超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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強い火力のままの燠火でも「高さ」の工夫で自由自在

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 昼間から薪ストーブを焚いていたある日の夕方、パーティメニューを任されたわたくし、暖房と料理の状況を考え抜いて、「あと一品」メインディッシュたる「牛やわらかステーキ」を残すまで漕ぎつけたことまで、前回お話ししました。

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 状況は、天板料理が終わったばかり、炎が収まっただけの非常に強い燠火。薪ストーブの燠火料理を失敗しないための基本は「燠火がちょうど良い具合に収まるのを待ってから行う」ということですので、本当は待つ必要があります。燠火の強さを舐めてはいけません。待たないと火力が強すぎて、あっという間に焦げ焦げの失敗です。

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 しかし、この時は、「待てない」二つの制約事項がありました。

  1. 進行の都合上、速やかに立ち上がって、速やかに燠火になるように木の種類を選択したので、燠火の持ちが基本的に良くない(短時間で消えてしまう)。弱まってちょうど良い具合になってからの開始では、そもそも火力が全く足りない可能性がある。
  2. 牛ステーキを最高に美味しく焼くには、表面を強火で焼きつける一方で、中に火を通すのは穏やかな火力でじっくりというように使い分けたい。じっくりという部分を含めると、燠火料理の時間は長く確保したいので、開始時間そのものを早める必要がある。

  そこで、もう、強い燠火であろうと、すぐに牛ステーキを焼き始めたいのですが……牛ステーキは、最初の強火の段階では、ともかく表面だけでないとダメです。中に火が通っては「いけない」。短時間でさっと炙る、にしても限界があります。

 その時、答えは簡単なのです。誰でも考え付くことかもしれませんが、燠火から距離を取ってやればいい。網の保持の「高さ」を変化させるわけです。連続可変させられれば理想的ですが、我が家では三種類の高さを使い分けています。

 一番高い、つまり燠火からの距離が遠いのは冒頭写真の「スタンド」で、二番目は「五徳」、三番目は「灰から少し顔を出しただけのレンガによるほとんど直置き」です。私は、この三種類の網の高さを、燠火の状態や目的に応じて自在に使い分けています。当ブログではじっくり写真が撮れる三番目が最頻出ですが、注意深く見て頂けますと、変化させている写真も実はあるのです。

 スギのような「非常に短時間で消えてしまう燠火」でも、強い燠火の段階から、これを順に適用していけば(燠火の強さが弱まるのに応じて網の高さを下げていく)、切り替えは少しだけ手間ではありますが、燠火利用としては、かなり長い時間を稼ぐことができます。

 これは、MD80Ⅱでも「初期型」であるために、iGブースターが使えない我が家、本当に悲しいのですが、ここまでの網の高さの可変はノーマルならではの「利点」でもありまして、それはそれで自分自身を慰めているところです(笑)

 逆に言えば、弊社おススメのiGブースターも、ここはノーマルに比べて劣る欠点でして、今のところ、私も網の高さとしては1つだけしか設置方法として推奨できておらず、すみません、iGブースター機で燠火料理を思いっきり楽しむ場合は、「高価な薪」による質の良い燠火を用意して頂くか、あるいは我が家のように穏やかな炎の美しさとか、そういうのはきっぱり諦めて頂いて、取り外してノーマルに戻してお使いいただけましたらと……

 で、話を「牛やわらかステーキ」に戻します。燠火料理として、遠赤外線の真価を発揮させるのは、やっぱり表面です!!牛肉の表面のごく薄い深度までに限定しながらちゃんと火を通す、遠赤外線の特性についてはこちらの記事でオタッキーに紹介しました(笑)

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 そういう理屈はともかく、いわゆる「遠火の強火」という焼き物調理の基本を地で行くためにも、強い燠火&高さのある網の組み合わせは最高に合理的です♪さっと、表面に火が通りました。でも、このまま焼き続けると、中の「レア」が実現できなくなりますので、すぐにと火から降ろしてしまいます。

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 ……で、ここで登場するのが、これまた我が家お得意の、超耐熱セラミックスの鍋。これを使った超美味しいステーキの焼き方は、すでにこちらの記事で紹介しました。

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  このときも、基本的に、この記事のやり方を踏襲したのですが……もうちょっとだけ工夫というか、変法を。ピザでのノウハウを踏まえながら。

 やっぱり「どこが超簡単やねん」という苦情が飛んで来そうですが(笑)でも、調理で工夫するって面白い。うまくいかなくても勉強になるし、狙い通りにうまくいって「美味しい!」って言ってもらえたら、「やったぁ!」って、ものすごく嬉しいですから♪

 次回は、その工夫をもうちょっと具体的に。工夫と言っても、そこは「超簡単」、たかが知れています。誰でも思いつくようなこと。およそ料理というものは「なぜ?」さえ知れば、基本的に「ちょっとしたこと、だけど、そこにちゃんと配慮したら、ちゃんと美味しい♪」という「ひと手間」「ひと工夫」、いわゆる「コツ」に帰着できるのだと思います。だから楽しい。

 私がやっているのも、単に薪ストーブの特性を、料理のコツに合わせ込んでいるだけです。だから、凝ったことは何も出てこない、こんなお気楽な(?)記事になってます。

 それでは「一夜のパーティーメニュー」シリーズもいよいよ最後、次回も乞うご期待~~♪