緒だから」と打ちました。そんな中で独り、自分だけ打たない……無理な話だとは思います。この世界で周囲の人を大切にしながら一生懸命生きてきた、そんなあなたのこれからの人生のために、「独りだけ」になっても大切にしなければならないものは何か?考える材料にしていただきたく、この記事を書かせていただきます。

1.はじめに

 私はあなたさまと同じ、ただの素人です。このコロナ禍に心傷め、一日も早く皆が笑顔で集まれる日が来ることを願っています。でも、たぶん少し違うのは、今回の物事について判断するのに役に立つ、一定の経歴を持っていたこと。

 三重大学工学部で材料工学を学びましたが、研究室は人工臓器材料に取り組んでいた研究室で人工血管にも関わっていました。人工血管の材料というのは実は免疫との戦いで、工学部の学生でしたが免疫学を一通り学ぶ機会を得ました。冒頭写真は当時私がこの分野の基礎を勉強するために読み込んだ英語の教科書です。知識は全部抜けて思い出しか残っていませんが(笑)今もこうして手元に置いてあります。

 その後北海道大学に環境科学という分野に転身し博士前期課程で学んだあとは「環境の仕事」の第一線で泥まみれになりながら現場に向き合う日々を過ごしてきました。そこでは観測データがいかに限界があるものか、それなのに独り歩きしやすいものかを学び、また今後のための提案を行う仕事を「環境のプロ」として重ねてきました。

 かつては研究者を志していたので、研究者としても一通りの訓練を受けており、大学院卒業後20年以上経ってからも会社の仕事とは別に陸水学分野での研究活動を行って、その成果は査読付きの学術論文として専門誌に掲載されております。

http://rikusui-tokai.sakura.ne.jp/db/wp-content/uploads/2016/03/No60p21-30.pdf

 そして今は、免疫学や分子生物学では全くの素人として、何故か薪ストーブ屋をやっております(笑)

mbp-japan.com そんな私から見ていて、今の世の中で進められていることが、そんなに間違っていなければ良いのですが、誰も書いて頂けないみたいですので、どうしても、世の中に一つくらいあったほうが良いだろうと思う

「現時点までで、人類史でこれまで例のない接種を世界的に急速に進めたことについて、かねてから専門家によって想定(懸念)されてきたことが、実際にはどうであったのか?」

という諸問題について、微力ながら、普通の人目線で紹介してみたいと思ったのが、この記事です。

 何故なら今、ファイザー&モデルナの接種で世界を猛追し、平均もとうに追い越した日本は、現在、感染第5波に見舞われ、さらにアストラゼネカも動員して接種を40代、50代、そしてそれ以下の年齢に加速させ、さらに3回目接種も行おうとしています。

 世界を見ると、12歳以上の国民全員がファイザーの接種対象となっており、3回目接種も始まった優等生国家、イスラエルがあるのですが、日本はその後をおよそ半年遅れで追っていることになります。

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ワクチン接種した人口割合、このような図の出典は全て https://ourworldindata.org/

 開発自体は10年以上の歴史があるとはいえ、全く新しい薬剤として初めて人類に使用をしていることに関して「本当に何があるのか、わからないこともある」――普通に考えて、後発組である我々日本は、イスラエルで得られた観測データを中心に、世界の先行各国で刻一刻とわかってくる観測結果を行動に反映できる状況にあります。

 ここから、どんなことが見えるのか?――もちろん私は素人です。ただ、これまで生きてきた経験から、この人は信頼できる専門家であろうと見立てる程度のことはできます。彼らが話している内容も、たぶん素人なりには正確に理解できると思います。

 この記事には、私の独自の見解などほとんど出てきません(たまに「素人なりの考え」と明記のうえで書きますが)。日本人の信頼できる専門家が何を考えてきて、今、出てきた観測結果を基に、具体的にどんなことを言っているのか?私なりのまとめ方になりますが、以下、紹介させて頂きます。長くなりますが、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

2.コロナウィルスには抗体という飛び道具よりも、感染してしまった細胞を見つけ出して破壊するタイプの細胞性免疫が有効

 私たちの身体を細菌やウイルスの感染から守ってくれる免疫には、ざっくり言って「抗体」という飛び道具のようなミサイル的タンパク質を発射して標的表面に結合させて不活性化させる「液性免疫」と、感染してしまった細胞を一つ一つ見つけ出して直接破壊する「細胞性免疫」があります。もう少しまともな解説は例えばこちら。

www.pref.kyoto.jp  ただ、もう少し付け足しますと、これらはいずれも「獲得免疫」と言われるタイプの免疫で、特定の敵に対して、特別編成の迎撃部隊を準備するタイプで、それが飛び道具を使うのか、肉弾戦(というか感染して敵側に寝返ってしまった元は自分の細胞を殺す)に持ち込むのかの違いはあれど、「強力な特定の敵」に対して必要時に発揮されるのが獲得免疫です。

 一方、それほど強力でもない「ザコキャラ」相手には、お巡りさんが犯罪者とおぼしき人間を「おいこら」とその場で捕まえて片づけてしまうようなイメージでしょうか、「自然免疫」という仕組みが、獲得免疫とは別にあります。

ウィルスなど抗原が侵入すると最初に活躍するのはマクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞などからなる自然免疫細胞です。自然免疫は原始的な免疫であり、細胞性免疫などの獲得免疫に較べ、持続時間も短いと考えられてきました。

www.kojirakawa-shiseido-hp.com  適切な引用ができずに申し訳ないのですが、色んな専門家が言っていることをまとめると、どうやらコロナウィルスは基本的にザコキャラ扱いらしく、普通は自然免疫で、そして感染したとしても主に細胞性免疫で片付けられているのが通説のようです(なので感染しても多くの場合「専用の武器」である抗体がそもそも検出されない)。

抗体検査で陰性の結果が出て、免疫グロブリンによる液性免疫が感染防御に可能な限界値を下回ると想定される場合でも、細胞性免疫による免疫学的記憶や自然免疫による獲得免疫の誘導などによって感染防御に役立っている可能性は否定できないのです。

vaccicheck.jp この新型コロナについても、抗体がなくても有効な細胞性免疫を持っている例が報告され、感染を防ぐにはそれで充分であるとされています。

 一方、ファイザーやモデルナの接種によって注入されるmRNAは、原理的には液性免疫、すなわち飛び道具である抗体、しかも抗体にも活躍する場面ごとに色々種類があるのですが、詳細には風邪ウイルスからの防衛第一線の粘膜中でなく、主に血液中で活躍する種類のものを結果的に作り出す薬効になっています。

www.chugai-pharm.co.jp 細胞性免疫も呼び込むという話はありますが、ファイザーやモデルナの接種で得られるのはあくまでも「抗体」、液性免疫がメインであること、それはしかも鼻腔など粘膜中ではなく体内で血液中を拡散しようとするウイルス対して効果を発揮するタイプの武器であることを、よく覚えておいてくださいませ。

3.日本の「ファクターX」だった?訓練免疫・交差免疫&HLA型に基づく細胞性免疫

 欧米に比べてコロナ禍における被害(感染者数、死者数など)が桁違いに少なかったのが日本の特徴で、それは「ファクターX」として「何かあるんじゃないか」と言われてきました。同じ引用先です。

自然免疫細胞も感染や生ワクチン接種により活性化、他の病原体に対する防御作用が出現、作用も持続することが明らかになっています。免疫訓練により自然免疫細胞が病原体と的確に戦えるように訓練されることを訓練免疫と呼びます。訓練免疫は自然免疫なので、感染防止でなく感染による重症化の抑制に有効とされています。訓練免疫はウィルス感染、生ワクチンの投与で起こり、インフルエンザワクチンのような不活化ワクチンでは起こりません。BCG接種、特に日本株、ロシア株を接種している国はCOVID-19による死亡率が低いことが報告されています。この理由として生ワクチンであるBCGによる訓練免疫の可能性が推定されています。

www.kojirakawa-shiseido-hp.com

 なお、この生ワクチンであるBGCの接種によって実際に新型コロナの感染が有意に抑制された報告も実際に出てきています。

 

 ともかく、引用させて頂いた解説を書かれた、この小白川至誠堂病院の先生、すごい方なんだろうなと思うのですが、説明が、すごくわかりやすいです。是非、原文全体をお目通しいただきたいのですが、交差免疫についての解説も抜粋します。

感染細胞の破壊が終了すると大部分の活性化T細胞亜群は死んでしまいますが、一部がメモリーT細胞となり長い間生き残ります。メモリーT細胞は次回、構造が類似するウィルスに遭遇した場合、ナイーブT細胞(引用者註;病原体に晒された経験のない未学習のT細胞)に較べ感染に素早く対応します。この細胞は交差反応性メモリーT細胞と呼ばれます。

風邪の原因となるウィルスの10-15%は4種類のコロナウィルスであり、季節性コロナウィルスと呼ばれています。風邪に罹患しても風邪の起因ウィルスは100種類以上あること、IgAを主体とする風邪ウィルス抗体の持続期間が短く獲得免疫反応が起こらないことより風邪は繰り返し罹患します。しかしコロナウィルス群は構造が類似しており、コロナウィルスの仲間を広く認識できる交差反応性メモリーT細胞の存在が提唱されています。

 解説では、東南アジアでは過去に季節性コロナウイルスの流行があり、それによって交差反応性メモリーT細胞が産生し、このたびの新型コロナでも有効に機能したのではないかという説を紹介しています。

 このように自然免疫や細胞性免疫で、私たち日本人は欧米人よりもおそらく有意に守られており、感染被害も非常に少なかったのではないか?とも考えられます。

 そして「残念なお知らせ」として、今回の第5波が過去のように収束してくれず、少なくとも感染者数において過去最高を大きく突破していっているわけですが……

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日本における感染者数

 これに関して、これまで新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の一部は日本人に多く見られる「HLA-A24」という型の細胞性免疫によってきわめて強く認識されていたものが、第5波の主流を成すデルタ株ではL452R変異というアミノ酸変異によって、その認識を回避することに成功している(ついでに感染力を左右する「膜融合活性」を高めることにもなっている)という研究結果が公表されました。

www.amed.go.jp いずれにせよ、どうやら日本人はこれまで強力な訓練免疫や細胞性免疫によって、新型コロナの被害を欧米人に比べて桁違いに低く抑えることに成功してきたように、素人的には見えます。

4.ファイザーやモデルナの接種が進んだ各国で共通に起こった「奇妙なこと」

  上述したように、では日本人は、研究成果として明らかになった「HLA-A24」という型の細胞性免疫に守られてきて、それがデルタ株によって突破されたために、日本としては、現在、第5波の未曽有の感染拡大に見舞われているのでしょうか??

 世界の感染拡大のデータを見ていると、必ずしも「HLA-A24」という独特の要因によらない、もっと普遍的な、ある共通事項が見えてきます。接種が進んだ国とそうでない国が混ざった地域、ヨーロッパ。

何か奇妙なことが起こっている:

ヨーロッパでは、人口の大部分でワクチン接種を既に済ませた多くの国で、感染者の急増が見られている。

同時に、ワクチン接種が最も少ない15か国では何の問題にも直面していないように見える。

ある段階で、この問題を認めざるを得なくなるだろう。

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https://twitter.com/Humble_Analysis/status/1415787720614440963/photo/1 より

 キプロスは接種率50%くらいから感染者数急上昇、スペインも50%超えるくらいから急上昇に見えます。ただ、どのくらいの接種率で感染者数の急上昇が始まるかは国によって異なるようです。

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スペインの新規感染者数の推移

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スペインのワクチン接種者の人口に対する割合

 当然、我が国も例外なく。30%を過ぎたあたりから急上昇開始といったところでしょうか。

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日本の新規感染者数の推移

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日本のワクチン接種者の人口に対する割合

 

  偶然というには、あまりにも多くの国で同じ現象(接種が進んだ国ほど、感染者数が増える)が認められるため、もちろん解析検討を加えている専門家もいらっしゃいます。

 このSatoさんは有名な方で、専門的な情報が早くて見立てが的確でいらっしゃるという印象で、本件については早い時期からファイザー等の接種に伴い自然免疫や細胞性免疫の活性が低下させられる可能性を指摘されてきました。

 ちなみに「魔の2週間」というのは、接種後2週間までは新型コロナウイルスに感染しやすいという、関係者の間で広く知られている現象のことです。

 最近では、接種者と非接種者では、PCR検査における検出量が接種者の方が多くなる(他人に感染させやすくなる)ということも、接種者の割合が増えるほど感染者数が増える要因になっているのでは?と指摘しています。

なお「Ct値」のイメージについては、こちらのブログの中段くらいに、ざっくり解説がありますのでよろしければご参考に。

aiken-makiss.hatenablog.com

 ともかく、このようなデータと解析を見ていると、素人なりの考えでは、ファイザーやモデルナの接種というのは、要するに

  •  主要原理としては液性免疫(しかも具体的には感染防護で最前線となる粘膜でなく、症状の悪化段階で効いてくる血液中での抗体)を強化させるので、重症化(体内全体でのウイルス増殖)を抑制するプロセスでは効果ありそう。
  • しかし、新型コロナの感染拡大防止という観点では、本来、それに主要な働きをしていた自然免疫や細胞性免疫の活性を(一時的にでも)低下させてしまうために、逆効果になる(感染を拡大させる方向に作用する)
  • ついでに抗体のタイプが感染防御最前線である(外部放出最前線でもある)粘膜で活躍するタイプの抗体ではないため、接種の効果関係なく感染は成立するし、感染していても無症状にはなりやすいことから、結果的に感染後速やか(体内全体での増殖に至る前)に粘膜で増殖するウイルスを、お元気な状態で大量放出するスーパースプレッダーさんを量産

……としか理解できないのです。

 

 そして、未だにこのファイザーやモデルナの接種が進んだ各国で必ず起こっている「奇妙なこと」について、「自然免疫や細胞性免疫が低下するため」以外の考察がなされているのを、私は見たことがありません。おそらく「ただの偶然」「デマ」として無視なんでしょうね……きっと。

 

【2021年8月28日追記;次の見出し5.に至るまでの以下の部分全て】

 長尾クリニックの長尾和宏先生など、本当に尊敬に値する現場の医療関係者がいらっしゃる一方で、あまりにもお粗末(独善的)に、事実関係で誤りがある発信をされる医療関係者がいらっしゃるので、ここで指摘しておきます。

 今ワクチンを遠ざければ、感染のリスクは格段に上がる。感染すれば、症状の出ていない子どもであってもウイルスを広める側になってしまう。まだ接種の受けられない幼い弟や妹に、家庭内で感染させる可能性も高い。

 社会全体を危険にさらし、直接あるいは巡り巡って大切な人まで傷つけるかもしれないのだ。のみならず、その黒幕をますます潤わせてしまう。

toyokeizai.net 大事なことですが、現行のファイザーやモデルナを接種しても感染予防効果が期待できるとか、誰かを感染させない効果があるとか、そのような証拠は現時点で存在しない(あっても海外での示唆レベル)と認識しております。もしあれば、鬼の首を取ったように勝ち誇る人々の動向もチェックしておりますので……

 接種を押し進める厚労省(戦時中の大本営の立場)ですが、その厚労省ですら「効果」についての見解は次の通りです。

日本で接種が行われている新型コロナワクチンは、いずれも、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、重症化を予防する効果が期待されています。

 感染予防効果と感染拡大防止効果が少なくとも主要なものでなく、あくまでも発症予防と重症化防止が主要な効果である以上、上記のような「社会のために」のごとき意義を強調した訴えは根拠なき独善であり、「自分自身のために」という接種の本来の意義目的をねじ曲げようとする意図が強く、社会正義を笠に着せて判断を狂わそうとしていることから、発信として、極めて悪質です。

 大事なこと。仮に接種者が感染したとしても、発症さえしなければ、ウイルス排出期間中であっても、そもそも検査されることもなく、感染者としてカウントも何もされないのです。それに対して非接種者はこれまで通り発症して検査されカウントされます。

 よって、一見、感染者が非接種者において多いように「見える」のは、感染者としてカウントされる仕組みを考えれば、ごく当たり前のことなのです(そうでないと接種の効果そのものがない)。

 接種者が感染して非接種者に感染させた結果、その濃厚接触者として逆に発見される可能性はありますが、原因者ウイルス排出状態→被感染者→被感染者陽性判明→追跡→原因者(ウイルス排出状態終了)という検査に至るタイムラグの関係から、感染者として通常見逃されるとも推論されます。

 このコロナの件では、医療関係者のお粗末さ(論理破綻)が目立つことは、本当に残念です。とにかく、ご自身の頭で判断されますよう。結果的に、そのことがご自身と、ひいては社会を守ることにつながります。

 

5.ファイザーやモデルナの接種によるスパイクタンパク質はいつまで作られるの?

 mRNAはタンパク質の設計図です。すごく乱暴に言えばレストランやファストフード店の厨房にあたる製造現場にぶら下げられるオーダーシート(膨大なメニュー全体の中で、今、何を作れば良いのかを示した指示書)みたいなものです。

 そのオーダーシートに従い、その時、その時に体内で必要なタンパク質が都度作られます。タンパク質は体内では様々な役割を担う重要機能部品なので、必要な量が必要なだけジャストタイミングで作られることが肝要です。

 よって、このオーダーシートは、普通ならレストランと同様に、一度、目的タンパク質を作ったら即無効化(分解)されます。これは通常は必要な量以上のタンパク質を作られたら困るわけで、よって1回出されるオーダーシートで作られるタンパク質の量も限られます。

 逆に言うなら、もし、タンパク質をもっと沢山作る必要があれば、必要量の生産が終わるまで、オーダーシートを次々と発行する必要があるということになります。生体はこのような高度なことを、体内の臓器間や、細胞間で、連携を取りながら普通にこなしています。

 さて、ファイザーやモデルナの接種により体内に注入されるmRNAによって作られるスパイクタンパク質は、本来、生体にとって必要な機能部品ではありません。むしろ完全な「異物」、ウイルスの表面にある「宿主細胞に侵入するための道具」です。

 この異物を予め体内に必要量存在させて、獲得免疫を呼び込む「抗原」として機能することを狙うわけです。しかし、獲得免疫を成立させるくらいに充分な量の抗体を作り出すためには、一度きりで使われるオーダーシートで作られる通常の量のタンパク質よりも、もっともっと沢山の量のスパイクタンパク質が必要となります。

 接種で外部からmRNAを1回送り込んだとしても、1回のオーダーシートだけではスパイクタンパク質は到底必要な量までは生産されません。よってその問題をクリアーする方法として「このオーダーシート」が無効化されることなく、ずっと生産現場に残り続けるように細工をするという手段が考えられます。

 そこでファイザーやモデルナでは、このmRNAが分解から免れて、オーダーシートとして製造現場に残り続けて、そのまま長期間スパイクタンパク質を作らせることができるように「修飾ウリジン」という人工的な部品をmRNAに仕込んで(塩基配列として本来ならウラシルが来る部分を置き換えて)あります。

 こんなざっくりとした説明では物足りない方は、例えばこちらの解説をご覧下さいませ。

www.chem-station.com ともあれ接種によるスパイクタンパク質の産生開始に伴い一時的に自然免疫や細胞性免疫の活性が低下するにせよ、その後は、充分量作られたスパイクタンパク質への免疫反応が呼び込まれて意図したとおりに抗体が作られるようになり(液性免疫の成立)、同時にT細胞もスパイクタンパク質を認識して細胞性免疫も獲得されて、メデタシメデタシとなるはずなのですが……

 この無効化されないようにした「特別なオーダーシート」、って、いったい、いつまで機能し続けるのでしょうか??正確に言えば、ファイザーやモデルナの接種って、ある種の遺伝子治療を施したようなものですが(おおもとの設計図であるDNAを意図的に書き換えるわけではありませんが)、その外部導入した遺伝子の影響って、いつまで、どの程度、発現されるのでしょう?

mRNAは細胞に取り込まれてから20秒から20分で分解されます。作られたタンパク質も10日以内には分解されいずれも体内に残りません。このような理由から、mRNAワクチンの長期的な副作用は考えにくく、たとえあったとしても非常に稀と考えられています。

www.city.koganei.lg.jp しかし、この小金井市医師会の見解は、普通のmRNAにおける通説であって、ファイザーやモデルナの「修飾ウリジン」による一部置き換え版mRNA、しかも人体内での実際の消長となると、小金井市医師会の見解とは全くというほど異なるようです。

オガタ論文でもこれら(引用者註;mRNAが最長5日間検出できる動物実験結果等)を証明するかのように、血漿サンプルからS1(引用者註;スパイクタンパク質を構成するサブユニットで、抗体を作らせるための配列を含んだ重要部分)を初回接種から5日目でピークになるように検出していますし、スパイクに至っては13人中3人において初回接種から15日目でピーク値を記録しています。これはmRNAについても残留性が長いことを示唆しています。

S1が先に出てきて後からスパイクが検出されるというのは何とも謎ですが、著者らの考察も合わせると、mRNA接種後すぐにスパイクが作られたとしても、フーリンですぐに分解されるためにスパイクではなくS1が検出されるということではないでしょうか。抗原タンパク合成、フーリンの分解活性、中和抗体の合成・活性、細胞性免疫反応が複雑に絡み合っているので、スパイクの消長の定量的把握と解釈は簡単ではなさそうです。

いずれにせよ、抗原タンパク、とくにS1が注射部位と関連する局所リンパ節を超えて全身に存在すると著者らが述べていることはきわめて重要です。考えれている以上に、mRNAのlife timeが長く、SARS-CoV-2のスパイクおよび分解物が血流に乗って全身に行き渡り、長時間何らかの悪影響を及ぼすことも想定される※わけですから(※太字強調は引用者による)。

日本では、mRNAワクチンの効果としてもっぱら中和抗体に焦点が当てられているようですが、mRNAと抗原タンパクの消長についてもしっかりと追跡する必要があると思います。

rplroseus.hatenablog.com このように、実際に観測されていることは小金井市医師会の出しているような見解とはまるで異なるわけですから、「本来であれば、安全性評価は遺伝子治療に対するものとと同じように行わなければならなかった」とする米英での専門家間の論争におけるマローン博士の主張は充分妥当だろうと、上記記事を書かれたDr.Tairaさんは、次のように解説しています。

彼(引用者註;マローン博士という人物)が強調していることは、米国食品医薬品局(FDA)による認可・規制の観点からは、従来のワクチンの審査にはない、遺伝子治療」製品に適用される規制「ワクチン」に適用される規制の両面から、これらの製品を審査する必要があったということです。 つまり、FDAは、ワクチンを受けた人の体内で、どのくらいの量のスパイクがどのくらいの期間作られているかについて十分に把握されているかを主張すべきであったということです。

rplroseus.hatenablog.com そして実際問題、そのような検証は何も行われていません。たぶん上述指摘のとおり「審査基準」として想定されていなかったから、という理由で。

 8.で後述する「特例承認に係る報告書」にどのように検討されているかというと『いずれの部位でも時間の経過とともに本剤及び発現したタンパク質は消失すると推察された。』の一文だけでおしまいです。残留程度を検証するのに使えそうなデータセットはすごく少ないまま、主に体内での分布特性に関する実験結果を眺めて一般論述べただけ………orz

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https://twitter.com/Awakend_Citizen/status/1425635898918457348 より

 そこで、すごく気になる情報が出てきたのが、接種後5ヶ月経っても、未だにスパイクタンパク質が体内を巡っている(ランダムに6人調べて100%)という情報。

 私は素人ですので、これがどの程度信頼できる情報なのか、さっぱりわかりませんが、Satoさんが拾って紹介しているので、あながちウソでもないのでしょう。

 この観測結果が事実であれば、要は完全な異物であるスパイクタンパク質が排除されずに5ヶ月後も血漿に認められるというのは、完全に素人の私がみて

  1. 免疫がポンコツになってしまった(異物として認識する能力を喪失した)
  2. mRNA(ないしそこに書かれていた遺伝情報)が、生体内に残存、機能し続けている

のどちらかしかないと思うのですが……私は、1.は細胞性免疫の能力の低下、2.はポリエチレングリコールで上手に包まれたmRNAは、自然免疫を潜り抜けてあらゆる細胞内に入り込める卓越した性能を有するために、どこかでは作り続けられているという両方が「広い体内のどこかで小頻度に」生じているからでは?と思います。

 ……だって、私、慢性副鼻腔炎という持病持ちですけど、生体なんて、そんなに理屈通りに完璧に物事は運びませんって。私も健康体のようで炎症引き起こす細菌と何十年も共存しちゃっている状態になっているわけですから、「誤差範囲」とか、普通にあるでしょうよ……などと、いろいろ思います。

6.多量ないし、たとえ少量でも体内でずっと作り続けられるスパイクタンパク質が何をもたらすか?

 上述のDr.Tairaさんの話でもチラっと出てきますが、ファイザーやモデルナの接種に伴って、いくらコミナティ筋注で「体内に拡散させないように」と意図したところで、ポリエチレングリコールで上手に包まれたmRNAや、それによって産生されたスパイクタンパク質が、全身に存在してしまうことは、もはや疑いのないレベルの事実のようです。

事実、ファイザー当該文書(引用者註;ゲルフ大学オンタリオ医科大学のウイルス免疫学者、バイラム・ブライドル(Byram Bridle)博士が日本政府に対してファイザー社の未公開データを求める情報公開請求を行って入手したとされる研究コピー「SARS-CoV-2 mRNA Vaccine (BNT162, PF-07302048) 2.6.4 薬物動態試験の概要文」)には以下のように記述されています。

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"Other than the site of administration, the liver was the highest and then detected in the spleen, adrenal and ovaries"

"投入された部位以外では、肝臓での値が最も高く、次いで脾臓、副腎、そして卵巣に検出された"

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rplroseus.hatenablog.com これはスパイクタンパク質のmRNAそのものを検出したというより、動物実験でルシフェラーゼをコードするmRNAを一部トリチウムで標識し、ポリエチレングリコールで包んだナノ粒子をラットに筋肉注射し、各臓器や組織にどのように到達するかを、各臓器・組織の放射性活性をシンチレーションカウンターで測定することで調べた実験結果だそうです。

https://self23.com/pfizer-report-japanese.pdf

 これ出所定かではないとか言う人もいますが、河野大臣もこの文書の記載のとおりの数値を自らのブログで引用しているくらいですので、真正な公文書が「たまたま」ネットに流出しているという理解で良いでしょう。

ワクチンの成分が体内でどう拡散するかを調べるために、放射性同位体を付加したワクチンをマウスに接種してみたところ、総放射能回収率は肝臓で最も高く18%となり、脾臓では1.0%以下、副腎では0.11%以下、卵巣では0.095%以下と、肝臓と比較して著しく低くなり、ピークも48時間でした。

www.taro.org いや……これ、48時間後までしか測定できなかっただけの話で、その後、どうなったのかデータがなくてわからないのだから、その説明、明らかにまずいでしょう??……という少しでも科学実験やったことある人間なら総ツッコミ入れたくなるお粗末な解釈は置いておいて……

 私は素人ですが、普通に考えれば、スパイクタンパク質の製造を指示するmRNAが身体中に散らばれば、そりゃスパイクタンパク質だって身体中に出来て、スパイクタンパク質は確かに細胞膜結合性なんだろうけど、何かしら(断片化するなど)ウロウロもするわな……みたいな。ものすごく詳細な考察はこちら。

note.com

 スパイクタンパク質の何がまずいかというと、素人理解ですが、ざっくり言って次の二つ。

  1. スパイクタンパク質そのものに心血管障害を起こし、また血液脳関門を通過して脳に障害を起こす作用がある(もっと言えば、血管内皮細胞に付着して免疫反応によって血栓を作らせる作用が根源)
  2. スパイクタンパク質は抗原として免疫システムの標的となるが、mRNAによってスパイクタンパク質を作らされて膜状に提示しただけの正常細胞が自分の免疫システムによって感染細胞と認識され攻撃される、あるいは血流で運ばれた先で受容体ACE2を持つ正常細胞と結合したものが、やはり感染細胞と認識されて攻撃される

 上記1.と2.は、もしかしたら同じ作用機構による現象を切り口を変えて見ているだけなのかもしれませんが、雑駁な私の頭脳には無理です、この程度の理解が限界です。

 これは例えば1.については例えばこちら。

心臓と脳への影響
血中に入ったスパイクタンパク質は、血小板や血管を覆う細胞にある特定のACE2受容体に結合します。「その結果、血小板の凝集を引き起こし、血液凝固を引き起こす可能性があります。血小板が固まりやすくなり、血栓ができやすくなります。出血の原因にもなります」。ブリドル氏はまた、循環中のスパイク蛋白質は、最近報告された、ワクチンを受けた若者の心臓病を説明するものだと述べた。 

note.com

 機構についてはこちらの解説が良いかも。

note.com 当記事、というか私は、Dr.Tairaさんだけでなく、この荒川央さんという方の記事もよく引っ張り出してきますが、専門家ですので見解はそれぞれ個性的ではありますが、とにかく考察するための基礎知識と、応用力が凄まじいと思います。よろしければこの記事読んで頂くだけで、荒川先生の専門家ぶりがわかると思います。

note.com

 もちろんSatoさんらも次々と新しい情報を示していらっしゃいます。

 

 さて上記の2.ですが、自分の免疫による自分自身に対する攻撃についても、もちろん荒川先生も色々解説なさっていますが、やっぱりこういう話を聴くと、いや……ちょっと、まずいんじゃないの??と思います。ツィッターの中のFDAの動画を「必ず」ご覧ください。

 でも、実はマズいのはそれだけではないと、仰る方もいます。

 NHKにせよ、「デマに気を付けましょう」ということで、マイクロチップだ、5Gだ、磁石がくっつくとか……私は、そんな馬鹿なことを注意啓発とかしている場合じゃないんじゃないか??と、どうしても思わずにはいられないんですけどね……

しかし万が一、ワクチンで作られるスパイクタンパク質が血管や臓器に炎症を起こすとなれば、重篤な疾患や全身状態が衰えている高齢者らは、状態が悪化してしまう可能性があります。また、17歳以下の中高生らも、スパイクタンパク質やワクチン成分による臓器へのダメージが後遺症として残ってしまうリスクも否定できません

 東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏の発言を紹介する日刊ゲンダイDIGITALの先日、7月31日の記事です。

news.yahoo.co.jp

 海外での臨床試験の結果から、厚労省は12歳以上の子供への接種を追加することを決めている。しかし、日本感染症学会や日本小児科学会の勧告にあるように、まずは子供への接種のリスクと利益を慎重に見極めるべきだろう。

 記事はこのように結ばれます。良記事だと思います。このような影響が深刻だが見えにくい、高度な判断を出来るだけ早く要する話こそ、本来主要メディアなり、専門家分科会なり、そういうところで課題テーマとして少なくとも認知され、具体的議論も開始されるべきものでは??と思います。

 そのそも、今のファイザーやモデルナの接種によって、インフルエンザワクチンとは比較にならないほど人が死んでいるという事実があります。

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https://www.facebook.com/100002272554326/posts/4136544539764590/ より

 超過死亡の6月までの急激な増加にせよ、接種者数との計算では1万人あたり3人とか、もはや目も当てられない、ものすごい数字になっていて……

 それを指摘する人は他にもいらっしゃいます。コロナのコの字すら出しません。各年ごとの月ごとの死亡者数をプロットしたグラフ。黒い太線、2021年のグラフに着目。

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https://youtu.be/LDT73NMKCvM より

youtu.be

 こんなもの、接種の他に因果関係のありそうな原因は考えられず、逆に、それらの死者はここで述べたようなスパイクタンパク質の作用とすれば、かなり説明もつくだろうと思うのですが……動画の公開者は、最後にこうアナウンスします。

少なくとも10代、20代、30代の若者は、近づいてはいけません……何に近づいてはいけないのか……言えません。自分で考えて下さい。

 私は、この言わなかった公開者は「正しい」と思います。当記事にせよ、ご覧になっていて不自然なことがあることにお気付きの方も多いと思います。やっぱりこんな場末のブログですら警戒します……っても「はてなブログ」はYoutubeとかと違ってたぶん大丈夫ですし、そもそも引用の中でバシバシ出てきますから、一緒なんでしょうけどね(笑)

 なお笑い事ではないこととして、中日ドラゴンズの木下投手が、1回目の職域接種を受けてから運動を避けるよう指示が出ていた1週間が明けた8日後の練習中、休憩室で心臓周辺のトラブルにより突然意識を失って倒れて、27歳の若さでそのまま帰らぬ人となった痛ましい出来事がありましたが、それも仮にスパイクタンパク質による上記1.に述べた心血管障害によるとすると、説明がついてしまいます。

疾患名が、「心筋炎」または「心膜炎」であるものを、集計してグラフ化しました。横軸が、「接種日から発病日までの日数」で、縦軸が「人数」です。厚労省のサイトでは、症例はファイザー製で46例、モデルナ製で3例、合計49例となっていますが、公開されているデータファイルでは44例しか記載されておりません。また、そのうち2例は日数が不明のため、42例を集計しました。

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https://agora-web.jp/archives/2052574.html より

agora-web.jp
 若い人ほど接種後に急死してしまう事例は実際に見られるようで、「副反応について」というテーマで、看護学校における集団接種での体験談を淡々と語り、「原因や関係あるかどうかはわかりませんが、2人亡くなりました」ということを紹介していた動画が公開されていたのですが、この記事2日後に非公開とされてしまいました。

youtu.be 今、たぶん、すでに相当深刻に起こっている事態、その可能性に一切触れることなく、「デマ」とか、しょうもないことでお茶を濁す……日本は、どうしてそんなことになってしまったのか???そもそも「取り上げられない」悲劇が、全国あちこちで起こっているのではないでしょうか?

 脳梗塞心筋梗塞など血栓が関係する疾患(いわゆる血栓症)は、入浴温度にも気を付けるなど発症のトリガーが作動することがないように暮らすのが当然なのに、本件ではそのトリガーを「わざわざ」作動させて亡くなってしまう例が、かなりあちこちで起こっているように思います……

私は、起こっていることもさることながら、この「非公開にされる」「取り上げられない」という状況に対して、限りなく暗澹たる思いに駆られるのです……

7.いつまでも残り続ける抗体によるADEのリスク

 そろそろ耳にすることも増えてきたのでは?と思うのですがADE、抗体依存性感染増強、平たく言えば「なまじ抗体があることでより感染しやすくなってしまう現象」です。私も最初に話を聴いた時は「なんじゃそりゃ?」という感じでしたが……

 免疫システムというのは登場人物も個性的で精密精緻かつドラマチックな絵巻物のような一大劇です。上記4.で考察されていたような「スパイクタンパク質の発現によって無理矢理大量の抗体を作らされている間に自然免疫や細胞性免疫が低下して感染しやすくなった」という現象も、もしかしたら広義のADEと言って良いんじゃないか?とか素人的に思ったりもするのですが……

 狭義には、以下のような感じかな??という理解です。

  1. マクロファージという免疫細胞が、抗体の付着したウイルスを食べて処理する際に負けてしまってウイルス産生工場にされてしまう
  2. 抗体とウイルスで団子みたいな複合体を作られてしまって、それがマクロファージなどを刺激してサイトカイン(細胞間の情報伝達や機能連携調整を担う一連の機能性タンパク質だが、ここでは炎症を引き起こす作用のものを問題視している)を多量に放出させられる(いわゆるサイトカインストーム)
  3. 抗体がウイルスと結びつくことで宿主細胞の受容体への結合がより容易になり、感染成立しやすくなる

 このたびの新型コロナでは、1.と2.が心配されましたが、今のところそのタイプのADEは起こっておらず、ただ、3.は影響程度はともかくとして確実に起こっているであろうと。大阪大学による図。

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感染増強抗体がスパイクタンパク質のNTDに結合すると、抗体によってNTDが牽引された結果、スパイクタンパク質の構造が変化してACE2に結合しやすい開いた構造のRBDが誘導されるとことが判明した。

www.amed.go.jp

 要するにファイザーやモデルナの接種によって強制的かつ大量に作られた抗体を、ウイルスが逆手に取って利用して、接種者の方が結果的に感染しやすくなる事態があり得るということです。

 少なくとも、ウイルスって変異を重ねていきますから、現在進められている接種によって作られる抗体が依然として体内に残り続ける限り、いつかそれを逆手に取って感染成立に利用される事態になると私は思います。

 現にイスラエルではそのようなADEの兆候がすでに見られているようです。

 なお、ADEに関して荒川先生の解説はこちら。これは、珍しくADEという現象の一般論について触れただけで、イメージとしてはわかりやすいですが、今回の新型コロナに関しては、ちょっと大げさ(強毒化したウイルスを排出する理屈が私にはわからない)かなあ……とは思います。知らない人に警告するには良いですが。そういう可能性も考えにくいですが、ゼロではないですしね……

note.com いずれにせよ、敵(コロナウイルス)は変化しますし、敵はそもそも従来型とかバリエーションがあります。今問題にしている新型コロナウイルスには効く抗体も、旧来型に対してはただ効かないだけならまだしも、一気にADEリスクになることもあり得ますから(何度も言いますが現在進められている接種によって作られる抗体が依然として体内に残り続ける限り)、それは念頭に置いておいた方が良いと思います。

8.何故か?採用されなかった「ADEの可能性が少ないより安全な薬剤」

 スパイクタンパク質という抗原に対して生成される抗体は、スパイクタンパク質を構成するサブユニットという部品(5.で述べた「S1」とかです)ごとに生成されます。厳密にはもっともっと細かい話になりますが、そのあたりにご興味あればこちらを。

m-hub.jp ざっくり言って、中和抗体とは、ウイルスが宿主細胞の受容体に取り憑くために使うスパイクタンパク質の受容体結合部位(RBD;S1サブユニットの一部)を阻害するもので、RBDだけを作らせるようなスパイクタンパク質の「出来損ない」(というかスパイクタンパク質の一部)だけを抗原として利用すれば、ADEのリスクが低い薬剤だけを作ることも可能です。

 上述の大阪大学の図にあるように、スパイクタンパク質でも「NTD(N‐terminal domain)」という、これもS1サブユニットの一部ですが、ここにくっつく抗体が、感染を増強してしまうこともわかっているので、RBDだけを狙うものの方が安全いうことは、もはや研究結果に基づく事実です。

 ところが……医薬品医療機器法第14条の3に基づく特例承認に係る報告書では

なお、本剤(引用者註:BNT162b2 のこと。現在接種が進められている薬剤)は SARS-CoV-2 のSタンパク質の全長体をコードする mRNA であり、BNT162b1 は SARS-CoV-2 のSタンパク質の RBD をコードする mRNA である。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_5.pdf

ということで、そのような原理的にADEを引き起こさない安全な薬剤「BNT162b1」が存在し、ファイザーのコミナティ筋注の承認過程(第Ⅰ層)では安全性、忍容性及び免疫原性の検討を目的とした無作為化観察者盲検プラセボ対照並行群間比較試験に使用されているのです。

 しかし何故か、その後も第Ⅱ層、第Ⅲ層と試験が進められたのはスパイクタンパク質の全長体をコードしたmRNA、要するにADEを引き起こすNTDというスパイクタンパク質構成部位に対する抗体も必然的に作られる「BNT162b2」だけでした。

 「BNT162b2」だけが採用された理由は、私は報告書からは読み取れませんでしたが(米国内での試験でしたし)、スパイクタンパク質の全長を抗原とした場合に生成される抗体によって、上述のADEの機構を示す大阪大学の図にあるように、ウイルスの変異を待つことなく現状でもADEは原理的に生じている(全体の中での強度は不明)ものと考えます。

 あくまでも素人の印象ですが、「BNT162b2」は、実際に効果もあるかもしれないけれど、安全面としては、原理的になかなかに厳しい製品で、よほど差し迫った事情がなければ……とは感じます。

9.それでは、実際の効果のほどは??

 凄まじいともいえるくらいの厳しい副作用に耐え、それでも接種をしようと考える皆さんは、中には「とにかく自分だけでも助かりたい」という方もいるのかもしれませんが、私の知る限りは「今の経済も戻らない苦しい社会状況をどうにか打破する手段はこれしかない」という思いで、本当は打ちたくいけど、打っておられます。

 当初は私も、接種をすることで、発症予防効果大≒感染しても体内増殖するウイルスの量が少なくて済む≒結果的に他者への感染も抑制される、と期待しておりました。

 しかし実際にわかったことは、少なくともデルタ株に対しては、自身が感染しない、他人に感染させないという効果は、特に認められないという事実。

アメリカ南部テキサス州を7日に出発し、カリブ海一周クルーズをしていた「カーニバル・ビスタ号」で11日、乗員26人、乗客1人の合計27人から新型コロナの陽性が確認されていたことがわかった。陽性者は全員ワクチンを接種していて、無症状または軽い症状だという。

 このクルーズは子供や疾患を持つ人を例外として、原則、乗員乗客にワクチン接種を義務付けていて、船に乗った約4300人の98%近くがワクチンを接種済みだった。

news.yahoo.co.jp あるいは、接種済みの医療者を介して入院患者に大きく感染被害が拡大したと推定される事例も発生しました。

 こういった感染拡大防止効果としては期待できない事実は、すでに「よく知られたこと」になっていて、接種済みでもマスクを、移動を控えて、ということもよく言われております。日本の接種者の追跡データでもそのような結果。

 そうすると、あと残っているのは本人の重症化防止効果だけですが、これについても私が衝撃を受けたのが、上記Satoさんのツィートと同じ出所の資料ですが、国立感染研による、日本国内での医療従事者への先行接種の結果のフォローアップ調査結果。

 27都道府県から130例(うち2回目接種後14日以降67例)が報告され、(略)症例報告書提出時点での重症度は、65例(50%)が無症状、60例(46.2%)が軽症、5例(3.8%)が中等症であった。重症例はいなかった。

www.niid.go.jp 重症化は確かに抑えられているのです。接種の効果としてこれは強調しておきます。しかし接種をしても結局は50%が発症し、約4%が中等症にまでなっているという事実。

 非接種者については、結局は感染者全体の母数を導き出すことが困難であり(無症状者は検査されない)なんとも比較も難しいように思いますが、もともと無症状の感染者は多いという話で、感染したら必ず発症するわけではないのは広く知られた事実で、接種が始まっていなかった頃でも3~4割程度は無症状という報告があるようです(ただ、私は、この記事↓を書いた方のことを、決して「専門家」として認めるつもりはありませんm(__)m)。

news.yahoo.co.jp 「軽症」と分類されても、信じられないくらいに辛くて苦しいというのが新型コロナに罹って発症してしまった場合です。これがもし接種することで9割発症しなくて済むなら、自分自身のために接種することも魅力的だなと思いますが、感染してしまったら結局はかなり苦しい事態に陥る羽目になる可能性は、接種したところで確率問題、相当程度(半分とか?)あるのです。

 それどころか、わざわざ接種してしまったがために、まるでコロナに罹ったのと同じような後遺症や、帯状疱疹に苦しめられることすら報告され始めています。

福田内科クリニック 福田克彦副院長「私が強調したいのは、1週間後の色々な精神症状であるとか倦怠感、うつ、場合によっては自殺企図など、遅発性の後遺症と私は呼んでいます」

 

ワクチン接種後の「遅発性後遺症」。倦怠感などが長引く不調のほか、中には重い発疹が出るケースもあると言います。

 

福田内科クリニック 福田克彦副院長 「皮膚症状は急性期の接種直後に出ることが多いが、中には1、2週間経って蕁麻疹症状や蜂窩織炎帯状疱疹あるいは後遺症がみられます」

https://archive.is/XjngQ#selection-277.0-277.22

↑福田副院長さんのお話、元記事が残っていませんが、アーカイブがこちらです。

 たとえ接種したとしても、感染して苦しい思いをするのが嫌なら、結果的に感染しない注意配慮はやはり接種してない場合と同様に必要だし、もし無症状でも感染しているとしたら感染させない注意配慮も依然として接種していない場合と同様に必要になります。

 

 じゃあ何のための接種なのか??その疑問は、接種が先行した英国でもあったようです。接種によって実際に得られる「効果」の実態は、私たちのような素人が、一般にイメージする接種の意義、目的とはかなり違います。このような指摘は実は早くからありました。

 ともかく、ファイザーやモデルナの接種には生命倫理的に重大な問題を含むと感じたので、私は、これは「他人のため」ではなく、あくまでも「自分のため」に接種すべきかどうか判断すべき問題だと訴えてきましたが……いよいよシンプルに「あくまでも自分のためだけ(しかも重症化しないためだけ)」の問題として判断するということで良さそうです。

10.まとめ

 正直、わからないことが多すぎる中で、多くの人々は「専門家」の方々の言うことを信じ、社会的混乱を正常化させたくて、結果的に「先進国家」イスラエルの後を、接種率として今なお全力で追っています。

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 それなのに、日々、新規感染者数は過去最高を更新し、社会的混乱は収まる兆しすらみせません。それでも、今、確かに接種には社会的意義はあります。重症化は、そして新型コロナとして入院した末に死んでしまう人は大きく減り、医療現場はそのことで間違いなく助けられていると思います。

 しかし、今は確かに良いかもしれませんが「その先」には何が待っているのでしょうか??

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新規感染者数、日本とイスラエルの比較

 思えば、もともと感染者数が少なかった日本は、ちょうど感染第4波の時だけ、日々の新規感染者数がイスラエルを上回る形になりました。接種が進むとイスラエルのように「元の暮らし」に戻れるんだと、社会の行き末を案じる人ほど、接種に熱心に取り組みました。

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感染第3波以降の死者数、イスラエルと日本の比較

 しかし、今、イスラエルも、日本も、接種は進んだにもかからわず(もしかしたら上述したように接種が進んだからこそ)感染者の急増に見舞われ、先行イスラエルは、2回接種の高齢者から倒れ、3回目接種の修羅場を迎えています。「打った方が被害が深刻になる」ADEの可能性が強く疑われています。

 

 考えてみて頂きたいのです。私たちは今を一生懸命生きていますが、今だけを生きているわけではありません。むしろ将来に渡って、社会に対してより良き存在でありたくて、今頑張っているわけです。

 現在のように社会が危機に陥っている時に、特に大切なのは、出来るだけ、将来に向けた芽を残し、育てていくこと。個人としても、社会全体としても。私はそう思います。

 この文脈で「今の」ファイザーやモデルナの製品によるメリットとデメリットの発現状況をみていると、そもそも製品技術的にどうなんだ?と、考え直さなければならない時が来ているのではないかと私は思います。

 今は、とにかく、たとえ周囲の理解は得られず独りきりになったとしても、「出来るだけ良好な身体の状態を保った自分自身」を、これからの社会のために残すこと、長い目で見た時、この社会の一員としては、それが一番大切なことなんじゃないかと私は思います。

 ちなみに、接種による利益は「自分が重症化しないこと」それだけですが、そのくらいなら、他に方法があります。早期発見、早期治療です。こちらのブログ冒頭の2本の動画をご覧くださいませ。

aiken-makiss.hatenablog.com

※※とはいえ↑動画の内容に関して、もし妊婦さんでしたら非常に難しいとは思います。しかし「単にそういう差し迫った必要性がこれまでなかったために投与されて来なかった」ということで、将来に影響する悪影響が相当深刻なものが現にあり得るmRNA接種よりは、よっぽどリスク少ないと申しますか「副作用」の次元が違うのではないか??などと私は感じますが……こんな素人意見でなく、善い専門家、お医者さんに、どうか相談に乗ってもらえますように(長尾医師にメールで相談をしてみるとか)……※※

 

 さて、この長い長い記事を、ここまで読んで下さって、本当にありがとうございました。もしこの記事が何かしら参考になり、翻意するための材料の一つになれば、私としては望外の幸せです。

 なお、私が記事を書いたことなど本当に何も大した仕事ではありません。この記事中に挙げた多くの専門家の皆さんが、日々呟かれたりしていることを拝見して、私のように何もわからないけど、自分のこととして判断しなければならない素人の方にも出来るだけわかりやすくなるようにまとめただけです。私はただの薪ストーブ屋です。考えて最終的にご判断なさるのは、あくまでもあなたさまご自身です。

 最後に、この記事に挙げたDr.TairaさんやSatoさんといった専門家の皆さまや、そのお仲間の皆さま、それからここには今まで一切挙げませんでしたが京都大学の宮沢孝幸先生(そもそもADEその他問題意識&基礎知識は先生から頂きました)、それと「In Deep」を運営なさっている岡靖洋さま(この記事中で取り上げた着想&データのリサーチは、その多くが岡さまによるもので、私はそれを自分なりに検証して自分の言葉で書き直しただけです)に、私自身が助けて頂いたことも含めて、厚く御礼を申し上げて、今後の益々のご活躍をお祈り申し上げて、結語とさせて頂きます。

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