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超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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薪棚?ありません。エンジンチェーンソー?持ってません。でも、ひと冬の暖房代を2万円以内で納めるには?④

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 ちょうど昨日のことですが、これまで、この仕事をしてきて、一番悲しかった出来事がありました。ユーザーさんへの私のフォロー不足からきたこと。薪の乾燥にまつわる問題です。このブログにしても、もっと早く書いていれば防げたかもしれない。

 ですので、前回は、能天気にピザのこと書きます、と言いましたが、やっぱりこの「薪を乾かすこと」について、先に、ちゃんと書いておきたいと思います。どうかお付き合い下さい。

 さて、このシリーズの一番最初に書いたように、ユーザーとしての私は、今思えば本当に自分でも不思議なのですが、本当に何も知らず、また、何も調べずに、ただ単に薪ストーブを設置しました。薪をどうするか?については、ま、なんとかなるだろう、と高をくくってました。根拠なく。量とか乾燥とか何も考えずに。

aiken-makiss.hatenablog.com

 当然、すぐさま「薪の問題」に直面することになりました。しかし、私が「たまたま」手にしたモキ製作所の薪ストーブは、極めて「実用性能の高い」ことが特徴ですが……

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 実は、「乾燥不足の薪」に対しても、ムチャクチャ強いストーブなのです。薪ストーブとしては、本当に常識外に強い。開発者の茂木国豊社長がその部分に「軽く」言及している取材記事があります。

 

茂木さんのストーブは鋼鉄製で壊れない。

広葉樹はもちろん、針葉樹や竹を燃やしても煙が出ない。

高温なので、細く割らずに丸太でもOKだとか。

生木も通常の半分、半年も乾燥すればいい。

   現場にアタック│森本毅郎・スタンバイ!|TBS RADIO AM954 + FM90.5

 

 これは「取材」なので、とても控えめな表現になっていますが、茂木国豊社長の口からだったと思うのですが、私は生々しい開発ストーリーの一部を伺ったことがあります。

 

「生の丸太が、ジュージューと音を立てながら燃えていく。信じられなかった。なんだこれは?と」

 

 私の記憶ですので不正確かとは思いますが、茂木社長が開発中の薪ストーブを、公的機関(工業試験所)に持ち込んで「果たしてこれがホンモノがどうか」という検証を依頼するに至った経緯として語られた言葉です。本当に常識外の燃え方をする薪ストーブ。モキ製作所の新工場落成祝賀会に参加した際には、その当時に工業試験所側の実際の検証者だった方もみえていて、茂木社長を讃えていましたから、本当のことだったのでしょう。

 でも、このモキ製作所の薪ストーブの「乾燥不足の薪」に対する強さは、当時、全く知らなかったし、そして何よりも、そんな「強み」は私には、全く無縁のことでした。今でも、無縁ですし、ユーザーさんにも、このことを「強み」として話したことは一度もありません。だから、この話をするのは弊社膨大なWebサイトやFacebookページやこのブログを含めて初めてです。

 なぜなら、私の今につながる「原体験」でもあるのですが、何の準備もなしに「薪ストーブのある暮らし」を始めた私が、ただただ追い求めたものは、次の一点でした。

 

「いかにして、少ない薪で、安定して、うまく燃やすことができるか??」

 

 モキ製作所の薪ストーブは、乾燥不足の薪に確かにとんでもなく強い。でもそれは、茂木社長が語ったエピソードにおいてももちろんですが、「大量の薪が燃えている状態」に限られるのです。高温燃焼が「生木でも燃える理由」なので当然ですが、薪がたくさん必要ですし、逆に言えば、薪がたくさんなければ、その特徴は発揮されません。

 何の準備もなかったが故に、できるだけ少ない薪で、煙も当然神経質に気にしながら、なんとかうまく燃やそうとした、ユーザーとして駆け出しだった私には、「薪がたくさん」なんて、本当に縁のない状態でした。

 その結果、すぐさま、薪の乾燥具合が、燃え具合をあまりに大きく左右することに気が付きました。うまく燃えるか、燻るかにものすごく影響する。そういった自分の気付きと同時に、「いかに上手に燃やせるか」を求めて、はるばるモキ製作所の本社まで聞きに行ったのが、ユーザーとしての私、この仕事における「原体験」なのです。

 今、普及事業を手掛ける側になって、ですから、私は、薪については「それほど心配はしなくても、何とかなります」とは言いますが、薪の乾燥が不充分で良いとは全く思っていないのです。煙もストレスになるし、温度が上がらないのもストレスです。

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 でも、私は、ユーザーとしての頃から、薪ストーブでいわれる「常識」には、疑問を持っていました。「常識」では、薪の乾燥については、だいたい、こんなことを言われています。

  • 薪は、雨のかからないようにして乾かすこと。「薪棚」が一般的。
  • 薪は、原木を割った後、薪棚において、1年から2年乾かす必要がある。

 幸か不幸か、私は「森の案内人」のプロとしての資格である「森林インストラクター」でもありました。実際の森の中の状態は、普通の人よりは、たぶん、ずっとよく知っています。森の中に雨のかからない場所なんて、まずありません。でも、枯れ木は、湿った森林土壌に接している部分を除いて「ちゃんと」乾いているのです。

 

 「雨のかからないようにしなければ乾かない、なんて嘘だ。雨ざらしでも乾く。」

 

 また、私は何故だか、木材を海に浮かべて置いてある貯木場でも木は乾いていくということも知識として知っていました。

 私には準備も常識もありませんが、知恵と工夫だけはありました。それで、よし、要は乾けばいいんでしょ??じゃ、雨ざらしでも全然かまわないから、我が家で一番乾きそうな場所に置いてやれ!!

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 この「カーポートの上作戦」は、見事に当たりました。生木が、たった2ヶ月で、薪として使えるぐらいに乾燥しれくれたのです。先ほどのFacebookページの続きとして、実際の日程も含めた一連のレポートがあります。このブログの「詳細技術解説」のようなものです。お時間があれば、是非どうぞ。我ながら楽しく読めます。

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 大切なのは「乾燥のやり方」なのです。前回、薪ストーブ生活を、美味しい干物を食べることにたとえました。干物は、まず開かないと始まりませんが、美味しい干物の本質はあくまでも「乾燥」です。

 話がちょっと逸れますが、森の王様とも言われる「ブナ」っていう樹をご存知ですか?世界自然遺産である白神山地の天然林などとして有名ですね?極相林を構成する、とても立派な樹なのですが……

 漢字では「橅」つまり、「木」に「無い」と書きます。これは、かつて、ブナが伐り出しても非常に腐りやすくて、乾かそうにも腐ってどうにもならなくて木材として利用価値がなかったことから来ているんですね?逆に言えば「だから」白神山地が残った。

 それが戦後の蒸気加熱や送風による乾燥技術の発達によって、ちゃんと利用できるようになりました。いったん乾燥さえできてしまえば、家具や建材に大活躍です。曲げ加工に適しているので、工芸作品でブナ材で出来た椅子とか、ご覧になったことありませんか?

 何が言いたいかと言いますと、乾燥のやり方次第、なんですよ。価値が発揮されるかどうかは。後日また書きますが【追記;この次の記事、シリーズ⑤で書きました】、我が家では、今、緊急事態に備えて、贅沢にも「サクラ」で対応しています。でも、これ、半分腐っているんですよね……割らない幹のままで、地面の上に、置いておいたものなんですけど。こんなことで。

www.ai-ken.co.jp ……要は、売れなかったもんですから。で、サクラなんかだったら、地面に置いておくだけで、乾きもしますが、同時に腐ってもいくのです。大事なことは、乾燥をどうすればいいのか、というのも「本当は」木による、ということです。ここは本当は大事です。

 サクラは「贅沢な木」だけあって腐りやすいのです。ブナよりはマシなんでしょうけど。でも、売れ残って、腐り残ってくれたおかげで、我が家は、今シーズンの薪不足を乗り切ることができました。「売り物」にはなりませんが、充分暖かいです♪

 で、ここまで来て、やっと(?)本題です!!どんな方法でも、腐らせることなく、とにかく乾かすことが出来たら何でもいい。でも、雨のかからない薪棚がやっぱり優秀だし、あれば越したことはない、と私も思うのは、そこに並べて置いておく時間さえたっぷり(1年とか)ある限り、「どんな木であろうと、何も考えなくても置いておくだけで」いつかは、腐らずに確実に乾いていってくれますから、ラクなんですよ。実に。

 だから、薪棚が作れるんであれば、どんどん作れば良いと思うのです。本当に。その方が何も考えなくていいからラクだもの。

 でも、残念ながら、我が家には、薪棚を作る資金も、技術も、体力も、時間も、そもそも場所がありませんでした。だったら、知恵と工夫と手間でなんとかするしかないじゃないですか。

 では、大切なこと。そんな「本当に乾いているのかどうか、世間的ノウハウはどこにもない」という「知恵と工夫次第」に追い込まれた時、腐っていない、というのは「見ればわかる」にせよ、「乾いたか」は、どうやって見分けるか??

 私が、まず「第一条件」としているのは、冒頭写真、木口の割れ目なのです。冒頭写真はカシ、相当硬くて重厚な種類の材ですが、ちゃんと割れ目が入っています。感覚的にはさらに重厚なミズナラやアベマキも……昨日の悲しい出来事があって、自宅に戻ってから改めて確認しましたが、充分乾燥すれば、ちゃんと、割れ目が入ります。

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 左が、我が家では一番の超重厚なアベマキ、右が、その、半分腐っちゃったサクラを無理やり乾かしたものです【追記:次回記事シリーズ⑤参照】。いずれも、私が判断した「燃やせるレベル」に達しています。アベマキはしっかり、サクラはギリギリ。

 長くなりましたが、次回、また詳しくお話しますが、「燃やせるレベル」かどうかは、最後は「実際に燃やしてみた感覚」以外にはないのです。水分計とかありますが、あれが正確な数字を表しているかどうか、私には全く想像できなくて……

 しかし、いくら私が「燃やせる、燃やせる」と言ったって、やっぱり、客観的な数値が必要だと思います。カーポートの上で何ヶ月間か雨ざらしにしておいただけで、本当に含水率が「燃やせる」レベルまで下がっているのか?

 水分計、なんて、そんな「安易な計測」はいたしません。真実を何よりも重んじる当ブログ、そして、弊社、「環境測定分析」を本業とする会社でございます。冒頭写真の木材、含水率は本当にどのくらいなのか??「プロ」が本気出したらどうなるか?!!

 私のフォローが不足していたばかりに、ユーザーさんに悩みを抱えさせたままで、実際に暖かくない状態でガマンさせてしまったことは、本当に重く、心など少しも晴れません。しかし、今となっては、私には面白おかしく、このブログを書いていくしかありません。

 次回も乞うご期待。