超簡単薪ストーブ調理

当社で販売している薪ストーブで、どんな冬の暮らしが待っているかを紹介しているブログです。  興味を持って頂けましたらぜひお問い合わせ下さい

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生木も「過酷な環境」であれば、冬季33日間の乾燥でも薪として使える??

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 【2020年10月5日追記;検索で上位になってしまう当記事ですが、ノウハウとしては少し古い(不充分)です。最新のノウハウはこちらの記事中段以降。冒頭実測グラフの説明ですが「細く割る」ということが、決定的に有効です。】

aiken-makiss.hatenablog.com

 薪ストーブのある暮らしが実際に幸せなものになるかどうかは、本体や煙突の設置もさることながら、実際に暖かさも、料理の美味しさも、実は「薪の質」が大きく影響するというのは、当ブログでは非常に重要なテーマでした(カテゴリー「薪のはなし」をご参照下さい)。

 そして、木の種類もさることながら、乾燥状態が本質的に重要で、「いかに早く乾かし、燃やすときに良い状態にしておくか」を巡って、早く割ること、割った面から水分を飛ばすこと、直前に濡らさないことの重要性をお話してきました。

 それらの記事は、基本的に「重い話」が少なくありませんでしたが、今回の記事は、追加的な事例報告として、条件によっては、かなり早く乾くのかも??という耳より情報(?)のお知らせです!!

 さて、こちらの写真。先日、2017年3月18日に撮影されたものです。当ブログでは何度かご紹介した、我が家の薪の乾燥方法「カーポートの上で雨ざらし天日干し」作戦。

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 この薪は、その33日前に、造園屋さんから頂いた剪定で出た生木を、割って、カーポートの上に並べたものでした。

 カンカン照りの夏なら2ヵ月で乾くことは知っていましたが、いくらなんでも、2月から3月にかけて、1ヶ月で乾くなんて思ってもいなかったのですが、手に取って驚いたのが冒頭写真です。

 

 どうも、乾いているっぽい……

 

 木の種類にもよると思ったので、他の薪も見てみましたが、確かに、木の種類によって差はありますが……重厚な広葉樹(カエデ系?樹種不明)※追記「ムクノキ」でした。間違いありません。ケヤキ以上に超硬くて重い、薪には最高の樹種です。

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 マツ

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 やっぱり、木口に割れ目が入っていて、乾いていそう。叩き合わせた音も、いちおう、乾いた音をしています。私、本当に驚いてしまって……ホントに乾いていたらすごいなと、冒頭写真と同じ木の種類の薪ですが、見かけはよく乾いているように見えるこの薪を会社に持って行って、水分量、含水率を正確に測ってみたのですね?

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 で、実際に測定用電気オーブンで、105℃加熱一週間で、カラッカラに乾燥させてみたあとの薪がこちら。

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 見かけ上は変わりませんでした。皮も健全。ちなみに、この含水率の測定方法についてはこちらの記事にて紹介しておりまして、そのときの「検体」はカシの木でしたが、皮はボロボロになってしまいました。

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 あれ~~?電気オーブンでも乾かなかったのかな~~と思って、重量を測定しましたが……

 オーブン加熱前:1,241グラム

 オーブン加熱後:926グラム

 ということで、この見かけでも、ちゃんと315グラムの水分が吹っ飛んでおり、含水率は25%(湿重量ベース)という計算になりました!!

 やっぱり、2月から3月にかけての33日間では、含水率を、薪の基準として言われる20%以下にまで下げることはできませんでしたが、それでも、そこそこのところまで持っていけています!

 で、シーズン終盤、完全に薪を切らしてしまっている我が家、33日乾燥の各種の薪を、実戦使用で燃やしてみました(笑)……樹種によってはかなり厳しい(燃えにくい、暖まりにくい)ですが(逆に、マツなんかは燃えやすかった!)、実際の全般なところとしては、そうジュージューとか言うこともなく、薪として使えなくもありませんでした。もっとも、これはやっぱり「水分に強いモキだから」かもしれませんが……

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 そこで、まあ、やっぱり、我が家では、これらの33日乾燥の薪は、薪ストーブの輻射熱で順次、強制乾燥させながら使っています。あくまでも準備不足を切り抜ける非常手段、決して推奨しない強制乾燥についてはこちら。

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 だから、いずれにせよ、薪の乾燥ってのほ、甘く考えない方が良いと言いますが、準備を周到に行うに越したことはないのですが……我が家でも、今シーズン、調理ブログを書くからとか、調子に乗って使い過ぎた「反省」を活かし(けど、楽しかった~~♪)、来シーズンに向けて色々調達に努力しようと思っているのです!!

 ただ、今回わかったのは、我が家のカーポートの上、雨に打たれても、晴れれば天日はサンサンと降り注ぎ温度は上がりますし、波状の鋼板の上に平置きなので風通しも最高です。要するに「生き物」にとっては「過酷な環境」。少なくとも、そういう条件の場所であれば、生木の乾燥は、思ったよりも早そうだ、ということで♪

 しかし結局は、薪の乾燥は「条件次第」。私は化学実験屋としての経験から、とりわけ「風通し」が最も重要ではないかと考えております。

aiken-makiss.hatenablog.com 

 そういうわけで当ブログ「本編」は、前回で終了しておりますが、追加情報その一、いかがでしたでしょうか??薪の乾燥って、本当に奥が深くって、薪ストーブの世界では有名なブログを書かれているこの方(本体Webサイトでは私の理解不足をご指摘頂きました。その節は誠にありがとうございました)も、本当に詳しく、考察や実証試験をなさっています。突き詰めていきたければ、さらにお調べになったり、ご自身でもやってみたりされても良いかもしれません(私は「超簡単」を標榜しますので、やりませんが!(笑))。

is-firewood-burning.com

 それでは、次回、追加情報その二は煙の話です。乞うご期待~~♪