超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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【モキ製作所MD80Ⅱ限定】大出力の、この上なく美しい炎を「安心して」楽しめる喜び

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 えーと、すみません、今回は「薪ストーブ」というよりも「モキ製作所」という独特なメーカーの、さらに「MD80Ⅱ」という一つの機種に限ったニッチな記事です。最近読んだニッチなテーマで面白かった記事と言えば、こちらの前・後編記事がありましたが……

www.makifuyu.com ……たぶん、モキMD80Ⅱなんて、名機ドブレ640に比べたら、薪ストーブとしては、さらにニッチじゃないかと思うので、この記事こそ、超絶ニッチな記事であると誇りに思うのであります(笑)

 どうしてモキMD80Ⅱが、そんなにニッチなのかと言えば、ドブレ640でネットでネットをググっても悪評らしい悪評なんてまず見ないのですが、モキMD80なんて、まあ、ネットでググると、悪評で満ち溢れています(笑)ホント笑っちゃうくらいに。

 真実を知る私に言わせれば、感覚ですが、その悪評の8割が、圧倒的な性能に対するやっかみと言いますか、ほとんど言い掛かりやこじつけに近いデタラメですが、2割は真実かなと。その真実の部分については前回記事に素直に(?)書きました。

aiken-makiss.hatenablog.com しかし、モキ製作所の薪ストーブの代表的な系譜をいちばん素直に体現するモキMD80Ⅱは、そんな悪評と裏表になるのですが「なんでも燃料にできる」という強みがあります。竹ですら燃料にできることを「公式に」うたっている薪ストーブは、薪ストーブ界広しといえども、このモキ製作所だけだと思います(もしあれば、ぜひご教授ください)。

  で、それだけでも充分楽しいのですが……弊社、そこにさらに改良を施して「iGブースター」というオリジナルの「二次燃焼促進装置」を組み込むことで、ノーマルにない価値を提供しております。

 私は、もともとは主に「低出力安定性」、昨今の高性能住宅等での運転を想定しても使いやすい、煙がさらに少ないことなどを、「iGブースター」の主なメリットとして捉えていたのですが……

  しかし、それを「主なメリット」と捉えるのは、誤っておりました。すみません!!弊社「iGブースター」を紹介するこちらの代表記事ですが

aiken-makiss.hatenablog.com

 この記事に登場するユーザーさんが嘆かれていた「ガラスが曇る」という問題、これが劇的に改善されることこそが、最大の効果だろうと!!私は、つい先日、考えを改めました。

 これまでも、お仕事での納品では、持ち込みヒノキ薪によって見ていたはずなのですが、前回記事の「落ち葉焚き」で遊んだ続きとして、ユーザーとして初めて試した大出力運転、そこでの圧倒的な炎の美しさに、私は、本当にしびれました!!

 こんな美しい炎があったかしら??とマジで思った「iGブースター」大出力運転での炎の様子、百聞は一見に如かず、ぜひ一度、ご覧ください!!

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 ちょうどお湯が沸騰し始めたタイミングでしたが、ものすごい温度で、天板上では、蓋からこぼれた水分が、水玉となって転がっていきました。動画でもうちょっと撮っておけば良かったなと思いますが、重いガラス蓋は蒸気圧で激しく持ち上がり、沸騰の様子は「グラグラ」もいいところ、あまりの熱量に怖いくらいでした。

 しかも、この動画でも、薪ストーブの熱で強制乾燥中である状態【注意点はこちらの記事】

aiken-makiss.hatenablog.com

の、捨てるしかないとも感じられるような「薪」が、薪ストーブの周囲に素直に映っていますが「なんでも燃料にできる」にたがわず、ぶっちゃけ野積み状態に近くて湿っていたり、二股グネグネで割ろうにも割れなかったり、そういう薪を燃料にしていて、この出力、この炎の美しさなのです!!

 普通の薪ストーブなら見向きもされない、捨てられたり、都市ごみ焼却施設で燃やされるしかなかった「命」、それが、これだけの美しい「仕事」をしてみせる……

 モキ製作所の薪ストーブは、もちろん、ノーマルだって「そういう仕事」はできるのですが、ユーザーさんならご存じの通り、どうしても、ガラスがすぐに曇ってしまいがちで、炎の様子を「安心して」楽しむというのは、なかなかできないのです。

 安心、というのは、具体的には空気量を絞ってもガラスが曇らないのです。モキ製作所のノーマルの薪ストーブでガラスを曇らせないための運転条件では避けることができない、薪がどんどん減っていくという「恐怖」に苛まれることなく、良好な熱の取り出しと暑すぎない燃焼で、このような炎の美しさを楽しむことができます。

 これこそ「iGブースター」ならではの真価、本当にすごい価値だなだと……これを開発した「いで爺さん」(掲示板でお馴染みです)、それから性能検証を担当して頂いた北海道の某名門メーカーの設備導入のプロ「北のさん」(今も掲示板にHN残ってました!(笑))、製品として作成する名古屋の某鉄工所さん&パートナーM工務店……それらの皆さんに改めて感謝するとともに、皆さんとのご縁を生かして、これを製品として世に出した自分自身を褒めたいと、素直に思いました。

 ぜひ、多くの方に、この「喜び」を味わって頂きたいのですが……また、どうやって見つけて頂いているのか、現に色々、全国から「iGブースター」についてお問い合わせを頂いているのですが、この記事を機会に、弊社だけのオリジナル「iGブースター」(税別5万円です)の販売方針等についてまとめておきます。

 まず、大変申し訳ありませんが、「iGブースター」は、燃焼そのものに関わる改造ということで薪ストーブ本体供給元であるモキ製作所(メーカー)との申し合わせにより、あくまでも「代理店」の立場である弊社は、原則として弊社の直接のユーザーさんだけ、しかも直接納品説明を行う条件での販売に限らせて頂いております。

 これは、実際問題、薪ストーブとしては非常識というほど火がつけやすいノーマルMD80Ⅱに比べたら、ですが、「iGブースター機」は焚き付け方法も設置条件も「特殊」で、通販的に、ただ送って「さあどうぞ」というわけには参りません。弊社としての責任がありますので。

 ただ、ご事情と、状況を詳しくお聴きしまして、弊社としてメーカーとの申し合わせの趣旨に合致すると判断した場合には、弊社の直接のユーザーさんでなくても、特例として販売させていただくこともないわけではありませんので、「どうしても」とおっしゃる場合は、この記事末尾の窓口リンクから、個別にご相談下さい。

 あと「MD120Ⅱでは使えないのか?」というお問い合わせも、今シーズンからたまに頂くようになったのですが、残念ながら「iGブースター」は、MD80Ⅱ専用です。開発&検証環境がMD120Ⅱで得られていないのと、この5万円という価格ですら、スケールメリット(大量発注条件)でようやく実現させている価格なので、MD120Ⅱでのリリース予定は今のところありません。

 次に、使用方法に関してですが、焚き付けに関しましては、こちらの記事にありますように、ノーマルに比べたらですが、はるかに難しく、準備が必要です。

aiken-makiss.hatenablog.com

 そして、動画のような、大出力状態まで持っていくには、詳しく書くと、次のような4ステップが必要です。

  1. 通常の小出力運転と同様に、燃えやすい焚き付け材を用いて、種火から「1段目」に炎を移します。「1段目」と次の「2段目」には、必ず、よく乾いた材をご準備ください。
  2. 「一段目」から「2段目」の針葉樹細割などに炎を移して、充分に本体の温度を上げます。ここまでは、扉半開を確実にして、充分炎が拡がってから、次の「3段目」、本燃焼の薪を入れます(あるいは、本当の小出力運転では、ここで「3段目」を入れずに扉を閉め、「2段目」の細割だけで運転を継続させます)。
  3. 本燃焼の「3段目」の薪に火が移れば、扉の開閉状態を「半開」から「全閉」にして、「iGブースター」運転状態にします。ここで、「2段目」の薪でしっかり温度を上げていれば、「3段目」は乾燥が多少甘くても何とか燃焼は継続できますが、空気量はあまり絞ることができず(消えやすい)、空気量が多いため薪の消費は早く(あっという間に燃え尽きる)、温度は上がりにくく(水分蒸発で熱が食われる)、燃焼そのものが目的化してしまう恐れはありますので、乾燥の甘い薪は、やはりお勧めしません。
  4. しかし「3段目」にも充分に乾燥した燃えやすい薪を用いて、しかも「炎の量を増やしていく」つもりで、燃えやすい薪の投入量を増やしていけば、本体温度はどんどん上がっていって、空気量はむしろ絞っても、かなり安定して燃えるようになります。この「空気量を絞っても安定している」状態まで持ってこれたら、安心して、グネグネで割ることもできずに乾燥が甘くなりがちな素性の悪い薪も、動画のように美しく、楽しく燃やせるようになります!!

 「うわ、面倒」と思われたかもしれませんが、実は、充分に乾燥した、よく燃える薪さえあれば、4ステップ意識しなくても、ごく自然に、この大出力状態の、この上なく美しい炎を、安心して楽しむことが可能です。やはり「準備が大切」ということですね、「薪ストーブ」の原則。「焼却炉」ではないので!!(笑)

 そのようなわけで「薪ストーブ」の原則論を結論としながら、モキ製作所MD80Ⅱ限定となった今回記事でしたが、最後に、薪ストーブ導入をご検討中の方へ。

 私は、この記事にもありますように、「環境の産物であると同時に、環境を左右もしている生き物の命を、種類においても量においても、いかに有効に使えるか」を最も重視する環境原理主義者であり、ノーマルMD80Ⅱには、立派に、それを満足させるだけの価値があります。

aiken-makiss.hatenablog.com 逆に言えば、炎の美しさを売りにする、従来型の鋳物製の薪ストーブを、私は「そんなものよりも、もっと大切なことがある」と事実上否定すらしてきたわけです。しかし、そんな私にも、思わぬ「炎の美しさに無上の喜びを感じる」嗜好的な、贅沢な欲求が、自分自身の中に確実に存在すると改めて思い知りまして……

 皆さんにも、できれば、「命」の価値を最大限に発揮させることと、贅沢な欲求は、ぜひとも両立させていただきたく。薪ストーブをご検討になさっているあなたからの、ご相談、お問い合わせをお待ちしております!!  世の中に、幸せが増大することを願いまして。それでは!!