超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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【番外編&突然ですが休載のお知らせ】「私、会社辞めます!」

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【追記3月16日;多くの皆さんを大変ご不安にさせてしまいまして、本当に申し訳ありませんでした。このブログは、退社後の4月以降も、過去のものも含めて、そのままで継続いたします。詳しくは文中にて】

 

 またも夜中の更新で失礼します(笑)寒い日が続きますが、お元気でしょうか?薪ストーブは、まさに「この時期」のもの、当ブログ及び会社の薪ストーブ事業Webサイトのアクセスもピークを迎え、私自身も本当に会社に居るヒマなく各地に飛び回る日々ですが、そこで突然、当ブログ休載のお知らせです。

 ……いや、決して薪ストーブのネタ切れで苦し紛れの自爆テロとか、そんなことはなくて(笑)写真も、動画も一杯撮り貯めてあって、書きたいことなんて、本当に、いくらでもあるのですが……

 私儀、株式会社愛研、薪ストーブ事業担当大屋ですが、この3月末をもって、会社を退職することとなりました。それに伴って様々なことがありますので、そのご説明を書かせていただきたく。

 まずご安心いただきたいのは、薪ストーブ事業そのものは切れ目なく継続いたします。私は株式会社愛研を辞めたあと、できるだけ速やかに新会社を立ち上げ、この薪ストーブ事業を継続します。これまで弊社のお客さまになっていただいた方に対するサポートも、今後も新会社として責任をもって継続いたします。

 しかし、情報提供の面や「見つけて頂きやすくする」面では、当分のあいだ、かなり手薄となり、たいへんなご迷惑もおかけすることになりますので、以下、その理由についてご説明いたします。

 そもそも私が退職に至った最大の理由は、この薪ストーブの仕事を満足なものとしてお届けするためには、私が株式会社愛研という会社に属するままでは限界があるということです。

 すなわち株式会社愛研には「環境測定、調査、分析、及びそれらに付随するコンサルティング」というれっきとした本業、その実施の中で生まれてきた会社のルールがあります。私もそのルールに従いながら、会社の名誉や評判を対外的に背負って、少なからぬ業務を担当しております。それから逸脱して株式会社愛研の一員であることはあり得ないことです。

 ひるがえって薪ストーブ事業を中心に見ると、ただでさえ、ご依頼やご相談をたくさん頂いて「回っていない」のに、私がさらにそうやって「兼業」ないし他事業向けの会社ルールを無理に当てはめて運用していることに伴って、さらに回らない状況となっております。そこで私は前々回の記事に、このように書きました。

皆さんにご心配頂いて、あるいはご迷惑をおかけして、本当に申し訳なく、そこは本年中には何とか具体的に改善したいと考えているところ

aiken-makiss.hatenablog.com

 お分かりかと思います。今の会社、株式会社愛研を退職して、完全に独立した事業として立ち上げる――それが、この「答え」です。

 ただ、私がこの「答え」に至ったのは、自分でも「まさか」ということで、順当なら私の人生ではあり得ないはずの答えでした。

 そもそも、私にとっても「副業」のはずでした、薪ストーブ事業は。本業をしっかりやった上での「社会貢献活動」。事業と銘打つ以上、投入原価を最小限として展開することによって独立採算を目指しましたが、あくまでも本業あっての「副業」だったので、本業を超える注力はないはずでした。

 しかし結果として、副業だったはずの事業は、予想をはるかに超える反響を得て、今やご見学も、設計も、設置も、全てが「お待たせする」状況となり、また連絡など対応が不十分なことによってご不安にさせたりご迷惑をおかけしたりという事態を生じてしまうまでに成長しました。

 ただ、この状況を顧客視点として見れば、「副業」なのか「本業」なのかは、お客様にとって全く関係のない話です。とにかくご迷惑をおかけしている、この現状は、組織の仕事として、あってはならないことです。

 そしてそんな中、担当である私自身の中で、この薪ストーブの仕事の方が、本業よりも、遣り甲斐も、楽しさも、ずっとずっと大きくなってしまいました。会社の求める「正しいルール」に捉われず、自分自身だけで自由にやれば、もっと、多くの人に幸せを提供できる――至った確信は、逆に言えば組織人としての自らに限界を見出したことの証拠でもありました。

 振り返れば、私は本業においてパリッパリの技術屋であり、かつ組織人でした。社会人になって2年目にして、残業のつかない管理職となり、それ以降、薪ストーブ事業を立ち上げるまで、ほとんど常時、チームを率いる役割を負って、組織の成長こそを自分の生きがいと信じていました。

 すなわち組織あってこその自分自身、個人の自由や都合、ひいては信条よりも、組織が優先する――特に私が技術部隊を率いていた頃に部下だった皆さんなら、個人よりも組織の論理都合を優先し、技術上の成果を最大限にすべく、甘えも許すことなく最大のパフォーマンスを発揮するよう命令を出し続けた冷徹な上司である大屋を知っているはずです。

 そうやって、誰よりも組織人足らんとしてきた人間が、自分の心を偽らないと組織人としてあり続けることができなくなり、さらにその組織が、自分の関わる分野で組織としてあるまじき状況に陥っているなら……それは、もう組織人を辞めなければならない時が来ているというべきです。

 私が株式会社愛研を辞めることによって、会社のルールによらず、私自身のやり方で取り組みたい仕事に本当に集中することができます。やたらお待たせしてしまったり、連絡の不備で不安にさせたりとか、そういうこともなくしていって、より多くの方に、普段の暮らしで力を得て、人生幸せになっていただけるようになれると思います。

 さて、そんな「独立」に限らず、転職でも、会社を辞めるときには、残っている有給休暇を使い切って辞めるのが権利というか今や常識だそうです。株式会社愛研も全く例外ではありません。私だって会社を辞めた後のことを思えば、有休を取って新会社設立の準備期間に充てた方が絶対「有利」です。現に私の有休は「手つかず」のままで、今日から休んでも3月末までに使い切ることもできないほど残っています。

 でも、ずっと組織人として生きてきた私は、退職する最後のその日まで、この会社の組織人である実態を何よりも優先したいと思います。本業である環境コンサルティング分野では「株式会社愛研の一員としての大屋」が必要とされている仕事がまだまだありますし、薪ストーブの仕事だって、この事業をここまで育ててくれた組織に「今期売上」として、お客様の都合に支障ない限り会社に業績を計上するのが、組織人としての最後の筋、せめてもの恩返しというものです。

 そのようなわけで、3月末まで休み返上でやっても、終わるか終わらないかくらいの膨大な仕事量を、3月末までに片付けてしまわなければならないので、当ブログは休載とさせて頂きます。

 薪ストーブでお問合せ頂いたり、打合せさせて頂くうちに、いろんな方から「ブログ、楽しみにしています」と言って頂きます。どれほど嬉しく、励みになるか。逆に言えばブログ休載は大変申し訳ないですし、繰り返しになりますが、今後、会社を辞めて「これで」独立することを思えば、このブログくらいは、少なくとも続けておいた方が有利だろうとも思います。

 でも……うまく言えませんが、私は、賭けてみたいのです。人の世というものに、人生というものに。

 と、申しますのも、私の「本業」、環境コンサルティングの仕事に思いっきり絡む「問題点」なのですが……

 昨今の世の中の問題点を一言で言えば「ルールが複雑すぎる」ことに尽きます。複雑というのは、必ず「知っていればトクをする、知らなければソンをする」という「抜け道的側面」を持つようになります。誰も教えてくれないけど「抜け道」を知っていれば自分に有利にコトを進めることができる。

 それはすなわち、ルールについて何も知らず、表面通り、言われる通りに受け取り、良心的で真面目に自分の本業について努力してきた人ほど損をすることになる……それが世の中の多くの現実です、残念ながら。

 でも、その努力が本当の本当に「正しい道」なら、時間はかかるかもしれませんが、最終的には「報われる」、それが人の世の真理である。……ということに、ささやかですが、私も自分の人生を通して賭けてみたいのです。逆に言えば、どんなにトクをしてきたような人生でも、最後の最後には帳尻が合う羽目になる、そんなものだそうですので。

 すなわち、繰り返しになりますが、今の組織人としての仕事を途中であっても放り出して、丸々残っている自分の有休を新会社設立の準備作業に充てれば、短期的には間違いなく独立には有利です。それが「ルール上認められた権利」です。行使しなければ損というものでしょう。

 けど今なお「組織の一員としての私」を頼りにしているお客さんがいて、薪ストーブ事業を育ててくれた会社があります。ならば、私は退職する最後のその日まで、組織の一員としての良心とパフォーマンスを、会社のために最大限発揮するのが、損得を超えた「筋」でなかろうかと。

 ただ、そんなことを言えるのも、私の人生が運と偶然にとても恵まれているからに他なりません。たとえば「会社あってこその私」だったので、まさか自分が会社そのものから独立する日が来るなんて夢にも思っていませんでした。そんな人間ですから、会社を辞めるのが怖くない、と言えばウソになるのですが……今、それほど怖くありません。おかげさまで。

 なぜなら、私は、自分がこれまで薪ストーブ分野でやってきたこと、そして独立後にやろうとしていることが「真っ当な仕事」であろうことを知っています。それが今のところ、ごく少数の人にしかできないことであることも。それが確かな真実であることを、薪ストーブのある暮らしを求めてきた多くの皆さんが、私に教えてくれました。

 そういう「真っ当な仕事」であれば、それを必要としている「真っ当な人」も、いついつも、必ず、いらっしゃいます。お待たせをしてしまうかもしれないのは本当に心苦しいですが、「真っ当な仕事」は細々であったとしても、決して人の世からなくなることはありません。どうぞ諦めずに、情報の海の中をお探しいただけますよう……

 どういうことかと申しますと、私、これまで膨大な情報を出してまいりましたが、3月いっぱいをもって、これらの情報の大部分がこの世から消滅することになります。皆さんにはご迷惑をおかけして申し訳ない限りですが、「職務著作」というもので、いくら「私」が勤務時間外に書いた文章でも、会社の名義で公表されている以上「会社のもの」になるそうです。そして会社のものは会社のもの、という理由から、退職する人間による使用は一切認めないとの見解でした(ルールとして正しいと言えば正しいのですが、そういう運用こそが………ボソッと愚痴(笑))。

 

【2019年3月16日追記(法律に興味のある方のみお読みください);職務著作の定義は著作権法第15条第1項「法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。」を根拠とし、「1.法人等の発意」「2.職務上作成」「3.法人等の名義の下に公表」「4.別段の定めがない」の4つが成立要件です。ここで1.と2.には争いも残るかもしれませんが、3.当ブログの作成者名義については、社内の不特定の誰かのような内部分担を表示したものではなく(そもそも事業そのものが、費用の支払いやご請求の手続きと売上計上処理を除いて完全に一人でやってたものですけど……)対外的な著作者人格の表示となっており(読者の皆さんも、特定の個人が完全に一人で書いていると理解していたと思います)、当ブログでの作成者名義によって、当ブログの内容に会社が最終的に責任を負うことを表示したものと理解するには無理がある(要は、担当者個人によって発信されたコンテンツである)ことは明らかですので、当ブログは「職務著作」に該当しません。よって、このブログの著作権は創作者に帰属するという原則によって薪ストーブ事業担当である大屋個人に帰属しており、退職に伴う消去はありません。】

 

 いずれにせよ「私」は、会社を退職しても、ちゃんと、このWebのどこかにはおりますので、いったん見つけて頂きにくくなるかもしれませんが、また必ずお目にかかれるはずです。【訂正3月16日】とは申しましたが、著作権法の定めにより「職務著作」に当たらないコンテンツは、退職後もそのまま残りますので、とうぞ、ご安心を頂けましたらと!!

 もちろん「先のこと」、人間、どうなるかわかりませんが、私は、自分が運と偶然に恵まれただけで、本来は卑しく実力も乏しいこと――「己」を、ある程度でも知っています。だからこそ、真なるかな、善なるかな、美しきかな、ということを、いつも自分自身の行動指針としたいと強く思っていますし、私が、そういう人間である限り、必ず、このような仕事のスタイルで戻ってくるかと!!(笑)

 そういうわけで、私に組織人であることを諦めさせ、私の人生に、思いもよらなかった新しいチャンスをくれた会社のために、組織人として生きてきた私の「最後の筋」を通すべく、大変申し訳ありませんが、当ブログ、いったん「休載」とさせて頂きます。

 ただし、問い合わせやご相談は掲示板でも、直接のお電話やメールでも、引き続き、切れ間なくお受けさせて頂きますので、いつでもご遠慮なく♪

 冒頭写真、株式会社愛研による「愛研技術通信」2011年8月発行第61号『職員有志とその家族による「大平宿キャンプ」参加報告/大屋渡』に掲載されている、著者撮影による写真を引用させていただきました。会社の主力部署を率いていた頃、当時の部下が頑張って、家族参加イベントを開いてくれた報告を書いたレポートです。

 これを書いていた頃は、まさか、今日のようなこんな日が来るとは夢にも思っておりませんでしたが、それもまた人生というものでしょう。そんな運と偶然に恵まれ、「ご縁」だけで成立している人生を心から楽しみながら、私は一生懸命、仕事の日々を過ごしておりますので、あなたさまもどうかお元気で。

 それでは、また。ごきげんよう!!